【2009年飛躍しそうな選手、飛躍してほしい選手~その1】

2008年に飛躍した選手について書いたので、今度は2009年に飛躍しそうな選手、してほしい選手について書くことにしました。あくまでプレーを見た印象や2008年(まで)の成績を眺めながらの感想で、また来年、オープン戦などを見てリーグ開幕前の予想と期待を書こうと思います。

 

※まずは【ルネサス、織機、ソフトウエア、デンソー】の上位4チームから。

【ルネサス高崎】
“2009年に飛躍しそうな選手”
☆なし(笑)
まあ冗談は抜きにして。
なぜいないか?ほとんどの選手が「既に今現在活躍している」あるいは「過去に実績がある」からである。加えて今は盤石のレギュラー陣、新たに入り込めそうな余地もほとんどないのではないか。
ルネサスの選手は基本的に即戦力として入り1年目から活躍するか、あるいは比較的早めに引退してしまうかという印象がある。山本優や峰幸代だけでなく、中野久美にしろ大久保美沙にしろ、1年目からほとんどの試合に出て結果を残している。「苦労してようやく開花して」という選手がなかなか出てこないのが少しだけ残念だが、それだけシビアなスカウティングの目と日々の厳しい競争に晒されているわけで、常に強豪であり続けている所以はこういうところにもあるのだろう。

そんな実力者揃いのルネサスであるが、この選手はさらに来年結果を残すだろう。

 

“さらに飛躍しそうな選手”
☆西舘果里(外野手・4年目)
2005年入社。1年目から主に代打で15試合に出場しこの年は12打数1安打。2年目も15試合に出たが主に代走。しかし9打数3安打となかなかの打率を残して翌年、再び15試合に出場し15打数5安打と好成績、2年続けて3割を超えた。むかえた今年、おもに代打で18試合に出場し24打数10安打の打率0.417と素晴らしい成績で、とうとう持っていた実力を発揮しだした。
そしてリーグの決勝戦である。対織機戦の5回表、左打席から振り抜いた打球は左翼手の頭上を大きく超える満塁走者一掃のタイムリー三塁打となり、ルネサスの優勝を決定づけるとともに、あのミッシェル・スミス投手をマウンドから引きずり下ろした。
ただ「西舘はすでに活躍している選手」といっても規定打席に到達したことは一度もない。来年はいよいよシーズンを通してその打力を見せつける一年になるのではないだろうか。
とにかく西舘選手には言いたい。あの世界中のソフトボーラーから尊敬されるミッシェル・スミス投手の実質的な現役最後の打者があなたなのだよ、と(その後大久保も打席に入ったが四球だった)。このまま代打専門の打者で終わらず、日本を代表するくらいの打者に育ってもらわねば困るのである。

【豊田自動織機】
“2009年に飛躍しそうな選手”
☆宮本直美(投手、代走・6年目)
昨年までの宮本は、投球回数、投球数ともに最多は入社2年目2004年の「8回と109球(2006年も8回)」だった。毎春オープン戦では期待されながら結果を残せず、昨年はとうとう投球回数2回に投球数71と極端に登板する機会が減ってしまった。
2006、2007年とむしろ代走で出ることの方が多いくらいで、今後どうなることかと心配されたが、今年ようやく投手として開花し始めた。8試合に登板し球数336球、2勝1敗で防御率1.46。その1敗も後半のレオパレス戦のリリーフ登板で延長タイブレイカー10回まで粘った好投であり、あの好投がなかったらその後織機とレオパレスの順位もどうなっていたかわからなかった。ミッシェルが引退し新外国人も未知数。今年のように江本姉がもし不調なら、さらに宮本に大きな期待がかかるだろう。
※今年はガンガンストライクを取って攻めていると思ったがそれは数字も表していた。ここ2年間で投球回数5回以上の投手において、今年の宮本は「与四球率」が0.041(個/回)とトップ。2007年上野(2位で0.043)、2008年の上野(4位で0.078)も上回っていた。
<昨年の決勝戦で四球の小森に代わって代走に出た宮本>

☆千葉逸美(外野手・4年目)
織機のブログでもたびたび紹介されるように、大打者田中幹子に瓜二つの打撃フォームに、身長体重もほとんど同じ。まさに田中二世、田中の後継者、田中の弟子、田中の奴隷(うそ)、田中の呑み友達(ほんと)。
昨年暮れにはソフトボールマガジン紙上で監督直々に「一番成長した選手」として名前を挙げられ調子に乗り、今年は佐賀での第2節で代打ホームランと大いに期待を抱かせたが、それ以降は全くと言っていいほどチャンスが与えられなかった。本田、狩野、田中の外野陣ではなかなか試合にも出られないが、来年くらいから徐々に師匠田中のレギュラーを脅かすくらいの選手になるのではないかと思っている。そうすれば逆に田中も本田も狩野さえも、うかうかしていられなくなるだろう。


“飛躍してほしい選手”
☆菅野愛(二塁手・4年目)
千葉逸美とは高校時代の同級生で、千葉と並んで織機では珍しい東北出身選手の一人。高校に千葉をスカウトのために訪れた当時の織機の監督の目にとまり、一緒に入社することになった(らしい)。
去年は江戸川大会などで計12打席に入ったが、今年は5試合に代走と守備で出たのみ。もともと外野手ながらセカンドも守れる打撃の良い白井沙織が加入したためで、せっかく内藤の怪我で酒井がショートにまわったため空いたセカンドで出るチャンスが消えてしまった。来年内藤が戻ってくるとさらにポジションが厳しくなるが、ここは我慢のしどころ。まだ若いので腐らずに精進して欲しい。
ちなみに先日、織機OGの人と話す機会があったが、「菅野の守備を見るのが好きだ」と意見が一致した。グラブさばきが美しいセンスのある選手なのだ。


☆藤崎絵未莉(三塁手、外野手・3年目)
織機で一番元気で気合い入ってて面白い選手。代走では千葉と並んで真っ先に起用される選手だが、ちょっと腰痛持ちなのが心配。それで打席には2年目に3打席立っただけなのだが、実は藤崎のかっこいい打撃フォームが結構好きだったりする。
今年は後半から外野にコンバートされて基本的にレフトのバックアップに。気合いはもちろん、来年はプレーでもチームを盛り上げてほしい。


☆矢野みなみ(遊撃手・2年目)
2007年ジュニア世界選手権代表の大型ショート。世界大会では9番でバントばっかりやってた印象があるが、ホームランも打てるパワーヒッターである。2007年世代は峰や山本優を筆頭にすでに大活躍しており、さらに伊藤綾香、陰山遥香、山根佐由里のレオパレス勢など将来日本代表の主力になりそうな選手が目白押しで、矢野も負けていられない。
2年間で4試合の3打席だけと、他の選手の実績からは大きく引き離されたが、織機にいる以上なかなかチャンスが巡ってこないのも仕方がない。ただ国体の愛知予選では二日間で3ホームランと打棒爆発。潜在能力の高さを見せつけてくれた。


【日立ソフトウエア】
“2009年に飛躍しそうな選手”
☆なし
理由はルネサスと同じで、くすぶっていた濱本が今年ようやく開花、順調に育ってきた溝江とともに2人が一気に飛躍して、これで全ポジションにがっちりとレギュラー選手が埋まってしまった感がある。怪我人でも出ない限りなかなか新しい選手が入り込める余地がないのではないか。それくらいレギュラーは充実しているように思う。サードのベテラン来條がレギュラーでやれるうちになんとか優勝しておきたいだろう。
来年はより万全な先発メンバーで今年以上に強くなりそうな予感がする。たとえどんな一流外国人投手が他のチームに入ろうと、ソフトウエアが優勝候補の筆頭になるような気がする。
%size(2){が、たぶん来年もまた瀬川がルネサスを完封した後に伊予銀にノーコン連発して負けたりとか、どうせそういう試合を繰り返すんだろうな・・・。まあそれでこそソフトウエアなんだが(笑)

“飛躍して欲しい選手”
☆袴田友美香(外野手・2年目)
1年目は出場試合無しだったが、今年は代打で7試合に出場。初ヒットに初打点も上げた。
高校時代は投手で、これからちょっと時間はかかるかも知れないけど徐々に成長し、いつかは飛躍して欲しい。


☆栗原志帆(内野手・3年目)
1年目からセカンド9試合に出場し、14打数の4安打と新人としては十分な活躍。ただセカンドでは溝江が大きく成長したためにその後はあまり出られず主に代走での出場になった。
日本代表で五輪でも大活躍したルネサスの峰と高校時代の同期でキャプテンをしていたのがこの栗原。いつもユニフォームを泥だらけにしている元気な選手でもある。

 

☆田中亜侑美(一塁手、DP・5年目
1年目10試合、2年目に21試合一塁手として出場し森下からレギュラーを奪ったが、その後奪い返され、3年目以降は代打やDPにまわり5試合4試合と出場試合が減少。ただ今年は主に代打で11試合、15打席に立ち、1安打の打率0.083に終わったがその1安打がリーグでの初本塁打であった。ただ守備も巧いキャプテンの一塁手森下も打率が0.083、もう一度チャレンジしてレギュラー争いしてほしい。
「ソフトウエアはレギュラー陣が盤石」と言ったが唯一の弱点がこの一塁手の打撃。5番を打った森下が1割未満だったのが誤算だった。田中と2人でここさえ埋めれば本当に強いチームになる。
__(訂正!5番を打ったのはライトの杉山で、ファーストを守った森下は2番打者でした。杉山と森下・・・何年経ってもいつも間違えてしまいます。何故か似てるんですよね)__
<写真はホームランを打った田中(左)と迎える栗原>

【デンソー】
“2009年に飛躍しそうな選手”
☆新崎涼子(一塁手・2年目)
名門、厚木商業出身で1年目から12試合に出場12打席の打率0.300、2年目の今年は15試合に出場し23打席、5安打の打率0.250、後半決勝トーナメント進出争いをする大事な場面でバトラーの後の5番スタメンを任されたのは期待と実力の表れか。
名前でわかるように出身は沖縄県(東風平かな?宜野湾だったかな?宜野湾と言えばDENENによく立ち読みに行ったもんだ。それから川平スーパーは弁当買ったら味噌汁くましてくれるからよかったんだけど潰れてしまった。豊年満作にも自転車でよく呑みに行ったが、たまに車でしか行けないような丘の上に店があったりして謎だった。まあソフトボール関係ないが)。で、厚木商業には沖縄の先輩の島袋優美(元ルネサス、レオパレス)や国吉早乃花(ルネサス)と同じくソフトボール留学で、高校時代は5番を打ち選抜大会で優勝した。
ちなみに厚木商の同じ年代の2番に杉山亜理紗(ルネサス)、4番に田中梢子(レオパレス)がいる。また選抜の決勝で対戦した相手の須磨ノ浦には1番打者に社会人で同僚となった狩野香寿美(デンソー)、同じく3番に竹林綾香(デンソー)、4番にはライバルトヨタ自動車の小野真希、5番には太陽誘電に進んだ川原若奈、6番にはレオパレスに進んだ林舞乃と、この決勝戦には期待の若手が目白押しだった。


☆片山由希(投手・2年目)
2007年世界ジュニア選手権代表投手。決勝トーナメント4試合中3試合にリリーフで登板し6回2/3を投げた。
日本リーグでは1年目に4試合8回に投げたが2年目は2回と減少。ただし2年間とも失点はほとんどない。来年は恐らく、もっと登板機会が増えるだろう。


“飛躍して欲しい選手”
☆野木あや(二塁手・2年目)
1年目9試合で5打数1安打、2年目も9試合で6打数0安打。なかなか出るチャンスがないが、’07年世界ジュニア代表として、同期の新崎には負けていられない。

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