【新生日本代表選手の個人成績と評価~その1】

USAワールドカップが終わり日本は残念ながら4位という結果でしたが、北京からは大幅にメンバーが入れ替わりましたし、ここからチームを熟成させて進化させて行けるのが日本の強み。
まだまだ発展途上ですので4位という結果自体はそれほど大きな問題ではないような気がします。
しかしながら、そうやって本来なら「みんなガンバレ」とただひたすら応援したいところなんですが、やはりソフトボールもメジャーになっていく過程においては多くのファンの目に触れ厳しい評価もされることになるでしょう。そこで今回はあえて、一人一人の選手の結果を評価してみようと思います。
評価するに当たってはちゃんと記録を見ないといけないということで、選手ごとに成績の詳細も載せて起きます。
もちろんあくまで個人的な見解ですし、今後記録を見直して評価を変えるかも知れません。が、とりあえず現段階として評価してみることにしましょう。

まずはUSAワールドカップで役割が済んだ5人の選手から(随時掲載)。

 

 

【濱本静代:日立ソフトウェア=C+】
合計~12打数2安打2打点1二塁打2犠打1四球4三振

※オーストラリア戦(8番一塁で先発出場、代打藤崎を送られて交代)
左翼線二塁打(三回先頭打者、対スメザー)
遊飛(5回一死無走者、対スメザー)

※イタリア戦(8番一塁で先発出場)
三前犠打(2回無死一塁、対Cecchetti)
遊ゴロ失(4回無死、対Cecchetti)
右前2点適時打(5回一死二三塁、対Cecchetti)

※オランダ戦(7番一塁で先発出場)
四球→二盗(2回無死三塁、対Bloeming)
一前犠打(4回無死一塁、対Bloeming)
三ゴロ(6回無死無走者、対Bloeming)

※アメリカ戦(7番一塁で先発出場)
空振り三振(2回二死無走者、対アボット)
空振り三振(4回二死無走者、対アボット)
空振り三振(6回二死無走者、対アボット)

※カナダ戦(6番一塁で先発出場)
見逃し三振(2回一死一塁、対Caira)
二ゴロ(3回一死無走者、対Lawrie)
投ゴロ(5回二死一塁、対Lawrie)

※カナダ戦(順位決定戦)(6番一塁で先発出場、適失の次の回に伊藤を代打に出され交代)
左飛(2回二死無走者、対Lawrie)

<コメント>
順位決定戦を含めて6試合全てに先発出場、今回のアメリカ遠征ではレギュラー一塁手という位置づけをされていた。
代表初打席で豪州のエース・スメザーから二塁打、イタリア戦ではコールドを決める2点タイムリー、オランダ戦では四球に犠打と、前半は初代表として十分な活躍であった。
ただアメリカ戦ではアボットに3三振と完全に封じられ、続くカナダとの2戦ではヒットを打てなかった。そのカナダとの順位決定戦では濱本のタイムリーエラーのあとホームランも打たれ、次の回に代打伊藤を送られ伊藤がそのまま今大会初の一塁守備についた。
初代表としてのアピールはどうだっただろう。打つ方やバント処理での二封も数回行ったことから本来ならB評価をしたいところだが、Cになったのはもう少し打って欲しかったのと、加えて3つの失策。一塁のスペシャリストとしてこの数字はいただけない。もちろん今回の日本は全体的にエラーが多い気はしたが、それでも濱本には素質があるだけに完璧な一塁手になって欲しい。
3三振したアボットには後半のリーグで仕返しをしよう。

 

 

【本田小百合:豊田自動織機=B】
合計~10打数3安打1打点1盗塁1四球2三振

※オーストラリア戦(7回、坂元の代打)
中前打→二盗(7回、一死無走者、対スメザー)

※イタリア戦(3回、馬渕の代打で出場しそのままDPに)
中犠飛(3回、一死三塁、対Cecchetti)
右飛(5回一死二塁、対Cecchetti)

※オランダ戦(3番DPで先発出場)
二ゴロ(1回、無死二塁で進塁打、対Bloeming)
空振り三振(3回、先頭打者、対Bloeming)
右前打(5回、先頭打者、対Bloeming)

※アメリカ戦(7回、狩野の代打で出場)
中前打(7回、二死無走者、対オスターマン)

※カナダ戦(1番レフトで先発)
一ゴロ(1回、先頭打者、対Caira)
四球(3回先頭打者、対Caira)
空振り三振(4回一死三塁、対Lawrie)
二ゴロ(6回、二死三塁、対Lawrie)

※カナダ戦(順位決定戦)(6回、馬渕の代打で出場)
二ゴロ(6回二死三塁、、対Lawrie)

<コメント>
守備位置の関係から出番は限られたが、それでも全試合に出場した。DP、レフト、代打と、馬渕との併用という使われ方で常に馬渕と比較されるような位置づけだったが、国際大会ではそれくらい頼りになるのは事実だ。
先発は2試合だけだが10打席に立ち3安打。代打で2安打1犠飛は十分な活躍で、特に世界一の投手オスターマンからのヒットは高く評価できる。
進塁打や犠牲フライなど渋い活躍も多くもう少し評価したかったが、しかしながらカナダ戦での1死三塁、2死三塁、2死三塁の三度のランナー三塁のチャンスで全て凡退。一度でもヒットを放っていたらもっともっと良い印象を与えられただろうが。その点が残念だった。

 

 

【伊藤綾香:レオパレス21=C】
合計~4打数0安打0打点2三振

※オーストラリア戦(出場なし)

※イタリア戦(出場なし)

※オランダ戦(6回、谷川の代打)
遊飛(6回1死一二塁、対Bloeming)

※アメリカ戦(5回、投手山根の相手捕手として出場)
空振り三振(5回先頭打者、対オスターマン)

※カナダ戦(出場無し)

※カナダ戦(順位決定戦)4回、濱本の代打で出場しそのまま一塁手)
投ゴロ(4回2死二塁、対Lawrie)
空振り三振(7回一死無走者、対Lawrie)

<コメント>
捕手として今回の大会では谷川をメインで使い切るという方針だったようで、伊藤の出番はほとんどなかった。唯一の捕手としての出番は山根と組んでアメリカ戦に出場したのみで、一塁手としても1度、代打も1度であった。
代表に呼ばれているのはこの大会だけで、ほとんど守ることなくたったの4打席では不完全燃焼だったかも知れないが、捕手としてブルペンで数多く球も受けただろうし試合前には相手選手を研究して対策を立てる勉強もしたかもしれない。本人にとってはきっと貴重な経験になったことだろう。
2三振に遊飛、投ゴロと、自慢の打撃では外野にすら打球を飛ばせられなかった。日本リーグで見ると若いが風格も漂うような打者だが、国際大会で見るとまだまだ青いな、と思えてしまう。逆に国際大会で普段以上に活躍する本田や坂元のような選手を見て、何かヒントを掴んで一つ壁を越えて欲しい。
出番がなくて可哀想ではあるのだが、ここは敢えて期待の裏返しの辛口でC評価にした。

 

 

【藤崎由起子:トヨタ自動車=B+ (or A-)】
合計~5打数3安打0打点1三振

※オーストラリア戦(7回、濱本の代打)
中前打(7回1死二塁、対スメザー)

※イタリア戦(5回、坂元に代わってサードで出場)
中前打(5回1死一塁、対Cecchetti)

※オランダ戦(2回、坂元の代走に出てそのままサード)
遊内野安打(4回先頭打者、対Bloeming)
右飛(6回先頭打者、対Bloeming)

※アメリカ戦(出場無し)

※カナダ戦(出場無し)

※カナダ戦(順位決定戦)(5回、坂元に代わりサードに)
見逃し三振(7回、先頭打者、対Lawrie)

<コメント>
非常に残念だったのがこの藤崎。残念な理由が、こんなに使い勝手のいい実力ある選手が今回の大会だけで地元仙台のジャパンカップで見られないこと。もう一つが、同僚でジャパンのサードを争った坂元があまりにも絶好調で、藤崎にほとんど出番が回ってこなかったこと。出た試合でしっかり結果を残しているのを見ても本当にもったいない。
今回は最初から位置づけが「サードのレギュラー坂元、そのバックアップが藤崎」というものだったみたいだが、一塁も捕手も守れる器用さを考えればせめて1試合でも違うポジションで出して欲しかった。大学以来の藤原とのバッテリーなんていうのも楽しみだったのに。
しかしそんな不遇に遭いながらも、デビューから3打席連続安打と、“使える”ことを大いにアピールしてくれた。ジャパンカップでの他の選手の活躍次第では「やっぱり藤崎は要るな」という結論に達するかもしれない。
とにかくたった5打席じゃ物足りなさ過ぎるので、今後もガンガン日本代表には挑戦し続けていって欲しい選手だ。「5打席」という少なさから本来ならB評価だろうが、僕個人的にはAをあげたい。

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