【2018年日本リーグ1部第1節大垣大会④:デンソー VS ミナモ ~ ミナモのロバーツ好投も、痛恨のレフトフライ落球に泣く】

デンソー  000 0200…2-5-0
大垣ミナモ 000 0000…0-2-1
※公式記録ではレフトフライ落球を「本塁打」扱いにしているのでデンソーのヒットは6、ミナモのエラーは0

デンソー:○辰巳舞衣、エイミー・クレイガー ー 山澤葵
大垣ミナモ:●エレン・ロバーツ - 平川穂波
(本):(公式記録では川畑瞳がホームランだが、どう見てもレフトの失策)
(三):
(二):

 

【戦評】
 5回表、2死二塁からデンソーの川畑瞳が放った打球はレフト正面へのフライ。これを一瞬頭を越されると思ったかレフトの兼益明日香が左反転でバックしかけてすぐ向き直って捕球体勢に入ったが、左打者の切れる打球に対応できず、下からグラブを出すも打球はグラブを弾いてファールグラウンドに転々。この打球がポール際まで転がる間に、結局打った川畑までもが本塁に生還する痛恨の2点タイムリーエラーとなった。

 さてこのプレー、帰宅してから記録をみて驚愕したのだが、なんと公式記録では「ホームラン扱い」になっているではないか。んなアホな!(笑)

 自分がおかしいのかと思って映像を何度も繰り返してみたが、グラブにも当たっているし太陽が目に入ったわけでもないし、どうひっくり返ってもエラーにしかならないと思う。風も関係ないし、ただ単にレフトが打球の目測を誤っただけ。あんなのをホームランと記録されちゃあピッチャーもやってられん。それに打点やホームランの公式記録、ひいては最終的なタイトル争いにも大いに影響してくるんだからリーグ全体としても由々しき問題。あんな打球を「ホームラン」にするとか、ほんと公式記録をギャグで記録するのは止めて欲しいと心底思う。まさかとは思うが、打者が日本代表の川畑瞳だから記録の上積みさせるために忖度でもしてるのか?そんなわけなはずだが、そうとしか考えられないくらい、意味不明な公式記録だ。

 ソフトボールの公式記録員にありがちだが、出来るだけエラーにしないような傾向が強すぎると常々感じている。たとえば外野にヒットを放った打者走者が一塁に止まりかけたあと、外野手がファンブルしたのを見てその隙に二塁に進んでも、たいていの場合記録は二塁打になっているし、今回のレフトの落球をホームランに記録するとかその最たるもの。ほんとどうにかして欲しい。

 

 それにしてもミナモは恐れていたことが現実になった。
 この日スタメンライトの守備に入ったのは谷口敏子。彼女は2009年に京都西山からレオパレス21に入ったときの登録は確かに「右翼手」だったが、レオパレス1年目は2打席のみで公式戦の守備機会はなし。その後移籍したドリーム☆ワールドの6年間も捕手、一塁手、三塁手での出場はあったが公式戦での外野守備は一度もなかったはず。その谷口をこの日外野守備につかせないといけないくらい、監督もコーチも「他に守らせる選手がいない。外野手の守備が一番のウィークポイント」と思っていた証だろう。実は開幕前にトヨタ自動車との練習試合を浅中公園にまで見に行っていた知人に後日合ったとき、その方が開口一番「ミナモの外野守備が酷すぎて試合にならないから、途中で見るの止めて帰ってきた」と言っていたくらいで(笑)、結局早くもその弱点が露呈してしまった。普通に守れさえしていれば、今日のロバーツなら0対0のまま延長に突入し、大垣開催という地の利と応援の後押しを生かした初勝利も決して夢ではなかったと思う。

 それくらい、今日のミナモのロバーツ投手の投球内容は素晴らしかった。
 打たれたヒットは5本だが、山澤葵のバットの先に当たった当たり損ねのセンター前ヒット以外の4本はすべて内野安打。
 しかも川畑のヒットはショート正面のゴロで、田中のヒットはセカンドゴロだが一塁カバーがおらず、クレッチマンのヒットは当たり損ねの投ゴロ、山根のヒットは野手のお見合い落球、なので、実質被安打は1で、まともなヒットはつまりゼロ本。デンソー相手にこの投球は本物だろうし、これからも楽しみな投手だ。

 しかし返す返すもミナモの外野守備、飛球処理はなんとかならないものか。レフトだけではなく、普通のフライをお見合いしたり落球したりがこの2試合で4つくらいなかったか。あまりにも多すぎる。せっかくコーチに日本リーグトップクラスの外野手だった永吉理恵コーチがいるんだから、なんとか上手に、というかせめて普通には守れるように導いてあげてほしい。兼益なんて絶対に外せない選手なんだから、早急に徹底的に鍛え上げてほしいものだ。伊予銀行のレフトの樋口菜美みたいに、下手だったのが前半戦のうちに突然好守連発する外野手に変身した例もあるからね。

 


【試合詳細】

【デンソー~スタメン】
1(9):釼持祐衣→(打)上田奈々子→(再9)釼持祐衣
2(5):甲野紋加→(打)櫻岡春香→(再5)甲野紋加
3(4):川畑瞳
4(3):田中真紀子
5(8):江口未来子
6(7):ケーリー・クレッチマン→(走)榎本千波→(再7)クレッチマン
7(D):奥田芽衣
8(2):山澤葵→(打)小島あみ→(再2)山澤葵
9(6):山根すずか
FP(1):辰巳舞衣→(1)エイミー・クレイガー

 

【大垣ミナモ~スタメン】
1(D):エヴァ・フォールトマン
2(3):今川瑞希→(打)宮本真緒
3(7):兼益明日香
4(2):平川穂波
5(3):松井陽日
6(8):奥あかね
7(4):溝口香夏子
8(6):和島野乃香
9(9):谷口敏子
FP(1):エレン・ロバーツ

 

【1回表:デンソー~0点】
釼持:見逃し三振(アウトコース)
甲野:一邪飛
川畑:空振り三振

 

【1回裏:大垣ミナモ~0点】
フォールトマン:スラップ・空振り三振
今川:二ゴロ
兼益:二小飛(ツマリ)

 

【2回表:デンソー~0点】
田中:三ゴロ
江口:空振り三振(スラップもアウトコース)
クレッチマン:四球
奥田:空振り三振

 

【2回裏:大垣ミナモ~0点】
平川二遊間・中前打(クリーンヒット)
 ※平川が二盗
松井:空振り三振(3球、バントファール有り、送れず)
:遊直併殺

 

<奥のショートライナーで飛び出してしまった平川。目の前の打球だから走塁ミスだが、前に行きたい気持ちはよく分かる>


【3回表:デンソー~0点】
山澤中前打
山根:一犠打
釼持:二ゴロ(三塁)
甲野:空振り三振(ハーフスイング)

 

【3回裏:大垣ミナモ~0点】
溝口:三ゴロ
和島:遊小飛
谷口:二ゴロ(セカンドの守備位置が良い)

<谷口の打球は投手の足下を抜けセンターに抜けたかと思ったが、、、>


<セカンドの川畑が突如現れ一塁アウトに。さすがの守備力>


【4回表:デンソー~0点】
川畑遊前安
 ※普通に正面のゴロだったが待って捕った分、間に合わなかった
田中バスター・二安
 ※バントの構えからバスター。セカンド正面のゴロも一塁カバーに誰も入れず
江口:空振り三振
クレッチマン:空振り三振(アウトコース高目)
奥田:四球(粘り勝ち)
山澤:空振り三振

 

【4回裏:大垣ミナモ~0点】
フォールトマン:スラップ・三ゴロ
今川:二ゴロ
兼益:二ゴロ

 

【5回表:デンソー~2点】
山根:三ゴロ(初球、止めたバット)
釼持:四球
甲野:一犠打
 ※実は打球が走り出した甲野の体に当たっているが、打球の勢いが変わらなかったため球審が見逃し不正打にはならず。あれは肉眼では難しい判定
川畑:左飛・2点失策
 ※公式記録では何故か「2点ホームラン」
田中:左飛

<正面の平凡なフライだったがレフトの兼益まさかの落球…>

<弾いたコースも悪く、打った川畑まで本塁生還>


【5回裏:大垣ミナモ~0点】
平川:二ゴロ
松井:死球
:一二塁間・ゴロ
 ※ファーストの横を抜けた打球が走者の松井に当たり守備妨害。2死一塁(走者は奥)
溝口:遊ゴロ

 

【6回表:デンソー~0点】
江口:二飛(ツマリ)
クレッチマン投前ボテボテ安
 ※代走に榎本、すぐさま二盗
奥田:中飛
 ※榎本がタッチアップで三塁を狙うも、これは余裕でアウト

<センターの奥、好返球で三塁アウトに。奥は開幕以降、地味に着実に仕事をしている>


【6回裏:大垣ミナモ~0点】
 ※デンソーはこの回から投手にクレイガー

和島:空振り三振
谷口:空振り三振(3球)
フォールトマン:見逃し三振

 

【7回表:デンソー~0点】
 ※デンソーはレフトにクレッチマンが再出場
小島(打←山澤):二飛
山根二後ろ飛安
 ※ミナモ野手陣またもお見合い。なかなかフライが捕れない
上田(打←釼持):空振り三振
櫻岡(打←甲野):空振り三振

 

【7回裏:大垣ミナモ~0点】
 ※デンソーは山澤釼持甲野がそれぞれ再出場

宮本(打←今川):右飛
兼益:空振り三振
平川:遊飛

 

【試合終了】

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