【日本リーグ第10節みどころ】

2008年も残すところ最終節の2試合のみとなってしまいました。
今年は4位争いに織機、トヨタ、レオパの3チームが並ぶ大接戦。とうとう最終日にまでもつれ込むという事態にまで。加えて入れ替え戦にまわる11位も戸田中とシオノギの間で最後まで争うことに。
そして毎年のことながら、この年限りでユニフォームを脱ぐ選手にとってはファンがそのプレーする姿を見られる最後の舞台でもあります。
まだまだ熱い、そして少し切ない最終節の各チームの展望を、簡単にですが載せたいと思います。
(チーム名の前の括弧内は現在の順位)
組み合わせはこちら↓
http://www.softball.or.jp/info_league/w01/siai/w1_si2007.html

 

【豊橋大会 ※注目カード「織機v.s.誘電」、「シオノギv.s.マクセル」】
(4)豊田自動織機-三連覇、連続決勝トーナメント進出の道は途絶えるのか
何より今節一番の注目はこのチームであろう。
2006、2007年と連覇、2004年も優勝しておりここ4年で三度優勝の最強チーム。しかも17年連続で決勝トーナメントに進出しており、その織機がベスト4に入れないとなるとこれはソフトボール界の一大事件である。
前節でデンソーに負けたのが非常に痛い一敗であり、もはや自力優勝の目はほとんどない。ただそれでもわずかにその自力優勝の可能性はあるし、決勝トーナメント進出自体の可能性も少なからず残されている。
自力優勝するにはトヨタ自動車とともに2勝で並ぶか、あるいはトヨタ自動車、レオパレス21と1勝1敗で並んだ場合に当該チーム間の得失点差やリーグの総得失点差で上回る必要がある。そのために重要なことは、日立マクセル、太陽誘電に勝つことは当然として__「出来る限りの大差をつけて」__勝つことである。太陽誘電は坂井を擁するチームでありその条件は容易ではない。日立マクセルを相手にどこまで大差を付けられるかが最大のポイントであり、そのマクセルが呂投手を織機かシオノギかのどちらにぶつけてくるのかも大きなポイントである。

 

(7)太陽誘電 – ベスト4は現実的に厳しいが、しかしこのままおとなしく終わるつもりはない
決勝トーナメント進出の可能性は残されてはいるが、その可能性は低い。織機、レオパ、トヨタ自動車の3チームが1勝1敗で太陽誘電が2勝した場合に星が並ぶが(少なくともトヨタと織機は2敗はしないであろう)、そうなるとやはりレオパに2敗している太陽誘電に勝ち目はない。
しかし今年最後の試合で、しかも織機との戦いで最後の意地を見せられるか、このままでは終われない太陽誘電の戦いも見ものである。 織機としては雨中の全日本総合準決勝で敗れたリベンジをしたいところでもあり、誘電としては前半戦完敗の借りを返したいところでもある。

 

(11)シオノギ製薬 – もう一つの熱い戦い。入れ替え戦回避のために死力を
現在11位、このまま行けば入れ替え戦で2部の強豪、靜甲と戦わねばならない。1つ勝てば戸田中央病院に並ぶ可能性があり(戸田中2敗が条件)、しかも並べば戸田中に2勝していることから自動的に残留が決まる。
マクセル、誘電と当たる最終節は、是が非でもマクセルには勝ちつつ、戸田中の結果待ちという状況に持ち込みたいだろう。前節で佐川急便を延長12回で破った勢いと、安福の復調を考えると、初日の太陽誘電戦での健闘も大いに期待できる。

 

(12)日立マクセル – 最後の1部の試合に悔しさを全てぶつけろ!
結局前半戦は全敗、後半戦はHondaから上げた初白星の1勝だけであり、1部復帰もまたしても厚い壁に跳ね返された感がある。
しかし、後半に入り前半戦主戦として活躍した森川が成長し、北京五輪に参加した中国ナショナルチームのエース呂投手の加入で戦い方が見違えるように締まりだした。内外野の守りも向上してきたようで、これからと言うときの2部落ちは選手達も悔しいだろう。
その悔しさをぶつけられる最後の舞台がここ豊橋である。昨季の王者織機と、11位にいるシオノギを相手に思う存分1部の試合を満喫して欲しい。シオノギ戦は現状最下位と11位の対戦ではあるが、互いに意地をぶつけ合う面白い試合になるのではないかと密かに期待している。
<結局ここまで勝ちはないが前半戦からとても頑張って投げ続けた森川憲子。またすぐに上がってこい!>

【神奈川大会 ※注目カード「トヨタv.s.レオパレス」】
(4)トヨタ自動車 – この試合が1年の集大成
今年補強に成功し、もはや強豪チームの仲間入りを果たしたトヨタ自動車。最後の最後に対戦するレオパレス戦が、その集大成になるだろう。
ここまで8敗したうち、6敗が1点差負け。その半分でも勝てていれば、デンソーとともに最終節を待たずして決勝トーナメントを決めていたであろう。それくらいチームは力を付けてきてはいるが、と同時にチームとしての勝ちきれない未熟さもあった。ただそれもここで最後の力を発揮して決勝トーナメント進出を決めれば全てが報われる。
ここまで20戦を終え4失点が最多で2試合(うち1試合は延長タイブレーカーで3失点)、それ以外は全て2失点以内に抑えている。何よりもチームを支えてきたのは投手陣、特に露久保の頑張りである。
最後に打撃陣がその好投に報いてあげられるか、今年加入したクーパーや坂元だけじゃなく、やはり伊藤幸子が試合を決めるような一打を放ってこそ、一年の締めくくりに相応しい。最近不調でチームに貢献できていない彼女の最後の意地を見たいものだ。

 

(4)レオパレス21 – トヨタ自動車に勝たないことには始まらない
2004年以降は毎年決勝トーナメントに進出しており、常に優勝争いに絡んできた強豪である。今年も進むための複雑な条件はいろいろあるが、やはりトヨタ自動車に勝つことが何よりも大事である。
返す返すもデンソーと佐川急便に連敗したのが痛かった。まさに悪夢の熊本大会である。これも全てエースのローチが特に後半に入り投げてみないとわからないくらいの絶不調なのが大きい。
しかしそんな中、高卒新人の山根投手が本当によく投げている。逆に負けが込みながらまだこの時点で踏みとどまっているのは山根の踏ん張りが全てである。最後のトヨタ戦も、この高卒新人の山根に託すかも知れない。打線の繋がりとしては恐らくリーグ最強を誇るレオパレス打線がこの若い山根を援護してやれるのか、全てはそこにかかっている。
<恐らく将来の日本代表にも名を連ねるだろう山根投手の記念すべきリーグ第1球>

(2)日立ソフトウエア – 2位確保で余裕だが、凱旋試合は連勝を狙う
実は試合時間の関係上、ルネサスより先に一番乗りで2位以上を確保したのがソフトウエアである(たぶん)。ページシステム上は1位に等しい2位だが、まだリーグで1位になる可能性も残されているし、何より地元大会で無様な試合は見せられない。
初日に当たるHondaは全日本総合でなぜかボロ負けした相手である。ここは5倍くらいにお返しをしてやりたいところではないだろうか?翌日のレオパレス戦はある意味ルネサス戦以上に人気が出て大勢の観客を集めそうな好カードである。代表選手も多く出場し、レオパレスは決勝トーナメント進出にむけて負けられない試合、ソフトウエアも力のあるレオパレスが上がってくると厄介なのでここで落としておきたい試合でもある。
さすがに自滅が得意のソフトウエアであっても、今回こそは大勢の地元ファンの前で強さを見せつける試合をしてくれるだろう。

 

(9)Honda – 残留を決めて一安心のHonda、得意の確変で大物食いなるか?
相手チームに取っては乗せると怖いチームである。一昨年優勝した織機もスミス先発ながら大敗したこともあり、今年も総合でソフトウエアを大差で破った。突如として強豪に変身することがある不思議なチームである。総合で勝ったそのソフトウエアとは今節の初日で再び対戦する。2匹目のドジョウを狙いところだ。
さらに注目はトヨタ自動車戦である。決勝トーナメント進出をかけ勝ちを計算して挑んでくるトヨタに一泡吹かせられてこそ、確変チームの面目躍如であろう。来年に向けてチームも大きく変わりそうな気配もあり、それだけにこのメンバーで戦える試合を十分満喫して楽しんで欲しい。楽しんで試合をしたときこそがHondaの本領が発揮されるはずである。

__※観客の皆さんには是非とも、セカンド中村瞳のファインプレーにも注目してもらいたい(毎回言ってるw)__
<最終節で悲願の初ホームランなるか?Hondaの4番田中清香>

【福岡大会 ※注目カード「戸田中v.s.デンソー」「戸田中v.s.佐川」】
(10)戸田中央病院 – 4位争いのチームがいない大人しい大会で唯一せっぱ詰まった戸田中
現在5勝15敗の10位だが、後ろから4勝のシオノギが迫ってきている。星で並べば直接対決で2敗している戸田中が去年に引き続いて入れ替え戦にまわることになる。直接対決の敗戦だけに全く文句は言えないわけだが、しかしシオノギが上位陣に全敗しているのに比べ、太陽誘電と日立ソフトウエアに勝っているのは賞賛に値する。なんとか一部に残してあげたい気になる。
今節当たるのはデンソーと佐川急便。1勝すれば残留が決まるいわゆるマジック1の状態ではあるが、ともに力のあるチーム相手であり、マクセルと対戦するシオノギに並ばれる可能性も高い。
しかしこの佐川急便は、先週の山梨大会で延長12回を戦いながらシオノギに勝ちきれず、逆にシオノギの残留に大きな望みを与えてしまったチームでもある。その佐川と戦う戸田中にとっては何が何でも勝ちたい、勝たねば気が済まない試合であろう。
ちなみに連投が予想される堤千佳子は小倉出身の準地元投手。高校時代は選抜で準優勝もした名の知れた投手である。
<全てはこの人の肩にかかっている。好調時には上野をも凌ぐ堤千佳子>

 

(3)デンソー – 余裕の戦いが戸田中戦でどう影響するか?
初の決勝トーナメント進出を決めて余裕を持って戦える最終節である。決勝の1回戦で当たる可能性のある4チームとの対戦もなく、調整に費やすか若手に経験させるか、どちらにせよ多くの選手が試合に出そうな気がする。
戸田中戦では登板機会のほとんどなかった宇野や片山、武井といった投手の登板もあるかも知れない。そうすると戸田中にも勝機が訪れるわけで、残留争いにも関連しデンソーの戦い方も実は重要である。
今年最後の試合となる注目のルネサス戦は今年のデンソーの強さを見せつけられる格好の相手である。増淵、染谷といった代表クラスの投手をぶつけ、是非とも勝って決勝トーナメントに向けても弾みを付けたい。

 

(8)佐川急便 – ルネサス戦で今年一年の鬱憤を晴らしたい
山梨大会では押しに押しながらシオノギに勝てず、「やらかしてしまった」ことからシオノギと10位を争う戸田中ファンからは憎まれそうなチームである(笑) 戸田中は選手、応援団含め、佐川戦にだけは是が非でも勝ちたいと死にもの狂いで来るだろう。がしかし、佐川には最強応援団が控えており、スタンドの熱さも面白くなりそうだ。
7勝13敗の8位と今年も真ん中くらいを確実にキープしているある意味安定感のあるチームでもある。ただ戦力的に考えるとなんとも不甲斐ない成績ではある。しかし今年もこれで最後、目の色を変えて挑んでくる戸田中相手より、世間が注目するルネサス相手に金星をあげ、気持ちよく1年を終わりたいのではないだろうか?
前節で負傷したターニャの状態が気がかりだが、ここは2部時代からチームを支え続けてきた帰山投手の奮起に期待したい。
<ターニャに負傷の影響があるなら帰山に期待がかかる。気合い抜群の左腕で好きな投手の一人だ>

(1)ルネサス高崎
ルネサス、上野、宇津木ファンの皆様!
初日の第1試合でルネサスの試合が終わったからっつってゾロゾロと帰らないでね。次の試合面白いですよ!

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