【2011年夏季・日本代表選手成績と雑感~捕手編】

【捕手打撃成績(打率順)】
<カナダカップ>
峰 幸代88-1
☆打率0.429,31打席,28打数,4得点,12安打,1二塁打,0三塁打,0本塁打,4打点,3四死球,5三振,2犠打,0失策
谷川まき85-8
☆打率0.353,20打席,17打数,0得点, 6安打,2二塁打,0三塁打,0本塁打,3打点,3四死球,3三振,0犠打,0失策

<USAワールドカップ>
渡邉華月
☆打率0.400,10打席,10打数, 1得点,4安打,1二塁打,0三塁打,0本塁打,6打点,0四死球,1三振,0犠打,0失策
峰 幸代
☆打率0.333,10打席, 9打数, 1得点,3安打,0二塁打,0三塁打,0本塁打,2打点,1四死球,0三振,0犠打,1失策

【コメント】
 峰幸代はカナダカップではチーム最高打率で、USAカップでも3割超え、両方合わせても37打数15安打の4割超え。長打が二塁打1本だけとやや物足りないが、リード面での貢献も考慮すれば文句のつけようがない素晴らしい成績。とにかくこの選手は北京五輪以降もずっと代表のマスクをかぶり続けてくれているし、上野辞退でゴタゴタした昨年の世界選手権でも当たり前のように最初から参加表明をして日本代表の正捕手として活躍した。守備打撃が一流なだけでなくたぶん人間的にも真面目で素直ないい子なんだろうなと思う。代表にはなくてはならない存在だろう
 さてその峰に続くのが太陽誘電の谷川まきで、カナダカップでもそれなりに出場し及第点の成績を残した。ただ峰を押しのけてマスクを被ったり、あるいはDPでの出場の可能性も考えると、谷川にはもっと破壊力のあるような強烈な成績を残してもらいたい気がする。それこそ5打席に1本はホームラン打つような感じで、リーグ戦から常にそういう打者であり続けて欲しい。特にアボット、オスターマン、上野からもガンガン打ってほしいと思う。
 代表の捕手はこの二人で当分決まりかなと思っていたところに、トヨタ自動車の渡邉華月がここ数年で急速に成長してきてこの中に割って入ってきた。宇津木麗華監督もそんな渡邉に今回はしっかりチャンスを与えてくれた。USAカップからの参戦となったが、峰と半々で出場して勝利に貢献。守備はもちろん、渡邉の良さはなんといってもバッティングの勝負強さで、今回も大事な場面でタイムリーを放つなど10打席で打点6をあげた。所属チームのトヨタでは敢えて9番を打っているが、この渡邉が攻撃面で鍵を握り決勝の一打を放つことが多い。そして何よりライバルアメリカ代表の元エース、アボットとバッテリーを組み常に世界を身近に感じている経験値というのも大きな武器になるだろう。峰、谷川、渡邉と、日本代表の正捕手争いは非常にレベルが高いのである。
 捕手に関しては中心になる峰がまだまだ若いので当分このままで行くだろう。他にデンソーの伊藤綾香や竹林綾香、シオノギの橋元春華など良い捕手もいるのだが、年代が近いことと代表での経験値から割って入るのは厳しいかも知れない。ただ伊藤の打撃はファーストとしてでも使いたいし、竹林や橋元は個人的に大好きな捕手なので、しっかりリーグで良い成績を残して実績を積んでほしい。
 さて峰が24歳で竹林も24歳、谷川と渡邉が誕生日1日違いの26歳、橋元、伊藤が23歳とみんな峰に近い年齢なので次の世代の捕手となるともう3-4歳下の選手になるのかな、と思う。高校生や大学生にも良い捕手がいるのかも知れないが、おそらく日立ソフトウェアの眞鍋幸維が次の世代の中心になりそうに思う。彼女は体は小さいがフットワークが抜群で肩も強くバッティングも思い切りよく、やや小柄な点を除いては文句のつけようがない。それともう一人個人的に大いに期待しているのが佐川急便の山科真里奈。高卒1年目からレギュラーでマスクをかぶり、ローチやスメサートといったオーストラリアのエースを堂々とリードしてきた。
 そういえば世界ジュニアに選ばれている捕手が誰だったか失念したし、他に忘れてる選手がいるような気もするのだが、とにかく次の世代の捕手にも注目。

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