【2009年日本リーグ第4節のみどころ】

第4節、もう明日から始まりますが簡単な見所を。天気が少し心配。
こんなに雨に祟られるシーズンも珍しいです。ソフトボールには晴天が似合います。神様お願いします。

 

【千葉大会~快進撃続ける「トヨタ&織機」連合
シーズン前に今年の日本リーグでどのチームが対になって移動するのかをまとめたことがある(http://www.plus-blog.sportsnavi.com/silvercats/article/61)。前後半でそれぞれ、チームごとにセットになって移動するチームがあるわけで、たとえば今年はトヨタ自動車と豊田自動織機が前半戦一緒に移動している。すると例えば織機を見ながら移動すると常にトヨタを応援し続けているファンの方とも前半戦ずっと顔を合わせ続けることになるわけだが、この「どこのチームとセットになるか」は、そういうファンの立場以上に相手チームにとって非常に重要なのである。
開幕節、「強豪対下位チーム」という比較的力の差のある組み合わせが多かった中(結果的にも明らかだが)、唯一織機とトヨタは強豪同士の組み合わせとなった。アボットと初戦で当たる織機は案の定出鼻をくじかれたわけで一見今年は不利な組み合わせにも思えたが、その後の前半戦を見ると逆にかなり幸運な組み合わせだったようだ。開幕節からアボットがフル回転のトヨタと同組の織機は、ここまで常に土曜日に「強豪A対トヨタ」、日曜日に「強豪A対織機」という対戦日程で、土曜日にトヨタ相手に疲弊した強豪チームを日曜日にさらに叩き潰すという役割を演じてきた。相手チームにとればトヨタも織機もともに決勝トーナメントを争うライバルで負けられず、ともに全力でエースをぶつけざるを得ない。精神的にもかなりしんどいわけで、そうやってここまでソフトウェア、誘電、デンソーの強豪3チームがトヨタ&織機の2チームに連敗してきたのだ。そして今回のこの千葉大会も土曜日に「レオパレス対トヨタ」、日曜日に「レオパレス対織機」の対戦が組まれている。3節までと同様、愛知の2チームがライバルを叩きのめすのか、はたまた若いレオパレスがシオノギに続いてそのジンクスをぶち破るのか、非常に楽しみな千葉大会である。
そしてこの「トヨタ&織機」連合が前半戦で最後に当たる強豪が上野を擁するルネサス。これもまた今から楽しみだ。

☆トヨタ自動車(6勝1敗)
全勝できながら前節まさかのシオノギ戦で不覚を取った。追い込まれるとモロい一面が顔を覗かせかけたが翌日再試合のデンソー戦に快勝。やはり今年のトヨタは違う。レオパレスとの対戦は予測不能の非常に楽しみな組み合わせ。
☆豊田自動織機(6勝1敗)
気がつけばトップを快走している王者織機。バークハートが完全に日本リーグを把握し、トッピングも非常に頭のいいところを見せている。内藤も元気で下位打線も当たっており、今のところ死角は見当たらない。
☆レオパレス(5勝2敗)
掛川でのデンソー戦の敗戦が痛かった。大勝もするが佐川戦で延長までもつれ込んだり、まだまだ発展途上のチーム。しかしここで連敗すると4敗と後がなくなる。なんとしても一矢を報いたい。
☆戸田中央病院(2勝5敗)
上位には全て大敗で、下位2チームには堤が2完封。ある意味理想的な展開だが、どこかで金星をあげて楽にはなりたい。強豪織機は数年おきに僅差で勝利を挙げてきた相手である。今年辺りそのローテーションをめぐり合わせたい。

 

【前橋大会~誘電は群馬ダービーで昨季後半の再現なるか】
千葉大会のところでも述べたが、日本リーグでは前後半それぞれで対になって移動するチームがどこと組になるかが非常に重要である。それが昨季前半は「ルネサス&ソフトウェア」がセットになっており、その強豪2チームが前年度王者の織機を迎えた第4節がこの群馬(前橋)大会であった。結果は織機の2敗。やはり連戦で強豪と当たることの難しさを表しているだろう。
誘電のホームゲームは高崎だが、今回はルネサスがホームの前橋大会にも参戦となった。しかも後半の高崎大会でもルネサスと対戦するという、群馬のファンにとっては非常に興味深い対戦が組まれている。昨年後半の高崎大会では上野と坂井の投げあいというファン垂涎の投手戦となり、坂井が全日本総合の屈辱を晴らす1-0完封を延長8回で成し遂げている。今シーズンここまで今ひとつ乗り切れていない誘電。昨年の再現で勢いを取り戻したいだろう。ちなみに、関西の人間からすると高崎と前橋の違いが非常に難しい。岩国と徳山、豊橋と岡崎もまたしかり。

☆ルネサス高崎(6勝1敗)
主力が何人か抜け、若干苦しい選手起用も、乾を一塁に回したりセカンド金沢のDPに上野を入れたりと補うだけの潜在能力は十分にある。投手も黒川に先発させた2試合ともに快勝と、ソフトウェアに敗れた試合以外は完璧だろう。今回は後がない誘電が相手。坂井相手に2点取れれば勝てるか。
☆太陽誘電(3勝4敗)
坂井は好投を続けているが打線が繋がらず、強豪4チームと対戦して全敗ともはや後がなくなってきた。下位チーム相手には鬼のように爆発する打線が、上野相手に大爆発するところも見てみたいものだ。
☆佐川急便(2勝5敗)
伊予銀に初白星を献上してしまったのが響いているが、なんとか戸田中、シオノギ戦に勝利して面目を保っている。帰山が復帰してから良い投球を続けており、チームもようやく落ち着いてきた。若い選手も徐々にではあるが試合で使えるようになってきたようで、誘電戦では投手戦に持ち込みなんとか僅差の勝利を目指したいだろう。
☆Honda(0勝7敗)
開幕戦で誘電に惜敗した試合を見る限り、今の勝敗がちょっと想像しにくい。特に前節伊予銀に逆転負けを食らった試合は非常に痛かった。そのほかの試合も決して全体的な内容は悪くないのだが、やはり守備の乱れが失点に結びつく悪い流れを何とか断ち切りたい。今回は強豪ルネサスと佐川が相手。ルネサスは黒川先発か。ここらでHondaの根性を見せ付けて欲しい。

 

【帯広大会~ソフトウェアには鬼門の道東遠征】
昨年の札幌、一昨年の釧路に続く日本リーグの北海道大会は2年ぶりの道東開催となる。2年前といえばソフトウェアには思い出したくないシーズンだろうが、その年釧路で開かれた第4節で、1部初参戦の靜甲がソフトウェアを3-2で破る大金星を挙げている。靜甲は3節まで、誘電やルネサスに大敗しながらも、シオノギ、戸田中、佐川を僅差で破り3勝。初の1部ながらの快進撃に「靜甲旋風」とまで言われた極めつけがこの道東でのソフトウェア戦勝利だった。
2部から上がってきてここまで靜甲と同じような足取りを辿ってきた伊予銀は今節はソフトウェアと対戦はないが、その再現として強豪デンソーにぶつかりたいところ。ただ一つ、その旋風を巻き起こした靜甲も道東でのソフトウェア戦勝利を最後に残りは全敗し、4勝しながらも2部に落ちてしまった。仮に伊予銀が勝ったとして、そのあとまで同じ足跡を辿る必要はないですよ(笑)

☆日立ソフトウェア(5勝2敗)
トヨタと織機に連敗した時点ではちょっと今年は苦しいのかと思ったが、上野相手のルネサスに7回逆転勝ちし、坂井擁する誘電相手にはなんと山田の逆転サヨナラ満塁ホームランと、打線と藤原の頑張りで一気に再浮上してきた。ただここ最近なぜか愛知勢相手に苦戦する感のあるソフトウェア、今節のデンソーは今年を占う意味でもキーポイントになるかもしれない。
☆デンソー(4勝3敗)
昨年2勝した織機に負け、トヨタとの再試合も落としてしまった。ルネサスにも僅差で負けており、4強争いのためにはそれ以外の強豪には是が非でも負けたくない。そういう意味で2節でのレオパレス戦勝利が非常に大きいわけだが、今節のソフトウェア戦も同じように重要だろう。ここ最近打線がちょっと湿り気味なのが心配。伊予銀戦も相手の打線を考えると油断せずに勝って翌日のソフトウェア戦にのぞみたい。
☆伊予銀行(2勝5敗)
前節、地元愛媛でHondaを大逆転で破った余韻はまだ続いているだろうか。その勢いで今節も乗り切りたい。相手はデンソーとシオノギ。デンソー戦でも勝利を目指せ、と上では書いたが、この2連戦はやはり2戦目のシオノギ戦に全勢力を傾ける戦い方をしてくるだろう。さて監督の思惑通りになるか。非常に楽しみな戦い方をするチームだ。
☆シオノギ製薬(1勝6敗)
前節の勝利の余韻と言えば伊予銀と同じくらい大きかったのがシオノギ。何せここまで強豪を次々と破ってきた全勝トヨタに土をつけたのだから誇ってもいい勝利だ。まだまだいくらでも上がれる可能性はあるが、ただ現実問題として万が一のことも考えておかなければならない。その万が一、下位での降格や入れ替え戦争いにおいては、下位同士での勝敗がかなり重きを増してくる。トヨタに勝って一勝はしたが、同じく下位の戸田中、佐川に負けているのが痛い。ここで伊予銀に負けてしまうとトヨタ戦での勝利が無に返してしまう。シオノギとしてはなんとしてでもここは勝たなければならない。

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