<中日本総合選手権について>
中日本総合選手権(男女)とは毎年8月の中旬お盆前後に、愛知、岐阜、三重、静岡、石川、福井、富山、長野、新潟の中部北信越地方の9県から小、中、高、一般の4部門それぞれに8チーム以上(今回は9~12チーム)が集まり、3日間で計40試合前後が行われるという比較的大きな大会である。
女子ソフトボールでお盆頃に行われる試合と言えば今では埼玉県道満での星野メモリアルが大きな大会となっていて、中日本総合なんてあったんだと恥ずかしながら自分も最近気づいたような始末なのだが、実は中日本総合選手権とは昭和32年からスタートし今年で第55回を迎えるという実に歴史のある大会なのだ。
もともとは実業団の1部のチームも参加していたようで平成4年の女子一般の部の優勝が「日本電装(デンソー)」となっていることからこの年までは1部チームも参加していたのだろう。それ以降は大学生やFUKUJUSOなどのクラブチームの優勝もあるが、主に2部所属の実業団チームの優勝が多くなる。平成12年から15年まではスルガ銀行が4連覇しているが、この時のスルガ銀行には現Hondaの名手中村瞳が所属していた。
平成19年の東海理化の優勝の後は、静岡県の強豪クラブチームであるCLUB JAPANの連覇に東海学園大の優勝と続くことから2部チームの参加もなくなったのかもしれない。今年の大会も一般女子の部は大学生とクラブチーム、それに日本リーグ未加盟の実業団チームによる大会だった。
<女子一般の部・参加チーム>
以上のような経緯で1部チーム、2部チームの参加がなくなってきたのだが、こういう歴史のある大会に多くのクラブチームが出場できるというのもそれはそれでなかなか面白いと思う。今年参加していたチームを以下に列挙するが、今年見られなかった特にクラブチームを来年はぜひこの大会で詳しく見てみたいなと思うようになった。
大学生:東海学園大(愛知)、東海学院大(岐阜)、中京大(愛知)
クラブ:クラブ金沢(石川)、KEICHO CLUB(三重)、CLUB JAPAN(静岡)、大沢野ウィンディーズ(富山)
実業団:イカイ、佐川急便中部
<イカイチームの紹介>
さてそもそもこの大会に初めて行く気になったのはイカイという2部加盟を目指す実業団チームを見たかったからである。イカイとはソフトボールが盛んな静岡県の掛川市に本拠地のある今年創部3年目の実業団チームで、経歴もさまざまな、でもソフトボールを愛する選手達が集まったなかなか謎の多い、それだけにちょっと興味をそそられるチームなのだ。
もちろん以前にも何度かチラ見したことはあるがじっくり見るのは今回が初めて。そのニワカな感じを恥じることもなく、ちょっとチームの紹介をしてみたいと思う(打順と守備位置はこの日のスタメン)。
(ちなみに「イカイ静岡」というチームがあるが、それはやや実力は劣るが地元でソフボールをやりたい選手を集めた姉妹チームらしい)
1番(レフト):安次富愛(平塚商→日本ウェルネス)
神奈川ではある意味、厚木商以上の古豪でもある平塚商出身で、その後2部リーグ加盟の専門学校の日本ウェルネスに進学。そして加盟以来79連敗だったウェルネスが大和電機相手に初勝利を挙げた時の捕手である。
2番(ライト):羽田あすみ(とわの森三愛→日本女子大)
情報募集中。キャプテンなのに、あまり情報がわからなかった。申し訳ない。
3番(DP):菅原綾乃(とわの森三愛→日立ソフトウェア)
知る人ぞ知る元ソフトウェアの名物選手。ソフトウェアに収まりきれないスケールのでかい(?)暴れん坊(?)マフィアのボスのようなグラサンの奥から睨みをきかす?(笑)なぜか僕の周りに綾乃ファンが3人くらいおる(謎)
4番(センター):山下美奈子(厚木商→レオパレス21→ドリーム☆ワールド)
ドリーム時代は「さすが元レオパ選手!目指すは井上絵里奈先輩か!?」てな感じだったが、イカイに来て体も絞って動きも軽快になった。何より表情が明るくて生き生きしているのがいい。
5番(キャッチャー):加茂香織(聖和学園→日立マクセル)
この試合では序盤で10盗塁くらいと走られまくっていたが元はと言えば実業団選手。聖和学園では千葉&菅野の織機コンビの1年先輩。
6番(ファースト):宮脇沙矢香(川崎商→ママさんチーム)
ママさんソフトから一念発起してきたらしいということを聞いたが、よくわからない。けっこうカッコイイ。
7番(ショート):益田沙弥香(星野→ルネサス高崎)
なんだこの左利きのショートは!?しかも右打ちやし??いろんな意味で間違っている!って感じで一番衝撃的だったのだが、よく見ると元ルネサスの益田選手ではないか。左打席にも立つようだが基本は右打ちかな。イカイで一番上手いから左右無視してのショートなんだろう。
8番(セカンド):大槻葵(京都西山→武庫川女子大→甲賀医専)
おそらく甲賀出身で何度か見たこともあったはず。口は一番達者な感じ(笑)
9番(サード):原井未菜(札幌北斗→北翔大)
投手の土赤と同期で北翔大出身。ということは竹田市での全日本総合でプレーを見ているはず。写真、あるかな。トヨタの田中由香里投手に鳩尾(みぞおち)にデッドボール食らってのたうちまわっていた小柄な選手の写真はあるのだが…(笑、あの選手はしかし元気あるいい選手だった)。
(ショート):木村穂(厚木商→日立ソフトウェア)
ソフトウェアに3年間所属していた選手。この日は代打に出て最後の打者に。ソフトウェア仕込みの豪快なバッティングを見る機会はまた今度。
(投手):田辺磨唯(大磯→ウェルネス)
安次富と同じウェルネス出身の投手。この日も中継ぎ登板していたのだが油断している間に降板してしまい写真なし!スマン
(投手):薄井友美(立正→東京のクラブチーム)
名前で検索すると東京都のソフトボール協会のサイトでの薄井投手の動画を見ることができる。クラブチームで頑張っていたのかな。小柄だけど元気な投手。
(ファースト):江藤真美(龍谷→福岡大)
この日は怪我の影響かスコアラーに徹していたのでほとんど見る機会がなかった。残念。
<この日の試合~中京大vsイカイ>
さてようやく肝心の試合についてなのだが、まあここで詳しく追及しない(理由はスコア参照、笑)
(詳細はココに→【テーブルスコア】)
中京大 53323…16
イカイ 00001…1
とにかく衝撃だったのが、監督の佐次田一美さんが試合後、応援に来て差し入れしてくれた会社の方に「差し入れもいいんですけど、給料上げて下さい」つってたこと。
優勝とまではいかずとも、せめて勝ってから言うならまだしも、1-16でコールド負けしたあとにその発言…、この人は大物だ!と心から思った(笑)
まあそれもそうで、佐次田さんと言えば確かジュニア日本代表の一員で世界一になったこともある名捕手。沖縄の名門・嘉数中学(織機の国吉早乃花、デンソーの新崎涼子の大先輩)で、カネボウ小田原からホンダ、イカイと渡り歩いてきた選手。若いながらも経験豊富で肝も据わってる感じがする。
あの一言で、イカイが今後もますます楽しみなチームになった。
<コールド完封負け寸前の5回裏2死からタイムリー三塁打を放った安次富だったが、最後は捕手からの牽制死で試合終了とかないやろ~>
<その他の実業団、クラブチームの紹介>
最後におまけ写真。初めてのクラブチームも見られたのでユニフォームのお披露目程度に写真を載せさせていただきます。
【佐川急便中部(愛知県)】
知る人ぞ知る好チームで密かな人気を誇る。小柄な左腕浦上純奈がチームを引っ張りこの大会優勝した。左利きの内野手と言えば佐川中部の二塁手島田友里恵も有名。
【CLUB JAPAN(静岡県)】
地元静岡の強豪クラブチーム。迫力ある選手が多い。監督が面白い。
【大沢野ウィンディーズ(富山県)】
初めて見た、というか存在を知ったけど、いかにもクラブチームらしい清々しいチームだった。キャプテンも一塁にヘッドしたから砂だらけ。富山だから雄山や滑川の選手もいるのかな。
【KEICHO CLUB(三重県)】
我が三重県が誇る強豪クラブチーム。残念ながら試合に間に合わず帰り支度のところ。
【クラブ金沢(石川県)】
KEICHO CLUBに勝利し2回戦に進んだが都合で試合を見られなかったクラブ金沢。写真も撮り忘れて無念。ぜひ来年も参加を!
で最後に、思いだした。表題がなぜ「旅」なのか。
実は中日本総合が行われた富士川緑地公園まで、炎天下の中を行きはJR富士川駅から歩き、帰りはJR富士駅まで歩いたのだが、もうほとんど脱水症状で死にかけた。国道1号線で富士川を渡るときなど未来永劫歩き続けなければいけないのかと思うくらい遠かった。
「鶴瓶の家族に乾杯」か「ウドちゃんの旅してゴメン」みたいな旅のつもりで歩いてみたんだけど大失敗した。
全く誰にもお勧めできない。
以上です。
P.S.
それにしてもイカイチームですね。
星野→ルネサスや厚木商←ソフトウェア、厚木商→レオパレスみたいなエリートコース出身選手と、ウェルネスやママさんソフト出身選手が一緒にやってるチームもなかなかないですね。