【2010年2部リーグ決勝トーナメント・前日特集】

 日本リーグのレギュラーシーズンがすべて終了し一息ついたのもつかの間、明日からはいよいよプレーオフがスタートします。
 その先陣を切るのが今年から始まった2部リーグの決勝トーナメント。前年までの全チーム1回戦総当たりもシステムとしてはシンプルで順位を決めるには最適なのですが、1位2位決定が前半戦の1度きりの対決で結果的に決まってしまったりと刹那的な部分が大きかったのも確か。
 今回の決勝トーナメントでどういう結果になるかは別として、ファン目線としては最後の最後で雌雄を決する戦いを見られるというのは至福の時間。この改革には大いに拍手を送りたいです。

 


 

【10月23日(土)10:30~第1試合:ペヤング v.s. 日立マクセル】
<ペヤング>
 ペヤングの公式戦はあまり見たことはないのだが、それでも後述するドリームとは違い実業団大会や総合で少し見ることができた。それと8月にペヤングのグランドにお邪魔して練習試合を見せてもらえたので、ドリームよりはどういうチームかがわかる。
 ただそれでも馴染みがないことは確かで、エースの小長井がマクセル相手にどういう投球をするのか、呂投手相手にどれくらい打てそうなのか予測もつかない。
 1部参入を目指して頑張っている有名なチームなのでどうにかして上がってほしいという気持ちもあるが、マクセルも好きなチームなのでこの負けた方が終戦になる2位同士の戦いは切ないものがある。
 ちなみに個人的によく知らないこのドリームとペヤング、見に行ったファンに聞くとペヤングの方がチームとしてのまとまりはあるという評価だった。ベテラン選手が多いことも理由だろう。

<日立マクセル>
 呂投手のフル回転に賭ける部分が大きいチームとしては、優勝まで3試合必要な2位通過は大きな痛手だろう。ただとにかくこの決勝トーナメントで2位以内に入らないとその後もないわけで、とにかく1試合目、2試合目に呂投手がフル回転し、3試合目はもう総力戦でぶつかるしかない。先を見据えた投手起用などしている余裕はない。
 その余裕のなさに拍車をかけているのがなかなか点の取れない打線。阿部、加藤、小林、高崎、中村と、名前だけ見ると打ちそうな打者が揃っており、下位には成長著しい田中涼子に怪我から復帰した強打者和田が控えている。野手が少なく層が薄いことも選手起用の足かせになってはいるが、これだけの打者が揃っていたら本当はもっと点を取って投手を助けてやらないといけない。
 肝心な場面で守りのミスが出て足をひっぱり、ここぞという試合で沈黙してきた打線だが、ここらで本来の力を発揮し、最後は呂投手はじめとした投手陣に恩返しをしなきゃいけない。

 

【10月23日(土)13:00~第2試合:ドリーム☆ワールド v.s. 靜甲】
<靜甲>
 とにかく今年は2部では戦力的に抜け出していると思っていたチームだが、期待に違わぬ結果で1位通過をしてくれた。残り2つ、連勝して今年こそ文句なく1部昇格を決めてくれると確信している。
 しかしそれにはまずは同じ静岡対決となる初戦のドリーム戦に勝つことが大事。国体予選や県内の大会では靜甲が勝ったようだが、ドリームは主力が出られなかったりしたようで、ベストメンバーが揃って公式戦で対決するのは実際にはこれが最初ではないか。
 とにかく相手には日本代表クラスの打者もいるわけで1年目のチームとはいえ決して油断はできない。
 鈴木麻、河部の2枚看板は調子を見て投げさせることになるだろうが、とにかくどちらが投げてもしっかり試合は作るので心配ない。打線も好調なようで、特に最終節で計盛や萩藤に長打が出ていたのは心強い。最終決戦で呂投手擁するマクセルと4度目の対戦となっても、先の対戦では5点を取って攻略しており、さらに過去3度の対戦で代打に出て3打数3安打の呂キラーの菊池も控えている。打線の心配は要らないだろう。
 先にも述べたが初戦で対戦するドリーム☆ワールドは廃部になったレオパレスから移籍した選手が主力のチーム。レオパレス廃部がなければここに伊予銀行がいたはずで、今年の伊予銀の戦いを見ると靜甲としてもかなり厳しい戦いを強いられたのは間違いない。
 レオパレス廃部後のこの展開が靜甲にとって吉と出るのか凶と出るのか、すべては明日からの結果次第だ。

<ドリーム☆ワールド>
 ひとつ告白させてもらうと、実はドリームワールドの公式戦を見たことが1度もない。というか公式戦どころか、ユニフォームを着て動いている選手を生で一度も見たことがない。だから今回は試合以上に初めてドリームを見るということ自体も目的の一つである。
 基本的に1部の試合と2部の試合の日程がかぶってることに加え、2リーグ制に分かれたことから片方のチームしか見られない。見られない2部のチームを見るために実業団大会にも足を運んでいるのだが、ドリームは実業団大会にも出てなかったのでそこでも見られなかった。
 練習試合などで何度か見る機会はあったがそのつど出張と重なるなどで、結局一度も目にすることなく明日を迎えるのである。
 主力の多くは元レオパレス選手であり名前と顔の一致する選手がほとんどなのが救いではあるが、それでも若手が多いのでどれくらいの力を持っているのか個人的には全くの未知数だ。
 その中で例外なのが伊藤と小野。この二人は1部でもバリバリの一流選手だったわけでその実力をアドバンスでいやというほど見せつけている。その二人が明日の大一番でホープセクションの好投手相手に力を発揮できるか。また投手の松村も、特に靜甲の強力打線を相手にどこまでのピッチングができるのか。未知数が多い分、非常に楽しみな明日の1位対決である。


 

【投球回数10回以上の投手成績(かっこ内は被打率、1試合当たり与四死球と奪三振率)】
<ドリーム☆ワールド>
 松村 綾菜~14試合、81回、防御率1.47、10勝1敗(0.253、1.9、4.1)
 陳  彦君~ 5試合、13回、防御率2.69、1勝0敗(0.306、2.7、1.1)

<靜甲>
 鈴木 麻美~11試合、54回、防御率1.30、8勝2敗(0.183、2.1、4.2)
 河部 祐里~ 7試合、36回、防御率1.93、4勝0敗(0.235、1.4、3.9)

<ペヤング>
 小長井美希~ 9試合、41回、防御率0.68、7勝1敗(0.226、0.7、2.5)
 小澤 麻美~ 4試合、19回、防御率1.11、2勝0敗(0.333、0.7、2.6)
 背戸あゆみ~ 5試合、16回、防御率0.44、2勝0敗(0.232、3.1、1.8)
 深尾 愛璃~ 7試合、11回、防御率2.47、0勝0敗(0.273、0.6、2.5)
 小原 尚美~ 5試合、11回、防御率2.63、1勝1敗(0.211、1.9、1.3)

<日立マクセル>
 呂   偉~11試合、58回、防御率0.72、7勝2敗(0.123、2.4、10.3)
 豊崎 貴世~ 6試合、12回、防御率2.84、2勝0敗(0.340、5.7、2.3)
 森川 憲子~ 6試合、17回、防御率2.02、1勝1敗(0.266、2.0、3.2)


 

【打席数10回以上の打者成績】
<ドリーム☆ワールド>
 小原 友里~14試合,53打席,打率0.347,10打点,5二三塁打,0本塁打,1三振
 辻井 晴名~14試合,53打席,打率0.405,6打点,2二三塁打,0本塁打,4三振
 小野奈津子~14試合,53打席,打率0.489,11打点,6二三塁打,4本塁打,5三振
 小西つどい~14試合,52打席,打率0.356,10打点,2二三塁打,0本塁打,1三振
 伊藤 綾香~14試合,50打席,打率0.579,17打点,3二三塁打,6本塁打,1三振
 谷口 敏子~14試合,47打席,打率0.268,6打点,3二三塁打,1本塁打,6三振
 宮野 祐子~14試合,43打席,打率0.293,7打点,5二三塁打,0本塁打,0三振
 川上恵莉子~14試合,37打席,打率0.148,1打点,0二三塁打,0本塁打,3三振
 古宇田佳愛~14試合,36打席,打率0.241,5打点,2二三塁打,0本塁打,4三振
 山下美奈子~11試合,12打席,打率0.273,0打点,0二三塁打,0本塁打,3三振

 

<靜甲>
 鈴木 優子~14試合,56打席,打率0.431,17打点,8二三塁打,1本塁打,2三振
 植松 尚子~14試合,56打席,打率0.388,5打点,2二三塁打,1本塁打,2三振
 計盛志津子~14試合,55打席,打率0.382,13打点,3二三塁打,2本塁打,6三振
 萩藤 寛子~14試合,52打席,打率0.349,12打点,0二三塁打,2本塁打,1三振
 白井加奈絵~14試合,50打席,打率0.273,10打点,3二三塁打,1本塁打,3三振
 松井志帆実~14試合,45打席,打率0.341,8打点,2二三塁打,1本塁打,0三振
 田中 美穂~14試合,44打席,打率0.278,7打点,2二三塁打,0本塁打,7三振
 尾方 栄里~14試合,35打席,打率0.318,6打点,0二三塁打,0本塁打,2三振
 中村 夏美~11試合,29打席,打率0.308,5打点,4二三塁打,0本塁打,2三振
 原田真由美~ 6試合,20打席,打率0.333,7打点,1二三塁打,0本塁打,1三振
 菊地 美咲~13試合,16打席,打率0.417,0打点,0二三塁打,0本塁打,0三振
 吉田 早希~ 8試合,14打席,打率0.538,4打点,1二三塁打,0本塁打,2三振

 

<ペヤング>
 都築加奈恵~14試合,56打席,打率0.488,9打点,5二三塁打,0本塁打,1三振
 中村 藍子~14試合,55打席,打率0.364,12打点,4二三塁打,2本塁打,1三振
 土谷祐美子~14試合,53打席,打率0.273,5打点,1二三塁打,0本塁打,1三振
 須藤 綾子~14試合,51打席,打率0.386,10打点,3二三塁打,1本塁打,1三振
 村中  梢~14試合,51打席,打率0.289,9打点,4二三塁打,2本塁打,6三振
 菊池 紗樹~14試合,46打席,打率0.415,8打点,4二三塁打,0本塁打,1三振
 小澤 麻美~14試合,41打席,打率0.257,3打点,2二三塁打,0本塁打,0三振
 石川 すず~14試合,37打席,打率0.310,6打点,2二三塁打,0本塁打,0三振
 後口真紀子~10試合,19打席,打率0.250,2打点,1二三塁打,0本塁打,1三振
 蛯名 沙季~ 9試合,14打席,打率0.000,0打点,0二三塁打,0本塁打,4三振
 岩本 典子~ 6試合,14打席,打率0.455,3打点,2二三塁打,0本塁打,0三振

 

<マクセル>
 加藤  愛~14試合,54打席,打率0.318,6打点,5二三塁打,0本塁打,1三振
 阿部  環~14試合,53打席,打率0.357,2打点,5二三塁打,0本塁打,2三振
 小林 朝子~14試合,51打席,打率0.422,15打点,8二三塁打,2本塁打,3三振
 髙崎 千恵~14試合,49打席,打率0.375,8打点,5二三塁打,0本塁打,7三振
 東  綾華~14試合,47打席,打率0.216,1打点,1二三塁打,0本塁打,3三振
 田中 涼子~14試合,40打席,打率0.281,4打点,2二三塁打,0本塁打,4三振
 中村 祥子~14試合,39打席,打率0.333,5打点,3二三塁打,0本塁打,1三振
 和田 祐美~14試合,39打席,打率0.286,7打点,3二三塁打,0本塁打,2三振
 林  杏奈~13試合,37打席,打率0.303,5打点,2二三塁打,0本塁打,3三振
 河瀬 朝子~11試合,17打席,打率0.308,2打点,2二三塁打,0本塁打,1三振
 塩見  麗~ 8試合,10打席,打率0,0打点,0二三塁打,0本塁打,1三振

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