【2018年日本リーグ1部2部入替戦(2試合目):日本精工 VS 伊予銀行 ~ 樋口菜美の2本の天井弾と庄司奈々の完封で伊予銀行が連勝、2019年の1部残留を決める!】

伊予銀行 000 0104…5-9-0
日本精工 000 0000…0-2-0

伊予銀行:●濱地沙歩、藤嶋涼菜、白川果歩、山田連 - 重石華子、馬場未波、重石華子
日本精工:○庄司奈々 - 二宮はな
(本):樋口菜美②(伊、2本とも天井直撃で2本目は満塁弾)
(三):
(二):矢野輝美(伊)

【戦評】
 伊予銀行は、投げては昨日からの連投となったエースの庄司奈々が7回を被安打2で完封、打っては4番の樋口菜美が満塁弾を含む2本の特大弾で快勝。この入替戦を連勝し、2019年度の1部残留を決めた。
 この日は朝9時頃の時点ではポツポツとわずかに雨が落ちる程度で空は明るかったが、予報ではその後雨になることが確実だったために最初から天城ドームを会場に選択。そして予報より少し早かったが、試合開始直後にはドームの屋根を叩く雨音で応援の音がかき消されるほどの本降りとなった。
 もし「天城ドーム+伊予銀行」という式が出題されれば、真っ先に「=樋口菜美の天井ホームラン」という答えが想定されそうだが、それが正解として数学的にも証明されたのがまさにこの日の試合。0-0の4回にその樋口が先頭で打席に立つと、打った瞬間にわかるホームラン性の打球がセンターフェンス上空の天井を直撃。そして7回表には今度は満塁の場面でライト上空の天井を直撃する一発。まさに公式通りの樋口の天井ホームラン連発だった。
 投げる方では伊予銀行は前日延長8回を一人で投げきった庄司奈々がこの試合も先発。山口清楓か内海花菜を先発に立てるかと思ったが、エースの庄司を連投させるとその期待に見事に応え7回を被安打2本のみ。しかも離塁アウトと併殺打があったため、結果的には7回を打者21人で抑えきるという見事なピッチングで1部残留の立役者になった。
 伊予銀行はもちろん、この二人だけではなく、打つ方でも連日の9安打で、内外野の守備陣も良く守って庄司を支え、全員が活躍しての2連勝だった。
 ただ入替戦の最後まで伊予銀行の試合を見られるのはもちろん嬉しいのだが、今年の戦いぶりを見るととても入替戦まで落ちてくるようなチームではなかったはず。来年は早々に残留を決めて、逆に最後まで4強争いに加わって欲しいものだ。

 一方の敗れた日本精工。
 前日は勝利目前まで行きながら延長でサヨナラ負け。この日も結果的には大差がついたが6回終わって0-1と、内容的には十分に胸を張れるものだった。来年こそは2部で優勝し無条件での1部昇格を決めてほしいものだ。それに個人的には、どうせ昇格するなら2019年より五輪のある2020年の方が何かと美味しいとも思う(笑)
 ただこの日も良い試合をしたとはいえ、やはり前日同様に無死からの走者を二度出しながら進められないなど、少ないチャンスを生かせない拙い攻めが続いたのも事実。今回の伊予銀行相手の入替戦での二つの惜敗で、手応えも掴んだだろうが自分たちに全く足りていない部分も十分に理解出来たはず。そこをこのオフの間にしっかりと克服して来年また成長した姿を見せて欲しい。大好きなチームなので、もう一度1部の舞台に上がるまで、今いる選手達には出来るだけ多くチームに残って欲しいと願っている。

<入替戦連勝で1部残留を決めた伊予銀行ナインと応援するファンのみなさん。おめでとう!>



【試合詳細】

【伊予銀行~スタメン】
1(4):正木朝貴
2(9):松成あゆみ
3(D):樋口菜美
4(3):矢野輝美→(走)麻生佳奈代→(再3)矢野輝美
5(6):對馬弥子→(走)甲斐はづき→(再6)對馬弥子
6(7):前川綾菜→(打)片岡あい→(再走/7)前川綾菜
7(2):二宮はな→(打)池田千沙→(再2)二宮はな
8(8):照喜名真季
9(5):金澤美優→(走)吉田愛純→(再5)金澤美優
FP(1):庄司奈々


【日本精工~スタメン】

1(D):江口裕里
2(5):新美天理
3(8):中村白
4(3):安井聖梨奈→(走)西岡彩乃→(再3)安井聖梨奈
5(9):山本悠未
6(4):黒木美佳
7(7):杉山まれい
8(2):重石華子→(2)馬場未波→(再2)重石華子
9(6):松田愛実
FP(1):濱地沙歩→(1)藤嶋涼菜→(1)白川果歩→(1)山田蓮

<日本精工先発の濱地沙歩。1~3回は無失点と見事期待に応えたが…。日本精工は4回頭からスパッと藤嶋に代えていても良かったかも>

<完封勝利の庄司奈々。まさにエースの活躍>



【1回表:伊予銀行~0点】

正木三遊間左前打(クリーンヒット)
松成:一犠打
樋口:四球(右飛の当たりが天井に当たってファールあり)
矢野:三遊間・遊ゴロ三封
 ※ショートの松田がダイビングキャッチのファインプレー!
對馬:空振り三振

<1死一二塁で矢野輝美が三遊間に痛烈な当たり>

<これをショートの松田愛実がダイビングキャッチ>

<起き上がってすぐ三塁送球し封殺。ピンチを救うファインプレー>

 


【1回裏:日本精工~0点】

江口:空振り三振
新美:右飛
中村:左飛

 

【2回表:伊予銀行~0点】
前川:セフティバント・三ゴロ
二宮:遊飛(ツマリ)
照喜名:二ゴロ

【2回裏:日本精工~0点】
安井:見逃し三振(中飛の当たりが天井に当たってファールがあり)
山本:三ゴロ(三塁線の強い打球、金澤が好プレー)
黒木:空振り三振

<山本の打球は三塁線を破りそうだったが>

<バックハンドで巧く捕った金澤が一塁アウトに>

 

【3回表:伊予銀行~0点】
金澤:二直
正木:左飛
松成:二ゴロ

【3回裏:日本精工~0点】
杉山セフティバント・三安
 ※重石の打席でエンドランも空振り三振、しかしこの投球時に杉山が離塁アウトを宣告される
重石:遊直
松田:遊ゴロ

<杉山がセフティバントの時の投球がチェンジアップで、逆に見事に打球が死んでヒットに。日本精工はこれが初ヒット>

 

【4回表:伊予銀行~1点】
樋口中越特大本塁打
 ※センター後方上の天井に当たってバウンドしてフェンス上方のコンクリートを直撃
矢野左中間二塁打
 ※日本精工はバッテリー交代、投手に藤嶋、捕手に馬場
 ※ワンバウンドの暴投を馬場が後逸し矢野は三塁へ
對馬:三ゴロ
前川:一ゴロ
二宮:四球
 ※一塁テンポラリー走者に前川
照喜名:投ゴロ

<出ました、天城名物樋口菜美の天井ホームラン!>

<センター上空の天井の白いネットにバウンドしてフェンス向こうのコンクリートを直撃する文句なしの一発>

 

【4回裏:日本精工~0点】
江口:スラップ遊飛
新美:右飛
中村:右飛

【5回表:伊予銀行~0点】
金澤右前打
正木:三犠打
 ※二塁代走に吉田
松成:左直
樋口:四球(粘って3-2から)
矢野:二ゴロ
 ※金澤がサードで再出場

【5回裏:日本精工~0点】
安井中前打
 ※代走に西岡
山本:二ゴロ併殺(4-4-3)
 ※セカンドの正木が捕球し、エンドランで目の前を走ってきた西岡の背中にタッチし、一塁送球
黒木:空振り三振(3球)

<山本の打球を捕ったセカンドの正木が走ってきた西岡にタッチして一塁送球の併殺打>

<西岡はノータッチをアピール。確かに空タッチにも見えたが、タッチしているようにも見えた。正直あそこは目の前で見ていた審判にアウトと言われたらおしまいか>

【6回表:伊予銀行~0点】
對馬:遊ゴロ
前川:遊ゴロ
二宮:三直

 

【6回裏:日本精工~0点】
杉山:空振り三振
馬場:空振り三振
(打)野木:投ゴロ
 ※ショートに松田が再出場

 

【7回表:伊予銀行~4点】
照喜名中前打(粘って粘って)
金澤:投ゴロ・二進
 ※バントを2球続けてファールで追い込まれるも、上手く緩いゴロを転がす
正木三半直・三安(一二塁に)
 ※サードの新美が左横のハーフライナーをグラブで弾いて拾って投げるも間一髪セーフ
 ※日本精工はバッテリー交替、投手に白川、捕手に再出場の重石
松成中前打(満塁に)
 ※日本精工は投手交替、→山田連
樋口右天井・満塁本塁打
 ※大きな打球がライト上空の鉄筋に当たって落下。審判団の判断は遅れたが認定ホームランに
 ※当たり的には恐らく天井がなくてもフェンスオーバーだっただろう
矢野:四球(3-2)から
 ※代走に麻生
對馬:遊ゴロ二封
(打)片岡右前打(初球をクリーンヒット)
 ※一塁代走に再出場の前川、二塁代走に甲斐
(打)池田:二ゴロ
 ※二宮に1球投げた後、代打に池田
 ※伊予銀行は矢野、對馬、二宮がそれぞれ再出場

<またしても出た樋口の天井弾、今度は満塁で>

<高く上がって当たったのが手前の鉄筋部だったが、まあ飛距離としては十分越えていただろう>

<樋口の打球がホームランと認定されて喜ぶ伊予銀行応援席。これでさすがに勝利を確信した>

 

【7回裏:日本精工~0点】
江口:左邪飛
新美:中飛
中村:二ゴロ

<試合終了。日本精工が一つ勝っていたらもっと盛り上がっただろうが、ただ2試合とも接戦の好ゲームだった。お疲れ様>

 

【試合終了】

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