【2018年日本リーグ決勝トーナメント(1日目第1試合):ビックカメラ VS トヨタ ~ トヨタ自動車見せ場なし。上野にノーノー食らって敗者復活に回る】

ビックカメラ高崎
 100 0000…1-6-0
 000 0000…0-0-0
トヨタ自動車

ビックカメラ高崎:○上野由岐子 - 我妻悠香
トヨタ自動車:●モニカ・アボット - 峰幸代
(本):糟谷舞乃(ビ)
(三)
(二)

<戦評>
 上野由岐子がトヨタ自動車に対し98球を投げ四球二つ8奪三振の被安打ゼロでノーヒットノーランを達成した。良い当たりもほとんど打たれず、併殺と盗塁死があったため、ちょうど打者21人で終えるという完璧な投球で、ビックカメラ高崎がページシステムの1位2位対決に勝利して明日の決勝戦に駒を進めた。

 「どちらのチームの投手も好投して基本はゼロ行進。試合はたまたまホームランが出たチームの勝利。」
 これはこの試合の要約ではなく、実は試合前に数人のファンと会話していた時に出た試合予想。
 果たして、結果は全くの予想通り。1回表に糟谷舞乃のホームランで上げた1点が決勝点になり、1-0で試合が決着した。ただこういう試合の傾向は何も今年に限ったことではなく、ここ数年のこの両チームの対戦で誰もが予想することだろう。

 本音で言わせてもらえるならば、正直、この両者の対戦はどちらが勝とうが、まるで面白くない。
 はっきり言ってやるだけ無駄。もうじゃんけんで決めたらいいのではないか、とすら思う(笑)
 なんでこんなに面白くないのだろうか。

 同じ両者の対戦でも、アボットが来日した当初は、お互いに様々な仕掛けをして、それはそれは面白い対戦だった。結局はそのまま互いに戦力を少しずつ上積みして10年近くが経過し、両チームともに進化を重ね行き着くところまで行ってしまった感がする。

 本質的な問題なのだが、決して「レベルが高いチーム同士の対戦だから面白い」というものではない。そのことをこの対戦が如実に表している。
 中学生や高校生、2部リーグの試合でも、面白い試合はいくらでもある。それなのに、日本リーグのトップの試合が、もはや両者が手の内を知り尽くしてしまったものだから下手に動くに動けず、戦い方も膠着状態で、結局はこういうつまらない試合になってしまうのだろう。

 例えば進化生物学的に言えば、はじめは雄同士が必死になって争って雌を奪い合っていて、その後は勝つためにより大きな体や大きな角を持つように適応的に進化するが、最終的には角の大きさを互いに比較するだけで、戦うことをせずに優劣を決めるようになることが多い。
 この法則はさまざまな分野にも当てはまり、結局「日本のソフトボールリーグ」という一つの世界でも、この両者が進化しすぎたチームであるため、要するに、こういう戦い方をお互いにすることが「勝利確率50%」みたいな最適な解で安定平衡状態になっているのだろう。だから結局は同じ戦い方で同じ結果が繰り返される。互いに余分なことをせずにただ投げて打ってたまたまどちらかにホームラン出る、みたいな戦い方が、勝利確率を高める最適解、いわゆる「進化的に安定な戦略(ESS)」になっているのではないか(まあビックカメラ高崎は比較的いろいろ仕掛けてくるが、トヨタ自動車は全くそれがない)。

 さて、いったい何を言っているのか自分でもわからなくなってきたが(笑)、要するにざっくりひと言でいうと、「この両者の対戦はもうつまらない」ということ(笑)。そのつまらなさを回避するに一番良いのが上野由岐子に引退していなくなってもらうことだが、まあそうすぐには行かないか(笑)

 ただよくよく考えると中西さんがトヨタ自動車監督に就任して以来、これで決勝トーナメントで0勝3敗とまるで結果を残せていない。それに先ほどは「ともに勝利確率50%」と書いたが、ここ1-2年をよくよく見ると、アボットの力的にもそろそろ両チームに戦力差が出てきて安定平衡状態が崩れてきているようにも思える。つまり50-50ではなく、今までと同じような戦い方をしたら47-53くらいでトヨタ自動車が不利ではないだろうか?

 とすれば、その数%分を穴埋めするような思い切った戦い方、意外な戦術が、トヨタには必要になってくるのではないか。
 果たしてその思い切った戦い方を中西監督ができるのかどうか。また同じようにただ「打つだけ、投げるだけ」の試合で挑み、そして結局同じように負けるようなら、中西監督自身の首筋も寒くなってくるはず。
 ここ2年決勝トーナメントで負け続けているトヨタ自動車が、明日の2試合をどう戦うのか。まるで変わらない戦い方で臨んで結果的に勝つのか負けるのか、あるいは戦い方を変えてくるのか。そういう見方をすれば、それはそれで逆に楽しみになってきた。


【ビックカメラ高崎:先発と交代選手】
1(D):森さやか
2(9):糟谷舞乃
3(6):市口侑果
4(5):山本優
5(8):大工谷真波
6(3):内藤実穂
7(2):我妻悠香
8(7):中西舞衣
9(4):藤本麗
FP(1):上野由岐子

【トヨタ自動車:先発と交代選手】
1(7):塚本智名
2(5):鈴木鮎美→(走)堤加菜子→(再5)鈴木鮎美
3(9):長﨑望未
4(8):山崎早紀
5(6):渥美万奈
6(D):アリソン・アギュラー
7(4):坂元令奈
8(3):古澤春菜→(打/3)山下りら
9(2):峰幸代
FP(1):モニカ・アボット

<ノーヒットノーランを達成した上野由岐子>

<応援アンバサダーのアイドル。正直おっさんなんでアイドルの名前とかはなかなか覚えてられないけど、おそらくこの子たちが「絶対直球女子」だったはず>

<そしてこっちが「多分変化球男子」かな。覚える気ないやろオッサン、笑>


【1回表:ビックカメラ高崎~1点】
:空振り三振
糟谷左越え本塁打
市口:一邪直
山本:空振り三振

<ホームランの糟谷舞乃を出迎える、試合に出ずにも日本代表捕手になれる山内早織(嫌みかw)>

 


【1回裏:トヨタ自動車~0点】

塚本:二ゴロ
鈴木:一ゴロ
長﨑:三ゴロ

【2回表:ビックカメラ高崎~0点】
大工谷:捕邪飛
内藤二遊間中前打
我妻:見逃し三振
中西舞衣:空振り三振

【2回裏:トヨタ自動車~0点】
山崎:空振り三振
渥美:四球
アギュラー:二ゴロ併殺打
 ※アギュラー、一塁手前でスピードを緩めて必死に駆け抜けることをせず


【3回表:ビックカメラ高崎~0点】

藤本セフティバント一安(弾んで止まる)
:一ゴロ二進
糟谷三遊間左前打(一三塁)
 ※糟谷が二盗で二三塁に
市口:投直併殺打(1-5)
 ※エンドランをかけるもアボットの正面に

<1死二三塁からエンドランをかけるも投直併殺の不運>


【3回裏:トヨタ自動車~0点】

坂元:一直
古澤:見逃し三振(古澤納得できず)
:空振り三振

 

【4回表:ビックカメラ高崎~0点】
山本:遊飛
大工谷:右飛
内藤二遊間中前打
我妻:空振り三振

【4回裏:トヨタ自動車~0点】
塚本:二ゴロ
鈴木:空振り三振
長﨑:見逃し三振

【5回表:ビックカメラ高崎~0点】
中西:遊飛
藤本:三ゴロ
:遊ゴロ

【5回裏:トヨタ自動車~0点】
山崎:見逃し三振(山崎納得できず)
渥美:二ゴロ
アギュラー:遊ゴロ
 ※アギュラー、一塁手前でスピードを緩めて駆け抜けることをせず

<さすがにここまで広くストライクゾーンにされたらヒットは打てない>

<渥美の打球は惜しかったが間一髪アウトに>

 

【6回表:ビックカメラ高崎~0点】
糟谷:遊邪飛
市口:二ゴロ
山本三遊間左前打
大工谷:中飛

【6回裏:トヨタ自動車~0点】
坂元:中飛(フェンス際まで飛んだが)
 ※唯一の良い当たり
(打)山下:投ゴロ(ボテボテ)
:見逃し三振(峰、納得できず)
 ※代打の山下がそのままファーストに

<今日のトヨタ自動車での唯一の良い当たり>

<峰もこのストライクには納得できず>

 

【7回表:ビックカメラ高崎~0点】
内藤:遊ゴロ
我妻:空振り三振
中西:右邪飛

【7回裏:トヨタ自動車~0点】
塚本:空振り三振
 ※ハーフスイング、振っていなように見えたが、厳しい判定
鈴木:四球
 ※代走に
長﨑:三邪飛
山崎
 ※山崎の時に堤が二盗するも失敗で試合終了。かなり足が早くつき、タッチもしていないように見えたが

<ハーフスイングを厳しく取られて三振。これがセーフならおそらく塚本はヒットを打っていた。あるいはホームンだったかも。それくらい唯一塚本の打席内容は悪くはなかった>


【試合終了】

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です