【女子ソフトボール日本代表の野手(含捕手)選考について~長編】

愚かなマスコミは阿呆の一つ覚えのように「日本は打撃が課題だ」とかわかったような口をきく。マイナースポーツにも詳しく少しは認めていた生島某という眼鏡かけた顔の四角いスポーツジャーナリストでさえ、宇津木麗華氏と同席していた番組で「日本は打つ方が心配」なんて言っていて失望した。
何も知らないなら語るな、仕事を受けるな、と言いたい。
スポーツジャーナリストというかそもそもジャーナリストして失格の烙印を押しておくのだこれでいいのだ。
今回の日本代表は世界的に見ても強打者揃いで打つ方はかつてないほどに充実している。最強布陣である(仮にアメリカのオスターマンを打てなかったとしても、あんなもん世界中誰も打てんのだ)。

ただしかし、ほんのかけらくらいは同情すべき点もある。それは前回アテネであまりにも打てなかったからである。五輪でしかソフトボールを見ない生島のような素人ジャーナリストにはその印象が強かったのだろうが、それには理由がある。そもそもアテネでの野手の選考が前代未聞なくらい不可解極まりないものであったからだ。
個人的に断言する。 アテネ五輪の宇津木妙子監督率いる日本代表
  日本の五輪代表選考史上最悪の選考であったと。

 

☆まずはそれを検証してみたい。
以下、当時代表に選ばれた選手と選ばれなかった選手に対しての評価(あくまで個人的だが)である。五輪前年度や五輪年の成績を元に考えてみた。

※ちなみに記号は、「代表に選ばれて、◎(当然)、○(妥当)、▲(不可解)、×(言語道断)」

 

【アテネ五輪で代表に選ばれた野手と捕手(打率は前年度成績)】
×三科真澄( 0.216) (素質はあるがまだまだ力不足だった)
◎内藤恵美(0.254)( 世界一の遊撃守備で必要不可欠)
▲佐藤理( 0.224)(素質は認められていたがこの年はどうだったか。本戦でも代走のみ)
×岩淵(0.208)(いい選手だが他にもっといい候補は大勢いた)
◎山田(0.333)(日本が誇る強打者にして名外野手)
×佐藤由(0.188)(俊足好守の名選手だが、はたして選ばれるほどだったか。この年限りで引退)
○伊藤良(0.369)(当時としては十分な打撃力があった)
▲乾(0.132)(上野とバッテリーを組んでいたからという理由だけ)
○山路(0.212)(日本ソフトボール界の頭脳のような捕手。ここは外せない)
×斉藤(0.283)(日本歴代史上最高クラスのの長距離打者だが、とうに峠は過ぎていた。この年は最終的に打率2割5分本塁打ゼロ)
×宇津木 (0.304)(長く日本代表の主砲を務めた功労者で強打者だったが、守りも含めとっくに峠は過ぎていた。この年の最終打率は1割台、本塁打ゼロ。 五輪でのあのサードフライエラーは永遠の語り草)

×坂本直子(新人・投手だが)(選ばれた理由が全くわからない。早々に引退した。まあ恐らく星野→ルネサス、だからだろうけど)

 

【アテネ五輪で代表に選ばれなかった主な野手】
◎田中幹子 (0.414)(歴代最多本塁打、歴代最多打点に肉薄の強打者。アテネには予備選手で帯同。前年打率2位、本塁打2位、打点6位、この年も最終的に本塁打2位。守備もうまく強肩で足も速い)
◎狩野亜由美 (0.361)(若くしてすでに天才の片鱗があった。前年度打率5位、この年打率2位 。今回代表の不動の一番打者)
○西山麗(0.338)(今回代表の名選手。狩野同様、若いとみなされたのか?しかしそれならなぜ坂本が?)
◎馬渕智子 (0.324)(同じチームに協会の人が好きそうな斉藤晴香がいたからか?前年度本塁打8本の新記録で1位、打点も1位。この年も打率9位で本塁打1位)
○藤本索子 (0.324)(大卒でレオパレスに入った即戦力。走攻守全てに一流選手。前年度打率10位でベストナイン 。この年も打率6位)
☆他にも来條(ソフトウエア、好守巧打の三塁手)、新海(ソフトウエア、前年度首位打者の好選手)、松崎(太陽誘電、俊足強打の好選手)、増山(デンソー、世界レベルのスピードを持った外野手)と言った当時乗っていた俊足巧打の名選手はたくさんいた。

以上である。
なんでこうなったのか。
理由はあるのだろうが、おそらくアレだろう。
あの権力者の○○が○○して自分勝手に○○したかったんだろうな。実にとんでもない。
まあ憶測で軽々しくしゃべれない時代なので、一つだけ事実を。
上で▲や×をつけた選手の所属チームだけを記載しておく。

×三科(ルネサス高崎)
▲佐藤理(レオパレス21)
×岩淵(ルネサス高崎)
×佐藤由(レオパレス21)
▲乾(ルネサス高崎)
×宇津木(ルネサス高崎)
×坂本直子(ルネサス高崎)
※監督 宇津木妙子(ルネサス高崎)

この辺で〆ようと思ったら今日のスポニチの記事を読んでまた怒りが湧いてきた。
日本ソフトボール協会尾崎某氏の談話である。
「(ソフトボールが五輪から除外されるのは)アメリカばかりが優勝しているというのも大きい。だから日本が優勝しないといけない」。
あのなあ、じゃあ前回のアテネの選考はいったいなんだったんだよ!代表を私物化して好き勝手に無茶苦茶やっておいて。日本が優勝しないといけないのなら、前回からもっと公平にまともな選手選考すべきだろうが!どの口が言うてんねん!!!!
ハァハァ・・・

 

☆さて、今回である。
 同じように個人的に評価してみた。
(記号も同じで、◎(当然)、○(妥当)、▲(不可解)、×(言語道断)である)

【北京五輪で代表に選ばれた野手(+捕手)】
◎峰幸代
◎乾絵美
◎佐藤理恵
◎伊藤幸子
◎西山麗
◎三科真澄
◎廣瀬芽
◎内藤恵美(怪我で辞退)
◎藤本索子(内藤の代役)
◎馬渕智子
◎山田恵理
◎狩野亜由美

前回とは見違えるようなメンバーである。
走攻守、全てにおいて今の日本ソフトボール界の最強選手の集まりである。
シュアーな打撃、ソツのない走塁、完璧な守備力、これらは日本のみならず世界最強と断言してもいいだろう。
では、前回の無茶苦茶な選考を協会が反省したのか、権力者の何某が反省したのか、と問われたらどうするか。
僕はハッキリと断言したい、答えは「否」と。
今回選ばれた選手たちが、特に前回不可解ながらも代表に選ばれた三科真澄、佐藤理恵が、また力がありながらも落とされた西山麗、藤本索子、馬渕智子、狩野亜由美が、それぞれが努力をして完璧な選手に成長し、もはや100人が100人監督になっても、誰が協会を牛耳っても選ばざるをえないような、素晴らしい選手に全員がなったからである。

谷川まき(太陽誘電)も入れたい、河野美里(レオパレス)も入れたい、古田真輝(豊田自動織機)も田中幹子(豊田自動織機)も上西晶(太陽誘電)も、投手なら藤原麻起子(日立ソフトウエア)も入れたい、というのは確かにファンの中にはあるだろう(し、少なくとも僕の中にはある)が、しかし「枠がこれだけだから仕方がないな…」と涙ながらにも素直に思える。

それくらい、今回の代表メンバーは完璧なのである。

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