【2018年・全日本総合近畿予選1日目観戦記】

 全日本総合の予選も各地で行われブロック代表も続々と決まってきていますが、今年も近畿ブロック予選を観戦してきました。毎年のことではあるのですが、とにかくこの大会は暑い。特に宇治市総合運動公園でやるときはやたら暑い印象ですが、まあそれがまたいいんですよね。
 近畿からは3チームに出場権が与えられていて、2ブロックに分けてトーナメントを行いそれぞれの1位が代表権を獲得、2位同士が対戦して勝者が3つめの切符を手にします。
 1日目終了した時点でのベスト4が日本精工、園田学園女子大、大阪青山大、立命館大の4チーム。実力からすると日本精工、園田学園女子大の2チームが当確で、残り1枠を大阪青山大と立命館大で争う構図。大阪青山が勝てば初出場、立命館が勝っても10年ぶり。もちろん日本精工と園田学園女子大も油断は出来ないし、楽しみな戦いになるはずですが、残念ながら2日目は観戦に行けず。結果を楽しみにしています。

 【7/1追記】近畿代表は園田学園女子大日本精工立命館大の3チームに決まりました。

 

<最終日結果>

 

<1回戦-A>
天理大     000 10…1
園田学園女子大 023 12…8

【戦評】
 6-1と5点リードで迎えた園田学園女子大は5回裏、先頭の石川恭子が四球で出るとすかさず二盗。4番椛山奈々があわやホームランかというレフトオーバーの二塁打でまず1点。下山絵理のセンターへの大きな飛球でタッチアップし1死三塁としたあと、代打白石望美がセンターへタイムリーを放ち7点差となりコールドゲームとなった。
 園大の根本七海に抑えられていた天理大は4回表、2死一三塁から筒井南帆がショートの前に詰まった飛球を放つとショートの石川恭子がダイビングキャッチもわずかに及ばず落球、タイムリー内野安打となり、なんとか完封負けを逃れた。

<筒井南帆のフライに石川恭子が飛び込むも落球>

<石川、無念>

<白石望美のコールド決定タイムリー>

 

<1回戦-B>
大阪大谷大  000 0110…2
武庫川女子大 113 010x…5

【戦評】
 武庫川女子大は初回、中塚芽生、前田玲央、相本真琴、福元美紗の4連打で先制。2回にも前田玲央のポテンヒットのタイムリーで追加点。3回には吉田純夏のバントが送球エラーを誘って1死二三塁から、木本果歩がスクイズをするとこれが野手の間を抜けるセカンドへのタイムリー内野安打となり3点目。これで大阪大谷大のエース吉崎菜々海をノックアウトし、その後も追加点でこの回3点を奪い試合を決めた。
 大阪大谷は5回に田中愛夏のセンター前タイムリー、6回には田中美涼の打席でのワイルドピッチで追加点を奪うも、それ以外は武庫川女子大のエース脇山朱音に抑えられ反撃も2点止まりで、1回戦敗退となった。
 大阪大谷大のエースでキャプテンの大黒柱、吉崎菜々海は悪いピッチングではなかったが、当たり損ねがポテンヒットになったり野手のエラーが続いたりと、不運な試合だった。

<武庫川女子大のエース脇山朱音>

<大阪大谷大の大黒柱、吉崎菜々海>

<武庫川女子大の相本真琴>

<2回戦-A1>
大阪青山大 000 1000…1
同志社大  000 0000…0

【戦評】
 両チーム再三チャンスを作りながらタイムリーヒットが出ないもどかしい試合。大阪青山が4回表に2死三塁から2番前田百絵のレフト前ヒットであげた1点で逃げ切った。同志社も2回に1死満塁、3回に1死一二塁から2死一三塁、5回に浦川千尋の三塁打で2死三塁など再三チャンスを作るも無得点。特に2回の1死満塁の場面では9番冨山綾音に打たせて投ゴロ本封だっただけに、あそこは何か仕掛けてほしい場面だった。

<同志社は満塁で冨山綾音の打球は強いながらも投手の前に。大阪青山大の投手川添恵がこれを好捕し本封>

<2回戦-B1>
奈良学園大 000 0000…0
立命館大  010 221x…6

【戦評】
 短大から4年生大学になり、校名も奈良文化女子短大から変わった奈良学園大。ただこの試合は立命館大の打線が活発で不運な当たりも含めて連打を浴び、打線も立命館大の山口希に抑えられて完封負けとなった。
 立命館は2回裏に大西ゆりかのセンター前タイムリーで先制。3回にも大西ゆりかの大きな打球がライトのフェンスを直撃。これがたまたまネットを支える金属の支柱に直撃し大きく跳ね返り、一塁後ろのファールグラウンド辺りまで転々とする間に大西が還ってランニングホームランとなる。5回裏には中村奈央がこの日3本目のヒットとなるセンターオーバーの2点二塁打で追加点。6回裏にも松尾ほの華の3安打目のタイムリーで6点目をあげ、奈良学園大を相手に快勝した。

<大西ゆりかがライトフェンス直撃の大飛球(A会場から戻ってきてすぐだったのでピント間に合わず)。その打球が大きく跳ね返ってファールグランドへ>

<大西ゆりか、二塁を回って、三塁も回って…>

<大西ゆりか、ランニングのツーランホームラン>

<2回戦-A2>
甲賀健康医療専門学校 000 0000…0
園田学園女子大    003 001x…4

 

【戦評】
 園田学園女子大が3回裏に1死満塁から石川恭子のセンター前タイムリーで先制、さらに2死満塁から下山絵理がサードを強襲するヒット(あるいはトンネルのエラー?)でさらに2点を追加。6回にも1点を奪い、投げては三原千空が甲賀医専打線を完封。昨年は敗れた甲賀医専を相手に勝利して4強に進出した。
 甲賀医専として痛かったのは守備のミス。3回に3点を奪われた場面も、1死一塁から園大の加藤亜実の打球はファーストへの強い打球で併殺コースもファースト大藤詩歩が握り直してから二塁送球で間に合わずオールセーフ。あそこは二塁送球を諦めて一塁だけでもアウトにしていたら3失点には繋がらなかったはず。2点タイムリーも強烈な打球だったがサードの足の下を通過。4点目の失点も園大の代走の市谷愛理が二盗すると捕手からの送球が大きく逸れて右中間に転がる間に一挙に本塁生還と、守備陣が好投していた先発の大依春奈の足を引っ張ってしまった。
 ただ3回に1死満塁で石川にセンター前ヒットを打たれた場面はセンター小山優理がバックホームでドンピシャのストライク返球で二人目の走者がタッチアウト。あの返球は素晴らしかった。

<センター前に先制タイムリーを放つ石川恭子>

<甲賀医専のセンター小山優理、懸命のバックホームで二塁からホームを狙った加藤亜実はアウトに>

<園田女子大の投手、三原千空>

<2回戦-B2>
武庫川女子大 001 0001…2
日本精工   210 021x…6

【戦評】
 この大会唯一の実業団チームである日本精工。点差は6-2とコールド勝ちではなかったが、中盤以降は投手を継投しつつ比較的余裕のある戦い方ではあった。
 得点経過は、初回に黒木美加が三塁打で出ると3番の新美天理が犠飛で還し、直後に4番安井聖梨奈がレフトに特大の一発。2回には馬場未波がセンターにホームラン。5回には代打高岡佑衣がセンター前にタイムリーを放ちエラーも絡んで2点。6回には代打谷口みなみがセンターへ二塁打を放ったあと1番に返って黒木美佳がこの日4安打目となるタイムリーで6点目。さらに2死二塁で2番の中村白にヒットが出るとコールド試合になるところだったが、まあそこまでするのも可哀想だという理由で(たぶん)、中村はセンターフライに終わり、コールド勝ちにはならなかった。
 敗れたものの武庫川女子大は計8安打と健闘。3回には中塚芽生がレフトへのタイムリーヒット。7回には津田純花がライトオーバーのタイムリー二塁打を放ち2点を奪った。

<初回にポール際に特大弾を放つ日本精工の安井聖梨奈>

<2回には馬場未波もセンターにホームラン>

<1番、黒木美佳はこの日4打数4安打の大活躍>

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です