【2012年日本リーグデータ~新人投手成績】

【2008年・新人投手成績】
【2009年・新人投手成績】
【2010年・新人投手成績】
【2011年・新人投手成績】



【2012年投手新人賞について】

 まずは過去5年間の新人賞の成績を見てみたい。
 今年はここ数年では最も少ない新人投手のデビュー年で、入った投手がたったの6人。一応全員初登板は果たしたが、最多がルネサスの中野花菜の18回1/3と20回にも満たなかった。
 新人賞はその中野花菜で最多勝もその中野だったが2勝止まり。2008年以降の新人賞を見てみると下記のようになる。

 2008年~山根佐由里(50回、5勝3敗、防御率1.55)
 2009年~該当者なし(新人勝利投手なし)
 2010年~井俣茉莉(27回、3勝0敗、防御率0.51)
 2011年~森真里奈(70回、6勝2敗、防御率1.10、※2年目)
 2012年~中野花菜(18回、2勝0敗、防御率0.38)

 今年新人賞の中野は確かに防御率は素晴らしいが20回に満たない投球回ではやはり比較すると成績的には見劣りしてしまう。それでも賞を獲得できたのは、大鵬薬品戦での5安打完封の印象が強かったのだろう。
 ただせっかく2008年以降は2年目までの投手に資格を広げたのだから、やはり今年は該当者なしでも良かったんじゃないかな、とも思う。もちろんなかなか1年目2年目からすぐに活躍することの少ない最近の状況を鑑み、「できるだけ選ぶ方向で」という思惑があるとしたなら中野の成績でも十分文句はないのだが。


 さて今年の話題に移ると、そのルネサスエレクトロニクス高崎の中野花菜に関してはさすがに中学時代から将来を嘱望された投手なだけあって、大物の片鱗を見せてくれる投球内容だった。
 神戸野田高から入った安福二世の左腕、デンソーの近藤光も3月早々から1年目とは思えない落ち着いた投球内容だった。被打率の低さも新人賞の中野と遜色ないし、適当な荒れ球で死球が多いのも今後さらに伸びそうな予感がする。
 山梨学院大から入った日立ソフトウェアの高橋知子は7回を投げ防御率1.00。今後まだまだ鍛えれば使えそうな投手だっただけに残念だ。
 天理大から入った佐川急便の梶岡祐女也(ゆめか)はシーズン通して機会に恵まれなかったが、2節でなんとか初登板を果たした。3月の熊野オープンでも良い投球していたし、何より左というのは希少価値。名前も希少価値。来年はさらなる飛躍を期待したい。
 シオノギ製薬の村上絵莉愛は13回を投げて0勝3敗だったが、とにかく高卒1年目から3試合も責任投手になっているというのはむしろ期待の裏返しでもあり自信を持っていい。
 豊田自動織機の江里口淳子は環太平洋大を出た後クラブチームの佐川急便九州でプレーし、さらに織機に決まったのもその冬になってからだったのでまるまる1年間のブランク。成績的には最低だったがとにかく今年はブランクを取り戻すための1年だった。来年は自慢のコントロールにさらに磨きをかけて、移籍してきた井俣茉莉や後輩の北岡志帆などには先輩の意地として決して負けないように。

【勝-敗】
2-0 中野花菜(神村学園→ルネサスエレクトロニクス高崎)
1-1 近藤光(神戸野田→デンソー)
0-0 梶岡祐女也(天理→天理大→佐川急便)
0-0 高橋知子(細田学園→山梨学院大→日立ソフトウェア)
0-3 村上絵莉愛(福岡大若葉→シオノギ製薬)
0-0 江里口淳子(佐賀女子→IPU環太平洋大→クラブチーム→豊田自動織機)

【投球回数】
18.3 中野花菜
14.6 近藤光
13.0 村上絵莉愛
7.0 高橋知子
2.0 江里口淳子
1.0 梶岡祐女也

【防御率】
0.00 梶岡祐女也
0.38 中野花菜
1.00 高橋知子
1.91 近藤光
4.31 村上絵莉愛
21.0 江里口淳子

【投球数】
276 村上絵莉愛
247 中野花菜
219 近藤光
119 高橋知子
65 江里口淳子
10 梶岡祐女也

【被打率(対戦打者)】
0.000( 3) 梶岡祐女也
0.172(69) 中野花菜
0.191(62) 近藤光
0.280(31) 高橋知子
0.360(63) 村上絵莉愛
0.667(14) 江里口淳子

【奪三振】
7 中野花菜
4 近藤光
3 村上絵莉愛
2 高橋知子
1 江里口淳子
1 梶岡祐女也

<熊野オープンでの梶岡祐女也(佐川急便)>

<3月早々のオープン戦での近藤光(デンソー)>

<第8節での村上絵莉愛(シオノギ製薬)>

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