【2018年日本リーグ1部第4節刈谷大会④:戸田中 VS 織機 ~ 戸田中の今年の強さを確信した試合】

【2018年5月27日:1部第4節刈谷大会④

 

戸田中央病院 000 1010…2-4-0
豊田自動織機 100 0000…1-6-0

戸田中央総合病院:○ジョーダン・テーラー - 坂本結愛
豊田自動織機:海部栞菜(登板せず)、●ケイラニ・リケッツ - 永溝早紀
(本):坂本結愛(戸)、髙坂香月(織)
(三):
(二):水戸久瑠実(戸)、髙坂香月(織)

 

【戦評】

 水戸久瑠実の決勝タイムリーで1点差を制した戸田中が4節を終えてこれで7勝目(2敗)。次節で8勝目をあげれば、前半終了時点で今年の4位以内、いや3位以内の可能性すらかなり高くなってくる。しかもエースのジョーダン・テーラーの投球回数もまだ32回と、残り9試合も完投できるだけ残っているのでかなり余裕をもった戦い方もできるのだ。それに引き替えすでにリケッツの投球回を44回も使ってしまった織機はかなり厳しい状況に追い込まれた。

<決勝タイムリーの水戸久瑠実。急成長中の若手>

 この試合、チームを勢いづかせたのが同点ホームランを放った坂本結愛。やはりこの選手はすごい選手だ。だからこそ、織機は坂本だけには一発を打たれてはいけなかった。どうしても勝負しないといけない場面で勝負して打たれるのなら仕方が無いが、4回1死走者なしは100%防げた場面。上原、水戸、小沢とこの日3死球を与えたリケッツだが、当てるならまさにこの場面じゃないか。
 とにかく織機は打線が湿りに湿っていて、全体の22位の髙坂香月が打率トップという現況を考えると、初回の髙坂のホームランの1点を必死に守って、その1点で逃げ切る試合展開しか勝つ方法はなかったように思う。そういう試合、守り、打者への攻め方をして欲しかった。

<同点本塁打の坂本結愛>

 しかし少しだけ不運があるとすると勝ち越し点を取られた6回の守りか。
 1死から2番の上原依万里が三塁前にセフティバント。セカンド中森菜摘の一塁カバーが遅れベースを踏むタイミングが合わなかったが、そこは「名手・中森菜摘」。グラブでキャッチしたままステップを踏むように右足を後ろに出してしっかりベースを踏み(ボール持った状態でベースをしっかり踏んだのは見た)、やや余裕があるアウトかと思われたが、判定は無情にも「セーフ」。
 協会のレポートでは「足が離れたのか」と疑問を呈していたが、塁審は「離れた」というゼスチャーをしていなかったので、「タイミングがセーフ」ということだろうか。あるいはそもそも「ベースを踏んでいない」と判定したのかも知れない。
 どちらにせよかなり余裕のあるアウトと思われたが、そういう形で出してしまった走者を塁にとどめて無失点で切り抜ける力は、残念ながら今年のK・リケッツにはなく、水戸久瑠実に痛恨の勝ち越しタイムリーを浴びてしまった。
 その打球もライトの前への当たりで、本塁クロスプレーだったが、セカンドの中森が飛びついてグラブに当てて打球を弱めてしまったために間一髪セーフに。運も織機に味方しなかった。

<決勝点の走者となった上原依万里のバントヒット。一塁はアウトかと思ったが…>

 ※注~でも正直このプレーを現地で見たときには実際には「セーフ」と言われても明確に否定できなかった。中森のプレーが華麗すぎて、目がついて行かなかった。審判もそうだったのかも。

 

 ちなみにこの試合、5回裏に2死一二塁、打者洲鎌夏子という絶好の勝ち越し期に、代走で出た二塁走者の金江爽友が何でも無いワンバウンド投球で前掛かりになって大きく出てしまい、捕手からの送球で二三塁間に挟まれ憤死するという痛恨の走塁ミスがあった。
 場面を考えるとあり得ない、あってはいけない走塁ミスだが、あの場面は投手のジョーダンが何球かワンバウンド投球をしており、金江も一瞬の隙でもあれば「三塁、三塁へ!」という気持ちが1球ごとに高まってしまっての走塁ミスで、その気持ちは責められない。
 とんでもない走塁ミスだが、ベンチもペナルティ的に引っ込めることなく、次の回から予定通りライトの守備につかせてチャンスを与えた。
 水戸のヒットで金江が本塁をアウトにしていたらミスを取り返せたが運悪くそれもかなわず。金江にはこの借りを、今後うんと成長して倍くらいにして返してもらおう。

 


【試合詳細】

【戸田中央総合病院~スタメン】
1(D):サム・フィッシャー
2(8):上原依万里
3(2):坂本結愛
4(3):小沢佳那子
5(6):水戸久瑠実
6(9):本間紀帆→(9)高橋亜珠美
7(4):田中江理奈
8(7):高原侑里→(打)長井美侑→(再7)高原侑里
9(5):松本由佳
FP(1):ジョーダン・テーラー

 

【豊田自動織機~スタメン】
1(9):横野涼→(走/9)金江爽友→(打)田口美佳
2(6):髙坂香月
3(4):中森菜摘
4(3):洲鎌夏子
5(8):カースティ・メリット
6(5):佐藤光紗
7(D):ケイラニ・リケッツ→(1)
8(7):村上ほのか
9(2):永溝早紀→(打)宮本愛里
FP(1):海部栞菜→(解除)

 


 

【1回表:戸田中央総合病院~0点】
フィッシャー:遊ゴロ
上原:死球(体の真ん中)
坂本:三ゴロ併殺(5-4-3)

 

【1回裏:豊田自動織機~1点】
横野:中直(良い当たり)
髙坂中越本塁打
中森右前打
洲鎌:中飛
メリット:空振り三振

<昨年の満塁ホームランから、ジョーダン・テーラーに対しては2打席連発の髙坂香月>

<センターへ大きなホームランだった>

【2回表:戸田中央総合病院~0点】
小沢:空振り三振
水戸中左二塁打(ライナーでセンター横に)
本間:空振り三振(ドロップ)
田中:二ゴロ

 

【2回裏:豊田自動織機~0点】
佐藤:右直(良い当たりもバットの先か)
リケッツ:二ゴロ(3-0から3-1)
村上:スラップ投ゴロ

 

【3回表:戸田中央総合病院~0点】
高原:スラップ・投ゴロ
松本:四球(3-0から3-1となり)
フィッシャー:一邪飛(洲鎌が後ろ向きキャッチ)
 ※上原のカウント2-2の時に松本が二盗も余裕でアウト

 

【3回裏:豊田自動織機~0点】
永溝:三ゴロ(バットの先)
横野:セフティバント・一飛(地面際9
髙坂右越二塁打(フェンスの下部直撃)
 ※少しバットの先でラインドライブがかかり打球が落ちた。ホームランと紙一重
中森:四球
洲鎌:見逃し三振(インコースにズバッと)

<またしてもライトへ大きな打球。まさに髙坂は「ジョーダン・キラー」>

<しかしラインドライブがかかって打球が落ちてフェンスの下を直撃。これがフェンスを越えていたら…>

【4回表:戸田中央総合病院~1点】
上原:スラップ・三ゴロ(高いバウンド、佐藤がジャンプして好捕)
坂本中越本塁打(凄い打球)
 ※弾丸ライナーがフェンスをギリギリで越えた
小沢:空振り三振(3球)
水戸:死球(腹の真ん中)
本間:見逃し三振(外角)

<同点弾を放った坂本結愛>

【4回裏:豊田自動織機~0点】
 ※戸田中はライトに高橋
メリット:空振り三振
佐藤中前打
リケッツ:見逃し三振
 ※三振の時に佐藤が二盗、リケッツは四球と思って一塁到達
村上:スラップ投ゴロ

 

【5回表:戸田中央総合病院~0点】
田中:投ゴロ
高原:三ゴロ(当たり損ね)
松本:空振り三振

 

【5回裏:豊田自動織機~0点】
永溝:見逃し三振
横野二遊間中前打
髙坂:四球(粘って3-2から)
 ※二塁代走に金江
中森:左邪飛
洲鎌:(二塁走者挟殺)
 ※洲鎌の打球でジョーダンがワンバウンド投球。この時に二走の金江が三塁を執拗に伺う仕草
 ※さらにカウントが進んでワンバウンド投球の時に、つい出過ぎてしまい、金江が三本間に挟まれ挟殺される痛恨の走塁ミス

<ジョーダンの投球がワンバウンドが多かったのが災いし、二塁走者の金江が投球に飛び出してしまい挟まれ痛恨のタッチアウト>

【6回表:戸田中央総合病院~1点】
フィッシャー:三邪飛(高いフライ)
 ※三塁ベンチ前で永溝と佐藤が交錯しかけながらも佐藤が腕を伸ばしてキャッチ
上原セフティバント・三安
 ※タイミングはアウトで、カバーに入った中森の足も離れていない。これはアウトだったが…
 ※ちなみに一塁塁審は「足が離れた」のジェスチャーはしていない
坂本:遊飛
小沢:死球
 ※打ちに行った腕に投球が当たる
水戸二遊間・右前適時打
 ※ライト金江からの本塁送球は間一髪セーフ
 ※セカンドの中森が飛びついてグラブに当てて打球が弱まってなければアウトになっていたはず
 ※送球に間に二三塁に
高橋:空振り三振

<一二塁間を綺麗に破った水戸久瑠実の右前打>

<二塁から上原依万里が生還しこれが決勝点に>

【6回裏:豊田自動織機~0点】
洲鎌右前打
メリット:三犠打
佐藤:空振り三振(頭の高さの投球に避けようとして振ってしまう)
リケッツ:二ゴロ

 

【7回表:戸田中央総合病院~0点】
田中:見逃し三振(3-2)
長井(打←高原):投ゴロ(お手玉もなんとかアウト)
松本:二ゴロ

 

【7回裏:豊田自動織機~0点】
村上:スラップ・三ゴロ(サード松本がファンブルし間一髪)
宮本(打←永溝):見逃し三振(粘ったが)
田口(打←金江):空振り三振

 

【試合終了】

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