【2010年1部リーグ第6節の全試合結果についてのコメント】

 前半戦の成績からいろいろと予測したことがかなり外れてしまった感があるが、やはり3ヶ月のブランクをおいて再開するこの第6節ではいろんなことが起きる。
 2部の第4節や豊田大会の観戦記も書きたいのだが、とにかくまずは波瀾万丈だった第6節の全試合の結果を振り返って感想を述べたい。

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【函館大会】
<1日目:ソフトウェア4-0佐川急便>
 前半戦を終え7勝4敗のソフトウェアに次ぐ6勝5敗の佐川急便。決勝トーナメント行きを狙うには最大のライバルとの大事な直接対決に先発したのは豪州代表投手ではなく高卒新人の信長だった。
 はっきり言ってこの投手起用には大いに失望した。ソフトウェアを直接叩いて上に、とは思わないのだろうか?もちろん信長に期待するところは自分としても非常に大きいのだが、わざわざ豪州から連れてきている外国人投手をここで投げさせないならいったい何のために呼んできているのか?
 前身はかつて何度も決勝トーナメントに進み準優勝したこともあるチームである佐川急便のこの采配の志の低さはいったいなんなのか。もう二度と現体制下におけるこのチームには期待しない。

<1日目:戸田中8-7誘電>
 さて波瀾万丈の2010年第6節の主役がHondaと並んでこの戸田中だったのは間違いない。前半戦で勝っている相性の良い誘電戦とはいえ、さすがにこういう勝ち方をするとは夢にも思わなかった。
 もともと今泉や太田や内田などバッティングのいい打者が揃っているとはいえ、初回6失点から終盤満塁ホームランで逆転勝ちなんて試合はそうそうあるもんじゃない。やはり後半戦は戸田中に風が吹いて来ているのかも知れない。
 ただ前半もこのペースで2節で2勝しながら残りは全敗してしまっている。まだまだ気を引き締めていかないといけない。
 投げる方では先発のエース武井が大乱調で1回6失点ノックアウトだったのだが、継投した橋爪とヒガが好投してほとんど点を与えなかった。ヒガが6回に河野から始まる強力打線に対して抑えたピッチングが象徴的だ。廣瀬にはヒットを打たれたが他の3人は全てセンターフライ。そしてこのパターンに完全にはまってしまったのが翌日の佐川急便だった。

<2日目:戸田中1-0佐川急便>
 さてそのヒガが先発し完封した佐川急便戦。先にも述べたがこの日の佐川急便は先発がスメサートで勝ちに来ているためなかなか点は取れないはずで、戸田中としてはヒガの先発で正直ひとつ捨て試合くらいの軽い気持ちだったのかもしれない(笑)
 が、そのヒガのピッチングが完璧にハマってしまった。この日のピッチングは打者27人に対して被安打が3で四球が4、そしてアウトにとった21打者のうち犠打を除く内野ゴロが9に飛球が9、そして奪三振はゼロであった。一度星野メモリアルで見たが、確かに三振を奪えるような球威もなければ変化球もなかった。ただ前日の誘電戦でもそうであるように、打者が打ち気にはやってポンポンと飛球を上げてしまい出すとえてしてこういうことになる。いかにも遅い球を打ち損じて術中にはまりあれよあれよという間に完封されてしまったという投球内容だ。特に佐川急便はポーター以外の打者の打ち方が全員同じなので一人にハマればみんなを抑えられる(笑)
 ただそれでも相手が打ち急いで凡打の山を築くくらいの制球力はあったということだろう。もちろんこんな素晴らしい投球が今後も続くほどリーグは甘くないとは思うが、しかしこの日のヒガの好投は前半戦正直に勝負しすぎて滅多打ちを食らってきた長南などには大いにヒントになる投球だったはずだ。

<2日目:ソフトウェア6-4誘電>
 今節は後半戦最初の山場かと思われたソフトウェアだが、佐川急便がスメサートの先発を回避してくれたおかげで楽に勝利し、この誘電戦も序盤から点を取ってなんとか常にリードをした展開のまま勝利することができた。
 問題は戸田中に続いて連敗してしまった誘電の方か。ある程度点は取るのだが歯車が狂うとこういう試合になりがちなチームだ。前半戦は1度もなかった5点差以上の失点が、後半早々2試合連続で出てしまったのは誤算だろう。勢いのあるHonda、実力のあるデンソーと当たる次節も厳しいが、しかし打線そのものは好調で若手も活躍している。今後もカギを握るチームであることは間違いない。

 


 

【岩手大会】
<1日目:デンソー3-0大鵬薬品>
 状態を懸念した鈴木碧が立ち上がりに捕まり3失点したのが結果的には全てであった。力のある打線も染谷の前には繋がりを欠いて完封負け。代わった梅津や井俣が好投はしたが、やはり鈴木が後半戦もこういう厳しい投球が続くようだと大鵬にとっては試練が続くことになる。

<1日目:Honda3-1ルネサス>
 さて大波乱の第6節、主役はやっぱりこの試合のHondaだろう。Hondaのサイトによると「大勝利」らしい(笑)それもそのはず2004年に昇格した年に1-0で勝利したのを最後にリーグ戦ではルネサスに11連敗中だったからだ。
 その2004年の勝利というのも今回と同じパターンでルネサスの先発は上野ではなく坂本直子。その坂本から1点を取り、リリーフの上野に以降抑えられたが最後まで1点を守りきった。そしてその試合で1-0完封の大立役者となった投手が、来年の1部昇格を狙って今大活躍しているペヤングのエース小長井投手である。
 この試合の先発は何のために獲得したのか今ひとつ理解できないローチであり、Hondaはその立ち上がりを攻めて2四球で作ったチャンスに芝崎が値千金の2点タイムリーを放った。そして先発した稲元が1点を失うと次の回のピンチから登板した金尾が粘りの投球を続け、自身初白星をルネサスから奪ったのだった。
 佐川急便と同じくHondaもネルソンという元米代表投手がいながらこの試合の先発が稲元だったのはなぜかと疑問に思うかも知れないが、来日の遅れたネルソンの調子がどうも悪いような気がする。それに金尾がいいのは当然として、稲元も相変わらずヘラヘラしてはいるが最近ようやく指にしっかりとボールが乗り力強い投球ができるようになってきたことから、チームとしても稲元、金尾のリレーに賭けた部分もあったのではないか。
 ただ興奮を抑えて冷静に記録を見ると、確かに点差は3-1だがHondaの放ったヒットはたった2本でルネサスは8本。運も良かった(笑)

<2日目:Honda3-2大鵬薬品>
 大鵬薬品にとってはどうしても負けられない試合で、Hondaにとっては勢いで白星を積み重ねたい試合。大鵬は前日初白星のHondaの先発金尾を攻め9安打を放ちながらも2点しか奪えないちぐはぐな攻撃で最後まで追いつくことが出来なかった。ただ裏を返せばそれだけ金尾が粘り強い投球をしていたということでもある。
 大鵬にとって痛かったのは4回佐々木のホームランを含む3安打が出ながら繋がりが悪く1点しか奪えなかったことと、6回に2安打しながら本塁で憤死してしまったこと。逆にHondaには6回に2四死球を与え無安打で追加点を許し結局それが決勝点となってしまったことだろう。
 下位争いのライバル戸田中がまさかの2勝をし、シオノギも伊予銀に勝って3勝としたことでまた1チームだけ取り残されてしまったが、ここは大鵬にとって大いに我慢の時だろう。大鵬にとって絶対に負けられない重要な試合は次の節から始まるので、気持ちを切り替えて臨んでほしい。頑張れ大鵬!!

<2日目:ルネサス1-0デンソー>
 前日まさかのHonda戦に負けたルネサスにとっては2連敗だけは絶対に避けたく、当然のように上野が先発した。デンソーも染谷が先発し好投したが内野ゴロで与えた1点が決勝点になった。
 デンソーも4番に永吉を据えるなどの新打線で再三ランナーを出しながらしぶとく迫ったが結局最後まで点を奪えなかった。ソフトウェアが2勝したことでその差が2となり、追いつくためにはこういう試合をなんとかものにしたかったのだが。
 次節はそのソフトウェアが連勝した誘電と佐川急便が相手でありここは絶対に負けられない。

 


 

【豊田大会】
<1日目:織機4-0伊予銀>
 この豊田大会、他の地区に比べたら勝敗は順当な結果だったが、しかし「何か」は起きた。特に自分が見に行かない織機の試合では何かが起きるというジンクスに誤りがなかったことを証明してくれたのがこの試合。
 ケイティが4年前のシーズンの上野(この年2回)以来、織機としては2002年のミッシェルのトヨタ自動車戦以来の完全試合を達成した。
 そもそも完全試合自体見た記憶がない。先の実業団選手権でも島根三洋の古瀬が自分でエラーして準完全試合だった。滅多にない機会を…。あ~ぁ(笑)

<1日目:トヨタ8-2シオノギ>
 アボットが先発で試運転をし、山根、上村、森田と繋いで2点に抑え、打っては藤野、藤崎、鈴木にホームランと地元トヨタが完勝。最近トヨタの選手の調子にのりっぷりが鼻につく。負けてる時代は可愛かったのに(笑)

<2日目:シオノギ2-1伊予銀>
 前半戦の対戦は3-1で伊予銀が勝利。もちろんシオノギはライバルに勝つというのは絶対に必要なことであったが結果は1点差で得失点差を考えるとマイナス1。これが最後にどう響くか。
 伊予銀としては負けはしたが、4回の無死満塁からなんとか熊谷の2点タイムリーで踏ん張ったことには大國監督としては「よく1点差で持ちこたえた」というところだろう。
 この1点差負けは勝ちに等しいとまではいかないまでも負けを帳消しにしてくれるくらいの価値はある。

<2日目:トヨタ2-0織機>
 前日完全試合をしたケイティではなくこの試合の先発は宮本。ただケイティは前半戦の試合で8失点と滅多打ちを食らっており、今後の大事な試合のためにこれ以上悪いイメージをつけさせることもできず、ここはやはり先発を避けざるをえなかった。
 織機としてはリーグ戦でトヨタに負けるのは特に問題ではなく、勝負はルネサス戦、ソフトウェア戦ということだろう。
 ただ宮本やリリーフした栗田とて良い投手でありこの試合もしっかり試合は作れたのだが、いかんせんストライクゾーンのばらつきが酷すぎた。コントロール重視の投手がああいう判定をされてしまうとお手上げだ。
 打つ方では結果的にアボットに完封はされたが、攻略の糸口ははっきりと見えた試合に違いない。

 


 

【第6節終了時点での順位(対戦成績を加味)】

1:トヨタ自動車(13勝0敗)
2:ルネサスエレクトロニクス(10勝3敗)
3:日立ソフトウェア(9勝4敗)
4:豊田自動織機(9勝4敗)

5:Honda(7勝6敗)
6:デンソー(7勝6敗)
7:佐川急便(6勝7敗)
8:太陽誘電(5勝8敗)

9:戸田中央総合病院(4勝9敗)
10:伊予銀行(3勝10敗)
11:シオノギ製薬(3勝10敗)
12:大鵬薬品(2勝11敗)

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