シオノギ 100 0000 0 …1
佐川急便 000 0100 1x…2
シオノギ：●安福智 － 橋元春華
佐川急便：ジャスティン・スメサート、○信長香菜 － 山科真里奈
(二)：杉本夏子（シ）、柳瀬友紀（Ｓ）
【戦評】
問題は延長8回表のシオノギの攻撃。椎木がしっかり送って1死三塁とし1番の三宅が四球。2番の陽山の場面で2ストライクからエンドランをかけ最悪の三振ゲッツーを食らってしまった場面だ。
あまり成功したところを見たことはないが、三走とのエンドランはシオノギがこだわりをもって続けている作戦なのでありだとは思う。ただこの日2三振の陽山の場面で2ストライクからかけるのはちょっと無謀過ぎる作戦だったような気がする。
三宅が歩いて1死一三塁となったあと、1球ストライクの後に三宅が二盗し陽山がウェイティングして走者二三塁も2ストライク。ここからのエンドランだったが、どうせなら三宅は初球に走るべきだったのでは。そうすれば陽山にも1ストライクからエンドランをかけられたわけで、最悪、三振ゲッツーだけは避けられた。
もちろん、無謀な作戦だからこそ奇策なわけで、それ故に相手も油断するという部分もあるのだが、それにしてもあの場面はちょっと無茶だったかなと思う。奇策というのは成功すれば「勇気ある采配」にはなるが、失敗すれば「無謀すぎる采配ミス」と評価されても仕方がない。8回を投げ好投した安福をベンチが見殺しにしてしまった。
昨年22試合中10試合もの延長タイブレイカーを戦い延長戦では3勝だけに終わったシオノギだったが、仮に全勝していたら13勝と4位も狙える数字だった。
安福を中心とした守りに関しては潜在的には4位を狙えるチーム力があることに大いに自信を持っていいのだが、しかし延長で勝ちきれない打撃面もまた実力の一つ。そこを克服し延長戦をせめて五分の勝敗にしたいところだが、2012年の初戦で昨年と同じように勝ち切れない勝負弱さを見せてしまった。
本当にそこさえ克服すれば、もっともっと勝てるチームなのだが…。
一方の佐川急便は苦労しながらも安福相手に開幕勝利。2回までのスメサートの投球を見て、3回からスパッと信長に替えた継投が功を奏した。リリーフした信長がチェンジアップを多投しながら好投したことで、今後の戦い方がより楽しみになってきた。
【試合経過】
【1回表：シオノギ】
1死から四球の陽山を3番山根が送って2死二塁。ここで4番の杉本がライトオーバーのタイムリー二塁打を放ち、シオノギが鮮やかな先制攻撃を見せる。
＜頼りになるキャプテンの杉本、タイムリーを放ち二塁ベース上で吼える！＞
【2回表：シオノギ】
さらにこの回もシオノギがらしさ全開でスメサートを攻める。
先頭の橋元が死球で出ると、7番上田、8番唐橋が連続送りバント。唐橋のバントはスメサートの暴投となり、1死一三塁とチャンスが広がると、9番椎木と三走橋元の間でエンドランを敢行。
サードへ転がった打球をポーターがダッシュして捕り、本塁へグラブトス。微妙なタイミングだったがアウトになり、スメサートを一気に崩すことはできなかった。
＜シオノギ伝統の犠打多用にスメサートが慌てて悪送球＞
【4回裏：佐川急便】
2死二塁、同点の場面で中村の打球は三遊間を真っ二つ！と思われたがこれを椎木がダイビングキャッチの超ファインプレー！ピンチを救う。
＜抜ければ同点の打球、椎木がダイビングキャッチ！＞
【5回裏：佐川急便】
粘りの投球を続けるシオノギ安福に対し、2死二塁の場面で1番のキャプテン柳瀬がレフト線へのタイムリー二塁打でようやく1点を奪い同点に追いつく。
＜陽山が追うも届かず。シオノギ杉本に負けじとタイムリー二塁打を放ったキャプテンの柳瀬＞
【8回表：シオノギ】
冒頭でも述べた1死三塁2ストライクからのエンドラン。陽山が空振りしてしまい万事休す。
＜三走とのエンドランは低めの球を陽山が空振り、高橋も挟まれ痛恨の三振ゲッツー＞
【8回裏：佐川急便】
1死三塁から3番田中を三振で2死、4番ポーターは敬遠で5番松下友もセカンドゴロに打ち取った安福だったが…。
松下友の強い打球がセカンド右に。一走ポーターも目に入っただろうし、もしかしたらバウンドも変わったかも知れない。しかしそれでもこの試合好守で貢献してきた山根が必死に体で打球を止めて前にボールを落とし、ボールを拾ってファーストへ送球したが…。
＜厳しい打球、好守の山根も必死に体で打球を止めて諦めずに最後まで全力でプレーしたが＞
＜サヨナラ負けに点を仰ぐキャプテン杉本と、座り込む山根。将来ある山根には、この負けを糧にして大きく成長して欲しい＞
