【アーカイブ2007年~第5節山形大会】

【アーカイブ2007年~第5節山形大会(レオパレス、戸田中、トヨタ、ルネサス】

 

レオパレスの話題が出たこともありますし、最近過去の記録をまとめていることもありまして今年の2月は昔の写真の蔵出し、印象に残っている過去の試合の紹介をしたいと思います。といっても写真を本格的に撮りだしたのはここ3年ですが。
どこまで続くかはわかりませんができるだけ。しかし書き散らかした試合のメモを発掘する作業が進むかどうか…。

 


 

第1回目は、一つの節のドラマとしては今までで一二を争うくらい印象に残っている
「2007年6月9、10日(山形大会)」
です。

 


 

【2日目第2試合:レオパレスv.s.ルネサス~雨の中のドラマ】

レオパレス 000 0030…3
ルネサス  000 0000…0
○ローチ-ティッカム
●上野-峰
(本)井上
(三)藤本

 

第1試合のトヨタ対戸田中戦、戸田中の堤、稲垣が乱調で試合が押しに押す。10時に試合が始まるが、初回7失点で1回終わって10時32分。12時を過ぎた時点でまだ5回表で点差は16-0。結局17-2となり最後のセンターフライを小野真希がキャッチしたのが12時46分。
大急ぎで第2試合を始めるも開始時間が13時23分。予定の12時30分より53分遅れてのスタートだったが、この53分が絶妙の時間となる。

<1回~5回>
曇り空の中試合が始まる。レオパレス・ローチ、ルネサス・上野両エースが好投。上野はまるで危なげのない投球で貫禄の5回無失点。ローチも好投し、小野奈津子のランニングキャッチなど好プレーにも助けられつつも上野に負けじと無失点。1時間で5回が終わるような見事な投手戦で、タイブレイカーにでもならない限りは点が入らないのではないかと思い始めた6回表、突然急展開する。この時点で14時35分。

<6回~>
この回レオパレスは先頭河野からという絶好の打順。しかしこの日の上野にはまるで手が出ず簡単に討ち取られて1アウト。この回もダメかと思った矢先、ぽつりぽつりと急に雨が降り始める。ここで打席に入ったのが好打者の藤本。この時点では手先が滑るような雨ではまだなかったが、やはり「早く終わらせたい」というような心理が少しでも働いたのかも知れない。しかしそんな心の隙を見逃してくれるような藤本ではなかった。
上野の投球を捉えると打球は左中間を抜けるスリーベースとなり、1球で上野を追い詰める。この時14時35分。迎える打者はキャプテンの佐藤。徐々に強くなる雨の中、上野の剛球を真芯で捉え、パチーンと球場に響き渡るような綺麗な金属音を残した打球はあっという間に上野の足下を抜けセンターに達する先制のクリーンヒットとなる。そしてとどめは井上。気落ちした上野が投げたまっすぐを、まるでピンポン球のようなカーンという音とともに弾き返し、あっという間にバックスクリーンを越えるような特大の駄目押しツーラン。この時が14時40分でこの回が終わったのが44分。そして次の回、ローチがマウンドに上がるとともに雨が小やみになりすぐにあがった。
藤本索子、佐藤理恵、井上絵里奈という、今考えても興奮するようなすごい2~4番が見事に上野を攻略した会心の攻撃であった。が、それはほんの10分程度雨が降った間のできごと。その10分の間にこの3人に回り、うち5分であっという間に3点を取るという実にドラマティックな展開だったのだ。そしてそれには前の試合での堤の大乱調が響いているというのがおもしろい。1節で2試合続けてやるというシステムが生み出したドラマでもあった。

ちなみに上野のこの年の自責点は7点。そのうちの3点がこの雨の5分間での失点だったのだ。ただこの試合上野を攻略したレオパレス打線、この年の決勝トーナメントでも再び上野を攻略し、渡邊の三塁打などまたしても3-0で快勝。打線が本物であったことを改めて証明した。

 

<この日のレオパレスとルネサスのスタメン>

<好プレーの小野、小野と喜びのタッチをする河野>

<三塁打で上野攻略のきっかけを作った藤本>

<決勝点となる先制打を放ちガッツポーズの佐藤>

<とどめは井上。上野から見事なツーラン>

<3点を奪ったこの回、にわかに降り出した雨に観客も困惑>

<優秀選手賞を獲得し大喜びの佐藤。この勝利の喜びの大きさが表れている>

 


 

【1日目第1試合:ルネサスv.s.戸田中】

ルネサス 000 0020…2
戸田中  000 0000…0
○黒川-乾
●堤-吉田
(二)中野(ル)

 

※この年戸田中は第2節で初1部の靜甲にサヨナラ負けし、そのままズルズルと9連敗。昨年までエースで前年136回を投げ大車輪の活躍だったエースの清水麻琴投手がシーズン直前(?)に引退し、1部では2006年の9投球回しか実績のない3年目の堤千佳子と、同じく2006年に1回しか投げてない2年目の稲垣絵莉子に任せざるをえないという非常事態のシーズンだった。その堤がこのルネサス戦で目の覚めるような好投。負けはしたものの5回まで0-0という緊迫した試合を展開させた。このまま前半戦を全敗で終えたが、後半戦は成長した堤が好投。刈谷大会ではミッシェル・スミスに投げ勝った。

 

<戸田中の堤、5回までルネサス打線を0点に>

<ひたすらに黙々と投げ続ける堤>

<戸田中時代から異彩を放っていた坂元令奈>


 

【1日目第2試合:レオパレスv.s.トヨタ】

レオパ  010 0100…2
トヨタ  000 1000…1
○秋元、ローチ-ティッカム
ケイラ、●田中、露久保-エミリー
(本)ティッカム(レ)

 

※トヨタは売り出し中の前薗がシーズン前の怪我でやや出遅れたが、メンバー的にはこの年既に、2009年に好成績をあげたメンバーがほぼ顔を揃えていた。加えて神田、中西という好選手もいて、露久保も規定投球回以上を投げ防御率1.71。外国人投手次第では決勝トーナメントに進んでもおかしくはない戦力だった。しかしこの試合も点差以上に差があるような試合展開で1点差負け。いい選手がいながらの「勝負弱さ」「負け癖」みたいなものが印象に残った。

 

<この日のトヨタの先発メンバー>

<この年初めて規定投球回を超え好成績を残した露久保>


 

【2日目第1試合:トヨタv.s.戸田中】

トヨタ  702 2600…17
戸田中  000 0002…2

○露久保、田中、大野-エミリー
●堤、稲垣、堤-吉田、高橋
(本)神田(ト)
(二)神田、中西、五十嵐(ト)

 

※さて堤の本格的な魅力に気づいたのは前日のルネサス戦の好投以上に実はこのめった打ちされた試合(笑)
前日の好投とはまるで別人で、先頭の神田に本塁打を打たれるとそのまま初回7失点。しかし堤の本領発揮はむしろここからだった。堤の後を受け2回から登板した稲垣がいつもの大乱調。ジュニア代表にも選ばれた好投手だがストライクがまるで入らず試合にならない。するとすぐさま堤がマウンドに上がり、疲労と不調から打たれに打たれるも黙々と投げ続けて7回17失点(うち稲垣が2失点くらいだったか?)ながらもほぼ完投。
基本的に自分は選手に話しかける勇気のない性格ながらも、この時だけはあまりにも感動して思わずサインをもらってしまった。

 

<5回までで16失点(結局もう1点取られ17失点)というとんでもない試合。しかしそれが次の試合に影響する>

<決勝Tでの藤本索子に次いでようやく二人目にサインをもらった堤。横は鈴木里枝選手、坂元選手>

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<レオパレスの“神様”、渡邊潤子選手。一番好きだった選手>

<あの山根佐由里の膝の黒いサポーターこそ、レオパレスの神様・渡邊潤子さんの正当な後継者の証(と勝手に思っていた)>

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