【2017年決勝トーナメント③:トヨタ vs 誘電~藤田の好投で誘電が勝利。トヨタは最終回の追い上げ及ばず】

トヨタ自動車 000 0001…1
太陽誘電   000 101x…2

トヨタ自動車:●モニカ・アボット - 峰幸代
太陽誘電:○藤田倭 - 佐藤みなみ
(本):佐藤みなみ(誘)
(三)
(二)
【テーブルスコア】



【戦評】
トヨタ自動車は最終回の反撃も及ばず1点差負け。2009年にアボットが来日して以降、決勝トーナメントでは常に決勝戦までたどり着いていたが、その記録もついに途絶えた。
正直、今年のトヨタは明らかに弱かった。これは春先からすでに分かっていたことだったが、もしかしたらチームや中西新監督は去年までの強い感覚のまま最後まで試合をしてしまったのかもしれない。
この試合で象徴的なのが3回の攻撃。相手のミスで無死一二塁のチャンスをもらいながら、9番、1番にただ普通に打たせて連続三振。相手は藤田なんだし、タイブレイカーのつもりでとまではいかなくとも、必死に1点を取りに行く姿勢が見られなかったのも、もしかしたら「普通にやってれば勝てる」という慢心かもしれない。同じような場面で誘電は強行して1点を奪ったが、誘電の佐藤、藤田という強打者ならわかるが。
もちろん弱くなったとは言ってもあくまで「去年までの圧倒的に強かったトヨタと比べて」の話ではあるのだが、しかし去年まではアボットが投げなくても打ち勝ってしまう力強さがチーム全体にあったが、今年は「アボットが投げなければ普通のチームじゃないのか?」とか「これでアボットが抜けたら優勝どころか4強も無理だな」と思う機会がしばしばあった。

誘電はこの日も佐藤みなみがレフトへ先制の一発。佐藤はしかし、大事な試合で必ず結果を残すからほんと凄い。
ただ大きかったのは6回の2点目。先頭打者原田のヒットからチャンスを作り、佐藤、藤田の連続外野フライで渋く1点を奪い取った。ただその前の河野のポンと当てた打球がサードの頭を越えるヒットになったのもかなりラッキーだった。
こういうツキがあるということは、今年はいよいよ久々(25年ぶり)の優勝に手が届くか、続く決勝戦を大いに期待したのだが…。


【先攻:トヨタ自動車~先発メンバーと交代選手】
1(3):山下りら
2(5):鈴木鮎美→(打)神山みどり→(再5)鈴木鮎美
3(9):長﨑望未
4(4):坂元令奈
5(6):渥美万奈
6(8):山崎早紀
7(D):山本絵梨菜→(打DP)堤加菜子→(再DP)山本絵梨奈→(走)塚本智名
8(2):峰幸代
9(7):古澤春菜→(打)田中麻美→(再7)古澤春菜
FP(1):モニカ・アボット

 

【後攻:太陽誘電~先発メンバーと交代選手】
1(7):原田のどか
2(8):河野美里
3(2):佐藤みなみ
4(1):藤田倭
5(3):大塚枝里香
6(5):山本晴香
7(6):中溝優生
8(D):尾﨑望未→(打)岡本由香
9(4):丸本里佳
FP(9):石濱真実

 


 

【試合経過】

【1回表:トヨタ自動車~0点】
山下:一前安(人工芝で跳ねる)
鈴木:一犠打
長﨑:二半直

 

【1回裏:太陽誘電~0点】
原田:中飛
河野:空振り三振
佐藤:右飛

 

【2回表:トヨタ自動車~0点】
坂元:三ゴロ
渥美:左飛
山崎:遊ゴロ

 

【2回裏:太陽誘電~0点】
藤田:空振り三振(高め)
大塚:二安(高く跳ねてファーストの頭を越す)
山本:見逃し三振
中溝:死球(初球、肘に)
尾﨑:空振り三振

 

【3回表:トヨタ自動車~0点】
山本:四球(粘り勝ち)
(代走に堤)
峰:三犠打・野選
※サードの山本、二塁送球もタイミング的に無理。かつ握り損ねて送球も逸れる
古澤:空振り三振
山下:空振り三振
鈴木:四球(満塁)
長﨑:左中間直
※レフトの原田が軽く好捕




 

【3回裏:太陽誘電~0点】
丸本:三ゴロ
原田:空振り三振
河野:遊ゴロ


 

 

【4回表:トヨタ自動車~0点】
坂元:一邪飛
渥美:投ゴロ
山崎:四球
堤:一ゴロ

 

【4回裏:太陽誘電~1点】
佐藤:左越え本塁打(弾丸ライナーでレフトポール際へ)
藤田:中前打(クリーンヒット)
(代走に小山)
大塚:遊ゴロ併殺
※ショート右へのゴロ、強い当たりが災い
山本:三ゴロ
(藤田が投手に再出場)



 

【5回表:トヨタ自動車~0点】
峰:左飛
田中(打←古澤):投ゴロ
※追い込まれてからスラップするもただのゴロ
山下:空振り三振
※投球が体に当たり、逃げようとしたようにも見えたが、ハーフスイングを取られる


(代打の田中に代わり古澤が再出場)

【5回裏:太陽誘電~0点】
中溝:空振り三振(ハーフスイング、厳しい判定)
岡本(打←尾﨑):投ゴロ
丸本:空振り三振

 

【6回表:トヨタ自動車~0点】
神山(打←鈴木):遊ゴロ
長﨑:二ゴロ
坂元:四球
渥美:二ゴロ(どんづまり)

(代打の神山に代わり鈴木が再出場)

 

【6回裏:太陽誘電~1点】
原田:左前打(クリーンヒット)
河野:プッシュバント・左前打(フライでサードの頭を越える)
佐藤:中直(良い当たり)
※タッチアップで一三塁
藤田:左犠飛(大きな打球)
※河野もタッチアップで三塁へ
大塚:二ゴロ

 

【7回表:トヨタ自動車~1点】
山崎:三強襲安
※サード山本のグラブを弾き飛ばす
山本(再←堤):中前打
(代走に塚本)
峰:空振り三振(粘ったが)
古澤:左犠飛
※二塁走者もタッチアップで三塁へ
山下:空振り三振
※2球を簡単に見逃してツーストライクと追い込まれた時点で負け




 

【試合終了】

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