マクセル 000 0002 1…3
Honda 001 0100 0…2
(延長8回)
日立マクセル:西村瑞紀、○呂偉 - 篠田美穂
Honda:●金尾和美 - ローラン・ラッピン
(三):L・ラッピン(H)
(二):田中梢子(マ)、芝﨑恵梨(H)
【戦評】
Hondaは勝てる試合を落としてしまった。序盤チャンスを潰しまくるのはいつものHondaだが、7回の表、8回の表、裏にも3つ悔やまれるプレー、采配があった。
チャンスを潰しながらもなんとか2-0とリードして迎えた7回表、日立マクセルの攻撃。2死一三塁で打者に阿部を迎えた場面が一番のピンチだった。ただ幸いにもワイルドピッチで二三塁になり阿部を歩かせることができ、頼(ライ)勝負となったのでむしろ楽になった。その頼を完全に打ち取りながらライト前に落ちるポテンヒットとなってしまったのはHondaにとっては不運だった。
ただあの場面、確かに逆転の一塁走者を還したくないため外野はやや深めに守るのはセオリーだが、頼の最近の調子を見てたらこの日の金尾なら間違っても外野を抜かれるような打球は打たれそうにもなかったので、定位置で十分だったかも知れない。セカンドの村上がかなり早めに打球をライトの芝﨑に任せてしまったのも悔やまれる。あの守備位置、打球ならセカンドが行っていい打球だった。
二つめは日立マクセルが1点を勝ち越した延長の場面。無死二塁で打者は田中梢。初球をタイムリー二塁打されたのだが、ここは今のマクセルなら100%打ってくる場面だったが、安易にストライクを取りに行ってしまった。粘投を続けた金尾の唯一の失投、バッテリーの唯一の選択ミスだったかも知れない。ただこれが裏の回なら間違いなく敬遠したのだが、さすがにここは勝負せざるをえなかったか。結局は打った田中梢が立派だった。
そして最後のHondaの攻撃、1死三塁、2ストライクとなってからの打者又吉と三走田中の間にかけたエンドラン失敗の場面。まず走者あるいは打者にサインミスがなかったというのを前提として、シオノギの試合でも書いたが、2ストライクからのエンドランは意表をつく場面でもあるがリスクが大きすぎる。成功すれば勇気ある作戦だが失敗すれば監督の責任。ましてや次打者は1番に戻って最も頼りになる打者の平林。
Hondaの監督も試合後は選手達に土下座して謝っただろう。か(笑)
逆にマクセルはあれだけ3番4番がヒットを打ちながら5番の篠田が流れをぶった切って全く打線が繋がらず、あわや完封負けという直前で頼のカス当たりが同点タイムリーになるという幸運。
悪い流れを全て帳消しにしてしまえるような勝ち方でとてもいいスタートが切れた。篠田も次からは仕事をしてくれるだろうし、流れも良くなってくるだろう。
【試合経過】
【1回裏:Honda】
平林、芝﨑の連打で無死二三塁から3番4番が打ち取られ2死。5番村上の打球は二遊間への難しい打球だったが小野が軽く捌いて3アウト。Hondaは絶好の先制機を逃す。
<最後は小野の好プレーでマクセルはピンチ脱出>
【3回裏:Honda】
平林、芝﨑で作った無死一二塁のチャンスがまたしても3番4番が倒れ2死。しかしここは村上がキッチリ仕事をして1点先制。
<この日3安打、4打席全てでヒット性の当たりを放った村上が先制タイムリー>
【5回裏:Honda】
ラッピンのライン際のヒット性の打球はあるいは巧い外野手なら捕っていたかも知れない。しかし本職サードで今回急造レフトの小林がわずかに及ばず三塁打になり、このチャンスでは4番の島崎が犠牲フライを上げて1点を追加する。レフトの小林は直後にDPの得に守備位置をゆずりOPOに退いたが、小林良美監督としては「すまん(小林)朝子、無理させてしまって。全然気にする必要ないから」と言った気持ちだったはず。
<急造レフトの小林、一歩及ばず>
<初回絶好機に凡退した4番の島崎がここはきっちり犠牲フライ>
【7回表:マクセル】
最終回、意地を見せたいマクセルは小林、高崎の連打で無死一二塁。田中涼、得が倒れたが阿部が四球で繋いで2死満塁。ここで頼が起死回生の同点ポテンヒット。
<セカンドに中村瞳がいれば、ダイビングキャッチで試合終了だっただろうか…>
【8回表:マクセル】
タイブレイカーの無死二塁で打者田中梢が初球をレフト線へ決勝二塁打。この何も考えていないかのような(事実考えていないだろうが)超積極的なバッティングが、いかにも「元レオパ選手」といった感じの田中梢の長所。
<延長タイブレイカー、田中が初球を勝ち越し二塁打>
【8回裏:Honda】
1点ビハインドで8回裏。1死三塁。打者又吉は2ストライク。次打者は平林真由子。結果はエンドランをかけて空振り三振ゲッツー。試合終了。
<アウトコースの球にバットが届かず…。ただこの場面は打者、あるいは走者の責任ではないだろう>