【2019年日本リーグ1部第2節・掛川大会：トヨタ vs. Honda ～ トヨタが相手のミスで土壇場で追いつくも、Hondaがサヨナラ勝ち】

トヨタ自動車
　000 0102 0 …3-6-0
　000 3000 1x…4-5-0
Honda

トヨタ自動車：●モニカ・アボット － 峰幸代
Honda：常盤紫文、〇ジェイリン・フォード － 大塚友紀、田井静華
（本）：田井静華（Ｈ）
（三）：
（二）：山本絵梨奈（ト）、長谷川優理（Ｈ）

【戦評】
　とにかく胡子路代が素晴らしかった。よくあそこでM･アボットからサヨナラ打を放ってくれた。この1勝は果てしなく大きい。
　というのもHondaはほぼ手中に収めていた勝利を一旦手放している。7回裏2死満塁、打者山崎早紀の打球は平凡なサードゴロ。サードの永友遙が普通に一塁送球すればそれで試合が終わっていたが、トヨタ自動車相手の勝利が半ば決まったことで舞い上がったか。一塁に一瞬投げかけるも「投げてもし暴投するよりベースを踏めばいい」と瞬時に思ってしまったのか。魔が差したとしか言い様がないがなんと送球を止めて振り返ってサードベースへ。しかし距離が離れていたため余計に慌て、せめて足で踏みに行けばいいものをボールを持った右手でベースにタッチに行ってしまい痛恨のフィルダースチョイスに。かつて見た記憶がないような痛恨のボーンヘッドで土壇場で3-3に追いつかれてしまった。
　豪腕M･アボットに対して田井静華のラッキーパンチ的なスリーランで3点を奪い、相手の反撃もしのぎきって7回2死まできていただけに、「さすがにこれで終わり、トヨタに逆転されるだろう」と思ったが、そこからもう一度勝ちきるというのが凄い。やはり今年のHondaは本物だろう。

　Hondaが本当に素晴らしい試合をしたとはいえ、相手のトヨタ自動車も今年はなんだかやはり少しおかしい。全体的に覇気が感じられない。4番の山崎早紀、5番の坂元令奈は素晴らしいが、渥美万奈、長﨑望未といった辺りに元気がない。
　逆にHondaはやっぱり長谷川優理の加入は大きい。8回裏にサヨナラにつなげた場面もアボットから簡単に送りバントを決めるし、8回表の守りでは2死一三塁から相手の二盗の場面で、しっかり三走を目で制止しながら捕手からの送球を受けて二塁で盗塁をアウトにしている。3点先制した場面もこの長谷川の二塁打から攻撃は始まっている。とにかく素晴らしい活躍だ。

＜8回裏、アボットからサヨナラ打を放ってチームを救ったHondaの胡子路代＞

＜この一打は試合展開から考えても2勝にも3勝にも値するような大きな一打＞

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【トヨタ自動車：先発と交代選手】
1(7)：石川恭子
2(5)：鈴木鮎美
3(D)：アリー・アギュラー
4(8)：山崎早紀
5(6)：渥美万奈
6(4)：坂元令奈
7(3)：山本絵梨奈→(走)伊波奈々→(再3)山本絵梨奈
8(9)：古澤春菜
9(2)：峰幸代→(走)有吉茜→(2)峰幸代
FP(1)：モニカ・アボット

【Honda：先発と交代選手】
1(6)：長谷川優理
2(4)：胡子路代
3(3)：森山遥菜→(走)高橋真子→(再3)森山遥菜
4(8)：佐野由貴美
5(D)：田井静華→(2)田井静華
6(9)：芝﨑恵梨
7(2)：大塚友紀→(OPO)大塚友紀→(走)大畑成美→(再OPO)大塚友紀
8(7)：塚本蛍
9(5)：永友遥→(走)蟹沢夏帆
FP(1)：常盤紫文→(1)ジェイリン・フォード

＜豊田市から近いこともあり大勢のトヨタファンが駆けつけた掛川球場＞

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【1回表：トヨタ自動車～0点】
石川：中飛
鈴木：見逃し三振
アギュラー：左直

【1回裏：Honda～0点】
長谷川：空振り三振
胡子：空振り三振
森山：見逃し三振

【2回表：トヨタ自動車～0点】
山崎：中前ポテン安（どん詰まり）
渥美：スリーバント失敗三振
坂元：見逃し三振
　※山崎が二盗
山本：左飛

【2回裏：Honda～0点】
佐野：空振り三振
田井：空振り三振
芝﨑：空振り三振

【3回表：トヨタ自動車～0点】
古澤：遊飛
峰：左飛
石川：四球（3-1）
鈴木：遊直
　※ショートの長谷川、ジャンプのタイミングばっちり

【3回裏：Honda～0点】
大塚：左邪飛（高いフライ）
塚本：空振り三振
永友：二ゴロ

【4回表：トヨタ自動車～0点】
アギュラー：中前飛
　※センターの佐野、前に走って走ってキャッチ
山崎：左直（強烈な打球）
渥美：遊左小飛（長谷川が走って走って）

【4回裏：Honda～3点】
長谷川：左翼線二塁打
胡子：捕犠打（三塁）
森山：四球（3-0から3-2となり）
　※代走に高橋
佐野：空振り三振
田井：右中間3点本塁打
芝﨑：空振り三振
　※スラップで顔近くにきた投球を見逃しただけだが空振りを取られた
　※高橋に代わり森山が再出場

＜先頭で二塁打を放つ長谷川優理＞

＜アウトコースのボールを巧く当てたらそのまま右中間フェンスの向こうにまで飛んでいった、という感じの田井静華のスリーラン＞

＜この3点で逃げ切れると思ったが、さすがにトヨタはそこまで甘くはなかった＞

【5回表：トヨタ自動車～1点】
坂元：中前打
山本：左翼線適時二塁打
　※二塁代走に伊波
　※Hondaは選手交代、投手が常盤→フォード、捕手にDPの田井、捕手大塚がOPO
古澤：一犠打
峰：一ゴロ（バット飛ぶ）
石川：四球（3-1）
鈴木：空振り三振（頭の高さのクソボール）
　※伊波に代わり山本がファーストで再出場

【5回裏：Honda～0点】
大塚：中前ポテン安
塚本：左飛
永友：二遊間中前打
　※大塚に代わり二塁代走に大畑
長谷川：死球（手、満塁に）
胡子：二ゴロ本封
森山：遊ゴロ

【6回表：トヨタ自動車～0点】
アギュラー：見逃し三振
山崎：遊飛
渥美：捕前セフティバント安（いいバントで一塁投げられず）
坂元：投ゴロ

【6回裏：Honda～0点】
佐野：二飛
　※高いフライが一塁からセカンド方向へ流れる。ファーストの山本が必死に捕りに行くも坂元がキャッチ
田井：左飛
芝﨑：二ゴロ

【7回表：トヨタ自動車～2点】
山本：二ゴロ（強い打球）
古澤：右前打
峰：中前打
　※ライナーがセカンドの左上、セカンド胡子もジャンプしてグラブに当てたが
　※一塁代走に有吉
石川：死球（肘出したようにも見えたが、満塁）
鈴木：遊ゴロ本封（長谷川好プレー）
アギュラー：押出四球
山崎：三ゴロ・野選
　※平凡なサードゴロで試合終了かと思ったが、サードの永友が一塁送球しかけて止めてサードベースを踏みに
　※しかしベースから離れていたため慌ててしまいボールを持った手でベースにタッチしに行き、そのために遅れて三塁はセーフに。痛恨のボーンヘッド
渥美：空振り三振

＜2死満塁からアギュラーが押し出し四球を選んで1点差＞

＜しかし期待の地元掛川出身の山崎早紀が平凡なサードゴロ。山崎も「しまった！」という顔で一塁に走ったが、なぜか送球が送られてこなかった。本人も何が起きたか最初はわからなかっただろう＞

【7回裏：Honda～0点】
(再打)大塚(←大畑)：一ゴロ
塚本：遊右ゴロ（渥美好プレー）
永友：空振り三振

【8回表：トヨタ自動車～0点】
　※二塁走者に渥美
坂元：四球（3-0から3-1となり）
山本：三犠打（二三塁）
古澤：遊ゴロ・本塁タッチアウト（エンドラン失敗）
　※峰の打席で古澤が二盗、三走を目で制止したショート長谷川が送球をスルーし、セカンド胡子がタッチアウトに

＜古澤春菜の打席でエンドランをかけるも本塁アウト。これもショートの長谷川優理が好プレー＞

＜二盗の古澤春菜がタッチアウト。これもショートの長谷川優理が巧かった＞

 

【8回裏：Honda～1点】
　※二塁走者に永友に代わり蟹沢
長谷川：一犠打
胡子：左翼線サヨナラ適時打

＜アボットから簡単に犠打を決める長谷川優理＞

＜最後の胡子路代のサヨナラ打。先っぽに近かったが巧くバットに乗せた＞

【試合終了】