ドリーム 000 0011 0 …2
マクセル 110 0000 1x…3
ドリーム：松村、陳、熊澤－伊藤
マクセル：呂－中村
（本）谷口（ド）
（二）：阿部、中村（マ）
【先攻：ドリーム☆ワールド】
1(6)：小野奈津子
2(7)：辻井晴名
3(4)：小西つどい
4(2)：伊藤綾香
5(5)：宮野祐子
6(9)：小原友里
7(D)：谷口敏子
8(8)：川上恵莉子
9(3)：古宇田佳愛
FP(1)：松村綾菜
【後攻：マクセル】
1(8)：阿部環
2(7)：加藤愛
3(5)：小林朝子
4(3)：高崎千恵
5(D)：和田祐美
6(2)：中村祥子
7(4)：林杏奈
8(6)：田中涼子
9(9)：東綾華
FP(1)：呂偉
【テーブルスコア】（←後日リンク付け）
＜先発はマクセルはもちろん呂、ドリームは満を持してのエース松村＞
＜試合経過＞
【1回裏：マクセル～1点】
初回、マクセルは好調な打線が先発の松村を攻め、先頭の阿部が二塁打で出塁すると中村の中飛で三塁に進んだ後に4番の高崎がレフト前にタイムリーであっさりと1点を先制する。
＜4番高崎が先制のタイムリー＞
＜続く和田の打球は川上がダイビングキャッチのファインプレーで食い止める＞
【2回裏：マクセル～1点】
マクセルは続く2回も松村を攻め、先頭の中村がライトオーバーの二塁打を放つと林の犠打で三塁に進んだ後に田中がピッチャーゴロ。これを松村がファーストに悪送球してしまい、それを見て三塁ランナーが生還し2点目が入る。
不調の松村はここで降板し投手は陳に交代。しかしその後は陳、さらに熊澤が好投しマクセル打線を封印する。
＜この時点ではマクセルの勢いでこのまま大量点で勝ってしまうのかと思われたが、結果的にはこのミスによる1点が非常に大きいものとなる＞
【3回表：ドリーム～0点】
強打のドリームに不運が訪れたのがこの回。1死から強打者小野が放った打球は少し高く上がりすぎたがレフトに向かって舞い上がった強烈な打球。これが低すぎる天城ドームの天井の真ん中の鉄筋部に挟まる。
外野の上部にある鉄筋部より奥の天井に当たればホームランで、それ以外は全てファールというのがこの天城ドームのローカルルールだが、正直この低すぎる屋根では普通の内野フライや外野フライはもちろん、高く上がったホームランまで全てファールになってしまう。要するにここは公式戦を行うには完全な欠陥ドームなのである。
ただそういうルールがあるにもかかわらず、最初三塁塁審は大きく手を回しホームランと判定した。もちろんマクセル側からの抗議ですぐに判定は覆ったが、むしろこの塁審の判断こそ正しいものではなかったか。
あれはルール適用ミスという以上に、「あの打球はホームランだ」とつい判断してしまったのではないか。少なくともそう感じるくらいに完璧な打球だった。
ホームランを取り消された小野はその後見逃し三振。何とも不運な打席であった。
＜どんなに凄い打球でもこの角度で上がったらダメ（と言ってもそんなに上がってないのだが）。全て天城ドームの屋根に打球が阻止される＞
【4回表：ドリーム～0点】
先頭の小西がヒットで出るも、続く4番の大砲・伊藤は二塁への強い打球で併殺打。
しかしこの打席ファールゾーンも含めて打球が4度天井を直撃した。この狭苦しい天井が伊藤の打撃を圧迫しているように思えてならなかった。
＜林と田中のコンビで伊藤を併殺打に＞
【6回表：ドリーム～1点】
先発の松村をリリーフした陳、熊澤の好投に応えたい打線がようやくこの回に反撃する。
小野の四球と辻井のヒットで作った2死二三塁のチャンスで4番の伊藤がショートゴロ。強い打球を田中がよく捕ったがファーストへの送球がややそれて落球し満塁となると宮野がよく選んで押し出しのフォアボール。
なんとか1点差まで詰め寄って最終回を迎える。
【7回表：ドリーム～1点】
1点差とはいえ7番からの打順で呂投手相手では厳しいかと思われた矢先、先頭の谷口が大きな仕事をする。
大きな体を生かして呂の速球をジャストミートすると、この打球は天井など無関係で弾丸ライナーのままライトへ。そのままフェンスも越え奥のネットに突き刺さる完璧なホームランとなり、ドリームが土壇場でとうとう同点に追いついた。
＜谷口の完璧な当たりがライトスタンドへ。打った瞬間感激で涙が出て泣きながらダイヤモンドを一周＞
【8回表：ドリーム～0点】
延長対ブレイカーに入るが、ドリームとしてはなんとも巡り合わせの悪い打順だったかも知れない。
先頭の辻井がキッチリと送るも打者小西は呂渾身の投球で空振り三振。そうすると続く伊藤はもちろん勝負を避けられる。
マクセル側もここは冷静にストレートの四球で歩かせると宮野には全力投球で意地を見せて空振り三振。呂が勝ち越し点を許さない。
【8回裏：マクセル～1点】
そして運命の最終回。ドリーム側も冷静にまずは先頭の加藤をストレートの四球で歩かせて塁を埋め、続く小林を投ゴロに打ち取る。
しかしこの打球を熊澤がちらっと三塁を見ただけで無難に一塁に送球して1アウト。確かに三塁に投げるのは勇気が要ったかも知れないがタイミング的には間に合ったのではないか。
何より三塁フォースアウトにするために塁を埋めたはずで、ここは最初から殺すつもりで打球に行っていたら三塁で刺せたかも知れない。
そして二三塁と広がったチャンスに高崎がサードへの弱いゴロで三走の阿部がホームへ突っ込む（エンドランだったかも知れない）。
サードの宮野が本塁へ送球し、タイミング的には十分アウトだったが打球がライン際に飛んだことで捕手と走者が重なり、送球が走者の阿部を直撃。
マクセルが最後の最後になんとかドリームを退け、決勝戦へと駒を進めた。
＜最後は送球が走者に当たるエラーでサヨナラ＞
＜呂投手の祈りが通じたか＞
＜ドリーム☆ワールドついて＞
この大会で初めて見たドリームワールド。キャプテンの小原、投手の陳以外は全て元レオパレスの選手がスタメンだったが、さすがに小野と伊藤を有する打線は迫力があった。
そして何より感動したのが谷口敏子の同点ホームラン。7回の先頭打者ということで余り期待せずカメラのファインダーを覗かずじっと戦況を見守ってた所に出た完璧な一発。
それゆえ肝心の打った場面を写真に抑えることは出来なかったのだが、逆に網膜に強く焼き付けることはできた。あのバッティングは凄かった。写真はいずれ協会かマガジンに載せてくれるはずだ。
谷口は打った瞬間に両手で顔を押さえて泣きながら一周してベンチに。靜甲優勝の瞬間と並び、この大会で一番盛り上がった場面だったかもしれない。
それにしても悔やまれるのが小野の一発。もちろんそのまま高く上がった外野へのフライになった可能性も否定できないが、塁審が思わず手を回してしまうほどその打球の勢いは完璧なものだった。
あれこそ審判の裁量でホームランにしてもいいと思うくらいの打球だった。
とにかくこのドームは天井が低い、低すぎる。普通の高い内外野へのフライが全て天井に当たりファールになる。
僕は個人的にはこの球場を天城ドームとは呼ばずに「天城テント」と言い続けているくらいに天井が低い。大事な公式戦を行うには酷すぎる球場だ。
もちろん力でねじ伏せてフライを上げさせる呂投手にも不利だが、とくに小野奈津子や伊藤綾香のようなホームランを連発するような打者には不利すぎる。
本塁打なしに終わった伊藤など、とにかく球場の圧迫感に悩まされ続けたのではないか。もし天井のない青空の下で試合をしていたらどうなっていたか、悔やまれる。
ただそういう不利な条件があってもこのドリームは本当によく戦った。1部に上がっても恥ずかしくないだけのチームだった。
この大会で負けたドリームとペヤングに加え、入れ替え戦に出るマクセルか伊予銀のどちらか、さらには戸田中も入る来年の2部リーグ。これはもう大変なことになりそうだ。