【日本リーグ2009/2010シーズンの引退・移籍・新加入選手~1部・その1(デンソー・誘電・戸田中)】
1部、2部全チームの今シーズンの登録選手が発表になりました。そこで少しずつではありますが、昨年度からの引退選手、今年度の移籍、新人選手についてチームごとにまとめようと思います。
順不同で、まずはこの3チームから。
※表記は「(背番号/ポジション) 選手名 (在籍年数または出身校)」
【デンソー】
退団選手:6人
(11/2B)田中美奈子(7)
(12/C)クリスティン・バトラー(2)
(13/P)マーガン・ギブソン(1)
(15/IF)佐々木弥生(4)
(19/1B)伊藤良恵(9+3、ミナモSCに移籍)
(26/P)片山由希(3)
新人選手:7人
(11/IF)安永美穂(九州文化学園)
(12/IF)タミー・ウィリアムス(NW大)
(13/P)アイリーン・キャニー(NW大)
(15/OF)岡村珠希(東海学園大)
(19/OF)和田美樹(厚木商)
(23/P)山田麻未(神戸親和女大)
(28/P)重藤恵理佳(日体大)
移籍入団選手:1人
(16/RF)永吉理恵(元レオパレス21)
※新加入選手
そこそこに活躍したバトラー&ギブソンが退団し、ノースウェスト大から二人の新外国人が加わった。長身でスピードがあり、シュートを投げるキャニーと内野を守れるマッチョなスピード選手のウィリアムス。昨年のバトラー&ギブソンがかなり良いところで試合を決める長打を放っていただけに、このタイプの違う選手の獲得が吉と出るか凶と出るか。
新人選手としてこの二人以上に大きい存在が日本代表の永吉理恵。今の日本リーグでも最も脂の乗った外野手の一人だ。ただし東、増山、狩野とセンス抜群の外野手が揃っており、江口という期待の若手もいたことから永吉の加入による上積み自体は意外とそれほど大きくはないのかも知れない。
※(3月21日追記)上記のように思っていたのだがちょっと勘違いしていた。去年DPでも出ていたギブソンが抜け捕手もやってたバトラーも抜け、代わりに入った外国人が内野手と専門の投手。内野から一塁手の伊藤良恵が抜けたので、差し引きゼロでDPが一人空いたことになる。
結局、レフトの東をDPにし、三塁の衣笠をファーストに回すと、外野に一人余分に入れることができてそこに入ったのが永吉理恵ということになる。つまり外野手で言えば「永吉一人分まるまる戦力アップ」ということか。正直、今はジャパンのどの外野手よりもしぶとい打撃をする永吉の補強は、戦力的にかなり大きい。
投手としては新外国人が加わり染谷もいることからまずは安心だが、大学時代に活躍した日体大の重藤がどういう投球をするのかにも注目したい。
その他として、ジャパンの選考会で本塁打を放っていた地元選手の岡村がなかなかセンスのある外野手ではないだろうか。安永が二人になったが1歳違いでともに九州。姉妹かどうか、今度確かめてみよう。
※退団選手
ミナモに移籍した伊藤や、怪我を引きずっていたベテランの田中の引退はなんとなく予感していたが、頑張ってた片山の引退は残念で仕方がない。どこかのチームで続けていてくれることを願っているのだが、今現在は情報なし。
<U19代表でもあった片山由希。こういう個性的な選手の引退は淋しい>
【太陽誘電】
退団選手:3人
(6/CF)松崎絵梨子(11)
(12/IF)中村茜(2)
(18/P)坂井寛子(8+3)
新人選手:4人
(1/IF)遠山佑奈(須磨ノ浦→甲賀医専)訂正
(6/IF)石濱真実(長崎商)
(16/P)森真里奈(京都西山)
(18/C)原田のどか(岡山南)
移籍入団選手:1人
(9/CF)河野美里(元レオパレス21)
※新加入選手・退団選手
11年在籍したベテラン松崎が抜けた穴なんかなかなか埋まらないだろうと思っていたが、まさかこんな形ですぐに埋まるとは(笑)。河野も松崎もともに今の時代を代表する安打製造機であり似たようなタイプの選手。ポジションも同じで、これ以上の補強はないだろう。
その松崎の背番号6を受け継いだのが長崎商出身の石濱。松崎と同じ長崎商出身の選手が同じ背番号を引き継ぐという巡り合わせに、否が応でも注目せざるを得ない。
岡山出身としては佐川の柳瀬についで二人目となる原田。野球の強豪岡山南出身の選手としてはもしかしたら初の1部日本リーガーではないだろうか。熊野オープンで早速本塁打を放つなど、期待に違わぬ結果を残しそうだ。
他の退団選手について、坂井に関してはもう何もない。とにかく「リーグに、代表に戻ってきてくれて本当にありがとう。あとはゆっくり休んで、そして坂井二世を是非とも育ててください」と言うだけだ。むしろ2年目の中村茜がもったいない。
<まだまだばりばりのトップ選手だった松崎絵梨子。最後の年も打率3割4分8厘>
【戸田中央総合病院】
退団選手:6人
(2/IF)池之上華穂(1)
(4/OF)宮崎唯(2)
(11/P)小森愛弓(3+1)
(12/P)堤千佳子(5)
(16/IF)熱田愛(1)
(14/OF)中條未香子(7)
新人選手:8人
(2/C)鶴澤眞緒(東京女子体大)
(6/LF)大庭麻衣(九州女子)
(11/P)長南友子(東北福祉大)
(15/CF)塚田真美(東北福祉大)
(16/SS)助川真貴(東北福祉大)
(19/LF)増田奈津美(東北福祉大)
(21/P)ヒガ・マユミ・ニウゼ(サンパウロ州立大)
(26/SS)吉島凪砂(横浜清風)
移籍入団選手:なし
※新入団選手
たしかに元レオパ組の移籍も注目されるが、今年もっとも派手な補強をしたのがこの戸田中ではないか。インカレを圧勝で制した東北福祉大から一挙に4人が入った。その中でも大注目がやはり大学全日本のエース・長南だろう。昨秋は少し(かなり)貫禄の体型になっていたが、冬の間にしっかりと絞り込めていれば、2010年の日本リーグ開幕のマウンドにはこの長南が立っていることになるだろう。
そして個人的には長南と同じくらいやりそうではないかと感じているのが助川。柳井を他のポジションに押しのけてでも遊撃を守るくらいになれば、2年続けて東北福祉大出身の新人賞が生まれてもおかしくはない。ブラジル出身のヒガもどんな球を投げるのか興味がある。
※退団選手
カネボウを辞めた後ブランクを経て復帰した小森も含め、今年も2年以下の若い選手が何人か引退した。それらに加えて甲賀医専出身のベテラン中條の引退も残念なのだが、やはりなんと言っても今年の衝撃は堤千佳子だろう。
前エースの清水麻琴が築きあげた「援護がなくても調子が悪くて打たれても、黙々と一人で1年間投げ通す」というスタイルを見事に継承して多くのファンの心を掴んだ堤。まだまだこれからさらにファンを魅了するような熱投を期待していただけに残念でならない。ただただご苦労様と言いたい。
<ナイスピッチングに笑顔でベンチへ戻る堤千佳子>
<密かに多くのファンがいた堤の後継者となれるか、長南友子>