太陽誘電 000 1000…1-7-1
佐川急便 020 000x…2-4-2
太陽誘電:●藤田倭-佐藤みなみ
佐川急便:○ジャスティン・スメサート、信長香菜-山科真里奈
(二):柳瀬友紀(佐)
【戦評】
初回、佐川急便は立ち上がり乱調気味の藤田を攻めて1死満塁のチャンスを作るも逸機。しかし2回も藤田のエンジンがかからず、連続ワイルドピッチなどで与えた二三塁のピンチに2番寺本に一二塁間への2点タイムリーを打たれてしまった。結局打たれたヒットはこれも含めて4本。3回以降は1安打に抑えただけに、2死一二塁から二三塁にしてしまったワイルドピッチが結果的に大きく響いた。
誘電は3回、1死一三塁のチャンスで岡本がレフトへフライを打ち上げるも直前に交代していたレフトの松下美稀から好返球。山科が捕ったそのままブロックできる完璧な送球で河野がタッチアウトになった。その後、丸山のエンドランでスメサートから1点は取ったが、後述する問題の「守備妨害アウト」のあとにリリーフした信長から、チャンスを作りながらも得点できなかったのが痛かった。
昨日織機に勝利し、この日ソフトウェアが負けたことから、この試合に勝てば1歩抜け出すことが出来た誘電だが、これでまた3チームが横並びでしかも下とも詰まってきた。
誘電としてはとても残念な敗戦になったが、4位争いが非常に混沌として面白くなってきたのも事実だ。
【5回表・誘電「守備妨害」の場面】
問題のシーンは1対2、誘電が1点負けている状況で迎えた5回表。
先頭の石濱がヒットで出塁し河野が送り、山本の右邪飛で三塁に進んで打者は岡本。
一打同点の場面だったがスメサートの低めの変化球を空振りで三振。しかしこれがワンバウンドし山科が前にこぼしたのをみて岡本が一塁へ走る。
山科が拾い上げて一塁へ投げるも、慌てすぎてしっかり握れず一塁へはとんでもないヨレヨレの低い送球。これをファースト田中が捕球できず、三走の石濱が生還し、同点か、と思った瞬間、「守備妨害で打者走者アウト!」の判定が下った。
判定は、送球が打者走者に当たったことと、打者走者がその時スリーフットレーンの外、つまりフェアゾーン内を走っていたことによりアウト、ということだった。
これに対して誘電の山路監督とキャプテンの河野選手が猛抗議をし試合が一時中断になった。同点になるかどうかの場面なので非常に大きな判定だった。
実は以前これと似たプレーがあったので、打者走者、特にバントをした後の打者の走路が気になって多くの選手の走っている走路を確かめたことがあったが、結論としては、右打者のほぼ全員、左打者もほとんどの選手がスリーフットレーンに到達したあともフェアゾーン側の違反走路を走っていた。例外は元トヨタ自動車の伊藤幸子選手くらいで彼女はしっかりレーン内に移って走っていたような気がする。あくまでその一時期に確かめた範囲内だが。
しかしこれらは例えばキャッチャーからの送球の場合、ボールが当たったら明らかに守備妨害を取られるような走り方で、この時見て逆に「キャッチャーはわざわざ打者走者を避けて無理な送球をせず、違反して走っている打者走者の背中に当てるべきだ」と確信したくらいだった。
以上のような経験もあるし、今回の場面も岡本選手は空振りしてよろけてから一塁へ走っているので、おそらくフェアゾーン内に足が残るような走り方をしてしまったのは事実だろう。
問題はボールが当たったかどうか。たとえば当たってなくても手を広げてファーストの目隠しをするような行為をすれば守備妨害を取られるだろうが、今回は「当たった」という判定で誘電側は「当たってない」という主張だった。
正直これに関してはその瞬間の写真がなく証拠もないので検証のしようがない。審判の判断を信じるより仕方がない。
ただその前後の写真があるので示しておきたい。
<岡本が低めのワンバウンドするボールを空振り三振>
<キャッチャーがこぼしたのをみて、一塁を駆け抜ける、しかしこの時、ファーストの田中が何か叫んでいて、一塁塁審はすでに両手を広げてボールデッド(?)を示している>
<山科が一塁に投げたはずの送球がセカンド方向に転がっている。これだけでは田中が捕球し損ねた可能性もあるが、何かに当たって転がったようにも見える。少なくとも塁審からは当たったように見えたのは間違いない>
走者の岡本が「当たっていない」と主張しているので体に直接当たったりはしていないのは確か。投げたボールもツーバウンドするような低い緩いボールだった。
しかしもしそのボールが岡本のスパイクに当たって跳ねていたら、岡本としては当たった感触はないだろうし、ボールはあのような転がり方をする可能性が高い。あるいはスパイクではなく走路の凸凹に当たって跳ねた場合でも、塁審から見れば走者に当たったように見える可能性は高い。
跳ねるほど当たっていなくても、例えばかすったように見えただけでも、打者走者が違反走路を走っていたら守備妨害をとられる可能性も高い。
個人的には「スパイクに当たった」ような感じを受けた。
誘電側には悔やみきれない恨めしい判定になっただろうし深く同情するが、しかし打者走者がちゃんとスリーフットレーン内を走ってさえいればほとんどの場合問題は起きないのだから、特に捕手からの送球が来る場合はよほど気をつけて走るべきだ、というのが個人的な結論である。
<同じ回の河野の打席だが、実は河野に限らず左打者でもほとんどがこうやってフェアゾーン内を走ってしまっている。もちろん内野手へのゴロなら送球の妨げにならないので全
く問題はないが、捕手からの送球が来る場合はよほど気をつけて走らないと当たれば確実に守備妨害となる。当たったように見えただけでも守備妨害を取られても仕方がないかも知れない>
【太陽誘電・スタメン】
1(8):河野美里
2(5):山本晴香
3(D):岡本由香
4(2):佐藤みなみ
5(7):原田のどか
6(9):丸山実希子
7(6):遠山佑奈
8(3):佐野志津香
9(4):石濱真実
FP(1):藤田倭
【佐川急便・スタメン】
1(4):柳瀬友紀
2(9):寺本有希
3(7):松下友里
4(5):ステーシー・ポーター
5(D):中村歩
6(3):田中里依
7(8):駒野まみ
8(2):山科真里奈
9(6):梅村麻弥
FP(1):ジャスティン・スメサート
※誘電の先発投手以外、前日と全く変わらないオーダー
【1回表:太陽誘電~0点】
河野:遊ゴロ失
山本:三前犠打
岡本:左直(かなりいい当たりも正面)
佐藤:死球(ユニフォームかすり)
原田:二ゴロ
【1回裏:佐川急便~0点】
柳瀬:右中間二塁打
寺本:一犠打
※好守佐野の前へのバントは強いゴロ、二走の柳瀬が普通に走っていれば三塁で完全にアウトだっただろう。
※しかし柳瀬が二三塁間で一旦ストップ、それを見た佐野が走らないなと安心してファーストへ投げた瞬間に三塁へ再スタートし進塁。表には出ないが柳瀬の素晴らしい判断
松下:四球(ストレート、あえて勝負を避けた)
ポーター:四球(3-1からも、あえて勝負を避けた)
中村:浅い中飛(タッチアップは無理)
田中:一ゴロ
※ここは藤田が計算通りに踏ん張った
【2回表:太陽誘電~0点】
丸山:二飛?
遠山:遊ゴロ
佐野:見逃し三振
【2回裏:佐川急便~2点】
駒野:中前打
※山科の時にワイルドピッチで二塁へ
山科:見逃し三振
梅村:遊小飛
柳瀬:四球
※寺本の打席で痛いワイルドピッチ、二三塁に
寺本:一二塁間2点適時打
※一二塁間のド真ん中を緩いゴロが。セカンドの石濱が懸命に走ってグラブを出すとそのグラブをはじいて点々とする間に二者が生還。むしろクリーンヒットなら1点どまり。誘電には不運な当たりだった。
松下:一ゴロ
【3回表:太陽誘電~0点】
石濱:三ゴロ(スラップで鋭い当たりもポーターが反応良く好捕)
河野:中前打
山本:左前打・河野三進
※ここで守備交代、レフトの松下友里に代わり松下美稀
岡本:左飛・本塁タッチアウト
※代わった松下美への定位置の飛球、生還かと思われたが松下美から山科がちょうどブロックできる完璧なダイレクト返球!
※河野も体で激突するがベースに届かず。逆にぶつかって脛を強打。痛くて立ち上がれず。怪我かと非常に心配したが、なんとか足をひいて立ち上がり守りに向かう。
<レフト松下美に代えて大正解。代えてすぐにこの好プレー>
【3回裏:佐川急便~0点】
ポーター:四球
中村:一前バント二封
※ここは佐野のエリア。絶対にセカンドでアウトにする
※代走に村中美紀
田中:三前犠打
駒野:空振り三振
【4回表:太陽誘電~1点】
佐藤:左前打・後逸二進
※先ほど好プレーの松下美、調子に乗ったか佐藤のヒット性のライナーに果敢に前進も打球判断を誤り後逸、なんとか二塁では止めたが
原田:三前犠打
丸山:エンドラン二ゴロ・失
※エンドランで丸山が二ゴロ、柳瀬が捕りホームをうかがうがタイミング的には絶対に無理、最初からあきらめて一塁送球すべきだったが慌ててホームを見たことでファンブルするエラー
遠山:空三振
※遠山三振の時に丸山が二盗
佐野:空振り三振
<前の回で好プレーの松下美、調子に乗ってしまった。佐藤のライナーに前進してきて目測誤り後逸。触っていないので記録は二塁打かも知れないが、ありゃ実質エラーだ(笑)>
<丸山がこういう場面ではしっかりと決める。セカンドに転がして1点>
【4回裏:佐川急便~0点】
山科:左前打
※代走に上田千裕
梅村:一前犠打・遊失
※公式記録はどうだろうか、野選か。ファースト佐野が得意の守備で二塁封殺!かと思ったが若干地面すれすれの送球、捕れる送球だが遠山がこぼしてセーフに。
柳瀬:一バント飛球(柳瀬痛いバント失敗)
※ここで作戦面も焦ったか、寺本の時にダブルスチール敢行も三塁で悠々アウト、2死二塁に
寺本:三飛
【5回表:太陽誘電~0点】
石濱:左前打(ファールファールで粘った石濱の勝ち)
河野:投ゴロ二進(バスターの繰り返しで進塁打。走者を送るだけなど河野にとったら朝飯前)
山本:右邪飛(石濱は三塁へ)
岡本:空振り三振・後逸→振り逃げ→スリーフットレーンアウト
※これが冒頭にあげた問題のシーン
【5回裏:佐川急便~0点】
松下美:空振り三振
ポーター:四球
中村:空振り三振
※なんとポーターが単独二盗。タイミングアウトも送球が体に当たってセーフに。その手があったか
<アボットにぶつけられたりポーターにぶつかられたり、石濱武人埴輪も大変だ>
田中:四球
駒野:空振り三振(高め3つ)
【6回表:太陽誘電~0点】
※佐川急便は投手交代、スメサート→信長香菜
佐藤:見逃し三振
原田:右前打
丸山:右前打・原田三振
※丸山が0-0から二盗で二三塁に
PH尾崎望良:遊ゴロ本封
<尾崎、二日続けてのヒロインならず…>
※代走に遠山が再出場、遠山が2-2から二盗
PH山城みな:右邪飛
※リリーフの信長踏ん張る。
【6回裏:佐川急便~0点】
山科:二飛
PH岩川奈美絵:二ゴロ
柳瀬:四球
寺本:二ゴロ
【7回表:太陽誘電~0点】
石濱:二ゴロ(根性のヘッドスライディングも及ばず)
河野:遊内野安打
※こういう場面では河野はヒットを打つだろう、という大かたの期待通りに三遊間へ内野安打
山本:三前犠打
※岡本の一打にかける
※岡本の時にワイルドピッチで河野が三塁へ
岡本:二ゴロ
※誘電、無念…
試合終了