【2010年春・日本代表豪州遠征の成績~投手】

【2010年春・日本代表豪州遠征の成績~投手】

3月中旬、松岡(内藤)恵美を主将とした新生日本代表が初の海外遠征を行った。
合宿を兼ねてオーストラリアのフル代表と5試合(その他クラブチームと4試合)。多分に練習試合的要素、試験的要素を含んだものであり、結果をとやかく評価するような段階ではないが、現時点での相対評価するには格好の相手である豪州代表との試合でもあったことから、それぞれの選手の結果をひとまずまとめておきたいと思う。

最初は中学生で代表に名を連ねた逸材・岡村奈々もいる5人の投手陣から。

 


 

もっとも使われたのがトヨタ自動車に移籍した山根佐由里。7回を無安打に抑えた試合も含め、2試合13回を投げ自責点1。防御率0.54、被打率0.119とともにトップの成績であった。三振も0.85/回とダントツ。ただし四死球も0.69/回と多かった。一年目、新人賞を取った年は四死球も少ないが三振も少ない打たせて取るタイプだったが、年々球威が増すにつれて若干のシフトチェンジが行われている。これで本来のコントロールの良さに経験が加われば将来的には日本代表の柱になれるだろう。ただ今回、どういう種類の不正投球だったのかは不明だが2度取られているのが少しだけ心配。投球時にジャンピングしてしまう嫌いがあるのだが、イリーガルは気にしすぎるとドツボにはまるので、あまり気にせず前に進んで欲しい。

投球回数が5回だけだった藤原麻起子(日立ソフトウェア)と安福智(シオノギ製薬)、岡村奈々(早鞆中学)に関してはこの回数では結果の可否をあまり評価できないかもしれない。
藤原は今更結果をどうこう言われる投手でもないが、ただ5回投げて被安打5は少し多い気がする。それでも要所で三振を取ったりゴロを打たせたりで連打を許さず、失点1に四死球0はさすがだ。

江本奈穂(豊田自動織機)の代わりに急遽招集されたらしい安福。準備期間が短くて不運ではあったが、それでも課題のコントロールと立ち上がりの悪さが解消されていないのが不安だ。調子が出てくるとゴロの山を築き、走者を出しても併殺を取れるのだが、しかし5回を投げて4四球はちょっと多い。ワールドはセガワールドで十分だ。

でその瀬川絵美(日立ソフトウェア)、第1試合に先発してタイブレイカーの8回を完投し3失点と、豪州代表相手にちゃんと試合を作れてはいるが、三振率0.25/回に被安打8と、かつての剛球のイメージはない。ただそれでも8回3失点(7回2失点)で抑えられるということかも知れないが、打者ごとのカウントを見ると、豪州代表もテストマッチということで積極的に打ちに行っていた形跡があり、真剣勝負で本格的に待球されるとこんなわけにはいかないかもしれない。とにかく瀬川はこんな状態でとどまっていたら瀬川の価値が何にもない。力でねじ伏せる瀬川をもう一度みたい。

そして最後が期待の中学生、岡村。リリーフで3試合、5回を投げただけだが、フル代表の豪州打者19人を相手に被安打3、長打無しで失点1、三振も3つとり、四球が1個。内野への打球が9あるが外野飛球が1。中学生とはとても思えない立派な内容だ。実際に投球しているところを一度も見たことはないが、やはり本物なのだろう。

 


 

【投手起用】
第1試合:瀬川絵美  (1-8回)
第2試合:山根佐由里 (1-8回)
第3試合:安福智   (1-5回)、岡村奈々(6回)
第4試合:藤原麻起子 (1-5回)、岡村奈々(6-7回)
第5試合:山根佐由里 (1-5回)、岡村奈々(6-7回)

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山根 瀬川 藤原 安福 岡村
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試合数   2    1    1    1   3
投球回   13   8   5   5  5
防御率 0.54  1.75  1.4  2.8  1.4
被打率 0.119 0.300 0.250 0.188 0.188
失 点   2   3   1   2   1
自責点   2   2   1   2   1
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打 者   52  34   20  20   19
単 打   5   8   3   2   3
二塁打   0   1   1   1   0
三塁打   0   0   1   0   0
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犠 打   1   1   0   0   2
見三振   6   1   0   0   2
空三振   5   1   2   1   1
四 球   8   3   0   4   1
死 球   1   0   0   0   0
内ゴロ   12  10   10   7   5
内飛球   7   3   1   2   4
外飛球   7   6   2   3   1
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