【2010年日本リーグ開幕記念特集~開幕節のスタメン予想と各チームについて~1日目 4_10(Sat)】

【2010年日本リーグ開幕記念特集~開幕節のスタメン予想と各チームについて~1日目 4/10(Sat)】

さて今年も懲りずにやります、外れてばかりのスタメン予想。今回は初日の3試合に出場する6チームから。開幕スタメン予想にチームに関するコメントも併せて。


 

【第1試合:Honda(0勝)v.s. 戸田中央総合病院(2勝)】

<昨年の対戦>
~前半~
戸田中 1 0 0 0 0 2 1 …4
Honda 0 0 0 0 0 0 0 …0
戸田中:○堤─吉田
Honda:●オークス、金尾─スカグリオネ
戸田中:(二)内田、藤田

~後半~
Honda 0 0 0 0 0 2 0…2
戸田中 0 0 0 0 0 0 3…3
Honda:●オークス ─ スカグリオネ
戸田中:○堤 ─ 高井

※昨年は戸田中の2勝。ともに堤が完投(1完封)。Hondaは守備の乱れで後半の試合を自滅的に落とした。

<先攻:Honda>
(9)平林真由子
(8)大橋美奈
(5)加藤恵理
(2)R・ルプネッティー
(3)田中清香
(7)島崎望
(D)沢幡優香
(5)村上由里子
(4)中村瞳
(DEFO-P)S・ネルソン

こう見ると菊池亜佐美の引退の穴は大きい。ネルソンが打席に入らないとするとDPとして是が非でも使いたい選手があまり見あたらない。予想というか願望として個人的な期待から長打の打てる沢幡を入れたのだが、シーズンではここに打力のある新人の武藤理恵を入れるかも知れない。あるいは芝崎恵梨や原田美樹など経験豊富で器用なベテラン選手を入れるという選択肢もあるし、思い切って他の若手を入れて経験を積ませるのも面白い。島崎ではなく外野手として芝崎や原田を使い、島崎をDPに入れるというのもあり得るパターンで、むしろ現実的にはその方が多くなるのかもしれない。開幕戦ではネルソンを投手専任に予想したが、マガジンの記事を読むと投手のネルソンが打席に入ることも増えそうだ。そうすると内野手の村上か中村をDEFOにしてここにDPを入れることもある。ネルソンが投げない時は常時DPとしてパワーのあるネルソンを使い、島崎を外野手で使いたいところだがどうなるか。今年のHondaはDPをどこにどう使うのか、開幕からある意味楽しみだ。確かに菊池の穴は大きいのだが、こうやって悩める分だけまだ明るい要素もある。
投げる方はそのネルソンが主軸として大活躍することは間違いない。ただそのネルソンの使い方には苦慮しそうだ。強豪相手にぶつけて惜敗が重なると昨年の悪夢が甦る。かといって下位ばかりに当てていては到底上位は目指せない。やはり下位チーム相手にもしっかり計算できる日本人投手がいてこそネルソンを上位に思い切ってぶつけられるわけでその存在は不可欠だ。そのためには金尾和美が今年も頑張って投げる必要がある。昨年ようやく何かを掴んだが運にも恵まれず結局3年間で勝ち星ゼロ。この金尾に序盤で勝ちをつけてあげて、かつ若手の稲元紗貴と新人上原楓で少なくとも下位チーム相手にゲームを作れるくらいになれば、意外と今年のHondaは面白い存在になる。

<後攻:戸田中央総合病院>
(6)柳井春菜
(9)東美紀
(4)今泉早智
(3)内田千恵美
(8)太田あゆみ
(2)吉田真由美
(D)渡辺瞳
(7)藤田奈央
(5)川原愛美
(P)武井智穂

6番くらいまではよほどのことがない限りシーズンを通してほぼ不動のオーダーだろう(吉田と太田の入れ替えくらい)。この6人には怪我以外に何の心配も要らない。そのよほどのこととは新人や若手で抜け出す選手が出てきた場合だが、特に注目がショートの助川真貴。開幕戦から「遊撃・助川、三塁・柳井」という布陣も考えられたが、ここは無難に去年までの上記スタメンで行くのではないか。三塁には昨年の春にはレギュラーとして守っていた秋山磨貴子もいるし、川原もなんとかレギュラーとしてはやっていける実力をつけた。シーズンを通して助川、川原、秋山を競争させ、柳井を動かしながら三遊間の守りを決めることになるだろう。
投手は期待していた長南友子が黄色いボールへの対応に苦慮しているのかかなり出遅れており、逆に武井智穂が去年の経験を生かして落ち着いてきた感があるので、開幕投手も武井で行くのではないかと思っている。武井が主戦として一年間投げそうだが、ただし今年は下位争いがかなり激しくなりそうなので、いずれ早い段階で長南が出てこないとチームとしては厳しい。

 


 

【第2試合:誘電(0勝)v.s. デンソー(2勝)】
<昨年の対戦>


~前半~
デンソー 0 1 0 0 0 1 2 …4
太陽誘電 0 0 0 1 0 0 0 …1
デンソー:染谷、○ギブソン─バトラー
誘電:●坂井─谷川
デンソー : (本)東(三)伊藤(二)衣笠
太陽誘電 : (二)廣瀬、中嶌

~後半~
太陽誘電 2 0 0 0 0 0 0…2
デンソー 0 1 0 4 1 1 x…7
誘電:●坂井、藤田 ─ 谷川
デンソー:○ギブソン ─ 竹林
太陽誘電 : (二)廣瀬
デンソー : (二)伊藤

<先攻:太陽誘電>
(8)河野美里
(9)岡本由香
(5)廣瀬芽
(2)谷川まき
(D)原田のどか
(4)上西晶
(3)佐野志津香
(7)川原若奈
(6)遠山佑奈
(P)伊藤美幸

誘電であるが、楽しみにしていた熊野オープンでの試合がほぼ雨で全滅し、1試合のごく一部を観戦できたのみ。今年は群馬オープンにも行けなかったのでどういう選手起用で挑むのかが全くわからない。水谷直子が開幕から使えるのかどうかでも大きく変わってくる。ただ去年までのことを普通に考えると、マガジンで予想されている布陣(ショート水谷、ライト中嶌、レフト丸山、DP藤田など)が最もリーズナブルで、実際にもそうなるだろう。しかしせっかく試合をほとんど見ていないのだからここは敢えて外しに行ってみた。藤田を今年は投手として1本立ちさせる年と位置づけ基本的に投げない日は代打の切り札で使う(チャンスで確実に使える分有効でもあるのだ)。代わりに新人の原田を大抜擢。個人的に思い入れのある甲賀医専出身の川原と新人の遠山を開幕からいきなりレギュラーで使ってみる。さてどうだ。どこまで外れているか(笑)

<後攻:デンソー>
(5)T・ウィリアムス
(8)増山由梨
(9)松本尚子
(D)東美幸
(6)永吉理恵
(3)狩野香寿美
(3)衣笠久美
(2)竹林彩香
(4)野木あや
(P)アイリーン・キャニー

今年のデンソーは非常に面白い。ポイントは2番の増山由梨。この全身バネのようなスピードある選手をあえて2番に置くのがミソだ。先頭のアメリカ代表タミーが出塁すればもちろん増山が送るのだが、100%のバントシフトを敷かれても一塁でセーフになるくらいの脚力と技術が増山にはある。バント以外にもタミーとのコンビで大いにかき回すこともできる。もちろん、タミーが打ち取られた場合は増山が1番、松本が2番という役割も担える。そして勝負強さ抜群の東美幸に繋がるわけだが、その後ろに永吉理恵がいるのがまた大きい。さらに日本代表候補にも名を連ねる狩野妹が渋い活躍をし、意外性のある衣笠と竹林が控えていて最後、野木に繋がるが、この野木が今年は隠れ首位打者候補(条件は多いが)くらいしぶといバッティングをしそうで、1番につなげる役割もしっかりできそうだ。
スピードや技術は抜群の本当に隙のない面白い打線なのだが、唯一の気がかりが大きいのを打てる打者が一挙にいなくなったこと。去年のメンバーからギブソン(6本)、バトラー(4本)、伊藤良恵(4本)が抜けた。3人で14本も本塁打を放っており、後半の佐川急便戦のようにバトラーの2発で勝った試合もあっただけにこの差はかなり大きい。足と小技と作戦と守りで、その差を埋めて余りある上積みができるかどうか。ただ個人的には「大いにできる」と思っているし、今年は2位以内でのリーグ戦通過の可能性もかなり高いのではないかと思っている。
その「2位以内通過」の可能性が高い理由としてもちろん大きいのがキャニーの加入。強豪相手にも互角以上の投球が出来るこのアメリカ代表投手の加入でチーム全体の意識も変わったのではないか。ただ投手陣にも不安があるのが日本代表投手の染谷美佳の出遅れ。オープン戦では一度投げただけで姿すら見ない日も多かった。もちろんマイペースで調整し、早い段階で万全な状態で戻ってきて普通に投球してくれるだろうという信頼感もあるのであまり心配はしていない。万が一染谷が出遅れると少々心配になるが、ここに重藤、山田という即戦力の大学生投手が加入したのも大きい。特に重藤は早い段階で投げる機会が訪れるだろう。
そんな完璧に見える今年のデンソーだがただ一つ問題が。キャニーにしろ重藤にしろ、投手方向に打球が飛んだ瞬間だけは、ファンは目を覆って見ない方が良いかも知れない(笑)

 


 

【第3試合:日立ソフトウェア(1勝)v.s.豊田自動織機(1勝)】

<昨年の対戦>
~前半~
日立ソフトウェア 0 0 0 0 3 0 0…3
豊田自動織機 0 2 2 0 0 1 x…5
ソフトウェア:●藤原、瀬川、藤原─鈴木
織機:○バークハート─トッピング
ソフトウェア:(二)溝江
織機:(本)古田、酒井

~後半~
豊田自動織機 0 0 0 0 0 0 0…0
日立ソフトウェア 0 0 0 1 0 0 x…1
織機:バークハート、●江本、バークハート ─ トッピング
ソフトウェア:○藤原 ─ 鈴木
日立ソフトウェア : (二)馬渕

<先攻:日立ソフトウェア>
(6)西山麗
(4)溝江香澄
(8)山田恵里
(7)馬渕智子
(5)林佑季
(3)濱本静代
(2)杉山真里奈
(D)来條美穂(杉浦舞)
(2)鮫島優子
(1)藤原麻起子

ソフトウェアはほぼ前年から主力は変わらないが、何より大きいのが鈴木由香が抜けた穴。打撃でも意外性のある強打者だったが捕手としてのリード面に関する損失は計り知れない。ただ投手の藤原麻起子が百戦錬磨のクレバーな投手だけに、彼女が捕手陣全体を引っ張っていってくれればそれほど大きな影響はないのかも知れない。その正捕手を任されるのが園田大から入った4年目の鮫島。小柄なメガネ捕手で心配になるような大人しそうな外見だが、実際には元気で声もよく出るしナインを盛り上げて行くタイプだ。鈴木が落ち着いた大人の雰囲気で若い投手を労りながら育ててきたのとは正反対に、逆にナインからかわいがられ育てられて成長していくタイプの捕手でそのギャップが楽しみな部分でもある。

<後攻:豊田自動織機>
(8)狩野亜由美
(7)白井沙織
(6)内藤恵美
(D)小森由香
(2)ジェニー・トッピング
(5)古田真輝
(9)国吉早乃香
(3)小柳薫
(4)菅野愛(吉良真利菜)
(P)ケイティ・バークハート

織機の今年はとにかく右側を守る3人にかかっている。田中幹子、長澤佳子、酒井かおりが抜けた穴を埋めるのはたぶん無理だ。特に守りに関してはこの3人はリーグでもトップクラスであり、そのうちでも長澤、酒井の一、二塁間の守備は日本一だっただけに埋めようとすら思わない方がいいかも知れない。とりあえずその後釜に座るのが新人の小柳、吉良と復帰した国吉という今年織機にきたばかりの選手たちになる。ただそこに一つだけ利点がある。この3人、あの偉大な選手達と身近で接したことがないだけに、変に気負ってしまうことがないかも知れないことだろう。個人的にはレギュラーを掴んで欲しかった菅野や千葉、藤崎、川口などはあの選手達の控えというにはあまりにも実力の差を見せつけられてきたわけで、今までは競争にすらならなかった。その後釜を埋めろと言われたら余計にプレッシャーを感じてしまうだろう。そんなところにこの3人を補強したわけだが、捕手の石田も含めて今年は実に的確な補強をしたと思う。毎年優勝を争う織機において開幕からレギュラーを奪いそうな選手を補強できたのみならず、それらの選手によって今まで或いは控えにいることに甘んじていた菅野、千葉、藤崎といった若手の目の色が果然変わりだしたのだ。辞めた3人の穴はとても大きいわけであるが、近い年齢の選手が揃っていることもあり、主力が抜けたおかげで若手の間に激しい競争心が芽生えてきた。彼女たちが個々の力を伸ばすことに1年間必死になれば、きっと最終的には去年以上のチーム力を手に入れていることだろう。

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