【2019年日本リーグ1部第3節松山大会③:織機 vs. BIC高崎 ~ 織機は序盤のチャンスを生かせず、必死の防戦も6回にBICに決勝点を奪われる】

豊田自動織機
 000 0000…0-3-0
 000 003x…3-7-0
ビックカメラ高崎

豊田自動織機:●ダラス・エスコベド、海部栞菜 - 永溝早紀
ビックカメラ高崎:中野花菜、○濱村ゆかり - 降矢香、我妻悠香
(本):
(三):
(二):金江爽友(織)、内藤実穂(ビ)
【テーブルスコア】

【戦評】
 ビックカメラは2回裏、2死一塁から内藤実穂が今シーズン初ヒットを右中間へライナーで。ワンバウンドでフェンスに当たる打球で一走から山本優が生還し先制かと思われたが、打球が速すぎてフェンスに当たったあとそのままフェンスを越えるエンタイトル二塁打に。打球が跳ね返ってきていたら1点だったが、結局織機は後続を抑えてこの回幸運な無失点で切り抜けると、3回裏には2死一二塁から4番山本を敬遠する満塁策が功を奏して無失点。4回裏にも無死一塁からバント小フライをファースト洲鎌夏子がダイビングキャッチする好フィールディングの併殺に仕留めて無失点。5回裏には1死二塁から市口侑果の左中間を襲う打球をセンターのK・メリットが好プレーでキャッチすると、その後の返球が乱れる間に二塁走者が三塁を狙って走ってくれたおかげでアウトに出来るというラッキーな併殺で無失点。5回までは常にピンチを背負うも立て続けのラッキーな展開や好プレーで無失点で切り抜ける。ここまで続けば普通は勝てそうなものだが、いかんせん今の織機は打線が全く援護を出来ない。さすがにここまで打てないと、先発のダラス・エスコベドも我慢しきれずにいずれは失点するだろうと予想したが、案の定6回裏に掴まり、リリーフの海部栞菜と合わせて被安打4の2与死球で3失点して試合が決まった。

 ビックカメラはエースの上野を怪我で欠くし、打線も決して本調子ではないので、織機が先に点を取っていれば展開はまるで違ったものになっただろう。
 とにかく織機は1~3回、相手投手が中野花菜の間に点を奪えなかったのが全て。さすがに中野から点が取れないと濱村ゆかりからはもっと厳しい。その中野には初回は3四死球をもらって満塁、2回には先頭の金江爽友が二塁打を放って無死二塁、3回にも先頭の江口未来子がヒットで出塁して無死一塁と、毎回チャンスを作りながらことごとく生かせなかった。前日の伊予銀行戦も、勝つには勝ったが1,2回と満塁のチャンスを2度潰しており、今シーズン序盤の点の取れなさはなかなか重篤な状態。いずれ調子が上がってくるだろうと思ったベテラン陣もなかなか上向かず。ようやく金江爽友が一人前になってきたのが唯一の救いか。最後、代打で出てきた小寺真琴と須藤志歩の若手が気合いの入った良い打席を見せてくれただけに、このままレギュラー陣にふがいない状態が続くようなら、いずれ打線にも大きなメスが入るかも知れない。

 勝ったビックカメラ高崎は上野不在となって初めて迎えた節で、幸運もあったが日立、織機を相手に価値ある2連勝をあげた。
 前日は9番に置いた大工谷真波をこの日は1番に据えて森さやかを外したり、単純に濱村ゆかりを1試合完投させるのではなく間に勝股美咲を挟んだり中野花菜を先発させたりと懸命な選手起用。この岩渕有美監督の選手起用も上手く機能したように思える。

 


【試合詳細】

【豊田自動織機~先発と交替選手】
1(8):カースティ・メリット
2(9):江口未来子
3(5):佐藤光紗
4(3):洲鎌夏子
5(4):中森菜摘
6(D):田井亜加音→(打)中川彩音
7(7):金江爽友
8(2):永溝早紀→(打)小寺真琴
9(6):竹中真海→(打)須藤志歩
FP(1):ダラス・エスコベド→(1)海部栞菜

【ビックカメラ高崎~先発と交替選手】
1(8):大工谷真波
2(6):市口侑果→(打)山内早織→(再6)市口侑果
3(9):糟谷舞乃
4(5):山本優
5(7):北口美海→(7)中西舞衣
6(D):我妻悠香→(2)我妻悠香
7(3):内藤実穂
8(4):藤本麗→(打)森さやか→(再走/4)藤本麗
9(2):降矢香→(OPO)降矢香→(走)川井菜月→(再打)降矢香→(走)宮本実侑
FP(1):中野花菜→(1)濱村ゆかり

 


 

【1回表:豊田自動織機~0点】
メリット:投飛(チェンジアップ)
江口:四球(3-1)
佐藤:遊飛(初球、ツマリ)
 ※江口二盗
洲鎌:四球(3-2)
中森:死球
田井:遊飛(ツマリ)

【1回裏:ビックカメラ高崎~0点】
大工谷:二ゴロ
市口:右邪飛
糟谷:右飛

【2回表:豊田自動織機~0点】
金江左中間二塁打
永溝:一邪飛
 ※バットをポンと出して弱いゴロを打とうとしたがフライに。これを内藤がダイビングキャッチのファインプレー
竹中:左飛(タッチアップで三塁)
メリット:右直(良い当たり)

<前日4打数4安打の金江爽友がこの日の第1打席でも左中間へ二塁打>

<永溝早紀のこの打席が残念(内藤実穂も好捕したが)。送ってくれていたら竹中真海の大きな左飛で1点先制だったのだが…>

<カースティ・メリットの打球も良い当たりで抜けそうだったがライトの糟谷舞乃の守備範囲>


【2回裏:ビックカメラ高崎~0点】

山本:死球(3-0から)
北口:空振り三振(3球、最後はバスターも)
我妻:見逃し三振(2-2)
内藤右中間エンタイトル二塁打
 ※フェンスに当たってそのまま跳ね返ってきていたら一走の山本は本塁生還していたが、ライナーでワンバウンドでフェンスに当たった後に打球がフェンスを越えてしまう
 ※内藤、今シーズン初ヒット
藤本:左直
 ※レフト線への良い当たりだったがレフトの金江がそこに守っていた

<松山空港へ降りる飛行機がライトスタンド向こうを横切る>

【3回表:豊田自動織機~0点】
江口左前打(ゴロで三塁線)
佐藤:三犠打
洲鎌:二飛(ツマリ)
中森:捕邪飛
 ※捕手の降矢がフェンスの向こうにミットを出して好捕

【3回裏:ビックカメラ高崎~0点】
降矢:空振り三振
大工谷:二飛
市口:死球(3-2から)
糟谷:四球(4-0、一二塁に)
山本:故意四球(満塁に)
北口:空振り三振(bsbsS)

【4回表:豊田自動織機~0点】
田井:投半直
金江:左飛
永溝:遊邪飛
 ※ショートの市口が走って走って好捕

【4回裏:ビックカメラ高崎~0点】
我妻左前打
内藤:バント一飛・併殺
 ※ファースト前に上がった小飛球を洲鎌がスライディングキャッチし一塁送球。我妻は二塁ベース上に立ち尽くす
藤本:遊ゴロ(間一髪)

【5回表:豊田自動織機~0点】
竹中:三直弾くゴロ(強い打球)
メリット:見逃し三振(3-2)
江口:一ゴロ

【5回裏:ビックカメラ高崎~0点】
降矢右前打
 ※代走に川井
大工谷:遊ゴロ(三遊間、ショートの竹中が前進して非常に難しいバウンドの打球を処理する隠れたファインプレー)
市口:中直(良い当たり、センターのメリットが好プレー)
 ※メリットからの返球が中途半端でカットの竹中を越えて内野に転がる。これを見て二走の川井がタッチアップで三塁へ
 ※転がってきたボールをサードの佐藤が拾って三塁ベースに飛び込んで川井にタッチしアウトに

<市口侑果の大きな飛球をナイスキャッチしたセンターのK・メリットの適当な返球が大きく逸れる>

<それを見て二走の川井菜月が三塁を狙うも、送球が逸れた場所が織機に幸運。三塁ベースの近くで佐藤光紗が拾ってダイビングタッチアウト>


【6回表:豊田自動織機~0点】

佐藤:二飛(ツマリ)
洲鎌:中直
中森:遊飛(ツマリ)

【6回裏:ビックカメラ高崎~3点】
糟谷一二塁間右前打
山本左前打(一二塁)
中西:バント・三ゴロ三封(サード佐藤がダッシュし振り返って送球)
我妻中前適時打
 ※二遊間強い打球をショートの竹中が必死に追ってグラブに当てて弾き打球を弱めてしまう
 ※そのままセンターに抜けていたら本塁でアウトにも出来たかも知れないが、織機は不運
 ※一三塁後、我妻二盗で二三塁に
内藤左犠飛
 ※二塁テンポラリー走者に内藤
(打)(←藤本):死球(カスリ)
 ※一塁代走に再出場の藤本
 ※織機は投手交代、ダラス→海部
(再打)降矢(←川井):一二塁間右前適時打(なお一三塁に)
 ※代走に宮本
大工谷:死球(満塁に)
(打)山内(←市口):右邪飛
 ※山内に代わり市口がショートに再出場

<我妻悠香のショート左の打球は竹中真海がグラブに当ててしまったせいで弱まりタイムリーに>

<さらに内藤実穂がレフトへ飛距離十分の犠牲フライ。今シーズン初打点>

<さらに降矢香のゴロがギリギリで一二塁間を抜けてこの回3点目>


【7回表:豊田自動織機~0点】

(打)中川(←田井):見逃し三振
金江:二ゴロ
(打)小寺(←永溝):右前打
(打)須藤(←竹中):空振り三振(3-2と粘るも)

<2年目の小寺真琴が2死から代打でライト前にリーグ戦初ヒット>

【試合終了】

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