2012年夏…。
周知のようにソフトボールは北京五輪を最後に野球とともに五輪から除外されたが、2008年の北京の感動からちょうど4年のまさにこの時期、ロンドンからみて地球の裏側のカナダ西海岸で五輪後二度目の世界大会が開かれ、日本とアメリカをはじめとした世界の強豪が五輪に負けるとも劣らない熱戦を繰り広げていた。
そして日本の優勝という結果でソフトボール世界選手権が幕を閉じ、いよいよロンドン五輪が開幕するといった矢先、五輪を直前にした世界のスポーツ界に激震が走る。
罹患すると「ニャー!」と叫び続けるという50億人に一人ともいわれる奇病「猫インフルエンザ」が、どういうわけかロンドンを中心にアスリートに限って急速且つ爆発的に蔓延し始めたのだ。
多くの五輪アスリートが罹患し病床に伏し、もはやこのままでは五輪が成り立たない。そんななすすべもない緊急事態に、IOC会長のロゲさんも「ホゲー!」と叫び、前会長のサマランチさんも「もうタマランチ」とダジャレで誤魔化すしかない状況に陥る。
そこで緊急に開かれたIOC総会において決定されたのが「五輪経験のあるソフトボールに再び五輪で戦ってもらって盛り上げてもらおう!」ということだった。
幸いにしてソフトボールは世界中の強豪国のほぼすべてがカナダに集まっており、猫インフルエンザに罹った選手はほとんどいない。それに世界選手権が開催された直後であり、各国がベストメンバーを揃え今すぐにでも戦える状態にある。もはやIOCの頼みの綱はソフトボールしかない状況なのだ。
一旦除外しておきながらそんな都合の良すぎる参加依頼ではあるが、心の広いソフトボール関係者が臍を曲げて参加を躊躇するようなことはない。さまざまな思いをグッとこらえつつも、笑顔で振り返り二つ返事で「OK!」と快諾した。
そういう紆余曲折があり、ここにソフトボールが五輪競技として復活することになったのだ。
この話は、そんな風にしてソフトボールが再び五輪競技に復活するという、夢のような現実のような、不思議な世界のお話である。
がんばれ日本!
(つづく)
(でもネタが思いつかなければ途中で終わり。完全な見切り発車。笑)