【2008年日本リーグ決勝】

※先発メンバー
【先攻:ルネサス高崎】
1(6):三科真澄
2(5):山本優
3(7):岩渕有美
4(2):峰幸代
5(D):西舘果里
6(3):大久保美紗
7(8):国吉早乃花
8(9):柳川直子
9(4):杉山亜里紗
DEFO-P:上野由岐子

 

【後攻:豊田自動織機】
1(8):狩野亜由美
2(7):本田小百合
3(5):古田真輝
4(D):西井春菜
5(2):クリスティン・リベラ
6(3):長澤佳子
7(9):田中幹子
8(4):白井沙織
9(6):酒井かおり
DEFO-P:ミッシェル・スミス

 

※泣いても笑っても、ミッシェルの投球を見られるのはこれが最後…

さあ、決勝戦開始!

<試合前、グランドの堅さを確かめる乾主将。この辺のしたたかさはさすが>

【1回表:ルネサス0点】
三科:右飛
山本:空振り三振(チェンジアップ)
岩渕:空振り三振
※ミッシェル立ち上がり好調!

 

【1回裏:織機0点】
狩野:遊ゴロ
本田:見逃し三振
古田:遊ゴロ
<ミッシェルに負けじと上野も好投>

【2回表:ルネサス0点】
峰:三ゴロ
西舘:三ゴロ(強烈な当たりを古田が右手で止める、大丈夫か?)
大久保:四球
国吉:投ゴロ
☆ミッシェルナイスキャッチ!

 

【2回裏:織機0点】
小森:一ゴロ(強い当たりだったが)
リベラ:捕邪飛
長澤:左飛
☆むむむ…にっくき上野めさすが…

 

【3回表:ルネサス0点】
柳川:空振り三振
杉山:見逃し三振
三科:右飛
☆ミッシェル飛ばす飛ばす

 

【3回裏:織機0点】
田中:見逃し三振(速球、速球、チェンジアップ。裏の裏の裏の裏をかく配球)
<今日は峰の好リードも光った>

白井:空振り三振
酒井:一ゴロ
☆両先発投手、三回までノーヒット
☆世界一の投手戦が今ここに!

 

【4回表:ルネサス0点】
山本:空振り三振
岩渕:空振り三振
峰:四球
西舘:投前内野安打(当たり損ねをスミスお手玉)
大久保:四球
☆二死満塁!
国吉:空振り三振!(ハーフスイング、三塁線に惜しい当たりあるも国吉無念!)

 

【4回裏:織機0点】
狩野:四球
☆初めてのランナー
本田:一前犠打
古田:遊邪飛
小森:二小飛(つまり)

 

【5回表:ルネサス4点】
柳川:空振り三振
杉山:三ゴロ
☆三科、ライト線にファールを放つ。ライトの田中幹子が命を賭けてこの打球に飛び込む。グラブの先をすり抜けた打球…。
彼女も何かを感じたのだろう。
ここでミッシェルのために命を懸けなければ、一生悔いが残ると…

そして…、
三科:左中間へ驚愕の弾丸ライナー!先制の本塁打!!


☆互いに無得点。二死無走者。打者は本塁打王の三科。
展開を考えれば勝負する必要はなかった、が、やはりここはミッシェルのソフトボール人生の集大成か。
日本を代表する打者に真っ向勝負して、そして打たれた。
それこそが勝負、打たれるのもまたソフトボール。
悔いはなし!

☆しかしここで諦めるミッシェルではない。まだ仲間の打撃の援護がある。しかし…、

山本:四球
☆さすがにこれは振っていたと思われる空振り三振がボール判定。織機の運も尽きた気がした。これで緊張の糸は切れた。この試合は事実上、ここで終わった。

岩渕:中前打
峰:四球
西舘:走者一掃の左越え二塁打
<名門厚木商業出身の好選手、今年の織機に引導を渡す完璧な一打>

☆二走に代走奈良岡
大久保:四球

☆バッテリー交代、宮本&西井に
国吉:死球(わざと逃げなかったとの抗議も実らず)

PH中野:三直(どんづまり)
☆ようやく長かった5回表が終わった。
ミッシェルの最後は走者を置いての降板。その走者を、宮本が返さなかった。
☆宮本、偉いぞ!
<今年の後半、ようやく開花した遅咲きの好投手宮本。今年の織機の決勝T進出には宮本の存在は不可欠だった>

【5回裏:織機0点】
西井:三直(ファールゾーン)
☆一年目にして後半から宮本とのバッテリーで試合に出だした西井捕手。
決勝の舞台で上野相手に打席に立てる幸運を体で記憶し一生忘れないでほしい。この舞台に立てない数多の名選手が日本リーグに存在することを決して忘れるな。
長澤:見逃し三振
田中:一ゴロ

 

【6回表:ルネサス0点
杉山:二直(つまり)
三科:三ゴロ
山本:空振り三振
☆ここは宮本ナイスピッチング!

 

【6回裏:織機0点】
白井:投ゴロ
☆この状況でヒットを期待できる天才打者もこの日は上野に完敗。
桝本:投ゴロ
☆今年代打で打率4割6分を記録した好打者も
狩野:空振り三振
☆代表対決も再び上野に軍配

 

【7回表:ルネサス3点】
☆織機は遊撃に酒井が再出場
岩渕:遊ゴロ失(三遊間より強い当たり)
PH乾:左前打

☆宮本と乾は東海学園大時代のバッテリー。創部2年目の大学2年時に、佐藤理恵や古渡美奈子を擁する東京女子体大を相手に延長タイブレーカーで0-1で敗れるもインカレ準優勝。無名大学で大いに活躍した仲間。ともに中退して実業団に進んだが、乾は周知の通りルネサスに入り幸運にも二度の五輪出場。
宮本はくすぶっていたが今年ようやく開花。
決勝の舞台での対戦、仲の良かった二人が、ボールを通してどんな会話を交わしたのだろうか。
二人の世界に、無粋な推察は止めておこう。

☆でも気になるのでどう感じたのかを本人に訊いてみた。
「なんでヒット打つねん。空気読めよ」
あぁ・・・(笑)

☆乾のヒットで岩渕は三塁へ、送球の間に乾も二塁へ。無死二三塁
☆二塁に代走増田

西舘:空振り三振
大久保:右前2点適時打

☆ここでバッテリー交代、江本&再出場リベラ
PH橋本:中前適時打
☆一塁ランナーに国吉再出場
柳川:一ゴロ併殺打
<今年はチームにとって大誤算だった江本奈穂。ミッシェルなき来年、宮本と共にチームを支えてもらわないと非常に困る>

【7回裏:織機0点】
本田:左飛(岩渕が前進し好捕)
<ノーヒットノーラン達成には必要なプレーだ。フェンスが死角で写真がダメダメ>

PH大内田:空振り三振
小森:一ゴロ
☆最後は今年の織機を引っ張った四番打者。一番いい終わり方ではないか。

 

試合終了!!
ルネサス  0000 403・・・7
織機    0000 000・・・0

<ルネサス高崎、優勝おめでとう!>

そして、偉大すぎる選手、ミッシェル・スミスのソフトボール人生に幕が閉じた。
その最後の試合に、これほどまでの観客を連れてきてくれたのは、紛れもなく上野由岐子だ。
あなたの今年の活躍に、心から感謝したい。
本当にありがとう!

しかし!来年は容赦しないぞ!
ルネサスのリーグ連覇も、全日本総合優勝も、織機が阻止する!
覚えておけ!

今年はこのくらいにしといたるわ。

 

ミッシェルは決勝トーナメントまでの2週間、16年間の思い出が走馬燈のように駆けめぐり、日本リーグを離れるのが寂しくて毎日毎日泣いていたらしい。
その寂しさに浸り、ゆっくりする時間もないまま、翌々日にはソフトボールの五輪復帰運動のため、ヨーロッパに旅立った。

 





偉大なるミッシェル・スミス選手、ありがとう!!

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