【2009年全日本総合選手権~2日目の結果】

大会2日目の結果を振り返る前に訂正を。1日目に靜甲の植松投手の大怪我と伝えたが、どうやら骨にはいっておらず重度の脱臼だったようで、しかも左手の指ということからも2部の最終節にはなんとか間に合うようである。これには一靜甲ファンとして本当に胸をなで下ろした。
そしてその靜甲で大事なことを一つ書き忘れていたので追加を。健闘しながら敗れた誘電戦、いくつかの敗因はあったが最大のものが抜けていた。それは靜甲OGで浜松BigOneの大矢留美選手と白井選手の姉ちゃんが、スタンドで踊りながら応援していなかったことである(笑)

さて、2日目の結果を。

 

【試合番号:27】
【注目カード:豊田自動織機v.s.トヨタ自動車~新旧アメリカ代表投手対決はアボットが圧倒】

トヨタ自動車 000 0300・・・3(4安打1失策)
豊田自動織機 000 0000・・・0(5安打1失策)
トヨタ:○アボット-渡邉
織機:●バークハート、宮本-トッピング
(本)ワトリー(ト)
(二)渡邉(ト)、白井(織)

とにかく、今日のアボットは圧巻だった。18奪三振は全日本総合のタイ記録。あのミッシェル・スミスに肩を並べたのはやはりアメリカ代表のアボットだった。織機の5番~8番までが全員3打席連続三振、小森、狩野という好打者も2三振と、特に左打者がアボットの冴え渡ったアウトコースへのカーブで牛耳られた。小森は2打席目にライト前ヒットを放ったが、左打者でバットに当てることが出来たのもその1度だけで、あとはかすることすら叶わなかった。
ただし、その2番の小森も含めた1番白井から4番内藤まではアボットに圧倒されずに計5安打、白井と内藤はともに2安打で、ノーヒットの古田も3打席で一度も三振がないなど力負けしていなかった。
古田の凡退三つ以外はアウトの全てが三振だった織機だが、ちょうど日が傾き、西日が投手の真後ろから差すような感じで、打者はその明るい日差しの中から白いボールを見極めないといけず、そのこともこれほど三振が増えた一因ではないだろうか。
<左打者で唯一ヒットを放った、というかバットに当てた小森>


<代打藤崎が右肘への死球でチャンスを広げ、ワトリーの決勝スリーランに繋げる>


<ワトリーのスリーランをもぎ取るためにフェンスに激突した田中。執念も空しくあとわずか及ばず、ボールは係員の手に>


<太陽を真正面に受けて打撃する長澤。これは眩しかろうが、もちろん選手はそんな言い訳は一切しない>


さてその三振を取りまくったアボットだが、初回にイリーガルピッチを取られた。
プレートに置いた軸足を踏み直すとき、左右か後ろなら構わないが前に出すとイリーガル、つまり反則投球を取られる。どうもアボットの場合は軸足を少し前に踏み出す癖があるようだ。この日一度反則を取られた後も、注意は受けなかったがやや前に踏み出しているように見える投球フォームも多かった。しかしながら、このような軸足の位置やジャンピングに関する癖は多かれ少なかれどんな投手にもあり、必ずしも全てに厳密にルール適用しているわけではないのが実情である。アボットの場合もこのフォームで数々の国際大会や日本リーグの前半戦も戦ってきており、ここに来ての突然の厳しい指摘には大いに戸惑ったことだろう。
準決勝の誘電戦でも同じように初回にイリーガルを取られ、トヨタの監督の抗議でかなり揉めたようである。しかしこの場合も、実際に見てないのでわからないのだが、監督の抗議の激しさを聞くにもしかしたら厳しくルールを適用しすぎたのではないか。
次の決勝戦で確かめた限りにおいては前日より明らかに修正がなされており、踏み直した軸足は教科書以上の正確さでプレート上に残っていたからだ。
キッチリ次の日にフォームを直す当たりはさすが大投手アボットなのではあるが、しかしながらそれほど全てが素直に行くほど投手は簡単ではない。軸足の急ピッチでの修正、アボット潰しとまでは言いたくないが、ここに来ての急な厳しい審判のチェックが、決勝戦でのアボットの投球内容自体に何らかの影響を与えたことは想像に難くない。

<アボットの注意を受けた軸足。確かにやや前方には出ているが・・・>


<イリーガルピッチの判定に抗議するトヨタの福田監督>


<決勝戦ではほとんどプレートに足を乗せるくらいのフォームで投げるアボット。投げにくかろう>


 

<Aブロック>
【試合番号:17】
ルネサス高崎 725 60・・・20(21安打0失策
パナソニック電工津 000 00・・・ 0(0安打0失策)
ルネサス:黒川、○山下-峰、乾
パナソニック:●高岸-村中
(本)岩渕、城戸、峰、中野(ル)
(三)大久保、中野(ル)
(二)山本、峰(ル)
※ルネサス圧勝。新人の城戸もホームラン。パナソニック電工津は最後の総合大会で完全試合負け。

 

【試合番号:18】
園田学園女子 002 1000・・・6(9安打1失策)
日立マクセル 200 0000・・・0(4安打2失策)
園田:○西岡-岡
マクセル:●森川、豊崎-藤原、栫
(本)森田(園)
(三)加藤(マ)
(二)谷池、加藤、船田(園)
※2部で首位争いをするマクセルが安打数も長打も園田に完敗。相当な反省が求められる。

 

【試合番号:25】
園田学園女子 ・・・(安打失策)
ルネサス高崎 ・・・(安打失策)
園田:-
ルネサス:-
(本)
(三)
(二)


 

<Bブロック>
【試合番号:23】
佐川急便 012 0000・・・3(7安打0失策)
Honda   000 0000・・・0(1安打0失策)
佐川:ローチ、○外山-山科
Honda:●金尾-中川原
(三)田中(佐)
(二)ポーター(佐)
※金尾、好投するも2本の長打がいずれもタイムリーに。前日21得点の打線がこの日は沈黙。ローチと3回以降登板の外山から1安打がやっと。

 

【試合番号:24】
太陽誘電   000 0106・・・7(17安打1失策)
戸田中央病院 000 0013・・・4(5安打1失策)
誘電:○坂井、伊藤-谷川
戸田中:●武井、小森、橋爪-吉田
(本)廣瀬、谷川、丸山(誘)、渡辺、藤田(戸)
(二)丸山2、廣瀬、水谷、藤田(誘)
※戸田中武井が6回1失点と好投するも7回に廣瀬、谷川、丸山の3連続本塁打で誘電が勝ち越し。というか17安打も放ちながら本塁打以外で3点だけとは何をやっていたのかと。
戸田中期待の若手、渡辺と藤田のホームランは見たかった。

 

【試合番号:28】
太陽誘電 000 0102・・・3(5安打0失策)
佐川急便 011 0000・・・2(11安打1失策)
誘電○坂井-山科
佐川:帰山、外山、●帰山、外山-福田
(二)佐野、廣瀬(誘)、中村(佐)
※佐川が珍しく(?)打線がヒット量産するものの2点しか奪えず、逆に誘電が最終回のワンチャンスをものにして逆転。黄色ボールの感覚を失わないためでもあるのかローチは使わず、帰山と外山で必死の継投をはかるも逃げ切れず。

 


 

<Cブロック>
【試合番号:19】
レオパレス21 002 1100・・・4(12安打0失策)
デンソー    100 0000・・・1(4安打1失策)
レオパ:○ティンチャー-ティッカム
デンソー:●ギブソン、和田-バトラー、竹林
(本)永吉(レ)、増山(デ)
(二)河野、藤本(レ)、東(デ)
※リーグ6節の熊本大会に続き増山がまたしても先頭打者弾。しかし3回に永吉のツーランで逆転するとそのまま敗戦。
結局この大会エース染谷の登板はなかったが、次の週に愛知代表として国体でフル回転しないといけないことを考慮した温存だろう。

 

【試合番号:20】
東北福祉大  000 0012・・・3(8安打2失策)
日立ソフトウェア 002 102x・・・5(10安打1失策)
東北福祉:●長南-石田
ソフトウェア:○藤原、山口-鈴木
(本)粕張(東)、山田(ソ)
(二)西山(ソ)
※山田の本塁打で2点先制したソフトウェアが逃げ切り。東北福祉は大器・粕張のホームランや石田の2点タイムリーで追い上げるも及ばず。
大学No.1投手の長南友子、大先輩藤原との投げ合いで力投も敗戦。長南の大学生最後の公式戦が終わった(国体は出るだろうか?)。
<数々の栄光を勝ち取った長南友子の、東北福祉大としての公式戦がこの日終わった>

 

【試合番号:26】
レオパレス21 011 1002・・・0(10安打0失策)
日立ソフトウェア 000 0000・・・0(4安打3失策)
レオパレス:○ティンチャー-ティッカム
ソフトウェア:●藤原、山口-鈴木
(本)小野(レ)
(三)永吉(レ)
(二)伊藤(レ)
※失策で先制点を許したソフトウェアが元気なく完封負け。負け出すとあっさりコロっと負けてしまう悪い方のソフトウェアが炸裂。レオパレスとの対戦も残しており、こういう負け方はリーグが心配。

 


 

<Dブロック>
【試合番号:21】
伊予銀行   000 0000・・・0(3安打4失策)
豊田自動織機 020 003x・・・5(11安打0失策)
伊予銀:●坂田-山本
織機:○バークハート、宮本-トッピング、西井
(本)千葉、トッピング
(二)相原、重松(伊)、池原、川口(織)
※織機は主力打者が伊予銀の技巧派右腕坂田に手こずったが、千葉、池原といった若手が活躍し、最後は主砲の一発でトドメ。伊予銀は守備の乱れが響いた。

 

【試合番号:22】
シオノギ製薬 000 0000・・・0(1安打1失策)
トヨタ自動車  030 001x・・・5(9安打1失策)
シオノギ:●松村、安福-岩切
トヨタ:○アボット、露久保-渡邉
(本)坂元、西山、鈴木(ト)
※トヨタが3本塁打で快勝。アボットと7回に救援した露久保で14奪三振の被安打1。

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