【新⽣⽇本代表選⼿の個⼈成績と評価〜その4︓捕⼿と内野⼿】

谷川まき(B-)
17打数4安打(0.235)1打点1四球4三振1三塁打
アメリカではヒットを3本放ったが、ジャパンカップでは当たり損ねの1本のみ。当初5番を期待した割には十分な結果を残せなかった。この点、日本リーグで強打者の名を欲しいままにしてきたのがかえって低評価に繋がるという不利な面もあるが、やはりそれでも谷川の打撃に関してはもっと多くのものを期待してしまう。アメリカでのヒットもやや力の劣るイタリア戦で2本と、強いチーム相手に良いところでの1本というのが出なかったようで、その辺りはいつもの谷川を越えられなかったのだろうか。
リード面については完全にレギュラーとして扱われたUSAワールドカップを見ていないのでよくわからないが、ジャパンカップでの起用法を見るとどうも首脳陣の期待する力は発揮できなかったのかも知れない。大いに期待され人生で最高のチャンスをもらった今回だったが、どこまで本人は手応えを掴めただろうか。個人的には、この経験を糧にしてリーグ後半戦で外国人投手相手に打ちまくる成長した谷川の姿を楽しみにしたい。

 

峰幸代(B)
8打数1安打(0.125)0打点3三振
今回はほとんど出番がなかったが、今さら峰の力を改めて試す必要もないし、正直勝ち負けを度外視して新戦力を見極めていた部分もあるのでたったこれだけの出場に終わったのだろう。乾がもう卒業し、鈴木由香(ソフトウェア)や吉田真由美(戸田中)もいなくなったとなると、峰に続く捕手の育成が緊急の課題であり、それはとりもなおさず谷川に経験させるということだったのだろうからだ。
打撃に関しては、ところどころで捕手として出ながらの8打席で1安打という結果は、良いも悪いも評価のしようがない。ただ内容的にはフィンチに対してしぶとくファールで粘ったりと、やはり峰は打者としては世界レベルで渡り合っていけるものを確立しているのだなという実感を改めて持った。
それ以上に峰の力を再認識させてもらったのがジャパンカップのアメリカ戦でのリード面。とにかくあのアメリカの打者が手も出させてもらえないくらい裏をかかれたり翻弄されるような巧みなリードを展開し、染谷と藤原で初回のフィンチの2塁打による失点だけで抑えきった。この二人の投手ともに、投げていて実に楽しいリードだっただろうし、峰自身も上野相手とはまた違った捕手としての楽しさを感じたのではないだろうか。とにかく峰は良い捕手だということを再度認識させてもらったジャパンカップだった。

 

小柳薫(B-)
11打数2安打(打率0.189)0打点0犠打2三振1二塁打
全日本の代表として台湾戦で強烈なヒット2本と衝撃的なデビューを飾ったが、この大会の直前に台湾でワールドゲームズが行われその延長として打席に立てた気楽さがあったからかも知れない。といううがった見方をしてしまうほど、その後の3試合の打席に内容が乏しかった。ただ漫然と打席に入って相手投手に翻弄され凡打を繰り返した。やはり大学生レベルでいくら打つとはいっても実業団で揉まれてるのとは違うんだろうな、というのが正直な感想である。
ただ打撃に関する期待外れとは裏腹に、守備に関しては衝撃的だった。グラブ捌きも柔らかく打球に対する反応やスローイングも早くて力強く、むしろ一塁守備で超一流になれそうな予感を抱かせた。

 

溝江香澄(B)
12打数3安打(0.250)1打点1犠打3四球1死球1二塁打
初めての代表にしては及第点。松本と併用の形だったが結果は互角、首脳陣の信頼度も互角だったか。正直、打つほうではもう少し上の記録を残したかったし、長打ももっと欲しかった。その実力はあるのだから少し物足りない。せっかくキコさんが仙台まで応援に行ってたんだから、仙台で良い所が見たかった。ただ一つ一つの打席を見ると、簡単にアウトにはならないし、守りでも無難なところを見せてくれた。これからさらに楽しみな二塁手だ。

 

西山麗(C+)
20打数2安打(0.100)1打点2四球3三振1犠打
まさかの打率1割であった。もともとそんなに突出した記録を残すような打者ではないが、五輪でのオーストラリア戦でのサヨナラヒットのように印象的な活躍をするタイプ。今回もジャパンカップの最終回にフィンチからノーヒットノーランを阻止するヒットを放った。それで文頭に戻るんだが、まさかそれも含めてヒットがたった2本だけとは思わなかった。まあでも、トータルの結果は悪くてもフィンチ相手にも期待できる、それが西山なのだから、最後の1本で最低限の役割は果たしたのかも知れないが、しかし五輪組としてはちょっと不甲斐ない。
ただし守備は完璧。あの遊撃守備は世界一だろう。あの守備があれば、どんなに打撃の調子が悪くても評価はCに落ちない。でもあえてCだ。喝!

 

松本尚子(B)
16打数3安打()2死球2三振1犠打1三塁打
西山がショートにいるためにセカンドでの守備にもついたが、アメリカ戦での好プレーのように随所にいい守りを見せてくれた。やはり松本の守備は巧い、という信頼感は得ただろう。これがキッカケか国体予選でもセカンドを守っていた。そのときのショートがなんと織機の狩野亜由美。狩野は高校時代ショートで全国制覇したほどの内野手だからというのもあるが、どこでも守れる松本がいてこそ。こういう選手は一人いると本当に便利だ。
今回の代表では新たな代表選手を発掘するという目的も大きかったと思うが、この松本と次の坂元が出てきてくれたことが何よりの収穫だったのではないか。いつも笑顔でニコニコ、誰にでも気軽に話しかけられる明るい性格、そんなところも松本の良さだろう。そうやって外せない選手に育っていくのだから、もう少し打撃の成長を。リーグでも超一流投手を相手に決勝打を打てるくらいの打者に何としてでも育ってほしい。一松本ファンからの切なる願いである。

 

坂元令奈(A)
24打数8安打(打率0.333)6打点1犠飛7三振1二塁打1本塁打
さて最後になったが今回の大会での1番の収穫がこの坂元。チーム唯一のホームランも放ったし良い所でのヒットも多かった。7番サードでスタートしたこの夏の国際大会、5試合目からは5番に上がり、その後6試合は堂々と代表のクリーンナップの一員といった感じだった。ジャパンカップではやや成績を落としたがUSAワールドカップ終了時では4割を超えていた。ジャパンカップ最後のアメリカとの2試合では6打数0安打4三振と数字上は完璧に抑えられているが、いい当たりをしながらファールでしつこく粘るなど簡単な三振は一つもなかった。
USA・WCでも、Cechetti(伊)、Bloeming(蘭)、オスターマン(米)、Caira(加)、Lawrie(加)と、豪州のスメザーを除く各国のエースからヒットを放っているのも頼もしい。このどんな相手からでもヒットを打てるところが坂元の最大の魅力である。
とにかく、今まで代表には無縁、高校時代から実業団の戸田中時代を通じても目立った成績がなかったことを考えると、まさに突如現れたと言った感じだろう。これからがもっともっと楽しみだ。

 


 

谷川まき(太陽誘電)
オーストラリア戦(5番キャッチャーで先発出場-USA・WC)
一ゴロ(犠打失敗二封、2回表1死一塁、対スメザー)
一邪飛(4回表0死一塁、対スメザー)
イタリア戦(5番キャッチャーで先発出場-USA・WC)
右三塁打(2回表先頭打者、対Cecchetti)
四球(3回表2死無走者、対Cecchetti)
右前適時打(5回表1死三塁、対Cecchetti)
オランダ戦(5番キャッチャーで先発出場-USA・WC)
空振り三振(1回裏2死無走者、対Scheele)
中飛(3回裏2死無走者、対Bloeming)
アメリカ戦(5番キャッチャーで先発出場-USA・WC)
空振り三振(2回表先頭打者、対オスターマン)
空振り三振(4回表1死二塁、対オスターマン)
カナダ戦(7番キャッチャーで先発出場-USA・WC)
左前安打(2回裏1死一塁、対Caira)
三ゴロ(3回裏2死無走者、対Lawrie)
カナダ戦(7番キャッチャーで先発出場-USA・WC、順位決定戦)
三邪飛(3回表先頭打者、対Lawrie)
遊ゴロ(5回表先頭打者、対Lawrie)
見逃し三振(7回表2死無走者、対Lawrie)
台湾戦(6回表、峰に代わり捕手で出場-JapanCup)
左飛(6回裏先頭打者、対チュゥ)
オーストラリア戦(6回表、峰に代わり捕手で出場-JapanCup)
二飛(6回裏1死無走者、対ホールデン)
アメリカ戦(8番キャッチャーで先発出場-JapanCup)
二飛(2回裏2死一塁、対ネルソン)
投内野安打(5回裏2死無走者、対ネルソン)
アメリカ戦(出場無し-JapanCup決勝戦)

 

峰幸代(ルネサステクノロジー高崎事業所)
オーストラリア戦(4回裏谷川に代わり捕手-USA・WC)
投飛(6回表2死一塁、対スメザー)
イタリア戦(出場無し-USA・WC)
オランダ戦(出場無し-USA・WC)
アメリカ戦(出場無し-USA・WC)
カナダ戦(6回表谷川の代打で出場しそのまま捕手-USA・WC)
左中間安打(6回裏先頭打者、対Lawrie)
カナダ戦(出場なし-USA・WC、決勝戦)
台湾戦(7番キャッチャーで先発出場-JapanCup)
遊ゴロ(2回裏2死二塁、対チュアン9
空振り三振(4回裏0死一二塁、対チュン)
オーストラリア戦(7番キャッチャーで先発出場-JapanCup)
遊ゴロ二封(2回裏2死一塁、対バーナビー)
見逃し三振(4回裏1死無走者、対バーナビー)
アメリカ戦(出場無し-JapanCup)
アメリカ戦(8番キャッチャーで先発出場-JapanCup、決勝戦)
遊ゴロ(3回表1死無走者、対フィンチ)
見逃し三振(6回表先頭打者、対フィンチ)

 

小柳薫(東京女子体育大学)
台湾戦(6番一塁で先発出場-JapanCup)
左中間二塁打(2回2死無走者、対チュアン)
中前打(4回裏0死一塁、対チュン)
一直(5回裏2死無走者、対チュン)
オーストラリア戦(6番一塁で先発出場-JapanCup)
空振り三振(2回裏1死一塁、対バーナビー)
遊飛(4回裏先頭打者、対バーナビー)
三ゴロ(6回裏先頭打者、対ホールデン)
アメリカ戦(6番一塁で先発出場-JapanCup)
空振り三振(2回裏1死無走者、対ネルソン)
一ゴロ(5回裏先頭打者、対ネルソン)
二ゴロ(6回裏2死二塁、対ネルソン)
アメリカ戦(7番一塁で先発出場-JapanCup・決勝戦)
二ゴロ(3回表先頭打者、対フィンチ)
一ゴロ(5回表2死無走者、対フィンチ)

 

溝江香澄(日立ソフトウェア)
オーストラリア戦(6番セカンドで先発出場-USA・WC)
三ゴロ二封(2回表1死一塁、対スメザー)
三ゴロ併殺打(4回表1死一塁、対スメザー)
イタリア戦(8番セカンドで先発出場-USA・WC)
二飛(2回表1死二塁、対Cecchetti)
三前犠打(4回表0死一塁、対Cecchetti)
オランダ戦(8番セカンドで先発出場-USA・WC)
中前適時打(2回裏0死二三塁、対Bloeming)
四球(4回裏1死二塁、対Bloeming)
死球(6回裏2死無走者、対Bloeming)
アメリカ戦(8番セカンドで先発出場-USA・WC)
三ゴロ(3回表先頭打者、対オスターマン)
カナダ戦(8番セカンドで先発出場-USA・WC)
四球(2回裏2死二塁、対Caira)
左越二塁打(4回裏先頭打者、対Lawrie)
遊ゴロ進塁打(6回裏0死一塁、対Lawrie)
台湾戦(8番セカンドで先発出場-JapanCup)
右前打(3回裏先頭打者、対チュアン)
空振り三振(4回裏1死一二塁、対チュン)
オーストラリア戦(出場無し-JapanCup)
アメリカ戦(7番セカンドで先発出場-JapanCup)
四球(2回裏2死無走者、対ネルソン)
遊ゴロ(5回裏1死無走者、対ネルソン)
アメリカ戦(6番セカンドで先発出場-JapanCup、決勝戦)
二直(2回表無走者、対フィンチ)
二ゴロ(5回表1死無走者、対フィンチ)

 

西山麗(日立ソフトウェア)
オーストラリア戦(2番ショートで先発出場-USA・WC)
二ゴロ(1回表1死無走者、対スメザー)
二ゴロ二封(3回表1死一塁、対スメザー)
右直(6回表先頭打者、対スメザー)
二ゴロ(7回表2死二三塁、対マーチ)
イタリア戦(出場無し-USA・WC)
オランダ戦(出場無し-USA・WC)
アメリカ戦(2番ショートで先発出場-USA・WC)
空振り三振
左犠飛(5回表1死一三塁、対オスターマン)
空振り三振(7回表2死一塁、対オスターマン)
カナダ戦(出場なし-USA・WC)
カナダ戦(2番ショートで先発出場-USA・WC、順位決定戦)
一ゴロ(1回表1死無走者、対Lawrie)
左飛失(4回表先頭打者、対Lawrie)
一前犠打(6回表0死一塁、対Lawrie)
台湾戦(2番ショートで先発出場-JapanCup)
左飛(1回裏1死無走者、対チュアン)
四球(3回裏2死二塁、対チュアン)
投ゴロ(4回2死二塁、チュン)
オーストラリア戦(2番ショートで先発出場-JapanCup)
右飛(1回裏1死無走者、対バーナビー)
二内野安打(3回裏2死一塁、対バーナビー)
左邪飛(5回裏先頭打者、対ホールデン)
二ゴロ進塁打(7回裏1死二塁、対ホールデン)
アメリカ戦(2番ショートで先発出場-JapanCup)
見逃し三振(1回裏0死一塁、対ネルソン)
一ゴロ(強い当たり、3回裏2死無走者、対ネルソン)
中飛(5回裏2死一塁、対ネルソン)
アメリカ戦(2番ショートで先発出場-JapanCup、決勝戦)
右直(1回表1死無走者、対フィンチ)
四球(4回表1死無走者、対フィンチ)
左前打(7回表先頭打者、対フィンチ)

 

松本尚子(デンソー)
オーストラリア戦(5回裏溝江に代わりセカンドで出場-USA・WC)
二飛(7回表先頭打者、対スメザー)
イタリア戦(2番ショートで先発出場-USA・WC)
二ゴロ(1回表0死無走者、対Cecchetti)
左翼線三塁打(3回表先頭打者、対Cecchetti)
投ゴロ(4回表2死二塁、対Cecchetti)
オランダ戦(2番ショートで先発出場-USA・WC)
四球(1回裏0死三塁、対Scheele)
二飛(2回裏2死三塁、対Bloeming)
右前打(5回裏1死無走者、対Bloeming)
アメリカ戦(3回表溝江に代わりセカンドで出場-USA・WC)
四球(5回表先頭打者、対オスターマン)
左飛(7回表先頭打者、対オスターマン)
カナダ戦(2番ショートで先発出場-USA・WC)
遊ゴロ(1回裏1死無走者、対Caira)
三前犠打(3回裏0死一塁、対Caira)
空振り三振(4回裏2死三塁、対Lawrie)
カナダ戦(8番セカンドで先発出場-USA・WC、順位決定戦)
見逃し三振(3回表1死無走者、対Lawrie)
遊ゴロ(5回表1死無走者、対Lawrie)
台湾戦(6回溝江の代打で出場しそのままセカンド-JapanCup)
投ゴロ(6回裏1死無走者、対チュウ)
オーストラリア戦(8番セカンドで先発出場-JapanCup)
中飛(3回裏先頭打者、対バーナビー)
左前打(4回裏2死無走者、対バーナビー)
一ゴロ(6回裏2死無走者、対ホールデン)
アメリカ戦(7回、溝江の代打で出場-JapanCup)
遊ゴロ(7回裏先頭打者、対ネルソン)
アメリカ戦(出場無し-JapanCup、決勝戦)

 

坂元令奈(トヨタ自動車)
オーストラリア戦(7番サードで先発出場-USA・WC)
空振り三振(2回表2死一塁、対スメザー)
見逃し三振(5回表先頭打者、対スメザー)
イタリア戦(6番サードで先発出場-USA・WC)
遊適時打(2回0死三塁、対Cechetti)
遊飛  (3回2死一塁、対Cechetti)
オランダ戦(6番サードで先発出場-USA・WC)
左中間二(2回表先頭打者、対Bloeming)
アメリカ戦(6番サードで先発出場-USA・WC)
空振り三振(2回1死無走者、対オスターマン)
中前打(4回表2死二塁、対オスターマン)
三ゴロ(6回表1死無走者、対オスターマン)
カナダ戦(5番サードで先発出場-USA・WC)
左前打(2回表1死無走者、対Caira)
中越4点本塁打(3回1死満塁、対Lawrie)
右飛(5回表1死一塁、対Lawrie)
カナダ戦(5番サードで先発出場-USA・WC、決勝戦)
遊飛(2回表1死無走者、対Lawrie)
左前適時打(4回裏2死三塁、対Lawrie)
台湾戦(5 番サードで先発出場-JapanCup)
遊ゴロ(2回裏1死無走者、対チュアン)
左前適時打(4回裏0死三塁、対チュン)
左犠飛(6回裏1死三塁、対チュン)
オーストラリア戦(5番サードで先発出場-JapanCup)
右前打(2回裏1死無走者、対バーナビー)
二飛(3回裏2死一二塁、対バーナビー)
三邪飛(5回裏2死一塁、対ホールデン)
アメリカ戦(5番サードで先発出場-JapanCup)
空振り三振(2回裏先頭打者、対ネルソン)
遊ゴロ(4回裏2死無走者、対ネルソン)
遊直(6回裏2死二塁、対ネルソン)
アメリカ戦(5番サードで先発出場-JapanCup、決勝)
空振り三振(2回表1死無走者、対フィンチ)
空振り三振(5回表先頭打者、対フィンチ)
空振り三振(7回表2死二塁、対フィンチ)

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