※詳しく比較してたらつい抜け落ちてしまっていたレオパレスの二人を追加しました。
2009年飛躍した選手
※ちなみに「飛躍」という意味においては今年新人で1年目から活躍した選手、昨年もある程度活躍した選手は除いています。
☆☆☆林佑季(日立ソフトウェア)
(2007→2008→2009年の成績)
試合: 10→19→22
打席: 13→29→70
安打: 2→9→19
打点: 1→3→9
打率: 0.167→0.310→0.292
二塁打: 0→2→1
本塁打: 0→1→6(2位)
※昨年のソフトボールマガジンでの選手間投票において「翌年飛躍しそうな選手No.1」に選ばれた逸材であり、見事その通り今年大飛躍した選手。且つ、そんな選手でありながら僕自身は完全に見逃していたという観戦度合いの未熟さを痛感させられた選手でもある。ただ昨年も約30打席に立って3割超えの打率を残していたわけでそこそこの活躍をしていた選手でもあるのだが。それでも今年の6本塁打は十分「大飛躍」と言っていいだろう。
とにかくパンチ力抜群でその6本塁打はギブソンと並んで2位タイ。相手投手も金尾(Honda)、松村(シオノギ)、堤(戸田中)、伊藤(誘電)、外山か帰山から2本(佐川、詳細は不明)と各チームのエース格から満遍なく打っている。ただ帰山を除き全て日本人の右投げ技巧派。来年はアボットやバークハートなどの外国人左腕投手、上野や山根などの代表クラスの投手から打てれば尚よし。さらなる飛躍を期待したい。
打つ方では大ブレイクと言ってもいいのだが、いかんせん守りになると目を覆いたくなる。サードを守っての失策7は余りにも多すぎる。守備での飛躍は当分先か。
☆☆☆鈴木美加(トヨタ自動車)
(2008→2009年の成績)
試合: 9→22
打席: 17→66
安打: 4→22
打点: 1→8
打率: 0.267→0.373 (12位)
二塁打: 0→1
三塁打: 1→1
本塁打: 0→4 (4位)
※昨年、高卒1年目の第2節ですでにレギュラーセカンドとして出場していた期待の星だが結局は昨年は9試合の出場にとどまった。しかし今年は春のオープン戦で4番を任され続けたように素質は抜群で、その実力が2年目にして早くも開花した。打率は3割を大きく超える0.373で岩渕と並んで12位タイ、4本塁打もトッピング、山田、廣瀬、伊藤良、三科、東姉、バトラーというそうそうたるメンバーと並んでの4位タイである。
何よりそのその潜在能力を見せつけたのが決勝トーナメント決勝戦での打席。上野を相手にレフト線にライナーで先制のタイムリーを放ったのだ。
日本代表でセカンドを守り今年引退した三科の穴を将来的には十分埋めそうなくらいのスケールの大きい打者で、着実にその代表選手への階段を上っている。しかしながらとにかく林と同じで課題は守り。難しいセカンドではあるが今年リーグ最多の5失策をせめて2個くらいには減らしたい。
☆☆蔭山遥香(レオパレス21)
(2007→2008→2009年の成績)
試合: 11→16→22 (22)
打席: 9→16→73 (81)
安打: 2→1→21 (22)
打点: 1→0→12 (8)
打率: 0.222→0.083→0.344(19位) (0.324)
二塁打: 0→0→2 (3)
本塁打: 0→0→1 (1)
失策数: 0→0→4 (4)
*カッコ内の数字は昨年度のレオパレス遊撃手・佐藤理恵の成績
※昨年限りで引退した金メダリスト佐藤理恵の抜けた穴を見事に埋めることができた。懸念した守りの方も失策数が昨年の佐藤の4を上回ることなく、1年を無難に守りきった。
何よりも大きかったのが打の成績。安打数や長打はほぼ同じ、打点と打率では昨年の佐藤を上回った。さすがに出塁率では佐藤の貫禄をまだまだ上回れなかったが(蔭山0.342、佐藤0.420)、それでも十分な結果と言えるだろう。
ただその数字ほどには蔭山が活躍していた印象がないのもまた事実。佐藤と同じような成績を残したとはいえ、上野やミッシェルからも決勝打を放つなど互角に勝負してきた佐藤と比べ、蔭山は一流投手には赤子の手をひねるように簡単に打ち取られてしまうことがほとんどだったのではないか。
残念ながらレオパレスが消滅してしまい、佐藤理恵が築き上げたレオパ遊撃手の系譜を直接引き継ぐことは出来なくなったが、今後どこかに移籍しても(出来れば海を渡って欲しいのだが)佐藤理恵の後継者である自負を持って、そして我が故郷三重県人の誇りを持って、赤福を食べ続けながら活躍して欲しい。
☆☆田中梢子(レオパレス21)
(2006→2007→2008→2009年の成績)
試合: 9→7→7→22 (22)
打席: 11→7→10→70 (56)
安打: 0→0→0→15 (12)
打点: 0→0→0→11 (0)
打率: 0.000→0.000→0.000→0.254 (0.250) ※2009年は出塁率の数字と間違ってました。ご指摘ありがとうございます。
二塁打: 0→0→0→1 (4)
本塁打: 0→0→0→2 (0)
失策数: 0→0→0→0 (1)
*カッコ内の数字は昨年度のレオパレス三塁手・白井奈保美の成績
※田中梢子はショートの蔭山同様に、今年最も懸念した三遊間を見事に守りきったのみならず、打撃に関しても期待以上の結果を残してくれた。
レオパレスの三塁手は大徳時代から活躍しベストナインを獲得したこともある白井奈保美が長年努めてきた。しぶとい打撃に華麗な守備を誇る白井の穴を埋めるのは容易なことではないと思っていたのだが、さすがに田中も厚木商業で4番を打っただけの選手。しぶとさという面ではまだまだ及ばないが、彼女なりのその潜在能力が見事に花開いた。
何よりも特筆すべきは守り。出場試合数の少ない昨年までは当然として、50以上の守備機会のあった今年も失策ゼロで乗り切った。横の動きだけでなく、バント処理で前進しての二塁送球などの素早いプレーも巧い。むしろこの選手の守備を心配してしまった自分が恥ずかしくなるくらいだった。
打撃においても下位打線で活躍し、打率も白井の数字を超え満塁弾を含む2本塁打も放った。ただそれでも蔭山同様に、超一流投手には簡単に打ち取られてしまう脆さにまだまだ若さが見られたが、その不安も払拭させてくれたのが決勝トーナメントでの織機戦。バークハートからわずか10cmあまりポールの横を通過した特大のファールを放ったのだ。
パンチ力のある右打者にあの思い切りの良さが加われば、たとえ普段は打ち取られていても相手にとってはかなり手強い打者になるはず。せっかく掴んだレギュラーで、まさにこれからという時に廃部になってしまったのは本当に可哀想だが、蔭山と並んで移籍した先でもこのまま順調にますます生長していって欲しい。
☆☆大橋美奈(Honda)
(2006→2007→2008→2009年の成績)
試合: 15→19→19→21
打席: 6→2→0→40
安打: 0→0→0→8
打点: 0→0→0→1
打率: 0.000→0.000→-.—→0.229
二塁打: 0→0→0→1
三塁打: 0→0→0→1
盗塁: 3→6→5→1
※この項の主旨である「飛躍」という意味ではある意味一番相応しい選手なのがこの大橋である。今年4年目を迎えた俊足の外野手だが、昨年までの3年間、ほぼ毎試合試合には出ながらほとんどが代走で安打はなし。打席も1年目に6あったものが昨年はとうとうゼロでは、本人も現役の続行に悩んだこともあったのではないだろうか。しかし、続けていればチャンスは訪れるものである。今年開幕戦にスタメン出場すると第1打席で坂井寛子からリーグ初ヒットを放つ。そのままレギュラーを掴むと最後まで走り抜き、40打席に立ち8本のヒットに長打も二塁打、三塁打を1本ずつ放った。まさに本人にとっては大きな1年になっただろう。
ただセンターを守る選手としては他のチームと比較すると見劣りは否めない。俊足を生かしたスラップに磨きをかけ、来年は少なくとも3割を超え、減ってしまった盗塁数も増やし、さらなる飛躍の年にしてもらいたい。こういうやっとチャンスを掴んで結果を出した選手が来年どう成長するか、それを見るのが1番の楽しみだ。
☆野木あや(デンソー)
(2007→2008→2009年の成績)
試合: 9→9→21
打席: 9→9→38
安打: 0→1→10
打点: 0→0→5
打率: 0.000→0.200→0.313
二塁打: 0→0→1
※まだまだ「飛躍した」というには発展途上ではあるが、今年デンソーのセカンドとして他チームにも十分に名を売ることが出来た。強豪の京都西山出身で1年目からすでに試合には出ていたが、出ては叱られ出ては怒鳴られる日々(笑)鍛えに鍛えられたおかげか、今年は怪我で出遅れた美人の好選手・田中美奈子からセカンドのレギュラーを奪った形になった。
打つ方には目をつぶっても今年はしっかり守ってくれさえすれば良かったのだが、難しい当たりを何度も好捕するなど素質の高さは十分見せてくれた。ただ痛いところでエラーを犯したのもまた事実。4失策は鈴木美加の5に続いて2番目の多さで、二人ともせめて来年は2以下に減らしたいところ。
ただ守ってさえくれればとはいえ、打つ方において規定打席には足らなかったが10安打を放ち3割を超える好打率を残した。愛知県代表で出場した国体では長打を連発するなど、個人的にはあまり期待してなかった打撃で貢献して非常に強く印象に残った。もしかしたら来年、打つ方で大化けするかもしれないと密かに思っている。
☆東美紀(戸田中央総合病院)
(2007年→2008年→2009年の成績)
試合: 9→10→19
打席: 25→19→70
安打: 5→3→16
打点: 0→0→2
打率: 0.208→0.167→0.276
二塁打: 0→0→1
三塁打: 0→0→1
犠打: 0→1→10 (1位)
※ご存じリーグを代表する名選手であるデンソー・東美幸の妹。日本リーグでは珍しい立命館大学出身の今年3年目の選手。1年目から試合には出て25打席に立ち5安打を放ったが、昨年はベンチに入らない試合もあり打席数は19と減少し、安打も3本。長打も2年続けて0本となかなか結果も出せなかった。
しかし今年、チーム編成もあっただろうが、思い切って打撃フォームを今泉化したことが大きかったのだろうか?(笑)今年は開幕からしっかりと右翼のレギュラーの座を掴んだ。とにかく何でも飛び込むガッツある守りはもちろん、打撃でも16安打を放ち3割近い数字を残すなど十分結果を残した。何よりも大きかったのはしっかりと小技をこなすことに徹したところだろう。犠打10は佐川急便の梅村麻弥と並んでリーグ1位の数字だ。
常にひたむきに、いや、ひたむきを通り越して「必死」にボールを追い続ける選手。来年大いに躍進しそうな戸田中央病院で、チームに必要不可欠な選手となって今年と同じように勝利に貢献してほしい。
ちなみに昨年は
☆☆☆ 永吉理恵(レオパレス21)
☆☆ 溝江香澄(日立ソフトウェア)
☆☆ 濱本静代(日立ソフトウェア)
☆ 酒井かおり(豊田自動織機)
☆ 今泉早智(戸田中央総合病院)