【2011年、靜甲旋風ふたたび、なるか】

【2011年、靜甲旋風ふたたび、なるか】

 今年最初は靜甲について書こうと思ったのだが、とにかくこのチームについて書き出すと長くなってしまって仕方がない。中身を半分以下にするのに10日間もかかってしまった。

 


 

【2011年、2度目の1部昇格へ】
 2010年秋、この年から採用された2セクション&プレーオフ制の2部リーグを制し、靜甲が2部初優勝で1部への自動昇格を決めた。リーグ加盟前から選手兼任監督としてチームを引っ張ってきたのが三井由香前監督で、その三井さんが選手を集め、鍛え抜いて土台を作り、一度1部昇格を果たしながらすぐに降格したチームをまた鍛え直し、そして顧問も努めていた森監督がそれをちょうどいい時期に引き継いだ2010年に、チームが再び花開いたのだ。その過程にはもちろん会社のバックアップもあったし、社員や父兄の熱心な応援も大きく後押しした。加えて2007年初の一部の時のキャプテンでもあった大矢留美さんや元レオパレスの白井保奈美さんの熱い応援もあったし、そして何より常に愛情をもってこのチームを見守ってきた峯田起見さんの応援も大きかったに違いない。有名な外国人選手を引っ張ってこれるようなチームでもなければ、強豪高校や有名大学から優先的に選手を獲得できるようなチームでもない。練習環境もとても恵まれているとは言い難い。それにもかかわらず、毎年2部で優勝争いをし、こうやって再び1部に上がってこられるのも、選手の努力はもちろん、こういった大勢の人のチームを支える純粋な努力の結晶だろう。
 僕がどうしてもこのチームを応援したくなるところは、まさにそんなところだ。

 

【はじめての1部~2007年の靜甲旋風を振り返る】
 さて今年二度目の1部参戦になった靜甲だが、初めての1部だった2007年を簡単に振り返ってみたい。

 

<前半戦~恐いもの知らずの快進撃でソフトウェアにも勝利>
 2007年シーズン、初めて1部に昇格した靜甲は、1節2戦目でシオノギ相手に初白星を挙げると2節の戸田中戦にも勝って2勝目。そして4節の佐川急便戦にも勝利すると、とうとう5節では強豪ソフトウェア相手に高卒新人の鈴木麻美が完投勝利をあげる。リーグ加盟5年目、初の1部でのこの健闘は、当時のソフトボールファンや関係者の間で「靜甲旋風」とまで言われた。確かにレオパレスや織機など他の強豪チーム相手に大敗することもあったが、前半戦を終えての4勝は十分すぎる数字で、かつライバルとなるシオノギが1勝、戸田中が0勝だったことから1部残留もほぼ決まりかと思われたのだが…。

<2007年第2節、戸田中にサヨナラ勝ちし喜ぶ靜甲ナインとうなだれる堤投手>


<後半戦~守戦に回った後半戦、最終戦でまさかの最下位転落へ>

 後半戦はほぼ「マジック1」、1勝でもすれば残留は確定で、万が一全敗しても最下位だけはないだろうという状況で始まったのだが、その前に立ちはだかったのが戸田中の堤千佳子だった。
 靜甲は6節で誘電に22失点の記録的大敗をすると完全に前半戦の勢いを失い、7節でシオノギ、トヨタ相手に連続延長タイブレイカー負け。最大のライバル戸田中にも8節で敗れ、結局後半戦は1勝もあげることができなかった。
 一方の戸田中はエース清水麻琴投手の開幕前の引退で急遽主戦になった堤が大車輪の活躍。ミッシェルスミスの織機に投げ勝つとシオノギ、靜甲相手に完封。最終戦の佐川急便戦も完封し、大逆転で11位に浮上した。堤の意地が靜甲の1部残留の夢を砕いたのだ。
 そんな戸田中と入れ替わって今年2011年に靜甲が1部に昇格するのも、何か因縁めいたものを感じる。
<2007年第8節、前半戦の雪辱を果たし1-0で靜甲を破った戸田中。9、10節の対戦相手を考えると、この1敗は靜甲には余りにも痛すぎた>

 こうして1年で2部に降格してしまった靜甲だが、しかしこのチームが残した足跡は大きい。もう一度あの時の旋風を起こせるか。ファンの期待も当然大きいのだ。

 

【ようやく実現する“夢の対決”】
 さて、とにかく靜甲が1部に復帰してくれてそれだけで嬉しくてしょうがないのだが、ここ何年間か願い続けていた対戦が見られるのがまた嬉しい。個人的には「夢の対決」と思っていたのだが、それがまさかこんなに早く実現するとは思わなかった。
 その靜甲と対戦する夢の対決の相手はもちろん(?)、「大鵬薬品」。靜甲が初めて1部に上がったのが1部で11位だった大鵬薬品に入れ替え戦で勝利したからであり、両チームとも2部に落ちた2008年と2009年は、この両チームの直接対決の勝者が優勝戦線を左右するような力関係だった。その頃から、この大鵬薬品と靜甲の2チームがともに1部に昇格し、1部の晴れ舞台でぶつかることをずっと夢見てきたのだ。それが今年実現する。大鵬薬品も去年1年間応援してきた思い入れのあるチームだし、この2チームの対戦はどちらが勝つかは別にして純粋に楽しませてもらいたいと思っている。
 さらにもう1チーム、去年1年間靜甲と2部で強烈なライバル関係にあって常に優勝を争ってきた日立マクセルも今年1部に昇格する。マクセルは2006年に1部初昇格するもその年に大鵬薬品とともに2部に降格。2008年に再び昇格するも1年で降格と残留経験がない。残念ながら同じように2部落ちしながら何度もチャレンジしてきた伊予銀行は降格してしまったが、この靜甲と大鵬薬品とマクセルの3チームが同時に1部の舞台に揃って戦うというのが、やはり近年の2部ファンにはわくわくするような対戦なのだ。

 

【2010年の選手達へ】 (順不同)
 個々の選手紹介でも書こうとしたんだけど、結局は紹介ともエールともネタともわからないものになってしまった。口調もまちまちだけど、直すの面倒なのでこのまま載せます(笑)
 ちなみに1月11日現在の記事で、どの選手が引退するかなど、今の時点では情報はほとんど知らない。多くの選手が1部の舞台を踏んでくれると信じている。

 萩藤寛子(どこでも守る):2004年デンソー時代以来の7年ぶりの1部復帰。引退して、ブランクがあって、そして復帰して甲賀医専を経て、2部の靜甲に入って努力して、そして今度はキャプテンとしてチームを引っ張って再び1部選手になった。ほんとうにほんとうに、回り道した甲斐があったね。

 河部祐里(投手):1部でどういうピッチングをするのかみんなが注目しているはず。ただ2部で力でねじ伏せたようには甘くはない、ということも、当然クレバーな河部のことだから昨年の全日本総合でのソフトウェア戦で十分学習したはず。1部で競争する相手は上野にアボットにオスターマン、世界が相手だ。リーグ屈指の負けん気の強さと頭の良さで河部の意地を見せてくれ。根性だけは負けるな。

 鈴木麻美(投手):初めての1部での投球は本当に素晴らしかった。高卒新人にして71回を投げ防御率が2.71で、ソフトウェア戦の完投勝利を含め計4勝。新人賞に相応しい、いやそれ以上の大車輪の活躍だった。ただその後の成長を見たかったのに新人賞を取ったまま2部に行ってしまったのが何とも残念。その鈴木麻美第2章を今年大いに期待している。

 中村夏美(左翼手):1年目は小さな体で裏方仕事に奔走してた姿が印象に残ってる。1部では4打数で0安打2三振が通算成績だけど、あの舞台を経験しているというだけで大きいはず。ほんとミートが上手くてバッティングセンスは抜群。去年は体調崩してあまりチームに貢献出来なかったけど、今年は一杯ご飯食べて夏を乗り切ろう。夏美が夏バテとかシャレにならんぞ(笑)。復活して早く1部での初ヒットを見せてくれ。

 植松尚子(中堅手):とにかくバッティングセンスが素晴らしく、加えてガッツの固まりのような選手。それが常に暴走して怪我と背中合わせのようなプレーの連続になってしまうけど、初回が終わるとユニフォームが常に泥だらけになるような植松こそ、日本の女子ソフトボールの良さを凝縮したような選手だと思っている。靜甲加入が2008年であることから初の1部になるが、植松ならきっとやってくれると期待している。ただ一つ、とにかく君もご飯いっぱい食べてもっとパワーを(笑)

 尾方栄里(二塁手):現役選手としてはもう靜甲の生き字引的な選手。12年目の大ベテランにして常に新しい形を追い求めている姿には感銘を受ける。この選手の常に向上心を持った姿勢は本当に素晴らしい。でもいつまでたっても若手選手みたいにテンぱるのだけは少しずつ克服しよう(笑)いつもエラーした試合後におちょくってしまうけど、とにかくあなたの必死なプレーにはいつも感動している。

 鈴木優子(遊撃手):残念ながら去年で靜甲を卒業し、ミナモで新たなソフトボール人生を送るようだけど、今まで靜甲をひっぱってきたのは紛れもなく鈴木のリーダーシップ。鈴木がいなくなってしまう靜甲のショート、内野手が不安でしょうがないのだが、きっと後進を育ててくれているはず。残念だけど、ミナモに行ってもずっと応援している。

 松井志帆実(三塁手):前回一部の時はまだまだ控え選手で、時々ショートを守っていたことを思い出す。それがもうサードの守備としては2部では最高の選手で、一部に上がった今年もゴールデングラブ賞行けるくらいの選手だと密かに期待してる。「あの靜甲のサードは上手いな」と、きっとみんなに思ってもらえるはず。それからたまに良いところで打つところも素晴らしい(笑)

 白井加奈絵(右翼手):目立った活躍はしなくても、いるだけで安心できるような玄人好みの選手。前回1部でも規定打席に到達したし、渋く活躍してた印象が強い。1部の舞台を知る選手として、今年は常に先頭に立ってチームを引っ張っていって欲しい。姉の性格と正反対でどうも大人しすぎる感じがするんだけど、もっと目立ってもいいんだぞ(笑)

 計盛志津子(一塁手):靜甲の1部で唯一ホームランを放っている選手。入れ替え戦終わったあと、もう若手に任せます的なことを言ってたけど、まだまだ必要な選手。残ってくれているかなあと少し心配。とにかく見ていて楽しい靜甲一の名物選手。彼女がグランド内にいるだけで球場全体が明るくなるような太陽みたいな存在。

 滝(原田)真由美(DP):1部時代にDPでベストナイン取った実力を去年はいかんなく発揮。今年は伊藤カズさん以来のママさん選手としてバリバリ活躍してくれる、かな。とにかくあの勝負強いバッティングをもう一度1部で見られるのが本当に楽しみ。子供が物心つくくらいまでやってくれるの期待してる。あと、もうバントはしなくていいからガンガン打ってくれ(笑)

 菊池美咲(外野手):去年は呂投手相手に4打数4安打の完璧な「呂キラー」。プレーオフの二塁打なんて完全などん詰まりがヒットになるんだから、相性の良さは完璧やね。でもそれ以外のヒットはしっかり芯で捉えた当たりだったし、本当に代打では頼りになるバッターだった。1部でもここ一番の代打の切り札としてきっと活躍してくれるはず。とにかくあの綺麗なスイングが個人的には大好きなのだ。

 田中美穂(捕手):前回は昇格が決まった靜甲にカネボウ小田原から移籍して、1部も経験したが控え捕手でもあり24打数の1安打と今の田中からしたら信じられないような成績。でもここ数年は本来の実力を見せてくれて2部では打ちまくってるし、きっとあの借りは返してくれるはず。名門厚木商出身の選手として、いろんな場面でチームを引っ張っていってほしい。

 半田岬(投手):去年は裏方仕事も頑張ってくれていた選手で、よく試合前のスタンドで目にした。計6回の投球回ということで残念ながら試合で投げているところを見たことがないんだけど、今年こそきっと見られるはず。とにかくいくら2枚看板がいるからといって1部では投手は4人くらいは絶対に必要なんだから、頑張っていればきっとチャンスは巡ってくる。

 加藤菜奈子(内野手):長身で色白の美人選手。一昨年の国体予選で愛知県の染谷美佳投手からホームランも放ったはずで、潜在能力は高い。なんとか成長して内野の一角を守ってくれればチームも助かるのだけどな~。もしレギュラー取るか、取らなくてもしっかり守って打って活躍してくれたら、加藤と松井の白黒オセロコンビで売り出そうかと密かに画策中(笑)

 吉田早希(二塁手):セカンドには尾方大先輩がいたことから出る機会は少なかったけど、記録は立派なもんで打率は5割を超えている。実は吉田を「東海学園大」と勘違いしてたコメント書いてて即座に「とんぷりんさん」に訂正してもらった。彼はさすが。そもそも大学名が似すぎなのだ(笑)吉田は「東海学院大」で元「東海女子大」。つまり靜甲の大先輩の大矢留美さんと鈴木優子の後輩で、鈴木とは高校も同じ。てことはミナモに抜けた鈴木優子の後釜を埋めるのは吉田しかいない!?鈴木の代わりは大変だぞ~(笑)

 今倉麻衣(捕手):去年は代打での5打席だけだったけど、体もがっちりしてるし力あって頼りになりそうな選手。ちなみに顔見てもいかにもご飯いっぱい食べそうで、さすが大体大出身って感じ(笑)もう一人のキャッチャーの田中が細い選手なので対照的で、前回1部で正捕手だった関口直美捕手とどことなく被る部分があるんだよね。PO決勝戦7回の代打では結果は出なかったけどあの時の打席での雰囲気はすごく良かった。

 高橋尚子(内野手):リーグではノーヒットだったけど、実業団大会のYKK戦でのコールド決めたサヨナラヒットはしっかり覚えているZE!スコア付けたり半田と一緒に裏方仕事多かったから、実は一番いろいろと話かけさせてもらった選手かも知れない。鬱陶しかったかも知れないけど、今年もよろしく(笑)

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