※【総合まとめサイト】も随時整理中※
豊田自動織機 000 0100…1-3-1
トヨタ自動車 000 300x…3-5-0
豊田自動織機:●ダニエル・ローリー-メーガン・ウィリス
トヨタ自動車:○モニカ・アボット-渡邉華月
(本):長﨑望未(ト)、メーガン・ウィリス(織)
(三):
(二):
【テーブルスコア】
【戦評・第3試合】
3回、トヨタの先頭長崎望美が、容易にストライクを取りに来た織機の先発ダニエル・ローリーの初球を逃さずにライトフェンスオーバーに完璧に叩きこんだ。ただ織機はいくら相手投手がモニカ・アボットとはいえ、この1点だけならまだまだわからなかった。次の回にメーガン・ウィリスがアボットからホームランを放ったように、アボット相手ならこういう点の取り方ができたからだ(しかしながら昨年の上野に続きアボットからもホームランを放つウィリスの決勝トーナメントでの活躍は凄い)。しかしその後、続けざまに取られた2点目、3点目が致命的だったのだが、なによりその失点のきっかけになった中森菜摘の失策が痛かった。ただ正確に言えば中森の「失策」というよりも、中森が「守備妨害を取れなかった」ということだろうか。
長崎のホームランのあと4番の藤野遥香が3-2からセンター前にヒットを放つ。フォアボールも同じなのでこのヒットは問題ないが、一塁代走に神山みどりが送られ続く5番坂元令奈を迎えた場面が問題だった。坂元がセカンドの前にボテボテのゴロを放つと、セカンド中森がボールを捕ろうと前進してきたその目の前を、走者の神山が通過した。決勝トーナメントで揉まれた経験の豊富なセカンドなら(例えば溝江香澄とか)、あるいは逆にもっと未熟なセカンドなら、もう一歩前に行って走者とぶつかりほぼ100%「守備妨害」が適用されていただろう。それくらい神山はギリギリのところを走りぬけており、ボールにも中森にも当たらなかったのがむしろ奇跡的なくらいだった。神山としてもあの打球だと避けたり待って走っていればセカンドで封殺されるだけ。一か八かの走塁の判断はすばらしかった。
そしてこの時のプレーだ。セカンドの中森がもちろん走者に当たりに行くのではなく、かといってただやみくもにボールを捕りに行くのではなく、「走者をうまく避けながらボールを捕りに」行ってしまった。少なくとも自分にはそういうふうに見えた。真面目すぎる中森の性格も災いしたのかもしれない。走者と接触して落としても塁審がちゃんと見てくれず守備妨害が適用されなければ損をするだけだ。そういう可能性も残念ながら大いにあり得る。だからこそ、走者を避けながら打球をうまく処理し、あわよくばセカンドフォースアウトを、とも思ったはずだ。個人的には中森のそういう性格はとても好きなところでもあるのだが、しかし結果的にはバウンドが合わずにファンブルしてしまい、拾い直して一塁に投げるもセーフになるという最悪の結果になってしまった。もちろんこのチャンスを逃さずその後2点を奪ったトヨタの攻撃も褒めるべきなのだが。
ただこの試合では中森のエラーが結果的には痛かったとはいえ、19年連続決勝トーナメント進出の歴史を紡いだ今年の織機の戦いは中森の存在抜きには決して語れない。開幕戦でのライバル日立ソフトウェア戦での勝利は中森の土壇場での同点二塁打があったからであり、あの勝利がなければおそらく歴史は18年で途絶えていただろう。前半戦どん底だったチームを最後に救ったのも、大鵬戦での中森の延長戦決勝タイムリーだった。
中森がセカンドを守れる信頼感を獲得してくれたおかげで、サード吉良、ファースト古田のコンバートも成功し内野全体の守備力が格段に上がった。とにかく今年は本当に良く活躍してくれた、織機に来てくれてありがとうと、心から中森に感謝したい。
しかし本人はあの性格のこと。この失策が悔しくて仕方がないだろう。そしてその借りは、来年のこの舞台できっと晴らしてくれるはずだ。
<坂元のセカンドゴロを中森が痛恨の失策。走者と当たっか確認するデビー監督だが、当たっておらず>
【先攻:豊田自動織機】
1(7):白井沙織
2(4):吉良真利菜
3(3):古田真輝
4(9):国吉早乃花
5(D):石田奈々
6(2):メーガン・ウィリス
7(8):狩野亜由美
8(4):中森菜摘
9(6):高坂香月
FP(1):ダニエル・ローリー
【後攻:トヨタ自動車】
1(D):ナターシャ・ワトリー
2(4):鈴木美加
3(8):長崎望美
4(9):藤野遥香
5(5):坂元令奈
6(6):渥美万奈
7(3):馬渕朝子
8(7):小野真希
9(2):渡邊華月
FP(1):モニカ・アボット
【1回表:豊田自動織機~0点】
白井:見逃し三振
吉良:死球
古田:三ゴロ二進
国吉:空振り三振
【1回裏:トヨタ自動車~0点】
ワトリー:遊ゴロ
鈴木美:空振り三振
長崎:一ゴロ
【2回表:豊田自動織機~0点】
石田:右飛
ウィリス:空振り三振
狩野:一二塁間右前打
※初球に二盗
中森:空振り三振
【2回裏:トヨタ自動車~0点】
藤野:投ゴロ
坂元:遊ゴロ
渥美:遊前内安
馬渕:三半直
【3回表:豊田自動織機~0点】
高坂:三ゴロ(ジャストミート)
白井:空振り三振
吉良:空振り三振
【3回裏:トヨタ自動車~0点】
小野:死球(背中にドスン)
渡邊:三ゴロ二進(バントファールで追い込まれた後)
ワトリー:二ゴロ三進
鈴木美:空振り三振
【4回表:豊田自動織機~0点】
古田:中前打(チェンジアップをうまく拾う)
国吉:空振り三振
石田:空振り三振
※古田二盗失敗で併殺
【4回裏:トヨタ自動車~3点】
長崎:右越本塁打(初球)
藤野:中前打
※代走に神山みどり
坂元:二ゴロ失
※一走と交錯して中森がやや走者を避けてしまいバウンド合わずに捕れず
渥美:投ゴロ進塁打
馬渕:遊ゴロ(エンドラン成功、一塁アウト)
小野:左前適時打
渡邊:捕邪飛
<長崎の一打がライト国吉の頭上を越える…>
<下位打線のいぶし銀、馬渕朝子と小野真希で2点を追加>
【5回表:豊田自動織機~1点】
※藤野がレフトに再出場
※ファースト馬渕に代わり藤崎由起子
ウィリス:左越本塁打
狩野:空振り三振
中森:左直
高坂:三ゴロ(スラップ)
<織機も昨年の上野からに続くアボットからのウィリスのホームランで追いすがったが>
【5回裏:トヨタ自動車~0点】
ワトリー:一前安(ボテボテのゴロ)
※ワトリー二盗(2ボールから)
※ウィリスパスボールでワトリー三進
鈴木美:見逃し三振
長崎:空振り三振
藤野:中飛(大)
【6回表:豊田自動織機~0点】
白井:死球
※一塁代走に神田結美
吉良:三犠打
古田:遊ゴロ三進
国吉:空振り三振
【6回裏:トヨタ自動車~0点】
坂元:死球
※代走に馬場今日子
※渥美がバント空振りの時に馬場が飛び出し牽制死
渥美:見逃し三振
藤崎:死球
小野:見逃し三振
【7回表:豊田自動織機~0点】
※坂元がサードで再出場
石田:空振り三振
ウィリス:右飛
狩野:二ゴロ