【2010年第1節神奈川大会1日目:織機 vs Honda~Honda、またしても自滅】

【2010年第1節神奈川大会1日目:織機v.s.Honda~Honda、またしても自滅】

 Hondaの選手や関係者、そしてファンにとっては早く忘れたい悪夢のような試合だったかも知れないが、そうはさせない(笑)

 わざわざ2週間も経ってから傷口に塩を塗り込むような、或いはかさぶたをはがす様なひどい仕打ちなのかも知れないが、世の中そんなものさ。

 このある意味長いリーグの歴史の中にあっても伝説となるような面白い珍しい試合。
 応援している織機と大好きなHondaという2チームが繰り広げたこの世紀のドタバタ劇を、もう一度詳しく詳しく振り返ってみたいと思う。


織 機 002 0111…5
Honda   020 0000…2
織機:ケイティ、宮本、江本奈-トッピング
Honda:金尾-ループ
(本)白井(織)
(三)平林(H)
(二)小柳2、白井(織)、芝崎(H)


【先攻:織機】
1(8):狩野亜由美
2(7):白井沙織
3(6):松岡恵美
4(2):ジェニー・トッピング
5(D):小森由香
6(9):国吉早乃花
7(5):古田真輝
8(3):小柳薫
9(4):菅野愛
FP(1):ケイティ・バークハート

 

【後攻:Honda】
1(7):平林真由子
2(6):加藤恵理
3(D):島崎望
4(3):田中清香
5(8):芝崎絵梨
6(2):ローラン・ルプネッティー
7(5):村上由里子
8(9):原田美樹
9(4):中村瞳
FP(1):金尾和美

 


 

【2回裏:Honda~2点(投手:バークハート)】
 先頭の田中が四球で出塁。芝崎の送りバントがキャッチャーファールフライとなってしまうも、ループも四球(死球を故意と判定されたが結局出塁)。
 このチャンスに村上がしぶとくレフト前に落とし、1死満塁の先制機を作る。
 田中に代え三塁代走に沢幡を送り打席に入った原田の場面、Hondaがエンドランを仕掛けるが、ゴロの転がしにくい高めのライズボールに原田のバットが空を切る。
 チャンスは潰えたかに思えたが、織機に初歩的なミスが出る。三本間にランナーを挟むもトッピングが三塁方向に追い込まずに古田に早く投げてしまう。小柳もカバーに入っていたが、手薄になったホームへ走者の沢幡が突っ込み、古田が追うも届かず。三本間挟殺プレーに持ち込みながら痛い先制点を与えてしまう。
 このプレー、タイミングよくホームに突っ込んだ沢幡も上手かったが、何よりじっくりとサード側に追い込みながらボールを渡さなかったトッピングに非があるように思えたがどうだろうか。
 1失点後、この原田を三振に取るも今日のバークハートはコントロールが定まらない。
 中村の肩に初球直撃させて再び満塁にすると、平林に対してもストライクが入らず押し出し四球。
 結局、ポテンヒット1本だけだが3四球1死球で2回持たず降板となった(後続は宮本直美が抑えた)。

<織機、昨年の終盤に続いてまたも挟殺プレーでアウトにできず>


【3回表:織機~2点(投手・金尾)】
 嫌な点の取られ方をした織機だが、このすぐに追いついたのも大きかった。
 開幕から打棒爆発している新人の小柳が完璧な当たりで二塁打。菅野の投ゴロが進塁打となり、狩野がライトに高々と打ち上げてまず1点。
 続くは仕事人・白井。バットをピクリとも動かさずに三つ見逃してスリーボールとなり、その後2球ストライクが続いたがそれでも微動だにしない。
 そして6球目。この打席初めて振ったバットで完璧な捉えた打球が左中間に消える同点ホームランとなる。
 見ていて鳥肌の立つような打席だった。

<二塁打とゴロで三進、犠牲フライでホームに還る小柳>


<早く同点に追いつきたい場面で完璧な一打の白井>



【4回裏:Honda~0点(投手・宮本)】
 そして運命の4回であるw
 正直、この回に得点していればそのままHondaが勝った可能性も高かったのではないか。
 そして開幕で大敗した織機が2戦目のHonda戦で連敗となるとかなり窮地に陥るような展開になっていたかもしれない。
 この試合勝利で肩の荷が下りた織機が次の試合で大爆発して26安打の新記録を作れたのも、正直ここがスタートだっただろう。

 まずは先頭の原田が死球で出塁する。
 そしてここから、不運なものも含めてミスが続出する。
 次打者の中村は送りバントをするも打球が強く二塁フォースアウトで走者を送れない。
 続く平林の時、宮本がワンバウンド投球するとトッピングが胸に当てて横に弾く。これを見た中村がミスを取り返したかったか思い切って二塁に走るもやや余裕をもったアウトとなり、ランナーがなくなってしまう。
 そして2死無走者から平林の打球がライト上へ。名手の名をほしいままにしていたルネサス時代の国吉なら楽に捕球しただろうが、まだ感覚が戻らないか正面の難しい打球とはいえこれを捕球できずに三塁打にしてしまう。
 続く加藤の当たりも平林とまるで同じような打球。そして同じように国吉が後逸し、打球はフェンスまで達するが、ここで極めつけのミスが出る。
 なんと打者走者の加藤が一塁ベースを踏み忘れてそのままの勢いで2塁へ。
 球場にいたほぼ全ての人は連続長打でHondaの勝ち越しを疑わなかっただろうが、唯1人一塁手の小柳だけはこの回が無得点に終わるのを確信していただろう。
 それにしても踏み忘れた当の本人の加藤は2塁ベース上でどういう気持ちだっただろうか。

 このプレーを最も近くで見ていた小柳本人に訊いてみたのだが、どうも前日までの雨や走塁でゆるんだ場所に足をとられつまづき、歩幅がずれてベースを通り越してしまったらしい。
 確かに2塁に向かう勢いで走りすぎた場合そこで止まって戻るのもわずらわしいか。「どうせ見てないだろう」とタカを括っていたのかもしれない。
 それにしても小柳である。
 このような打球の場合、一塁手は打者走者がベースを踏むかどうかを確かめてから打者を追いかけるようにセカンドへ行くのは基本とはいえ、この場面でも冷静に見ていた大ファインプレーだ。
 そして審判も、もちろんこれを見てなかったら失格かもしれないが、基本に忠実にしっかり判定してくれたこと自体が嬉しい。

 とまれ話は長くなったが、加藤は結局1塁ベースを踏んでいないということで「ライトオーバーゴロ」。3アウト目が一塁でのアウトになったことからもちろん平林の生還も認められず無得点となった。

<まず無死から原田が二塁でアウト、次に中村もアウト>


<平林が三塁打を放つも>



<加藤のライトオーバーも無駄花。写真を見るとこの時間帯でもグラウンドがぬかるんでいるのがわかる>



【6回表:織機~1点(投手・金尾)】
 Hondaのミスでなんとか逆転されずに済んだ織機、5回にチャンスに強い小森のタイムリーで勝ち越すと、6回は小柳。代打で四球の千葉を一塁に置き、右中間を破るタイムリー二塁打。千葉も俊足を飛ばして一気にホームへ。今日の小柳の活躍は百点満点だ。

<右中間へ今日二本目の二塁打を放った小柳と生還した千葉>


【6回裏:Honda~0点(投手)】
 さて、ミス連発のこの日のHonda。加藤のベース踏み忘れがトドメかと思いきや、まだまだ続きがある。
 代打穴澤の死球後に原田が再出場。又吉が走者を進め1死二塁から、平林がセンターへヒットを放つ。
 この打球で二塁から原田が本塁をつくもタッチアウト。微妙なタイミングだったが、ベースに手を触れられなかったようだ。そのときアピールしている捕手トッピングの隙をついて打者走者の平林が一気に三塁を狙うがこれもアウト。そしてこれも微妙なタイミングでおそらく一旦はセーフだっただろう。しかし滑り込んだ平林が行き過ぎてしまいベースから手が離れてしまったようだ。
 一気に二人が走塁死で攻撃が終わってしまった。

<本塁で原田がアウト、その隙をついた平林も三塁へ走ってアウト>


【7回表:織機~1点(投手・金尾)】
 そして最終回なのでこれで本当の打ち止め、最後のミス連発を。
 松岡のセンター前ヒットを芝崎が突っ込んできて逸らすエラーで無死二塁(代走に吉良)。
 次のトッピングの平凡な真正面のゴロを、ベース踏み忘れの加藤が見事なトンネルで一、三塁に。
 ここで池原の打球はまた平凡なショートフライ。これをつかんだ加藤の目にやや飛び出してしまった一走トッピングが目に入ってしまった。すかさず一塁に送球するも、そこは無人の荒野…。
 黄色いボールが空しくファールグラウンドを転がる間に、吉良が悠々と本塁に生還してしまった。

<フライを捕球した加藤とやや飛び出したトッピング(←)、加藤が一塁に送球するも…>


<吉良、ショートフライでタッチアップ生還>



 開幕節での大橋の3連続走塁死(①二塁への盗塁死、②三走時でのエンドラン失敗=記録は盗塁死、③一走時に離塁アウト)の時にも思ったが、
 もうここまでくると本気で「何かに取り憑かれている」としか思えない(笑)

 いや笑ってる場合じゃないか。
 しかしこういうミスを連発しちゃうところがHondaの可愛げのあるところで大きな魅力なんだが、さすがに今年はここから脱出しないといけない。今年はチャンスの年なのだ。
 翌日はソフトウェア相手に惜敗と徐々によくはなってきているようで、連休中にしっかり引き締め直してるはずだから、5月の8試合は大いに期待できるに違いない。

 がんばれHonda!

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