【東芝北九州を叱る】

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~東芝北九州の2010年の前半戦を大いに叱る~

 今年から2セクション制(野球の2リーグ制と同じ)を再び採用した日本女子ソフトボールリーグの2部。
3節が終了しリーグも折り返しを過ぎ、4チームが6勝2敗で並び大混戦の「ホープ・セクション」とは逆に、今年新たに2部に参入したペヤングとドリーム・ワールドが2歩抜け出してしまった「アドバンス・セクション
 この違いは、ホープにおいては2部最強の靜甲以外にも、カリスマ古瀬由梨亜投手に牽引された島根三洋、元レオパレスの新里のりえさんの妹、新里あさみ投手が急成長した強打の東海理化、再び呂偉投手を補強した日立マクセルと、戦力アップしたチームが揃ったのに対し、アドバンスでは実力のある新加入2チーム以外にそのようなチームが現れなかったからである。
 戦力アップどころか、もともと力のあった日本精工が部員数を半減させるような緊急事態になるなど、新加入2チームを逆に後押しするようなことも生じてしまい、結果論ではあるが両セクションで実力に偏りが出てしまった。ただアドバンスでの順位争いが白熱してない最大の原因はやはり、ドリーム、ペヤングと3試合して3敗という「東芝北九州の不甲斐無さ」、これに尽きるだろう。

 

<東芝北九州の近年の順位>
 そんな東芝北九州であるが、もちろん過去に1部に上がったことはない。昭和44年創部以来41年、西日本リーグや、3部、2部と歩んできたが常に今で言う2部の中堅以下の成績で、2006年には16位、翌2007年にも7勝10敗と負け越して12位と低迷していた。しかし、2008年、電工津に負けた後7連勝と波に乗り、最終節を前にして優勝も視野に入れるような大躍進をする。結果的に11勝で5位に終わったが、翌年も健闘し同じく11勝をあげて5位と、あと一歩のところまで来て今年を迎えたのだった。

 

<ここ2年、しばしば優勝争いのカギを握ってきた東芝北九州>
 結果的に2年連続で5位には終わったが、この2年はカギを握るような役割も演じている。

 2008年、最終第5節の二日目第1試合、ウェルネスに勝利し11勝4敗とする。この時点で1位は伊予銀行と靜甲の12勝3敗で東芝北九州は大鵬と並んでの3位で、まだまだ優勝の可能性が残されていた。しかも残す2試合は直接優勝を争う相手でもある強豪の伊予銀と大鵬。自力でこれらの相手をねじ伏せて2位以内に入る可能性が十分あったのだ。しかし2試合ともに延長タイブレイカーにもつれ込む死闘を演じながら、ともに逆転サヨナラ負け。結局、強豪相手に勝利を上積みして優勝争いをかき乱すどころか、アシストして5位に転落してしまった。

 

【2008年・第16試合目】
東芝北九州 020 400 01…7
伊予銀行  120 012 02x…8

 

【2008年・第17試合目(最終戦)】
東芝北九州 000 0100 12 …4
大鵬薬品  010 0000 13x…5

 

 2009年、4勝5敗と前半戦負け越しして迎えた後半の初戦。前半戦全勝で乗り切ってきた大鵬薬品を相手に古賀、笹田のホームランなどで7-0コールド勝ちという誰しもが目を疑うような完璧な試合を行うと、この年はそのまま最後まで突っ走って7連勝でフィニッシュ。11勝で5位と一年前と同じところまでこぎつけた。

 そしてその勢いのままで迎えたかった2010年であったが、アドバンスセクションでの最大のライバルであるドリーム・ワールドとペヤングを相手に3連敗と、もうあとのない状況になってしまっているのである。

<東芝北九州のダメなところ(応援するが故にあえて辛口で)>
 上でも見てきたように、このチームは本当に人が好いというのか悪いというのか、強いチームにはちゃんと負ける。2009年の大鵬戦は相手投手の鈴木碧が故障していたこともあり完勝したが、例外的なのはそれくらいだ。去年までの3年間の2部の強豪との対決で言えば、伊予銀行相手に2敗(●4-7、●t7-8x)、靜甲相手に2敗(●0-3、●3-6)大鵬薬品には1勝2敗(●7-11、●t4-5x、○7-0)島根三洋と東海理化にもそれぞれ1勝2敗と負け越している。
 そして今年もである。繰り返しになるがドリームワールドに対してはすでに2度の対戦を終え2敗(●2-8、●4-7)。現在1位のペヤングに対しては、ほかのアドバンスのチームは負けるにしても善戦しており(NECが●4-5、YKKが●2-3、日本精工が●1-2)、カネボウ小田原に至っては2度目の対戦でとうとう○5-4と初めての土をつけているにも関わらず、東芝北九州は1度目の対戦では●2-6と、惜しくもなんともない敗戦を喫してしまっている。
 しかもその上位2チームに対する3敗以外は5戦全勝していることから、順位だけはせこく3位をキープしているのだ。

 

<意地を見せろ東芝北九州!>
 実は今回東芝北九州の記事になったのは第3節で初ホームランを放ったベテラン原田明香選手から人を通じて写真を送ってもらったから(写真撮ってくれた方、原田選手本人の許可を得て少し加工して使わせていただきました。ありがとうございます)。
 で、その写真を使って何か“いいこと”を書こうと思って書き始めたのだが、とうとう愚痴しか出て来なかった(笑)。こんなんなら写真渡さなければ良かったと思ったかもね。フフフ。

 でもここに書いたようなことは多くの2部ファンならやっぱり感じてしまうことじゃないだろうか。たしか、とんぷりんさんも「東芝北九州がもっとしっかりしないと面白くない」と言ってたような気がする。新規参入でそれぞれルネサス、レオパレスの影響を受けているチームであるペヤングとドリームワールド。最初から人気もあり、今年1年での1部参入を願っているファンも多い2チームだろう。少なくとも決勝トーナメント行きは普通に期待しているはずだ。しかしだからこそ、2部はそんなに甘くない!ということを既存のチームが見せつけてやらないといけないわけで、東芝北九州がその役割を担う一番手にならないといけなかったのだ。関係者や選手本人たちこそ悔しいだろうが、本当に歯がゆいというか、もうちょっと2部の厳しさを見せつけてやってくれよ、とやっぱり思ってしまうのである。

 上位2チームが7勝1敗で、3位東芝北九州が5勝3敗であることから、もう自力での2位以内は残されていないが、辛勝続きのペヤングがもう一度他の下位チームに不覚を取る可能性もある。東芝北九州は前半戦ペヤングには4点差負けしているため、5点差以上での勝利が最低限求められる厳しい状況だが、とにかく多くの2部ファンの期待に応えるためにも、次のペヤング戦は何が何でも勝利してもらいたい。

 その運命のペヤング戦は9月3日の後半開始初戦、那須町中央運動公園にて午後1時から。
 絶対に勝って!

<10年目にしてリーグ初ホームランを放った原田。後半のペヤング戦でももう一発!>


 

【東芝北九州・2010年前半戦の打撃記録】
山本  澪(佐賀女子高、新人、内野手、背番号5)
 打率0.571 (7打数4安打2打点, 1二塁打0三塁打0本塁打, 1四死球0三振)
松本 由紀(丸亀城西→大阪体育大出身、3年目、外野手、背番号2)
 打率0.500 (22打数11安打9打点, 1二塁打1三塁打1本塁打, 5四死球0三振)
古賀香須美(長崎商、7年目、外野手、背番号10)
 打率0.417 (24打数10安打4打点, 4二塁打0三塁打0本塁打, 7四死球2三振)
笹田 知里(東九州龍谷=佐藤早苗と同期、7年目、外野手、背番号8)
 打率0.400 (30打数12安打1打点, 2二塁打0三塁打0本塁打, 1四死球1三振)
原田 明香(小倉商、10年目、内野手、背番号3)
 打率0.400 (15打数6安打2打点, 0二塁打1三塁打1本塁打, 2四死球0三振)
中村 早織(三潴高=田中美奈子と同期、8年目、内野手、背番号7)
 打率0.381 (21打数8安打1打点, 0二塁打0三塁打0本塁打, 3四死球4三振)

 

<チームトータル>
 打率0.367 (207打数76安打32打点, 14二塁打4三塁打2本塁打, 28四死球18三振)

竹下 梨奈(小倉商=堤千佳子の二つ上、8年目、内野手、背番号16)
 打率0.346 (26打数9安打8打点, 3二塁打1三塁打0本塁打, 1四死球4三振)
真鍋 彩加(九州女子→福岡大=ともに今泉早智の一つ下、3年目、内野手、背番号25)
 打率0.316 (19打数6安打1打点, 0二塁打0三塁打0本塁打, 3四死球0三振)
佐藤かずみ(熊本国府、7年目、内野手、背番号6)
 打率0.278 (18打数5安打3打点, 1二塁打1三塁打0本塁打, 1四死球3三振)
牧野志麻子(延岡商→福岡大=今泉早智と同期、4年目、捕手、背番号22)
 打率0.222 (18打数4安打1打点, 1二塁打0三塁打0本塁打, 4四死球2三振)
松岡ゆり枝(小倉商=倉成真子の一つ下、2年目、外野手、背番号20)
 打率0.143 (7打数1安打0打点, 1二塁打0三塁打0本塁打, 0四死球2三振)
津田 絢美(佐伯豊南、2年目、捕手、背番号23)
 出場無し
田中  蘭(今治明徳→福岡大=今泉早智と同期、4年目、外野手、背番号24)
 出場無し

 

【東芝北九州・2010年前半戦の投手記録】
徳田 葵(九州女子=伊藤友里恵、中村光と同期、5年目、背番号18)
 5勝3敗、防御率3.19~48.33投球回、217打者、51被安打、自責点22、与四死球23、被本6、球数767
中川美奈子(篠山産業→神戸親和、2年目、背番号27)
 0勝0敗、防御率1.24~6.33投球回、29打者、8被安打、自責点1、与四死球3、被本0、球数107
實政 咲紀(高川学園、新人、背番号1)
 登板無し

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