【2009年決勝トーナメント第3試合:トヨタ vs レオパレス~レオパレス、これが最後の公式戦に…】

レオパレス21 000 0000…0
トヨタ自動車  000 012x…3
レオパ:ティンチャー、山根-ティッカム
トヨタ:アボット-渡邉

 

<最後まで調子の戻らなかった二人の天才打者>
前日、ベテラン井上の起死回生の逆転タイムリーで織機との決勝トーナメント初戦を制したレオパレス。二塁にランナーを置いてヒットを放った小野、三塁打を放った永吉、あわやホームランの打球を放った田中梢子と、若手はいいところを見せたチームにおいて、もっとも頼りになる河野、藤本の1、2番コンビが揃って不調だった。
これも一つの短期決戦の恐さであろう。この二人が揃って結果を出せないような状況などシーズンを通してもおよそ考えられない。恐らくあったとしても二人が同じチームで活躍する全シーズンの全試合を通して1度か2度あるかないか、それくらいなのだがそれが今回来てしまった。
確かに相手投手は二日続けて両選手が苦手とする外国人の左投手。しかしここ数年は手のつけられない河野と常に結果を出し続けてきた藤本がまさかここまでとは。河野などは全打席三振した2006年のジャパンカップを見いつもの調子なら、若さの勢いでレオパレス念願の優勝の可能性もなくはなかったのだが…。

 

<トヨタ、遅すぎた追加点>
勝ったトヨタに関してもなんとも苦々しい勝ち方ではなかったか。もちろん、この試合に勝たなければ次に進めないいわゆるサバイバル。先を見て選手起用を決めるほどの余裕はなかったのかもしれないが、しかし今年のトヨタは「優勝」の二文字が半ば義務付けられていたようなチーム、2位ではダメなのだ。
優勝するために、つまり決勝でルネサスに勝つために何が必要かを考えないといけなかった。
5回に1点を先制したがそれ以上追加点が取れない。さすがにこれではアボットを休ませて露久保投入はできなかったか(ただ個人的にはそれが出来なかったことこそが敗因と考える)。
6回、期待の星・渥美万奈の2点タイムリーでようやく追加点を奪って突き放しはしたが、しかしこれでは遅すぎた。もっと早く追加点を取れていたら露久保を投入してアボットを少しでも休ませられたかもしれない。
確かに3点は取ったが、しかし投手陣を「援護」するには、早い回での得点が必要不可欠だったのだ。
この試合の打線のエンジンのかかりの遅さが、結局は次の決勝戦においてボディーブローのようにじわじわと響いてしまうのだ。

 

<レオパレスの来年>
この題を付けた時点で長期の出張に出かけ、帰ってから続きを書いて記事を投稿するつもりが、まさかこうなるとは。
今年失策ゼロで乗り切った田中梢子、高打率を残した蔭山遥香、着実に成長している山根佐由里、日本の若手ナンバー1の外野手である永吉理恵、日本一のアベレージヒッター河野美里、スケールの大きな打者である伊藤綾香、さらには松村綾菜や辻井晴名、古宇田佳愛、小西つどいなどなど、ベテランから若手へと着実にレオパレス精神、レオパレスのソフトボールが受け継がれており、来年以降ますます希望が見えるということを書きたかったのだが…。
既報のように、レオパレスとしては今年での廃部が決まってしまった。
来年2部からのスタートでも構わない、なんとかこのチームがこのチームとして残ってくれることを願うばかりだ。織機と並んで一番最初に僕にソフトボールの魅力を伝えてくれたチームとして、いつまでもいつまでも応援したい。

 


 

【先攻:レオパレス21】
1(8):河野美里
2(4):藤本索子
3(9):永吉理恵
4(2):ナタリー・ティッカム
5(7):小野奈津子
6(D):井上絵里奈
7(3):伊藤綾香
8(5):田中梢子
9(6):蔭山遥香
DEFO-(1):エンジェラ・ティンチャー

 

【後攻:トヨタ自動車】
1(6):ナターシャ・ワトリー
2(8):前薗理絵
3(9):藤野遥香
4(3):伊藤幸子
5(5):坂元令奈
6(D):藤崎由起子
7(4):鈴木美加
8(7):小野真希
9(2):渡邉華月
DEFO-(1):モニカ・アボット

 


 

【1回表:レオパレス~0点】
河野:空振り三振
藤本:空振り三振
永吉:見逃し三振
<レオパが誇る日本代表トリオもアボットの前に連続三振>

 

【1回裏:トヨタ~0点】
ワトリー:中飛
前薗:空振り三振
藤野左前打
伊藤:遊直

 

【2回表:レオパレス~0点】
ティッカム中前打
<一人気を吐くティッカム。アボットからただ一人の安打を2本>


☆代走:川上恵莉子
小野:投前犠打
井上:空振り三振
<昨日の殊勲者井上も思わずバットが出る>


(次の田中の時に川上が三盗失敗・スリーアウト)
※2死二塁で打者田中、相手はアボット。強引にでも走者を走らせれば捕手の悪送球もある。この作戦はさすがの名将藤原監督。

 

【2回裏:トヨタ~0点】
坂元:空振り三振
藤崎:見逃し三振
鈴木:投ゴロ

 

【3回表:レオパレス~0点】
田中:中飛
伊藤:空振り三振
蔭山:左飛

 

【3回裏:トヨタ~0点】
小野:四球
渡邊:三ゴロ
<渡邊、送りバントを試みるも>


<田中が素早く捕って二塁へ。蔭山もショートバウンドを巧く捕球。今年生長を続けた三遊間コンビの好プレー>


ワトリー:中前打
前薗:中直(会心の当たりも河野が真後ろにバックして好捕)
藤野:中飛(センター左寄り会心の当たりも河野が下がって好捕)

 

【4回表:レオパレス~0点】
河野:見逃し三振
藤本:遊飛
永吉:左飛

 

【4回裏:トヨタ~0点】
伊藤:右飛
坂元:四球
藤崎:捕邪飛
鈴木:二ゴロ、一失(なんでもない二ゴロを送球、一塁伊藤が落球)
小野:遊飛

 

【5回表:レオパレス~0点】
ティッカム:右飛(右中間でお見合いしかけて藤野が危うくキャッチ)


小野:空振り三振
井上:空振り三振

 

【5回裏:トヨタ~1点】
渡邊左前打(ポテン)
<ふらふらっと上がった打球、蔭山が必死に追うもグラブに当てるのが精一杯>


☆代走:若月恵子
ワトリー:四球
☆レオパレスはファースト交代、伊藤→林舞乃
前薗:投前犠打(セフティー気味に)
藤野中犠飛
<左中間に飛距離十分な当たり)>



伊藤:四球
坂元:中飛

 

【6回表:レオパレス~0点】
田中:空振り三振
:空振り三振
蔭山:四球
河野:左飛

 

【6回裏:トヨタ~2点】
藤崎:死球(プロの技でゲット)
鈴木:遊ゴロ二封(ハーフライナー気味ショートバウンド)
小野左前打
渡邊:三邪飛
ワトリー:四球(敬遠気味)
代打渥美万奈中前2点適時打
<期待の若手渥美のクリーンヒット、小野も好走塁で生還>


☆代走→RE前薗
☆レオパレス投手交代、ティンチャー→山根佐由里
<この失点のおかげでレオパ山根の決勝T登板機会ができた>


藤野:四球
伊藤:右直
<伊藤の会心の当たり>


<右翼線完全に抜ける当たりを永吉が飛び込んでスーパーキャッチ!>



【7回表:レオパレス~0点】
藤本:三ゴロ
<緩い高いバウンドの打球もここは坂元の見せ場>


<坂元の好プレーにアボットもガッツポーズ>


永吉:遊小飛
ティッカム右前打(執念で右前にポトリと落とす)
☆代走に辻井晴名
小野:空振り三振
<レオパレスの歴史最後の打者は好打者の小野の気持ちの良い豪快な空振りだった>

<レオパレスの最後のシーズンを戦った選手達>



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