【2012年開幕節第3試合~日立ソフトウェア vs. 豊田自動織機】

日立ソ 000 0100 …1
豊織機 000 0002x…2

日立ソフトウェア:●山中しほ - 眞鍋幸維
豊田自動織機:○ダニエル・ローリー - メ-ガン・ウィリス
(二):中森菜摘(織)

【テーブルスコア】


【ソフトウェア先制のシーン】
 監督が替わりソフトウェアのソフトボールも明らかに変わったような気がする。
 問題のシーンはソフトウェアが先制した5回表。
 2死で打者西山の場面で一走の田邊が二盗、織機の捕手ウィリスが二塁に送球した瞬間、「ボコッ!」という鈍い音とともに打者の西山がうずくまった。
 ウィリスの送球が西山を直撃したわけで、西山の体を考えると一瞬ヒヤっとしたのだが、逆に織機ベンチは「守備妨害」だと強く抗議した。
 結局抗議は却下され二盗が認められ、その後西山も元気に出場してこの場面でタイムリーを放った。

 ただこの1点でソフトウェアが勝っていたとしたら、実に後味の悪い試合になっていたかも知れない。
 というのも、後で映像を見直すと、西山は完全にバッターボックスから足を踏み出して捕手の送球を邪魔していたからだ。
 捕手のウィリスが座ったまま投げるため、送球の邪魔をするのはある意味当然のこと。どこのチームでもそこは突いてくるだろうが、今回の西山のは余りにもやり過ぎだった。正直今まで見た中で一番ひどい送球妨害だ(笑)。援護の空振りの勢いでボックス内にいてベースにかがみ込むくらいが常識的な限度で、それでも守備妨害を取られる場合もあるのだが、今回の西山はスイングもしてないのに見逃したあとにボックスから足を踏み出して捕手の前に仁王立ち。これなら送球を当てられても仕方がない。
 ただ問題なのは、ここまで明らかな妨害なのを、なぜか球審が守備妨害を取らなかったこと。
 ソフトウェアは続く6回も、一走の杉山が二盗したときに粟倉がボックスから足を踏み出してまでウィリスの送球を妨害し二盗を成功させている。もちろん球審は守備妨害を取らなかった。球審が守備妨害を適用しない理由は全くわからないが、正直こんなのがありならソフトボールの試合にならない。
 ただ気になるのが、去年も一年間見たが記憶の中ではソフトウェアはこんなソフトボールをしてなかったような気がすること。しかもあの西山までがこんなプレーを。明らかに監督が替わってソフトボールが変わった。この変わりようがいいのか悪いのか分からないし、某チームのように「勝ちゃいい」みたいな考えもあるのかも知れないが。豪快に打って華麗に守るここ何年かのソフトウェアの爽快なソフトボールはなくなってしまうのだろうか…。
 ひとつ西山の名誉のために言うと、7回に代走の井上が二盗した場面では全く妨害せずに普通にボックス内にとどまっていた。まあ「これ以上当てられたらかなわん!」と思っただけなのかも知れないが(笑)

<送球が当たりうずくまる西山。かなり心配したが、後で事実を確かめて自業自得だったのとが判明した>

<田邊が二盗した場面。下の白矢印がバッターボックスの端。投球を見逃した後ベースまで足を出して捕手の送球を妨害した西山(なぜか守備妨害にならず)>


【試合経過】

【1回表:ソフトウェア】
 織機の新外国人投手ダニエル・ローリーを攻め無死一二塁とするも得点できず。
 ソフトウェア打線の中では林がかなり合っていそうだった。
 外国人投手に、特に左にも強い林。なぜこの林やデンソー松本を選ばずに相馬みたいな選手が日本代表に…(怒)。

【5回表:ソフトウェア】
 このシーンについては、冒頭で詳しく書いた。ただ西山のライト前で本塁へ突入した田邊はタイミング的にアウトだったがバウンドが中途半端。ライトの国吉は、肩は滅法強いが捕手が捕球しやすい送球を出来ない点が唯一の欠点。
 ウィリスもこのくらいは捕球すべきではあるが。

<タイミングはアウトだったが、ウィリスが落球>

【7回裏:豊田自動織機】
 このまま織機が負けていたら非常にもやもやの残る試合になっていたが、それを救ったのが伊予銀行から移籍した中森。
 1死一塁の場面で右中間を真っ二つ。
 この場面で打つ中森も凄いが、一塁から長駆ホームに走った神田も偉かった。普通、ライトからの送球に回り込んでホームインしてしまうところを眞鍋の股の間をめがけて一直線にヘッドスライディング。若くて未熟だからこそできるこの真っ直ぐなヘッドスライディングで、間一髪同点のホームインを手に入れた。
 そして最後は天才打者本田。同点で終わっていたらどうなるかわからなかったが、1死三塁の場面できっちりサヨナラ打を放ったのはさすが。前2打席全く合わずに2三振だろうが、次の打席に普通のバッティングができるのが本田の本田たる所以。

<振り切らず、パチン!と当てるバッティングでチェンジアップをジャストミートし右中間真っ二つ>

<回り込まずベースに向かって一直線。神田結美のスライディングも中森と同じくらいチームを救った>

<三塁ベース上でガッツポーズ。移籍初戦でチームに貢献した中森>

<本田も負けじとサヨナラ打>


<日本デビュー戦。迫力はないしヒットも打たれピリッとしないながらも強打のソフトウェアを1失点。そういう投球こそが持ち味なのかも知れないローリー>

<残念ながら敗戦投手になったが、山中の投球は素晴らしかった。山中-眞鍋の岐阜女子高コンビのバッテリーも本当に素晴らしかった。「安福+橋元」に匹敵する息ぴったりのコンビネーション。この若さであの投球術は見事すぎる>

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