いよいよ明後日、9月4日から日本リーグ1部の後半戦が始まります(2部はその前日の明日、9月3日から始まります)。そこで今回は1部リーグ12チームについて前半成績のおさらいと、僕個人が考える各チームの目標、注目選手についてコメントしてみました。あくまで個人的な見解、期待、星読みであることをご了承ください。
なお2部リーグについてはまずはこちら、とんぷりんの観戦記で→。「アドバンスセクション」「ホープセクション」
【トヨタ自動車】
前半成績:11勝0敗(1位)
現実目標:全勝で1位通過(あるいは早めに1位を決めてアボットを休ませる)
コメント:
戦力的に当然の帰結である全勝で突っ走っているトヨタだが、全日本総合も含めこのまま公式戦を全勝で突っ走らないと逆に不安になってくる。もうとにかく有無を言わせず全てに勝利し、シーズンが終わってから坂元あたりが「今年は負ける気がしなかった」とうそぶいてブーイング浴びるくらいで行かないと、どこでどんなほころびが出て、いつ年中無休の猛練習のツケが出てくるかわからない(笑)。
そしてリーグ戦もそうだがまずは総合。もちろんルネサスの連覇を止める役割は全てのチームにあるのだが、トヨタにはその期待が一番大きいことを肝に銘じて欲しい。って、去年と同じこと言わせんなよこら!
注目選手:藤崎由起子。打点王争いで他を引き離している藤崎、このまま最後まで走り抜きリーグ終了後の表彰式でにやにやしながら写真に収まることになるのかどうか。
【ルネサス高崎】
前半成績:9勝2敗(2位)
現実目標:2位以内で決勝トーナメント進出
コメント:
三科、乾が抜けたが上手く戦力補強しチーム力を若干落としながらも基本スタイルは変えずに2位をキープした。もちろん全ては投手上野あってのこの順位ではあるが、打つ方での蔭山と上野の戦力が非常に大きい。このルネサスを見ていると、つくづくシオノギも松村に打たせたらなあと思ってしまう。
ここ10年は全て決勝Tに出ているが1位が3回、2位が4回、3位が2回、4位が1回で優勝が4回。ただ3位、4位から優勝したことは一度もなく、また1位2位対決での敗戦から優勝したこともない。優勝した4度のうち3度が1位通過、1度が去年の2位通過から1位2位対決の勝利を経てであった。上野といえど如何に3連投が厳しいかを表している。初のリーグ3連覇を狙うには、やはり2位以内で通過して1位2位対決でトヨタに土を付ける去年の再現しかない。
注目選手:蔭山&上野。前半戦大いに得点源となったこの打順の並び。後半戦もこのままで行くのかそれとも変えてくるか、他チームがどういう作戦でここを分断するのか
【豊田自動織機】
前半成績:8勝3敗(3位)
現実目標:2位以内で決勝トーナメント進出
コメント:
若手をうまく使いながら、しかも二度の0-8大敗がありながらもしっかり3位をキープしている織機。ただソフトウェア戦での0-8は結果的に大差になっただけでどう転んでもおかしくない試合だったが、トヨタ戦での0-8はまるで歯が立たないという負け方だった。後半初っぱなの第6節でのトヨタ戦では、勝敗以上にアボットから1点でも2点でも嫌らしく点を取れるということを証明しておき、決勝トーナメントでの一発勝負にかけたい。そのためにもやはりなんとしてでもリーグは2位以内で通過したい。
総合でも互いに勝ち進めばルネサスと対戦する前に激突することが予想される。トヨタにはルネサスの連覇を止めて欲しいという大きな願いはあるが、かといってこのままトヨタをすんなり走らせていいものか。やはりトヨタを止めるのは織機しかいないと思っている。強豪織機の意地とプライドを見せて欲しい。
注目選手:本田小百合。織機は全選手に注目しているのだが特に前半戦完全に休んでいた本田の復活は心強い。
【日立ソフトウェア】
前半成績:7勝4敗(4位)
現実目標:4位以内死守
コメント:
第4節でライバルのデンソーに逆転負けし、第5節で誘電に負けたことで開幕戦での織機戦勝利のアドバンテージが吹っ飛んだ。むしろデンソーに走ってもらって織機と4位争いになった方が有利なのだがそういう状況も考えづらい。昨年は最終的に15勝7敗でレオパレスと並びながら直接対決でわずか1点及ばずに決勝トーナメント行きを逃した。今年もまた直接対決の結果や得失点差に左右され、最終的には1点、1つのアウトの重みを痛感するシーズンとなるだろう。2年続けて西京極行きを逃すなんてことは何が何でも避けなければならない。
注目選手:袴田友美香。馬渕、来條はさすがだが、去年大活躍の林に杉山、山田までもが前半戦いまいちだった。そんな時にこういう若手の覚醒に期待したい。
【佐川急便】
前半成績:6勝5敗(実質5位)
現実目標:来年の足掛かりとなる5位キープ、あわよくば決勝トーナメント進出
コメント:
まだまだ決勝T進出の可能性は大いにあるが、デンソーとソフトウェアがともにこのままで終わると考えるのは難しく、現実的には今の5位をキープしつつあとは運次第になるだろう。今年もし5位、悪くても6位でシーズンを終えて且つリーグでも総合でもいいが今の上位3チームに一泡ふかせるような試合ができれば、来年は堂々と決勝T進出を目標に掲げられる。高木、宗利、中村歩がレギュラーで揃っているここ数年のうちに是が非でも西京極に行きたい。
と、ここまでは今までの佐川急便を念頭にして書いた。ただ今年はスメサートがいる。残り投球回を考えると7試合をフルに投げられ、上手く使えば8試合を計算できる試合に持って行ける。8勝てば十分4位が見えてくる。佐川急便の後半戦は、前半戦今ひとつ調子の出なかったスメサートの出来次第でもあるだろう。
注目選手: J・スメサート、信長香菜。上記のスメサートともう一人はやはり新人の信長。13回を投げて防御率1点台は新人賞も視野に入ってくる活躍だが、そのためにも後半戦一つでも勝ち星を挙げておきたい。
【デンソー】
前半成績:6勝5敗(実質6位)
現実目標:逆転決勝トーナメント進出
コメント:
順位的には佐川急便と同じ(対戦成績を考えると下)だが、ソフトウェアに勝利しているため決勝T進出の可能性は佐川よりかなり高いとみる。そのためには取りこぼしは絶対に許されず、最悪でも後半戦を7勝4敗、出来れば8勝3敗で乗り切りソフトウェアのつまづきを待ちたい。ライバルとの直接対決も、敗れてもいいが1点差までとすれば、昨年のレオパレスのように得失点差でソフトウェアを上回れる。
ここ最近の4位のボーダーラインが15勝だが2008年は14勝だった。後半戦もし上位3チームが取りこぼしせずに抜ければそれ以外は星をつぶし合って13、14勝ラインまで落ちてくる可能性は十二分にある。
注目選手:東美幸、永吉理恵。前半戦は実力通りとは言えなかったこの二人。特に永吉に本来のしぶとさが出ればソフトウェアとも十分互角以上に戦えるし、ルネサス相手でも対等に戦える。若手期待の倉成真子のバッティングにも期待。
【太陽誘電】
前半成績:5勝6敗(実質7位)
現実目標:今年は順位は関係なし。若手にのびのび試合をさせて来年の巻き返しの土台を造る
コメント:
誘電だってまだまだ4位以内の可能性を残してはいるのだが、いかんせん前半戦下位チームに負けすぎた。最下位争いを演じる戸田中とシオノギに2敗では上位争いもままならないが、それでもソフトウェアに勝利するなど意地も見せており後半戦もカギを握るチームであることは間違いない。坂井が抜け心配した投手陣にしても5点差以上の敗戦は一度もなく、若手とベテランでよく頑張っている。
もともと緊張感のあまりないような豪快なチームに河野が入ったことで余計に緊張感がなくなった(笑)若手の佐藤にしろ丸山にしろ1年目の原田にしろなんとくのんびりしている感じがするのだが、まああの大らかさがあってこその誘電だ。あれでいいか。原田なんかもう名前からしてそんな感じだ(笑)
注目選手:高卒1年目の野手で新人賞となるとそれこそ代表クラスの選手が思い浮かぶが、前半戦を打率3割1分、9安打、2三塁打で折り返した原田のどかにはその資質が十分備わっている。最終成績はどれくらいになるだろうか。ちなみに去年の新人賞加藤恵理が2割5分、14安打、5二塁打、1三塁打、1本塁打であった。
【Honda】
前半成績:5勝6敗(実質8位)
現実目標::6位以内。しかし大きく勝ち越して決勝トーナメントに進む夢も捨てない
コメント:
過去最高順位の7位を上回るのが今年の最大の目標。今年は下位のチームに全て勝っているので2部落ちの危惧などは全くなく上だけを目指せるのだが、しかしこのチームは7位以上とかそんな現実的なことは考えず、後半戦全勝で西京極行きくらいの目標を持って試合をした方がいい。じゃないとまた自爆してしまう(笑)そして興味深く見たいのが先発投手起用。やはり後半戦はトヨタやルネサス、織機相手に“本気”で勝ちに行くHondaの試合も見たい。
注目選手:前半戦2割7分8厘の平林真由子、後半戦を36打数19安打の打率5割2分8厘で乗り切ればシーズン打率4割を超える。ちょろいな。そしてなんと言っても金尾和美。1勝と言わず2勝3勝と白星を重ねることを期待している。
【伊予銀行】
前半成績:3勝8敗(9位)
現実目標:シーズン6勝。最終的には9位から一つでも上を目指す
コメント:
開幕前の大國監督の目標である6勝を達成できればまず確実に残留できる。前半戦2勝で終わったチームが3チームもあることから、おおよその目安として最下位脱出にあと1勝で、2勝すれば10位以内をキープできるはずであり、現実的な残留マジック2で迎える後半戦となる。ただし万が一後半戦全敗でもしてしまえばもちろん最下位の可能性も残っている。8節くらいまでには最低1勝して楽になっておきたいところだ。
今の伊予銀より上にいるチームは日本はもちろん、アメリカや豪州の代表レベルの選手が主力にいるチームばかり。なんとかそんなチームを一つでも追い抜いて、日本選手だけの四国のチームでも上にいけるという意地を見せたい。
注目選手:エース坂田が強豪から白星を奪う意地のピッチングを見たい。
【シオノギ製薬】
前半成績:2勝9敗(実質10位)
現実目標::入れ替え戦に出てもいいからとにかく最終的に1部に残留する
コメント:
安福、松村の両エースがいることから入れ替え戦に出てもおそらく持ちこたえるだろうとは思うが、そんな気持ちでは下手をしたら最下位になってしまいかねない。当たり前ではあるが、やはりせめて10位以内は確保してリーグ戦を終えたい。ここ数年はシオノギにとって我慢のシーズンが続いているが、今年は特に危機感を持って臨まないと最悪の事態を招きかねない後半戦ではないかと思っている。
注目選手:安福はもちろん、後半戦は松村の踏ん張り次第。打では上田恵。本来の豪快なバッティングがようやく実業団でも発揮できるようになってきたという噂をそこかしこで耳にする。
【大鵬薬品】
前半成績:2勝9敗(実質11位)
現実目標::10位以内で1部残留(入れ替え戦は何としてでも避けたい)
コメント:
戸田中戦での勝利が大きくなんとか単独最下位を免れた。前半戦での戦い方のような、あんな下手な試合がそうそう続くわけもないから、今年はなんとか残留できるのではないかと思っていたのだが、先の国体四国予選での伊予銀相手のコールド大敗が少し気になるところ。エース鈴木の怪我からの復帰の状態が心配で、もし調子が上がってこないようだと梅津、小澤、井俣の負担が増えて厳しい後半戦になる。とにかくここ最近は入れ替え戦で良い思い出が全くないので、なんとか10位以内に入って残留を決めたい。
注目選手:森田の守備、酒井の打撃、毛蟹の状態。他の選手は心配なし!
【戸田中央総合病院】
前半成績:2勝9敗(実質12位)
現実目標::入れ替え戦に出てもいいからとにかく1部残留する
コメント:
戸田中の場合はとにかく前半戦はチーム状態が悪過ぎてシーズンが進むにつれてもあまり明るい材料が見えなかった。武井が状態も良く良い投球を続けた第2節の佐賀大会での連勝の2勝だけで、それ以外は大量失点大差負けの試合がほとんどだった。ただ1年目の大学出身選手にしろ豊富な経験をしてきているし何より百戦錬磨の吉田真由美がいる。無条件降格となる12位だけは是が非でも避けて最悪でも入れ替え戦に回り勝負強さを発揮したいところ。
注目選手:武井の復活、長南の活躍。打つ方では内田と東の調子