【2010年_第62回全日本総合女子選手権大会前特集】

【2010年/第62回全日本総合女子選手権大会前特集】

 

【この記事の説明】
(1)A~Dのブロック名は任意である(一応、ベスト4争いが行われる開場名を採用した)
(2)各組み合わせでの記号は以下の通りで
 ◎:ほぼ鉄板で勝利
 ○:勝つ可能性が高い
 △:チャンスはある
(3)予想はベスト4までとした。それ以降は読めない
(4)確率はあくまで外れることで有名な銀猫予想である。むしろ外れれば外れるほど個人的には大会の面白さが増していくのだ
(5)去年までは国体や総合は白いボール(よく飛ぶ)だったが、今年から大学生も黄色い革ボールになったため総合も黄色いボールに。したがって昨年までよりは大学生がらみの「波乱試合」は減るかもしれない

 


 

【Aブロック】

 

【Aブロック・ベスト4進出確率】
70% ルネサス
14% ソフトウェア
14% デンソー
2% 靜甲

 

【Aブロック・1回戦の対戦ごとの勝敗予想】
18日:A1(◎ルネサス v.s. 大和電機)
18日:A2(△山口ACD v.s. トーテック△)
18日:A3(○日立ソフトウェア v.s. 靜甲△)
18日:A4(山梨学院大 v.s. デンソー◎)
19日:(A1 v.s. A2)v.s. (A3 v.s. A4)

 去年、パナソニック電工津が最後の全日本総合で、1回戦の高知ファイティングドッグスに勝った次の試合で当たったのがルネサスで、しかも結果は5回コールド完全試合負けであった。その時パナソニックにいたのが現大和電機の本田美穂で、そして今年は大和電機が1回戦でルネサスと対戦。不運としか言いようがない(笑)。
 (後記:でもこれは僕の認識違いだった。むしろ「良いチームと試合が出来て嬉しい」そうだ。頼もしい!大和電機がんばれ!)
 山口ACDは来年の地元開催国体に向けて大事な前哨戦。まずはトーテックに勝ち、上がってくるであろうルネサスと対戦することで地元大会を盛り上げたい。相手のトーテックも久々の公式戦で、去年までの2部チームとして意地を見せられるか。
 山梨学院大と戦うデンソーは今はチーム状態もよく1回戦を順調に勝ってソフトウェアも撃破し、常に接戦を繰り広げるルネサス戦で足元をすくいたい。染谷が好投すればチャンスは十分にある。
 このブロック、というか今回の総合の1回戦で最も注目しているのが靜甲v.s.ソフトウェアの戦い。靜甲は打線も好調でWエースの河部と鈴木麻も調子がよく、逆にソフトウェアは打線は相変わらず破壊力があるが投手陣がかなり不調であり、そして何より全日本総合ではいつも序盤で負けてしまうようにどこか相性がよくないのが不安だ。それとは反対に靜甲は去年もベスト4の誘電に0-1敗戦のように毎年好試合を繰り広げている。2部チームということで早い段階で1部の強豪と当たることが多いことから上位に進出したことはないが、常に1部チームと互角に戦ってきている。靜甲の2001年以降の対戦成績を詳しく見てみたい(2007年は1部チームとして参戦)。

~靜甲の2001年以降の全日本総合の成績のまとめ~
・勝利
 5-2:日本精工(2002年)
 2-1:シオノギ(2003年)
 6-5:TOETECK(2003年)
 13-3:盛岡大(2005年)
 9-5:富士大(2007年)
 4-3:戸田中(2008年)

・2点差以内負け(カッコ内は対戦年と相手の成績)
 0-1:ミキハウス(2001年、ベスト8)
 0-1:ルネサス(2002年、2位)
 0-2:戸田中(2003年、ベスト4)
 0-2:戸田中(2004年、ベスト4)
 0-2:デンソー(2006年、2位)
 0-1:太陽誘電(2009年、ベスト4)

・3点差以上負け
0-13:ルネサス(2005年、優勝~ちなみにこの年はソフトウェアも0-12)
1-4:ソフトウェア(2007年、ベスト4)
2-7:織機(2008年、ベスト4)

 トータルでは6勝9敗と負け越しているが、9敗のうち7敗が1部のチーム相手に惜敗で、敗れた相手はその年上位に進出している。2003、4年に連敗した戸田中も坂井寛子がいたころで、リーグでもベスト4に入った強い時代だった。もちろん相手の1部チームが必ずしもすべて主力で臨んできていたかどうかはわからないが、それでも決して簡単に勝たせないところはやはり「2部の雄」と呼ばれるに相応しい。
 今回の対戦するソフトウェアも靜甲相手には決して侮れない。ただもし靜甲が勝ったとしてもさらにデンソーもいるしルネサスもいる厳しいブロックを勝ち上がるのは至難の業だ。それでもなお靜甲のベスト4確率を0にしなかったのは、ひとえにファンとしての願望だからである。お許し願いたい(笑)

 


 

【Bブロック】

 

【Bブロック・ベスト4進出確率】
45% Honda
35% 太陽誘電
19% 戸田中央病院
1% 大垣ミナモ

 

【Bブロック・1回戦の対戦ごとの勝敗予想】
18日:B1(愛媛女子短大 v.s. Honda◎)
18日:B2(△日本精工 v.s. 大垣ミナモ△)
18日:B3(○太陽誘電 v.s. 福岡大)
18日:B4(三菱化学 v.s. 戸田中◎)
19日:(B1 v.s. B2)v.s. (B3 v.s. B4)

 去年までの感覚で言えば「誘電が70%」くらいだが、今年はやはりHondaだろう。ただこのブロックには現時点での1部リーグの上位陣がHonda以外にいないことからどこが勝ってもおかしくはない。増淵が好投し若手野手がしっかり守れれば大垣ミナモにだって十分チャンスはある(大垣ミナモのベスト4進出確率を0にしなかったのは増淵がフル回転した場合を考慮した)。
 その大垣ミナモにはいろんな意味で注目したい。確かに増淵まり子、藤本索子、伊藤良恵といった五輪メダリストは揃っているが、それ以外は元佐川急便の和田理絵や高村唯を含めまだまだ発展途上の若手選手。9人でやるソフトボールが3人の一流選手の力でどこまでチームが勝てるのかを見るには格好の舞台だ。一つヒントになるのが毎年行われる国体で、たとえば去年、東芝北九州に内藤恵美、長澤佳子、田中美奈子、中山紀恵を補強した福岡県チームであったが1回戦で島根三洋単独の島根県に敗退している。もちろん急造の国体選抜チームと半年以上の日々の練習からチームとして活動している大垣ミナモではチームの成熟度は全然違うが、それがチーム力として発揮できる段階にきているのかどうか。まずは日本精工戦の結果を楽しみに待ちたい。
 戸田中の相手の三菱化学は今年の総合予選で山口ACDを大逆転で破った岡山のクラブチーム。総合予選も勝ち上がってきていることから中央無名ながらもソフトボールに賭ける情熱は大きいのではないか。少しでもいいから試合の様子を見てみたい。対する戸田中も今年は勝ったり負けたりの激しいチームであることからどうなるか先が読めない。総合では長南と橋爪の好投に期待することになるだろう。
 今年のリーグ戦ではあまりにも不甲斐無い誘電だが、総合では毎年いい結果を残している。しかしそれでも今年は初戦の福岡大戦から気を引き締めてかからないといけない。ここは大勝して勢いをつけていきたいところ。
 いろいろ楽しみはあるがやっぱりこのブロックの大注目は今乗りに乗っているHondaだろう。リーグの後半戦4連勝と絶好調のまま総合・国体の中断期間に入ったが、ここで簡単に負けてその勢いをなくしたくはない。この大会もベスト4を最低目標にして戦っていき、再びルネサスを破って一気に決勝まで驀進したい。
 ただ勝ち抜き確率であるが、それでもHondaを45%、誘電を35%と互角レベルにしたのは、毎年総合で強い誘電の実績を評価したからである。

 


 

【Cブロック】

 

【Cブロック・ベスト4進出確率】
95% トヨタ自動車
5% シオノギ製薬

 

【Cブロック・1回戦の対戦ごとの勝敗予想】
18日:C1(○大鵬薬品v.s.園田学園女子大△)
18日:C2(△ペヤングv.s.シオノギ製薬○)
18日:C3(△東海学園大v.s.島根三洋○)
18日:C4(YKK v.s.トヨタ自動車◎)
19日:(C1 v.s. C2)v.s. (C3 v.s. C4)

 去年は同じブロックに織機がいたトヨタ自動車だが、今年は最も楽なブロックに入った(それでも1部チーム不在の去年のルネサスほど楽ではないが、笑)。1回戦でYKK、1回戦で(おそらく)島根三洋と、2部リーグ相手のチームと2試合戦い、3試合目は大鵬かシオノギの勝者という1部リーグ最下位チーム同士の勝者。アボットをほとんど投げさせることなく調整程度での起用でも今の打線の破壊力なら楽に勝ちあがれそうだ。ただ先日のリーグ戦で戸田中の長南に7回無得点に抑えられたように今年初めて打線が沈黙したのが唯一の不安要素。大鵬ではなくシオノギが上がってきた場合、松村、安福という2枚看板に好投されたら戸田中戦の二の舞を食らう危険性もある。それを考えるとシオノギ戦以外でもアボットを温存した試合で先に点を取られないこと。そこで先発するであろう山根の立ち上がりもひとつ重要なポイントとなってくる。
 大鵬とシオノギは1回戦を勝つ前提で話を進めたが、しかし対戦する園田学園女子大やペヤングにしろ、勝つ可能性がないわけではない。特に去年も2勝している園田は投手がしっかり抑えれば勝機はあるし、ペヤングもアドバンスセクション1位チームでもあり今後入れ替え戦で戦う可能性もあるシオノギ相手に簡単には負けられない。島根三洋と当たる東海学園大も近年力をつけていることから島根も侮れない。さすがにYKKはトヨタ相手に厳しいが、それ以外の1回戦の試合はどこが勝っても不思議ではない組み合わせだ。

 


 

【Dブロック】

 

【Dブロック・ベスト4進出確率】
90% 豊田自動織機
5% 佐川急便
5% 日立マクセル

 

【Dブロック・1回戦の対戦ごとの勝敗予想】
18日:C1(△伊予銀行v.s.日立マクセル○)
18日:C2(◎豊田織機v.s.東芝北九州)
18日:C3(△富士大v.s.東京女子体育大○)
18日:C4(○佐川急便v.s.淑徳大)
19日:(C1 v.s. C2)v.s. (C3 v.s. C4)

 今年は比較的に楽なブロックに入った織機だが、早い段階で当たるはずの伊予銀戦やマクセル戦は侮れない。特にマクセルの場合は呂投手の調子が良ければちょっと手ごわい相手になる。ただそのマクセルと1回戦で当たる伊予銀も好調だ。マクセルの阿部、高崎、和田という要所を抑えれば伊予銀投手陣もそうそう点を取られることはないだろうが、逆に打線が呂投手から得点できるかどうか。といっても打線には自信のある伊予銀行である。力関係を考えるとこの伊予銀対マクセルは非常に面白い好ゲームが期待できそうだ。レギュラーシーズン後のプレーオフでの対戦の可能性もあることからこの結果には特に注目したい。
 織機と東芝は選手間で仲のいいチーム同士だが、さすがに試合になれば別だろう。ここは織機が大差で勝って貫録を見せつけておきたい。
 上記4チームと反対ブロックに集まったのが佐川急便と大学3チームで、今年のインカレを制した東京女子体育大がここに入ったのが興味深い。インカレ制覇と大活躍の1年生エース平原と、ただいま絶不調の佐川急便打線の戦いなら東女体大が勝つ可能性も大いにある。佐川急便もスメサートを出してでも意地でも負けられないだろうが、とにかく東女体大がどこまで行くか、はたまた富士大、淑徳大も意地を見せるか、ここは特に大学生の戦いにも注目したい。
 ただベスト4に残れるかどうかとなれば、さすがに東女体大では織機には勝てないだろう。昔はミッシェル要する織機に勝ったこともあるが、あの時は当時日本最高投手だった増淵まり子がいた。今年このブロックで織機に勝てる可能性があるとすればスメサートや呂が大車輪の活躍をした場合の佐川急便かマクセルであろうが、それでも総合力を考えると確率はかなり低いと見た。

 


 

【参考~昨年の大会結果から】

<1日目>
○靜甲の1年目エース河部が誘電相手に好投。しかし植松の負傷退場もあり0-1で惜敗
○Hondaが福岡大相手に21得点の猛攻
○レオパレスも大和電機相手に22得点
○デンソーがカネボウ相手に5回まで3-0でリードされるも終盤逆転するというしょっぱい試合
○ソフトウェアが東芝北九州相手に15得点、東芝6失策の自滅
○伊予銀が東海学園大に7-6の辛勝で鬼監督激怒(のはず)、マクセルも日体大相手に3-2とリーグチーム面目なし
○平林金属がシオノギ相手に健闘も0-1敗戦
○2部昇格前のぺヤングは園田女子大に完敗

 

<2日目>
○織機v.s.トヨタは、トヨタの藤崎のセコい死球(笑)から広げたチャンスにワトリーが決勝スリーランでライト田中幹子がフェンス突き破り
○織機は古田の3凡退以外の18アウトが全て三振
○ルネサスが今年で廃部になるパナソニック電工津相手に5回21安打20得点かつ完全試合と人道に反する半殺しゲーム
○園田学園女子大がマクセルに6-0勝利と快進撃
○結局ベスト4はルネサス、トヨタ、誘電、レオパレスに

 

<3日目>
○レオパレスがルネサスに惜敗
○宇津木監督がアボットの投球フォームに執拗なクレームw
○トヨタは終盤勝ち越しながらルネサス必殺のプッシュバントと体当たり走塁により粉砕される
○最後は乾のサヨナラ満塁ホームランて…

 

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