2018年12月24日(月)、NHK-BS1にて午後6時00分~午後7時50分の間に「奇跡のレッスン『ソフトボール編』」という番組が放送されます。
「奇跡のレッスン~ソフトボール編(リンク)」
今回の「ソフトボール編」では、アメリカ代表はもちろん、日本リーグの豊田自動織機でも長年活躍した「神様」ミッシェル・スミス選手が、横須賀市立横須賀総合高校で指導した様子が放送されますので、是非是非ご覧下さい!!
今年の10月に撮影のため来日したミッシェルさんですが、撮影後は豊田自動織機のグランドにも顔を出し、その日刈谷市に全国からチームOGも集まって盛大な歓迎会も催されたようです。その場でもこの番組の撮影に関して「私自身にもとても良い経験で、すごく感動した」というようなことをおっしゃっていたようです。
指導を受けた生徒たちがどう変化していくのか、多くのソフトボール関係者に見ていただきたいです。
ちなみにこの番組は、スポーツ界や芸術界の世界的にも有名な指導者や元選手が、日本の子どもたちに短期間の指導をするものです。
子どもたちと言っても、特に有名な学校や強豪チームではなく、ごく普通(主に公立)の小中高校生を短期間指導して意識を変えていく、というのがこの番組の大きな特徴です。今回の横須賀総合高校も、今年のインターハイ予選では神奈川県でベスト16。でも優勝した光明相模原相手に5-6と1点差負けでしたので、あと一歩何かが変われば強くなる、という、そういうチームを選んでくるのも特徴です。
個人的には今年の9月に放送された元日本代表監督のエディー・ジョンズさんが都内の公立高校を指導するラグビー編をたまたま見たのですが、とにかく思考方法を教えることで選手たちの意識を劇的に変えていくという、見事な、まさに「奇跡」の指導でした。とにかく面白かったです。
ところで、ミッシェル・スミスさんと言えば、日本リーグで投打に大活躍して日本のソフトボール全体のレベルを格段に上達させた最高の選手、指導者でもありました。
ピッチングはもちろん、バッティングももの凄く、それだけではなく守備も走塁も常に全力で、ソフトボールの全てに情熱を注いだまさに「神様」のような存在でした。2008年の決勝トーナメント、決勝戦がソフトボール選手として彼女の現役最後でしたが、この時もシーズン終盤に足を骨折した状態でしたが、そんなハンデはおくびにも出さない全力プレーでした。
そんな日本のソフトボール界にとっても最大の恩人と言える方の指導ですので、繰り返しますが是非とも多くの方々に見ていただきたいです。
番組のお知らせは以上でした。
ちなみに現役時代のミッシェル・スミス選手が如何に凄かったのかは残した数字が物語っているのですが、そのほかにも沢山の挿話がありますのでいくつか紹介しましょう。
(と思ったのですが、今(23日13:05現在)から京都にベルギービールを飲みに行かないといけませんので、この続きのネタ編明日の朝までにも、笑)→追記しました(12/25)
<ミッシェル・スミス投手攻略の糸口?、「ミッシェル・マシーン」>
現役当時のミッシェルさんの投球はあまりにも凄すぎてほとんど打てず、しかも当時は投手捕手間距離が1m短かったので今以上にその凄さが際立っていたらしいです。
特にリーグ下位の三郷市の某チームなんかは手も足も出ない感じで、そもそもあの大柄でブロンドの長髪をなびかせたいかにも「アメリカ」みたいな風貌のミッシェルさんに鬼気迫る表情で迫られると、もう見ただけでも圧倒されてしまいます。
「これじゃダメだ。少なくとも見た目で萎縮してしまうことだけは克服しよう」ということで、ピッチングマシーンのボールの出口にミッシェルさんの拡大顔写真を貼って特訓したようです。これがいわゆる「ミッシェル・マシーン」。
でも20年以上前といえばデジカメもあまり出回ってなくインターネットも普及していない時代で、使える写真と言えば選手名鑑に載った小さな顔写真だけ。それを仕方なくコンビニで拡大コピー、拡大コピーを繰り返して大きくして貼っていたものだから、貼ったはいいけど結局誰の顔かよく分からなかったとか(笑)
<必殺の「ミッシェル・スチール」>
そんなほとんど点を取られなかったミッシェル投手ですが、当時のソフトボール自体がなかなか点が入らなかった時代。それで某下位チームも投手陣が踏ん張れば、ミッシェル先発の強豪豊田自動織機相手でもなんとか0-0のまま延長へ入ることも期待できたそうです。
ただ延長に入ったとてまともに点を取れそうにないのがミッシェル投手。そこで考え出されたのが「ミッシェル・スチール」。
ミッシェルとバッテリーを組んでいた豊田自動織機の当時の捕手はデビー・シュナイダーさん。その後は織機の監督もやり今もコーチで残ってますが、とにかく明るくてお茶目で人柄も良いほんといい人ですが、せっかちでおっちょこちょいな一面もあり、そこが狙い目。
延長タイブレイカーに入り一三塁のケースがなんとか出来たら、一塁走者がスタートし、一二塁間の間でワザと転ぶ。するとせっかちなデビー捕手は絶対に牽制を投げてくるから、その瞬間に三塁走者がスタートするというもの。これを冗談抜きで本気で練習していたというから、それほど、当時のミッシェル投手からは点を取れなかったというある意味凄さを裏付けするエピソードではないでしょうか。
まあ個人的にはミッシェルスチールというより「デビー・スチール」だとは思うんですけどね(笑)
<餃子とソーセージ>
これは別になんということもなく、餃子が大好きでソーセージが嫌いで食べられないというだけ(笑)。
ソーセージは何のミンチ肉が入ってるかわらない、指とか入ってるかも知れないし、という理由で絶対に食べられないそうですが、個人的には餃子も似たようなもんだと思うんですけどね(笑)。
ちなみに刈谷市にあった夜来香(エイライシェン)という中華料理屋の餃子が大好きで先日の来日時にも行こうとしたそうですが、残念ながらミッシェルの引退を後追いするようにその後閉店。まだ名古屋ではやっているようですが。
<常に真剣、全ては勝つために>
とにかく常に全力でソフトボールの1試合、1プレーに情熱を注ぎ込んでいたミッシェルさん。リーグ戦で自分が登板する前は、他のチームの選手と接したり歓談するなんてことはもちろんなく、それどころかその日朝からはチームメイトとも口を聞かずに自分の気持ちを高め、集中していたようです。
<時に真剣すぎて…>
そんな感じで特にリーグの試合前は気持ちを極限まで高めていたミッシェルさん。
前々日かに球場でバッティング練習していた時、インコースのギリギリを自信もって見逃したら、受けていた若手の捕手が「オッケー!ナイスボール!」と言ったのに怒ってバット置いてそのまま打席から家に帰ったとか(笑)
もちろん本人はその思い出話しにも大笑いしていたようで、要するにそこまで常に必死で真剣に日本リーグと向き合ってくれていたということでしょうね^^
「奇跡のレッスン」,過去の放送をいくつかあげておきます。
・ラグビー~エディー・ジョーンズさん(日本代表元監督)
・野球~ランディー・ジョンソンさん(MLB殿堂入り投手)
・柔道~ブノワ・カンパルグさん(フランスの柔道指導者)
・弦楽器~ダニエル・ゲーデさん(ドイツの世界的バイオリニスト)
・ミュージカル~バーヨーク・リーさん(トニー賞受賞者)
・スキー~アニー・ファモーズさん(フランススキー界のレジェンド)