【2009年日本リーグ第10節神奈川大会・一目第1試合:織機 vs シオノギ~弱者の戦い方、勝者の油断】

しかしこの試合のシオノギの必死さには感動した。
最終的に7勝を上げたシオノギを「弱者」とは失礼にもほどがあるが、しかしこと打線に関してはやはり織機などの強豪と比較すると明らかに劣っている。しかしその欠点を自ら把握し、とことん犠打を多用するのがシオノギのもはや伝統的な戦い方ではないだろうか。もちろん、いくらチャンスだけ作っても最後に決められなければ何もならないのだが、しかし、失敗しても我慢して我慢して一つずつ塁を進めることを徹底すれば、いずれこういう大きな勝利を手に入れられる、というお手本のような試合であった。
加えて今日は詰まった当たりや当たり損ねがことごとくヒットになったり相手のエラーを誘ったりしたが、しかしそれこそがソフトボールの面白さだ。勝利に対する執念で織機をはるかに上回ったシオノギにそのような打球が多く生まれても、何ら不思議ではないのである。

逆に織機。この神奈川大会での山場はソフトウェア戦で、シオノギ相手には確実に勝利を得られるだろう、という油断(というかおごり)のようなものがなかったか。初回簡単に点を取り5回に加点し3-1としたあとの攻め方に特にそれが表れていた。
1死1、3塁で打者は四番のトッピング、この時、緊張感の欠片もないようなダブルスチールをしかけ、一つ前の記事であれほど褒めた三走狩野が中途半端に飛び出してしまい簡単にアウトになってしまった。アボットや上野を相手に1点を争うゲームでならまだしも、3-1と勝っている試合の5回、それも4番打者の時にやるような作戦ではなかっただろう。
おそらく決勝トーナメントへ向けての一つの練習としてやらせてみたのであろうし、それももちろんわかるのだが、やるなら絶対にセーフになるというつもりでやらなければ意味がない。もし「3-1の5回、これでアウトになっても何となくこのまま普通に勝てる」というような空気の中で試合をしていたのであれば、それこそがおごりだ。
確かに毎年決勝トーナメントに進んだ織機は別のチームのように勝負強くなるのだが、しかしそこで何となく安心するのではなく、もう一度初心に戻り、全力で緊張感を持って必死にプレーしてくれることを切に望みたい。シオノギ戦での1敗は結果的には順位に影響するものではなかったが、しかしあの試合の反省をどこまで真剣にできるかにかかっているような気がしてならない。できなければまた決勝トーナメントでも同じ失敗を繰り返してしまうだろう。

それにしても前節最高の試合をしてルネサスを撃破したチームとはとても思えない、今節の織機は中国製の偽物かと思うようなまるで別のチームだった。思い出すだけでバントは併殺打になるわエンドランは投ゴロでセカンドアウトになるわ、目の前のライナーで走者が飛び出し併殺になるわ、挟殺プレーになったら相手はセーフにしてしまうくせにこっちは簡単にアウトになるわ、チャンスを作れども作れどもタイムリーが出ないのに相手にはワンチャンスで決められるわ、守備妨害でアウトになるわ、挙げ句の果てには盗塁阻止のためにトッピングが投げた送球がバークハートの頭を直撃して泣かせてしまった(笑)
しかし本当、織機の選手はいかに自分たちが恵まれているのかもう一度思い出して肝に銘じておくべきだ。もしこれがデ○ソーなら試合中に巨大雷が25発くらい直撃し、レ○パレスなら監督が怒って一人でバスに乗って帰り、ル○サスなら興奮した監督から広東語でまくし立てられ、ト○タならトイレ休憩を挟んで8時間ぶっ通しで説教を食らうハメになる(あくまでネタですよw)。
その恵まれた環境に感謝して、緩みきったネジをしっかり締め直して決勝トーナメントに臨んでもらいた。


 

【1回表:織機~2点】
白井:遊ゴロ(間一髪も佐藤が好プレー。佐藤は見るたびに守備が巧くなる)
狩野中前打
(古田の2球目に盗塁、岩切悪送球で三塁に)
古田:四球
(次の初球に二盗)
トッピング右直犠飛
内藤右前適時打(内藤らしい巧打)
田中:一ゴロ

 

【1回裏:シオノギ~0点】
:空振り三振
藤田:遊ゴロ
田城:空振り三振

 

【2回表:織機~0点】
酒井:中飛
長澤左前打・失(田城がいつものをやってしまった。無理に突っ込んできての後逸で走者二進)
代打小森(バークハートは偵察要員):空振り三振
白井:二ゴロ

 

【2回裏:シオノギ~0点】
安田:遊ゴロ
熊谷:一ゴロ
高木:三ゴロ

 

【3回表:織機~0点】
狩野:見逃し三振
古田:四球
トッピング:遊小飛
内藤:遊飛
※この辺りから徐々に松村にエンジンがかかる

 

【3回裏:シオノギ~1点】
岩切右前打
坪田:一ゴロ二封(このバントは名手長澤の好プレーで失敗)
佐藤:一犠打(しかし一度や二度ではめげない。佐藤もバントで今度は成功)
<今日の佐藤はいい仕事をしていた>


:四球
藤田三ゴロ失暴投(佐藤の犠打が効いている)
(緩いゴロを古田がグラブに当てて少しトンネル、間に合わない一塁に投げ悪送球のダブルエラーで一点、なおも一三塁)
<今年の(銀猫的)ゴールデングラブ賞最有力の名手古田、後半に来てややミスが目立ち考え直し中>


田城:三ゴロ(今度は難しい打球を好捕)

 

【4回表:織機~0点】
田中二内野安打
酒井:三ゴロ併殺打(送りバント失敗!痛い)
長澤:右飛

 

【4回裏:シオノギ~0点】
安田:遊ゴロ
熊谷中越え単打
(ライナーでセンターオーバーも狩野が素早くクッションを処理しセカンドへノーバン返球!)
<珍しいセンターオーバーの単打>


☆代走に鹿出
※高木エンドラン空振りか?鹿出が痛い盗塁死!
高木:二ゴロ

 

【5回表:織機~1点】
小森:右直
白井中三塁打
狩野:四球
古田中前適時打
(古田と狩野でダブルスチール仕掛けるも中途半端で狩野が挟まれアウト)
<捕手から直接2塁への高い送球。普通に本盗できたはずなのだが・・・>


トッピング:見逃し三振

 

【5回裏:シオノギ~1点】
岩切:遊ゴロ
藤田中前打(ポテン)
佐藤左前打(バント失敗の後バスターに切り替え前進守備のサードの横を強く抜く)


:空振り三振
藤田中前適時打(走者も二三塁に)
<ファールで粘って最後に仕留める!>


田城:二ゴロ

 

【6回表:織機~0点】
内藤:左飛
田中:中飛
酒井:右飛

 

【6回裏:シオノギ~4点】
安田中本塁打
<頼りになるキャプテンの大きな一発!>


熊谷左前打
☆投手交代→バークハート
(暴投で二塁に)
高木:一直(バント失敗)
岩切:投ゴロ失(バスターした弱い打球をバークハート捕れず失策。結局これが命取りになった>


坪田三前スクイズ野選
<決勝点も犠打で>


(しかもその後ボーっとしてる間に二三塁に。確かに坪田が邪魔した守備妨害を取られてもおかしくないプレーだったが、しかし抗議中に進塁を許すのは明らかにボーンヘッド)
佐藤:四球
左前2点適時打(どん詰まりが幸い)
藤田:遊飛
田城:空振り三振

 

【7回表:織機~0点】
長澤:中直
代打池原:右直
白井中前打
狩野:二ゴロ

織 機  2000100…3
シオノギ 0100140…6

 


※P.S.
どうなってるのさんをはじめ、いつも皆さんコメントありがとうございます。
PCネット環境にない田舎出張ばかりでなかなか落ち着いてコメント返信できなくて申し訳ありません。
来週帰ったら必ずいたします・・・。

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