【日本リーグ2009_2010シーズンの引退・移籍・新加入選手~1部・その3(大鵬薬品・伊予銀行・ルネサス高崎)】

【日本リーグ2009/2010シーズンの引退・移籍・新加入選手~1部・その3(大鵬薬品・伊予銀行・ルネサス高崎)】

 

【大鵬薬品】
退団選手:7人
(6/IF)新井貴恵(1)
(8/OF)田中佑視(6)
(14/P)成田春菜(1、ドリームワールドに移籍)
(20/IF)伊藤沙貴(2、湘南ベルマーレに移籍)
(23/IF)中島あゆみ(1)
(25/IF)辻本明香(7)
(38/IF)仁志桃子(5)

新人選手:6人
(1/P)井俣枝茉莉(修文女子)
(2/OF)鷲野留実(多治見西)
(4/C)伊藤留美子(藤枝順心→甲賀医専)
(6/IF)稲垣ゆみこ(豊橋商→東海学園大)
(7/P)梅津佳奈子(上山明新館)
(15/IF)浜田京香(滑川)
移籍入団選手:1人
(9/2B)酒井かおり(元豊田自動織機)

 

※退団選手
なかなかいろいろ大変だったような大鵬薬品。詳細はわからないがいつも楽しみに見ていたチームブログ「ソフトボールの美女軍団」の去年12月31日の壮絶な最期を見るとその雰囲気だけは十分伝わってくる。
個人的に好きだったかつてのエース小橋葵も含め、一時代を背負ってきた大鵬薬品の主力選手には是非もう一度一部の舞台を踏ませてあげたかっただけになんとも残念ではある。

※新加入選手
そんなわけで主力がごっそりと抜けて緊急事態だった大鵬薬品だが、なんとか同じ人数を新たに獲得して体制は整った。その中で今年何より大きな補強が酒井かおりだろう。2007年優勝した織機の主力メンバーであり、レオパレスと戦った決勝戦での決勝点は、この酒井の2死からの中前打によるものだった。
2部のトーテックから東女体短大へと、変わった経歴を経て織機に入り、守備の名手としてならした酒井も昨年で燃え尽きた気持ちから一度は引退を決意しチームを離れた。しかしその噂を聞いた緊急事態の大鵬薬品からすぐに誘いが入り、まだまだ実力も衰えていない彼女が翻意して現役続行を決めたらしい。もちろんこの過程には織機のスタッフや会社の理解あってのことであろう。
一ファンの気持ちとしても、回り道をして苦労して日本リーグのトップレベルに到達した酒井の早すぎる引退には寂しい思いをしていただけに、大鵬薬品への移籍が決まったときは心から嬉しかったし、今年特に応援していきたいと思っている。
他にも6人の新人を獲得した新生大鵬薬品、全員に期待をしたいわけだが中でも注目は甲賀医専出身の伊藤留美子か。今2年生の三宅と並んで甲賀医専のクリーンアップを打っていた選手で、バッティングの力強さは相当なものがある。1部の投手相手に若さでぶつかって大いに跳ね飛ばされ経験を積んで欲しい。

 

<織機から移籍の酒井かおり。守備は抜群で、打撃もパンチ力がある>


<甲賀医専時代の伊藤留美子。すでに風格が漂う(笑)>

<2部で打率1位、2位の年に引退してしまった田中と辻本>


 

【伊予銀行】
退団選手:3人
(15/C)山本久美子(2)
(18/P)清水美聡(4)
(19/RF)明見茉紀(3)

新人選手:2人
(8/OF)松岡玲佳(須磨ノ浦)
(21/P)西村瑞紀(京都西山)
移籍入団選手:なし

 

※退団選手
オセロの白い方にそっくり過ぎた捕手の山本が2年で引退してしまった。早すぎるように思うが、故障の影響が大きかったらしい。軟投派の左腕で打たれながらも健気に投げ続けていた姿が印象的だった清水も引退した。年齢は違うが園田大出身のバッテリーが引退したことになる。
ただ明見も含めて、引退したのが3人だけというのが意外でもあり朗報でもある。おそらく2部落ちが決まっていたらどうなっていたかわからないが、1部残留が転がり込み再び一部での戦いを考えると、1部経験者ができるだけ多く必要だと判断したのではないか。

※新加入選手
高校生二人とかなり大人しい補強である。即戦力として使えるかもわからないが、常識的に考えると昨年のレギュラーからほとんど変わらない布陣で今年も一年間戦うことになだろう。新鮮味はないが逆に言うと、個々の選手がどれだけ成長しチームがどれだけ成長しているのかを素直に見られるわけで、そういう点では今年の伊予銀も面白そうだ。

 

<園田大の先輩後輩バッテリーだった清水美聡(上)と山本久美子(下)>



 

【ルネサスエレクトロニクス高崎】
退団選手:4人
(6/SS)三科真澄(10)
(10/C)乾絵美(7)
(22/P)佐藤知佳(1)
(27/SS)永溝早紀(1)

新人選手:2人
(4/SS)西川友理(藤村女子→東女体大)
(23/P)大工谷真波(門前)
移籍入団選手:2人
(5/P)メラニー・ローチ(オクラホマ州立大→ミキハウス→レオパレス→佐川急便)
(24/SS)蔭山遥香(三重→レオパレス)

 

※退団選手
現役バリバリの三科の引退には驚いたが、大学の監督になると聞くとそれも適任なのかな、という気もした。とにかくこれほど成功した超一流のスポーツ選手にして、これほど明るくて謙虚で礼儀正しい選手もいない。
性格的には小学校の低学年の先生や、ソフトボールを教えるなら中学生くらいを教えてもとても良い先生になりそうなのだが、まだまだ体が動くうちはトップレベルの大学生を指導するのがいいのかもしれない。
母島で一緒に亀の産卵を見ていて小雨が降り始めるとそっと傘を差してくれた優しさもある三科、球場で厚木商の先輩がいると必ず丁寧に挨拶をする本当に礼儀正しい選手だ(どこぞの選手とは大違いだ(笑))。そんな彼女だがただ一つ言うならば、せっかくルネサスを離れたのだからどうせなら宇津木さんの元も離れて一度自由に活躍して欲しかった。その点だけが残念なのだが、そうやって恩を忘れない律儀さも三科の良さかもしれない。
乾は香川にあるおばちゃんの旅館でお手伝いしているという話が写真付きでソフトボールマガジンで紹介されていた。仲居仕事を10年やってきたみたいにすっかり板についていたのには笑ってしまった。

※新加入選手
ビックリしてアゴが外れそうになったのがローチのルネサス入り。まさかの展開だが、世界一の変化球投手の技術を伝えてもらうために乞われてルネサスに来たのではないかと思っている。昨年終盤のローチを見ていると、どう考えても第一線を退く雰囲気が漂っていたはずだし。
蔭山に関しては正直なんというか…。ルネサスファンとしては「良い補強をしたなぁ」という感じだろうし、他のチームのファンからすると「せっかく三科が引退したのに、要らんことするな!」といったところだろう(笑)
外野手にもの足りなさは感じるが、懸念の遊撃手が埋まっただけでも補強としては上出来だろう。正直、蔭山が来てなかったらいくら上野が万全とは言え少々厳しい今年のルネサスだったはずだ。

 

<この三科真澄の豪快なバッティングはもう見られない>


 

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