【もはや秋の風物詩か~毎年この時期に繰り返される織機の不甲斐ない試合】

さて去る12日の第8節刈谷大会、大事な上位対決のレオパレス戦を延長タイブレイカーの末3-4で落としてしまった織機。これでレオパレスのベスト4入りがかなり有利になると共に、半分仲間同士みたいなデンソーの4強入りがかなり厳しい状況になってしまった(同日にライバルのソフトウェアに大敗したデンソーも悪いが・・・)。その織機対レオパレス、点差だけを見ると織機が接戦を落としたようなスコアだが、実は内容的にはおよそ普段の織機らしからぬミス連発の完全な自滅試合であった。1試合でフィルダースチョイス(野選)が3つも出るような試合などおよそ記憶にない。しかもその内容が悪すぎた。

まず2回、無死一二塁から一塁の名手長澤佳子の三塁への野選で満塁にした後、セカンドゴロをこれまた名手酒井かおりがとうてい間に合いそうもないホームに投げてセーフにし、傷口を広げた後にさらに犠飛で2点目を与える。普通に一つ一つアウトを取って行けば悪くても1点で済んだ場面である。
それでも1点勝ち越して迎えた7回表のレオパレスの攻撃ではヒットの井上絵里奈が暴走気味に一塁をオーバーラン、これを挟殺プレーに持ち込みながらアウトに出来ない。しかもこの場面、これまた長澤が二塁方向に深追いしてしまうという初歩的なミス。最悪一塁でセーフになるならまだしも、二塁に生かしてしまったことでこれまた傷口を広げ、三塁まで送られたあと河野美里に遊ゴロのエンドランを決められてしまう。しかもこの場面、後が続かず無失点だったから良かったものの、これまた遊撃の名手内藤恵美が完全に間に合わないホームに投げて野選、逆転の走者になる河野を一塁に残している。
さらにさらに延長タイブレイカーに入った8回表、ティッカムに送られその後2死三塁となったあとの小野奈津子の打球。確かに強い打球ではあったがこれも三塁の名手古田真輝であれば普通に捕れたライナー。それをグラブで掴みきれずにヒットとしてしまい決勝点を与えてしまう。
次の回の攻撃でチャンスに抜群に強いキャプテン小森由香がバントでもバスターでも走者を送れなかったというような攻撃面でのミスも多かったが、しかし名手揃いの織機内野陣が揃いも揃ってこんな単純ミスを繰り返すとはとても考えられないできごとではないか。

と、思うファンも多いかと思われるが、実を言うとこの時期に行われる試合での織機は、ここ何年もこういう信じられないような試合を繰り返してきたのである。
これはもう秋の風物詩だ(笑)。

 

 

<2006年第7節京都大会>
○織機2-0日立ソフトウェア
●織機2-11ホンダ
※この年最多勝記録を作った日立ソフトウェアの遠藤有子投手に対し延長タイブレイカーで2-0勝利という好ゲームをした翌日、下位のホンダ相手に江本奈穂&ミッシェル・スミスを投入しながらも11失点の大敗。

 

<2007年第7節刈谷大会>
○織機14-0ホンダ
●織機1-0日立ソフトウェア
●織機2-3戸田中央病院
※大勢の地元ファンが訪れたナイターでホンダ相手にほぼ全選手を出場させるという大勝を飾った翌日、ソフトウェアの瀬川絵美&藤原麻起子に打線が沈黙して完封負け。しかも翌々日には前半戦全敗だった戸田中相手にミッシェル・スミスが完投しながらも堤千佳子に抑えられて敗戦。

 

<2008年第8節刈谷大会>
○織機2-1トヨタ自動車
○織機8-1シオノギ製薬
●織機0-6日立ソフトウェア
※トヨタ戦では好投の露久保望美に対して白井沙織の一打で逆転勝ちし、次のシオノギ戦では7点差の大勝。しかし翌日のソフトウェア戦ではミッシェル・スミスが先発しながらも打線が全く眠ったままで完敗。

 

<2009年第8節刈谷大会>
○織機2-0佐川急便
○織機15-0伊予銀行
●織機3-4レオパレス21
※初日の佐川戦では軟投の外山美紀に翻弄されるも次の伊予銀戦ではインフルエンザでお休みの選手以外は全て出場しての大勝。しかし翌日のレオパレス戦では上述したように信じられないようなミスを連発しての完全自滅・・・。

 

 

とまあこういう状態なわけである。見ている方はやきもきするのだが、さすがにここまで毎年繰り返されるとこれも決勝トーナメントに向けての必要なプロセスではないかと思われてくる。織機のソフトというのはイケイケどんどん型、良いときは良いが突然こういうどうしようもない試合があるのも背中合わせなのかも知れない。しかしこれから9節、10節、決勝トーナメントと続くにおいては、そういうミスは絶対に許されない。しかしながら、ここ数年、特にカサレス監督になって以降の第7節、第8節にこういう試合が集中しているのが示唆的でもある。一度わざとタガを緩めてミス連発や大敗を経験させ、そこで再び気合いを入れる。もちろん意図はしていないだろうが、結果的にそういうチーム作りの出来る名将カサレスなのかも知れない。

今回の不甲斐ないレオパレス戦の自滅試合を見て、逆に「ああ、今年も織機は大丈夫だな」と(贔屓の引き倒しと言われようが)勝手に納得して確信し、そしてまた、美味い酒を飲むのであった。
(おわり)

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