【2012年/第64回全日本総合女子ソフトボール選手権:1日目の結果(完成)】

【Aブロック】
(A-1)
NECアクセス 000 0200…2-4-1
ルネサス高崎 200 400x…6-9-1
NECアクセステクニカ:●宮崎夏菜-井本琴美
ルネサスエレクトロニクス高崎:○黒川春華、山下絢、中野花菜-峰幸代
(本):
(三):大工谷真波、岩渕有美(ル)
(二):渡邊南(N)、橋本留美(ル)
【コメント】
 ルネサスは黒川が完投。NECは宮崎夏菜が先発し、試合前に「君が完封したら勝てるから!」という約束を守ってくれずに6失点。
 でも総合では無双のルネサスを相手にこの試合内容は十分及第点。
 来年は1部に昇格して1部の舞台で本気で戦ってもらいましょう!

(A-2)
平林金属 101 0000…2-7-1
戸田病院 002 103x…6-11-0
平林金属:●井茂、乾彩-野口
戸田中央総合病院:○比嘉、橋爪-佐藤
(本):岡本(平)、佐藤、太田(戸)
(三):萩原(戸)
(二):大畑、野口(平)、大庭(戸)
【コメント】
 観戦できなかったがとても気になってそわそわしていたのがこの試合。
 なんとしてでも平金の総合での試合を見たかったのだが離れすぎた会場がそれを許してくれなかった。
 ただ1部の戸田中相手に3回表までに2点を先制するという素晴らしい戦いぶり。
 6回裏に3点を奪われたがその表までは1点差と、十分勝てる展開で試合を進めた。
 岡本がホームランを放つなど、今年はイマイチぱっとしない平金とすれば、負けはしたが今年ベストの試合が出来たんじゃないだろうか。この負け方は十分来年に繋がるだろう。

(A-3)
IECブルド 000 00…0-1-0
太陽誘電 422 0x…8-11-0
IECブルドッグス:●西、岩崎-森
太陽誘電:○尾﨑望良-佐藤みなみ
(本):丸山実希子(誘)
(三):岡本由香、河野美里、原田のどか(誘)
(二):原田のどか(誘)
【コメント】
 IECブルドッグスは1安打完封5回コールド負けと1部チームの実力をまざまざと見せつけられた。
 でもこれこそ総合に出た甲斐があったってもの。負けて本望。
 1安打放った選手はずっと自慢できる。尾崎もいい投手だ。
 こういう総合らしい地方のクラブチーム、専門学校チームの試合も見たかったな。

(A-4)
松本大 000 0000…0-1?-1
日体大 031 000x…4-7-2
松本大:●山越、高橋-田島
日本体育大:○三木綾菜、下山、高田-澤井美佑
(本):
(三):山崎奈美佳(松)、小澤(日)
(二):宮坂(松)、相馬里砂、松畑美希、岩見(日)
【コメント】
 配られている資料を見たら、松本大は山崎と宮坂が長打を放っているのに安打数が「1」になってた。おそらく安打数が間違いなのだろう。
 松本大の山越栞奈投手は多治見西で現織機の北岡、高坂と同級生だった選手。負けはしたが現在2年生なのでこれからの成長が楽しみ。


【Bブロック】
(B-1)
シオノギ 201 0203…8-*-*
IPU  002 0000…2-*-*
シオノギ:○村上絵莉愛-松村
IPU環太平洋大:●岡野文香-大奥
(本):
(三):三宅美咲、杉本夏子、山根すずか(シ)
(二):上田恵、宮本(シ)
【コメント】
 中国地区の各種予選では2部チームを相手にいらんことしまくっている、じゃない、勝ちまくっているIPU。その強いIPUを相手にシオノギがどう戦うか非常に注目した試合だったが、やはりシオノギはシオノギだった。
 1年目の村上に松村という若いバッテリーの先発ながら打つ方で得点を重ねて8得点。
 コールドにはならなかったが、全く危なげのない試合展開でやっぱりいいチームだなというのを再認識させてくれた。

(B-2)
太学大 000 0000…0-4-2
淑徳大 000 011x…2-7-0
太成学院大:大橋-緒方
淑徳大:○樋口-水嶋
(本):
(三):
(二):前橋(太)、麓、清水(淑)
【コメント】
 淑徳大は樋口麻知子が完封勝利。太成学院大も先発完投の大橋のり子が4回まで無失点と好投したが、5回6回に1点ずつを奪われた。

(B-3)
ペヤング 000 0010…1-6-0
佐川急便 200 000x…2-6-2
ペヤング:●菊池遙-村中梢
佐川急便:○信長香菜-野添由加
(本):
(三):
(二):中村(ペ)、寺本、柳瀬、ポーター(佐)
【コメント】
 ペヤングは敗れたが若きエース菊池遙が佐川急便打線を初回の2失点に抑える好投。成長著しい佐川急便のエース信長と互角に投げ合った。
 いよいよ翌週に迎えた2部最終節での逆転優勝へ、フル回転してくれそうだ。

(B-4)
トヨタ自 121 0000…4-8-1
伊予銀行 002 0000…2-4-2
トヨタ自動車:○山根佐由里、中村友佳-渡邉華月
伊予銀行:●末次夏弥-小西智子
(本):坂元令奈(ト)
(三):
(二):渡邉華月、馬渕朝子(ト)、川野(伊)
【コメント】
 2-4で迎えた6回裏伊予銀行の攻撃。
 この回、山根から代わった中村友に対し先頭の外山が大飛球。完全にホームランかという当たりをセンターの山崎が姉ちゃんに勝るとも劣らないガッツあるプレーでフェンスに激突しながらキャッチ!
 しかしその瞬間にフェンスをなぎ倒してホームランゾーンへ。
 確かに捕ったのはまさにフェンスと激突した瞬間、しかし完全捕球したのは明らかにフェンスより向こうだったし、なぎ倒したからこそ捕れたとも思えるような、判断の難しい打球。
 一旦はホームランになり、トヨタの福田監督の猛抗議でアウトに訂正されはしたが、どうにも判断しようのない打った方も捕った方も素晴らしいプレーだった。ただこれが入ってたら正直試合もどうなっていたかわからない。。

 個人的には厳密に杓子定規に考えればホームランだとは思ったが、協議の上での審判の「アウト」判定には納得した。矛盾するようだが、例えばフェンスを倒れないようにコンクリートにするわけにもいかないし、さまざまな現実的条件を考慮して納得させてくれるような今回の判定は「いい判定」ではなかったかと思う。序盤の失点とこの判定が響いて伊予銀が負けたが、後味はスッキリした試合ではあった。
 ちなみに、6回裏のそのあとの伊予銀の攻撃で矢野のサードゴロを坂元が見事にトンネルした。
 別にわざわざ書く必要はないんだが(笑)

<フェンスを壊しながらもボールを離さなかったセンターの山崎早紀。大ファインプレー>

<一旦はホームランとされホームベースを踏む外山裕美子だったが、幻に…>


【Cブロック】
(C-1)
東福祉大 000 10…1-*-*
デンソー 163 0x…10-*-*
東北福祉大:●矢萩、伊藤-清水
デンソー:○染谷、山田-岡田
(本):ウィギンズ、中岡(デ)
(三):今泉(デ)
(二):野木
【コメント】
 デンソー打線が東北福祉大相手に爆発。
 今年大化けした中岡のホームランなどで3回までに10得点。
 染谷、山田とつなぐ余裕の投手リレーで無難に5回コールド勝ち。

(C-2)
日立ソフト 110 424…12-15-1
大垣ミナモ 100 100…2-8-0
日立ソフトウェア:○山口、佐藤、高橋-眞鍋
大垣ミナモ:●増淵、中里見-蔵澤
(本):山田、濱本、森田、田邊(ソ)
(三):濱名(ソ)
(二):森田(ソ)、伊藤(大)
【コメント】
 日立ソフトウェアは4本塁打15安打と打線爆発。
 ミナモも8安打とソフトウェアの若い投手陣を攻め序盤は良い勝負だったが、3回以降に投手陣が力尽きた。

(C-3)
東芝北九 000 0000…0-1-0
豊田織機 400 010x…5-6-2
東芝北九州:●森田-立花
豊田自動織機:ローリー、○栗田、北岡-ウィリス、洲鎌
(本):古田、国吉(織)
(三):
(二):吉良(織)
【コメント】
 織機は一昨年も初戦で東芝北九州と対戦し、その時は小柳の満塁弾で初回に奪った4点だけでそのまま逃げ切った。
 今年は3ランだったが初回に4点。また同じ展開かと思ったが5回に国吉がホームランを放ち5点差とした。
 2部では強打の東芝北九州だが、さすがに織機投手陣相手には無安打を逃れるのがやっと。

(C-4)
Shine’s 000 10…1-2-2
甲賀医専 404 0x…8-6-2
Shine’s:●高原-江口
甲賀健康医療専門学校:○岩田、川口-村井、大庭
(本):
(三):
(二):小山(甲)
【コメント】
 Shine’sには以前カネボウ小田原にいて、その後ウェルネスにもコーチ待遇で1年間所属していた板倉美里が選手として試合に出ていた。
 Shine’sはなんとかコールドを避けて1回でも余分に戦いたかっただろうが、あと1点及ばなかった。



【Dブロック】

(D-1)
鈴鹿国大 010 0000…1-1-1
大鵬薬品 000 002x…2-6-0
鈴鹿国際大:●平木綾佳-西井春菜
大鵬薬品:○江本奈穂-増井知美
(本):西井春菜(鈴)
(三):森田まゆ(大)
(二):佐藤このみ、佐々木瞳(大)

【コメント】
 鈴鹿国際大は2回に元織機の西井春菜がかつてバッテリーを組んだこともある江本奈穂からバックスクリーンに完璧なホームラン。
 結局鈴鹿はこの1安打だけだったが、その1発の1安打で1-0というのが勝てるもっとも可能性の高い展開だったのだがギリギリの6回に逆転されてしまった。
 大鵬はチャンスを作りながらも得点できず。6回も無死二三塁で酒井がスクイズを試みたがこれが小フライ。ファーストの河田がキャッチしていればトリプルプレー、は無理でも少なくともダブルプレーで万事休すの場面も、河田のダイビングがわずかに及ばずスクイズが成功。さらに江本の強いゴロがサードのすぐ横を抜けるタイムリーになり勝ち越した。
 敗れたものの鈴鹿国大はエースの平木が5回まで無失点と好投。ほぼ勝利が目前まで迫る大健闘だった。じゅうぶん胸を張って三重に帰れる。

<4番西井が元織機の先輩江本から貫禄の一発。1部でもこれだけホームラン打てる打者はなかなかいない。ましてや将来パン職人を目指している中でこれだけホームラン打てる打者は、日本中探しても一人もいない>

<酒井のスクイズ小フライにファースト河田が飛び込むもわずかに及ばず…>

(D-2)
Honda 000 0203…5-12-1
園田大 030 0000…3-6-2
Honda:○金尾和美-武藤理恵
園田学園女子大:●泉礼花-清原奈侑
(本):
(三):野上(園)
(二):知念(園)

【コメント】
 園田大出身者では1部リーグでもっとも活躍しているHondaの平林真由子のまさに一人舞台。
 結果的に2点タイムリー2本と打では大活躍だったが、そもそも3点を取られた2回の園田の攻撃時にはレフト線浅い飛球に突っ込みすぎて後逸し痛い失点を与えるミスもあった。
 しかしファンからすれば、勝負強い打撃、積極的な走塁、そして守備で前進して後逸、と、平林の魅力が全て詰まった試合になった(笑)
 Hondaは5回に2点を返した場面でも、無死一二塁から芝崎のヒットで三塁コーチの濱中監督がストップをかけたにも係わらずこの日3打数3安打の又吉が無視して本塁へ突入し憤死した。
 しかしファンからすれば、球際に強い守備、内野の間に放つしぶとい打撃、そして無謀な走塁、と、又吉の魅力が全て詰まった試合になった(笑)
 園大目線からすると余りにも悔やまれるのがHondaの島崎の2本のバントヒット。2本ともアウトになってもおかしくない微妙なタイミングだったが、外から見ている分には島崎の走塁が絶妙で、無論セーフにされてもおかしくはないプレーだった。ファーストの足が離れたと見られたのかも知れない。ただあれがアウトなら、おそらく園田大が勝っていただろう(あとで写真を見返したが…園田大に同情してしまう、笑)エースの泉の投球も素晴らしく、好守にソツのない試合運びだった。
 ソフトボールインフォさんが「3-1くらいで園田大が勝てる」と予想しているのを見て少々ムッとしたが(笑)、その予想が決しておかしくなかったことが証明された。

<2回裏、フルスイングの9番知念がレフトを越える先制の二塁打>

<大学の先輩の意地。Honda平林が2本目の2点タイムリーで6回に試合を逆転>

(D-3)
東女体大 010 0000…1-5-1
_YKK 022 001x…5-6-1
東京女子体育大:●平原、寺川-上野
YKK:○坂本佳子、血分智香-古藤美友紀
(本):山本(東)
(三):小林麻美(Y、公式記録は二塁打)
(二):小林麻美(Y)

【コメント】
 2回表、東女は4番の山本がバットに当て打だけでセンターのフェンスを越える一発を放った時、東女体大の監督や、特にコーチは「はいこんなへなちょこチームなんて楽勝~♪」くらいに思ったはずだ。
 だからYKKが自力を発揮してすぐさま逆転し、最終的に快勝した時は一人の熱烈なソフトボールファンとして実に爽快な気分になった。

<この1年で急成長した6年目の坂本。試合を任せられる立派なエースに成長した>

<珍しく(?笑)、打つ方で活躍したキャプテン小林の逆転三塁打。もちろん守りでも貢献>

(D-4)
山梨学院大  600 0100…7-6-1
日立マクセル 010 1100…3-11-2
山梨学院大:○酒井、畑迫-妹山、緑川
日立マクセル:●長尾、豊崎-篠田
(本):森田(山)、田中梢子(マ)
(三):地久(山)
(二):田中梢子②(マ)
【テーブルスコア】
【コメント】
 この試合はD会場のシクラメングランドでそのまま試合をしたら日没で暗くなるというので、ナイター設備のある町営グランドかなんかに場所を移して行われた。
 しかしそもそも最初からこの日4試合が行われるのはわかり切っていたことで、しかもこのD会場の試合は特に押しもせず順調に試合が消化されていた。
 にも係わらず、わざわざ会場を移動するという時点で、そもそも最初から試合会場の設定のミスじゃないのか??

 と思っていたら、マクセルの豊崎さんのお父さんの卓越した見解にはたと膝を打った。
 「日没で会場をナイター設備のあるグランドに移動して行う」というのも「国体のリハーサルの一環」として最初から組まれていたんじゃない?と。
 なるほど!胸のつかえが一気に取れた(笑)

 で、こうやって試合に無関係な話でごまかしているのは、あまり試合の中身に触れたくないからというのはもうおわかりだろう(笑)
 初回、無死1塁から2番打者がピッチャーゴロ。先発の長尾がこの打球を普通に捕って一塁に大暴投した時点で試合が終わってしまった。
 その後は四球にワイルドピッチで簡単に1点、不運なライト線三塁打でさらに3点。急遽替えざるを得なかった豊崎も、ほとんどまともにブルペン投球も出来ずに登板し、ヒットとホームランで2失点と、6番打者までで一つのアウトも取れず6失点してしまった。
 その後は豊崎が自責点ゼロで完封に近い投球をしただけに(小野の凡エラーで1失点はしたが)、余りにも大きすぎる初回の失点で、なすすべもなくマクセルが初戦で姿を消した。

 しかし山梨学院大の左の先発投手酒井の丁寧にコーナーを突く投球も素晴らしかった。
 やはりゲームを通しては山梨学院大のいいところが全てでた快勝、と言えるだろう。

<ホームランの森田紀代美を迎えるベンチ。森田は翌日もホームランを放った>

<ヒットを打たれながらも粘りのピッチングだった酒井彩好>

<先制点を与えた長尾のワイルドピッチ。四球、悪送球に暴投と、どうしたのか今日の長尾は良いところがなかった>

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