【熊野オープン観戦から今年の展望~その3 「Honda」と「レオパ」】

【Honda】
<投手>
ジーナ・オークス庄子の2枚看板に、富山のドクターKKこと金尾と、若手の稲元の4人体制(新人はは未確認)。オープン戦では良い投球が続いていたジーナだが、リーグでどこまでやれるか(昨年は今ひとつだった)。ジーナが投げた試合、特に下位との対戦には是が非でも勝ちたいところだ。
他では庄子もいい投手だが、今年は金尾がやるのではないか(昨年は防御率4.44)。大柄だがもともとコントロールもよく、熊野での織機戦のように思い切ってインコースを突く投球を続ければ意外と良い成績を残すかもしれない。
<今年は活躍しそうな富山のドクターKK(フルグラさん命名)こと金尾和美>


<捕手>
ヘザー・スカグリオネとベテラン中川原の併用か。ヘザーが放ったソフトウェア戦での瀬川からの一発は見事。打つことを考えると外したくないのだが、とにかくヘザーは走者を刺したくて刺したくてどうしようもない悪癖があり、無駄な牽制や無理な送球が目立ちすぎる。欲を出さずに普通に守ってくれさえすればいいのだが。
<瀬川から豪快な一発を放つヘザー・スカグリオネ>


<内野手>
ファーストの田中は身長176cmの大型で4番も任せられる大砲だが、それ以外は他チームと比較すると全体的に小粒な感は否めない。ただセカンドの中村を筆頭に、守りは非常に安定している。今年は中村からショートの村上にキャプテンマークが移った。昨年まではそれほど目立つような選手ではなかった村上だが、10番をつけると自然と一流の選手に見えてくるから不思議だ。サードの原田を加え、この4人はレギュラーとして常時出るだろう。
今年はここに昨年度のインカレを制した東北福祉大のキャプテン、加藤恵里が加わった。熊野オープンでは本職のショートではなく、又吉とともにセカンド中村の控え的な立場でセカンドとして試合に出ていた。さすがに中村の守備を考えるとレギュラーを奪うことは出来ないだろうが、中村の打撃が去年のようだと、加藤の途中出場の機会も増えるだろう。

 

<外野手&DP>
内野同様に小柄な選手が揃うが、しかし打撃に関しては非常に楽しみな選手が多い。レフトの平林は1年目から昨年まで2年連続して活躍し、今年はさらに飛躍が期待できる。上野や瀬川などの超一流投手がどんな好投をしても普通にヒットが期待できるレベルの打者だ。
センターの島崎も成長著しく、小柄ながら気持ちの良いフルスイングで一発放り込む力がある。ライトの志水は熊野ではあまりプレーしてなかったが昨年3割以上でチーム一の高打率を残した選手。この3人が普通に活躍すればHondaも面白い存在になる。
DPにはレフトだった菊池が去年の脱臼の後から今年も任されるだろうが、菊池の状態次第ではここに足の速い大橋やパンチ力のある沢幡などが入ることもあるだろう(どちらも一冬越して力強くなっていた)。
五十嵐芝崎も元気で、とにかくHondaは昨年とほぼ替わらないメンバーでレベルアップした個々の力の総体として一年を戦う。
<センターへ豪快な一発も放り込んだ地元茨城出身で若手の沢幡優佳(だから真岡は栃木だっぺ!(U字工事風に)>


<総括>
上でも述べたがここはメンバーがほとんど替わっておらず、個々の選手のレベルアップとチームワークの良さで1年を戦い抜く。
とにかくHondaの良さは勢いに乗ると強豪相手にもとんでもない大勝をしでかすこと。逆に沈み始めるとシーズン通して低迷し降格ラインを彷徨うことになるのだが、チームのメンバーや力が安定してきた今年は、2007年の7位飛躍以上が期待できるかも知れない。廃部した松下電工のベンチ応援スタイルが生き残る元気いっぱいなチーム。何故か自然と応援したくなるかわいいチームなのである。

<日程の都合からレオパ、誘電と試合せず、大学生と2試合、大鵬と1試合で3勝、A組1位になり決勝でソフトウェアに勝って優勝したが、どことなく申し訳なさそうなキャプテンの村上由里子と副キャプテンの志水麻里。もっと、自信を!笑>


【レオパレス21】
<投手>
とにかく山根が絶好調だ。いや「好調」という現状を表す表現は相応しくないか。すでに実力として一流投手の仲間入りを果たしていると言えそうだ。熊野オープンでも投げまくって4試合ほど完投したのではないだろうか。最後のトヨタ戦はさすがに疲れて7回裏に鈴木美加にスリーランを打たれるなど滅多打ちにあっていたが、あれだけ投げれば仕方がなかろう。とにかく、打者を詰まらせたり泳がせたりする投球術は素晴らしく、すでに確立された実力がそこにはある。
この山根に噂の新外国人投手が加われば、レオパレスは投手に関しては何の不安もないだろう。世界一の変化球投手、メラニー・ローチがいなくなったが、山根の本格的1本立ちを考えると昨年よりむしろ投手力は上がったかも知れない。ちなみに秋元二世の高卒の好投手・松村も投げていたが、さすがにすぐにとは行かず当分は修行の日々だろう。
<もはや日本代表としても恥ずかしくないほどの投手に成長した山根佐由理>


<捕手、DP、一塁手>
ティッカム(捕手、DP)、伊藤(捕手、DP)、井上(DP、一塁)の三人を使い分けるはずだが、井上が残ったおかげでこれらのポジションを守る打者の破壊力が維持されたのが大きい(見た目の破壊力も、抜群、笑)。一塁のバックアップのも打撃に力強さが増してきたので、世代交代を見越して井上の代わりに出る機会も増えるかも知れない。
ちなみに、井上以上の貫禄の新人が入っており、正直ぶったまげた(笑)

 

<二塁手>
このポジションだけは今シーズンを任せられるほどにまだ若手が育っていない。それで藤本に懇願して引退を撤回させたのだろう。その藤本は熊野オープンではほぼ全試合スタメン出場。打順は2番あるいは9番だったが、全くもって目立った活躍はなし。しかしそれでも実際にはバントを確実に決めたり2安打放っていたりと結果は残していた。この仕事人藤本の全く目立たないいぶし銀の活躍こそがレオパレスの強さの象徴。藤本がまた今年も目立たない活躍でレオパレスを上位に導きそうだ。
<引退が心配された井上絵里奈と藤本索子だが、今年も変わらず元気だ>


<三遊間>
さて今年のレオパレスの最大の難問がココ。白井と佐藤という大ベテラン二人が引退し、田中陰山という若手に切り替わった。このベテラン2人、特にサード白井の守備力はリーグでも屈指だっただけに、その穴を埋めるのは容易ではないだろう。
ただ熊野で見た田中が見違えるようだった。自覚が出たか、今年はかなり体も絞れてるし顔つきもしっかりしており雰囲気がまるで変わった。サードを守っていても声がよく出、山根を含めた内野の守りをまとめていこうとする気概が表れている。このサードの田中とショートの陰山がどこまで落ち着いて守れるか、今年のレオパレスの唯一の不安点でもありかつ最大の楽しみでもある。

 

<外野手>
レオパの外野手は文句のつけようがない。センターの河野は日本代表クラスの天才打者だし、ライトの永吉は去年大ブレイクしたしぶとい打者で今年も他チームからは嫌がられる活躍をするだろう。
そんな中で一番の期待と不安がレフトの小野。とにかくこの選手は当たり出したら止まらないし本当によく打つ。小技もできてバッティングにまるで穴がない。守備も抜群に巧い。熊野でもホームランも放っていたし長打力もある。文句のつけようがないのだが、それゆえ高いレベルでの結果を期待してしまう。昨年は前半で本塁打争いをリードしたり誘電戦で逆転サヨナラ打を放つなど活躍したが、後半やや失速、最終的に3割は打ったが本塁打は前半の2本だけに終わった。小野が1年を通じて調子を維持できたらこんなに怖い打者はいない。
<見た目は普通すぎるほど普通だがとんでもない良い打撃をする小野奈津子。熊野でも豪快に放り込んだ>


<総括>
昨年までのレギュラーが残るバッテリー、一二塁手、外野手には何の不安もない。
唯一にして最大の課題は上述した三遊間の守りである。昨年は白井が1、佐藤が4の計5失策。特に白井に関しては数字に表れない大ファインプレーを連発してきた選手で追いつくのは難しいが、この若い田中と蔭山の2人で合わせて年間5失策以内であれば上出来、佐藤の倍の8+2=10以内(ちょっとハードルを下げたw)でも及第点を与えたい。
とにかく、今年のレオパレスはこの三遊間の守備と心中になる。
<今年のレオパレスはこの若い三遊間と心中(左がサードの田中梢子、右がショートの蔭山遥香)>


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