<決勝戦>
【ペヤング vs. 靜甲】
ペヤング 003 0010…4
_靜甲_ 000 0000…0
【試合展開】
3回表、ペヤングは無死から中村藍子がライト前、土谷祐美子がレフト前と連打でチャンスを作ると大塚枝里香がきっちり送って二三塁。この場面で4番岩本典子が、4試合目の登板となる靜甲の先発鈴木の中途半端な高さに来た失投を見逃さずジャストミート。打った瞬間にわかる完璧な当たりがライトフェンスを越え、これが決勝のスリーランとなった。
靜甲も7安打を放ち再三チャンスを作るもあと一本が出ず。序盤で1点でも返していれば流れも変わったかもしれないが、しかし今日はことごとく2死からのチャンスメイクで、ベンチも打者に託すしかない動きようがない展開だった。
ともあれ、この大会打撃の調子の良かった靜甲打線を決勝戦で完封した菊池遥の投球が見事というほかなく、エースの小長井も全く出番がないくらい、最後まで安心してみていられた。
靜甲の鈴木麻美も途中半田岬のリリーフを仰ぎながらもこの酷暑の下3日間で4連投。スリーランは浴びたが、他の回ではヒットを打たれながらも要所を締める鈴木らしい素晴らしい粘りのピッチングで最後までチームを支え続けた。とにかく両投手が素晴らしかった。
【ペヤングについて】
ここ最近のペヤングは本当に強い。メンバーも去年から変わってないどころか全体数は減ってるし、しかも急激な成長が望めるような新人や若手が多いのではなく、それぞれがそこそこのベテラン選手でありながらも、確かに入れ替え戦には出たが負ける時には簡単に負けていた去年とは見違えるようなチームになってきた。
結成4年目で、集まってきた選手たちがチームとして熟成されてきた感じで、これは後半戦のリーグを全勝して、いよいよ来年は1部の舞台に立てるかもしれない。そんな期待さえ抱かせてくれるような今回の優勝だった。
【大会を通して】
大会全体を通しては、結局、ペヤングと靜甲という実力者同士の決勝戦。ベスト4にも伊予銀行とドリーム☆ワールドが入るなど、ほぼ波乱のない大会だった。
期待した島根三洋、日本精工が初戦敗退だったのが個人的には残念だったが(古瀬由梨亜と鈴木麻美の投げ合いが見たかった)、しかしそれらに勝ったカネボウにも山口紗貴という好投手がいるのがわかったし、YKKも次の試合で伊予銀行相手に健闘してくれたので、十分面白い大会になった。
ドリームに敗退した東海理化もエースの西川英里奈ではなく吉川瑞紀の先発だったが7回まで2失点と好投、ペヤングにはコールド負けだった大和電機も、イカイ静岡には2部チームとしてしっかり大差で勝利してくれた。
イカイグループ、佐川急便支社グループが初戦で全滅だったのは残念だったが、佐川九州はドリームワールドを相手にリードを続けるなどあたふたさせたし、イカイもイカイ静岡も点差はついても最後まで一生懸命プレーしていて好感が持てた。来年もまたこれらのチームの試合を楽しみにしたい。
なぜこんな大会実行委員長の総評みたいなことを書いているのか、自分でもよくわからないが、これは聞き間違いの可能性もあるけど最後の表彰式で「優勝・ペアリング」と賞状を読み上げてたような気がしたからというのが理由ではない。単なる気まぐれで書いてるだけ。
以上です。
みなさん本当にご苦労様でした。
来年また徳島でお会いしましょう(なんとさらに暑いところに…)。
<3回に先制のスリーランを放った岩本典子(ペヤング)>
【岩本の決勝弾】
<ペヤング、優勝の瞬間>
<胴上げされる田上美和監督>
<胴上げされる菊池遥投手>
<強打の靜甲打線を得意のライズを駆使して完封した菊池遥(ペヤング)。着実にペヤングの、そして2部リーグのエースへの階段を上っている>
<敗れたが熱投でチームを支えた鈴木麻美(靜甲)。鈴木や古瀬由梨亜(島根三洋)、坂本佳子(YKK)、曽根原一葉(日本精工)など、2部には魅力的な投手がいっぱい>