【2009年日本リーグデータ~新人投手成績】

まず新人投手全体の数値を昨年度と比較してみよう。

投球回:131回→79回2/3
投球数:2094球→1502球
勝 敗:6勝9敗→0勝3敗
10回以上:5人→2人

今年は投手部門での新人賞該当者がいなかったように、全体的に昨年度より少ない数字に終わった。全体の投球回で約50回、球数で500球近く減少し、結局は0勝に終わった。それだけにどのチームも新人投手に頼らずとも投手陣がしっかりしていたとも言えるが、飛び抜けた新人投手がいなかったのも事実だ。

以下、全新人投手の成績を転載する。

昨年は山根佐由里が高卒新人ながら14試合に登板、規定投球回に1回足りない50回を投げ防御率1.26の5勝3敗と素晴らしい成績を残して新人賞を獲得した。
残念ながら今年はそこまでの新人はいなかったが、ただこの山根と匹敵するくらい起用されたのが伊予銀行の末次夏弥である。13試合に登板し、球数は山根とほぼ同じ653球。かなり打たれたことから投げきった投球回は33回2/3と少ないが、それでもここまで投げさせてもらえたのはチームの期待の表れだろう。来年の1部での活躍にも注目したい。
同じく伊予銀では山田莉恵も10回以上を投げた(10回以上はこの伊予銀の二人だけだ)。防御率10点台と滅多打ちを食らってはいたが、比較的ストレートに威力があり、これから伸びる可能性を秘めた投手のように思われた。

さてほとんど目立った活躍はしなかった今年の新人投手ではあるが、潜在能力的には非常に楽しみな投手が3人いる。
藤田倭は誘電の高卒新人。被打率は3割を超えたが防御率は0点台と立派なモノ。坂井寛子が抜ける来年はこの藤田の肩にかかる比重もかなり重くなりそうだ。
山口憲子はすでに完成された投手であり、今年は少ないチャンスでありながら防御率0点台と強豪園田女子大出の貫禄を見せた。とにかく見た目もフォームも最多勝の大先輩・藤原麻起子にそっくりで、藤原が疲れたときの影武者としては十分役に立ちそうだ。ちなみに2007年の全日本総合において太陽誘電相手に1失点のまま延長9回までもつれ込む大接戦を演じた園田女子大のエースがこの山口である。
そして最後が廃部になったレオパレス21の松村綾菜。強豪木更津総合出身で高校時代から活躍し、先にあげた藤田とともに今回のU-19日本代表にも選ばれている。来年の所属先がどこになるのかはわからないが、仮に2部で主戦として投げるとしたら、ドリームワールドが一躍優勝争いの最右翼になるのは間違いない。

 

<来年以降、特に期待の3投手。藤田倭(上)、山口憲子(中)、松村綾菜(下)>



<今年の新人ではもっともチャンスをもらった末次夏弥(上)、シオノギ2枚看板に食い込みたい洞井絵梨香(下)にも注目したい>

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です