【2012年開幕節第1試合~戸田中央総合病院 vs. 大鵬薬品】

戸田 000 0000 …1
大鵬 000 0001x…2

戸田中央総合病院:●李琪—鶴澤眞緒
大鵬薬品:○江本奈穂 - 増井知美
(本):佐藤光紗(大)

【テーブルスコア】


【戦評】
 雨のため2時間遅れ正午に始まった2012年の日本リーグ開幕戦。
 後ろに3試合控えていたため巻きの進行で球審のストライクゾーンはやや広め。戸惑う打者も多かったが両チームともに平等に広かったようでありスムーズに試合も進行した。
 ただその広いストライクゾーンを最大限利用した戸田中央総合病院の李投手が6回パーフェクトという完璧なピッチング。
 リーグ初登板(1部)で、開幕節第1試合に完全試合という快挙かと思われたが、大鵬薬品の1番打者佐藤光紗がその夢を砕いた。
 戸田中としては再三チャンスを作りながらもあと1本が出ず、7回まで点が取れなかったのが余りにも痛かった。

<1年ブランクを経て大鵬薬品で復帰した江本奈穂。粘りの投球で完封した>

<日本リーグの1部初登板であわや完全だった李投手>


【試合経過】

【2回裏:大鵬薬品】
 両チームに公平に広く試合もサクサク進み気持ちよい球審のストライクゾーンだったが、佐々木のこの1球だけは打者に可哀想だった。
 3-1から顔付近を通るライズボールがストライク。3-2となって同じ所に投げられると手を出さざるを得ず空振り三振。戸田中バッテリーは佐々木の次の打席でも同じように高めのボールで攻めて三振を奪うという上手い攻めを見せた。佐々木もややこの1球に引きずられすぎてしまった。
 ただこれがボールで四球になっていたら、完全試合も早々に途切れていたわけで、すると逆に佐藤光のサヨナラ弾も生まれなかった可能性も。戸田中にとっても良かったのかどうか。

<ライズが高め顔の付近。佐々木もすぐに切り替えて欲しかった>

【3回表:戸田中央総合病院】
 先頭の柳井がヒットで出るも、太田がバントを上げてしまい併殺打。内田がヒットで出るも盗塁死、と2安打しながら絵に描いたような拙い攻めで三者凡退。

【6回表:戸田中央総合病院】
 再三チャンスを作りながら点が取れない戸田中は6回表も2死から連続死球で一二塁としたが鶴澤がショートゴロ。しかしこの打球を森田が今日2個目の失策を犯し二塁セーフに。このプレーの間を突いて二走の東福が一気にホームを狙うも、ストライク返球がかえりやや余裕をもってのタッチアウトとなってしまった。ショートの森田が弾いた打球をセカンドの酒井が拾ってホーム返球したのも、戸田中にとっては運がなかった。

<森田のエラーで東福が一気にホームを狙ったが>

【7回裏:大鵬薬品】
 そして最後の場面。
 左投手ということで酒井あるいは佐々木の一発を期待していたところで決めたのは1番の佐藤光紗。このどこからでもホームランが飛び出す意外性、豪快さが大鵬薬品の大きな魅力の一つ。
 しかしそれにしても佐藤光が捉えた時の打球の伸びは凄い。メジャーリーガーみたいな打球を飛ばす。このサヨナラホームランも打った瞬間。昨年の入れ替え戦でセンター後方の天井にぶち当てた認定ホームランを思い出した。

<打った瞬間わかる佐藤光紗の完璧な一発>

<ガッツポーズでベースを回る佐藤光紗、ここまで「完全」の李は、もはや笑うしかなかった>

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