【2010年日本リーグ開幕記念特集~開幕節のスタメン予想と各チームについて~2日目 411(Sun) 伊予銀v.s.大鵬薬品】

【第4試合:伊予銀行v.s.大鵬薬品】
~四国のライバルチーム対決~

同じようなチーム力(1部12位と2部1位)で自動降格だけは是が非でも避けたい同じような立場、しかも奇しくも同じ四国同士である伊予銀行と大鵬薬品。この2チームがどこの根性の悪い奴の仕業か開幕節と最終試合で対戦するという胃の痛くなるようなカードが組まれてしまった(ファン的にはもちろん非常に面白いのだが)。伊予銀の大國監督は「残留のためには絶対に6勝が必要」と言い、大鵬薬品の多田監督は「7勝して残留する」と1つ上を互いに新聞紙上で宣言した。そしてともに「開幕試合が何より大事だ」と口を揃える。

2008年まで3年間2部の伊予銀行、方や2009年まで3年間2部にいた大鵬薬品の両監督、対戦相手を考えて「この1試合が何より大事だ」というその重要性は、ある意味1部の監督以上にシビアに感じていることだろう。
昨年までの2部は各チームただ1度キリの対戦でありそこでライバルに負けたらもう1年間取り返せない。去年の開幕戦で靜甲と当たった大鵬薬品は延長で1-0の勝利をあげたが、逆に負けた靜甲はその1敗で1年間が終わったようなものだったのだ。そういう厳しいリーグを経験してきているこの両チームである。組み合わせを見た瞬間から開幕試合にかける意気込みは相当なものであったに違いない。ある意味いきなり両チームの天王山(桶狭間か)でもあるのだ。
そんな監督同士が口にする「6勝」「7勝」の中身を詮索するのが面白い。少なくとも伊予銀の「6勝」には大鵬相手の2勝が、大鵬の「7勝」には伊予銀相手の2勝が計算上入っているはずで、それは互いに言わずもがな、内心バチバチと火花を散らしあっているはずだ。

さてそんな両チームではあるが、ここ数年のリーグでの相性を見ると明らかに大鵬薬品に分がある。

 

【2005年・両チームともに1部】
<前半>
大鵬5x-4伊予銀
※7回表に伊予銀が2点を取って逆転するもその裏に大鵬が2点取り逆転サヨナラ

<後半>
大鵬3-2伊予銀
※大鵬薬品が6回に3点奪って逆転。坂田が負け投手

 

【2007年・両チームともに2部】
大鵬7-0伊予銀
※6回コールド試合

 

【2008年・両チームともに2部】
大鵬6x-5伊予銀
※この試合は大鵬が5度追いつき、6度目にサヨナラ勝ちという近年の2部の伝説的好ゲームなのでスコアを掲載したい。

伊予銀行 100 0010 110 10…5
大鵬薬品 000 0101 110 11x…6

このように、2005年以降4度対戦し、コールド試合1試合に逆転逆転また逆転の試合が3つで大鵬の4勝0敗なのだ。これはもう相性としかいいようがない。
ただしかしその大鵬、これらの試合の勝利投手は全てかつてのエース小橋葵であった。それに1部で対戦した2005年当時の選手は一人も残っておらず、一昨年からも主力ががらりと入れ替わっており、今年もそのジンクスが生きるかどうかはわからない。ましてや負けた方の伊予銀・大國監督がそんな小さいことを気にしているはずがない。そういう相性面からみても、実に興味深い対戦なのだ。

 


 

<スタメン予想とそれぞれのチームについて>

以上、前置きが長すぎた(笑)
では本題に。

<先攻:伊予銀行>
(6)中田麻樹
(7)松岡玲佳
(4)中森菜摘
(2)川野真代
(3)矢野輝美
(D)外山裕美子
(8)重松文
(9)相原冴子
(5)北川まゆ
(1)坂田那己子

昨年までの実績や観戦数は少ないがオープン戦を見た結果ではこんな感じになるのかなと思う。ただ新戦力の実力や怪我の具合がまるでわからないので大きく外しているかもしれない。トヨタカップでは昨年までのレギュラーの古賀郁美と重松文が全く試合に出ていなかった。そこでこれ以上言及しようがないので、少し打順をいじって遊んでみたい。
昨年は後半ずっと帯同して試合を見たのだが、守りは目をつむるとしてもそこそこ打てそうな打者は意外と多い。しかしいかんせん全くと言っていいほど繋がらない。大國監督も今年はかなり打順を動かすと明言しているのでどうなるのか楽しみなのだが、個人的にはこういうのも見たい

(3)矢野輝美
(4)中森菜摘
(6)中田麻樹
(D)外山裕美子
(2)川野真代
(9)相原冴子
(5)古賀郁美(北川まゆ)
(7)松岡玲佳
(8)重松文

2005年に1部で大鵬と対戦した経験もある好打者の矢野を思い切って切り込み体調に持って行く。ただ順番は代わってもいいが少なくとも矢野、中森、中田をくっつけてこの3人の好打者で点を取る打線にする。4番は期待の外山で、その後に川野を置いて〆る。相原には好きなように打たせ、古賀、松岡、重松あたりでなんとか嫌がらせをする。まあこんな打順ただの頭の中の遊びの範疇は出ないが、とにかく何とかして打線を組み替え繋がりを改善して欲しいと思う。

一方の投手陣、健気に投げ続けていた清水美聡が引退し、エースの坂田にかかる負担が増しそうだが、2年目の山田と末次がもともと良い球を投げるし昨年の経験が何より大きい。
それに京都西山から入った新人の西村瑞紀がかなりいいと評判だ。僕もトヨタカップで1度見たのだが、とにかく投球フォームがトヨタの山根そっくりで印象に残った。あれはあきらかにあこがれて真似をしているようにみえるのだがどうだろうか。とにかく投手陣に関しては確実に全体的に成長しているので、昨年のようなことはないと確信している。

<グラブを横にまわす辺りが山根に似てると思うのだが似てないという意見もあり。伊予銀の救世主になれるか新人の西村。そう言えば背番号も21>



<後攻:大鵬薬品>
(5)佐藤光紗
(6)森田まゆ
(7)佐々木瞳
(3)山崎由利
(4)酒井かおり
(9)中山亜希子
(D)伊藤瑠美子(稲垣ゆみこ、鷲野留美)
(2)増井知美
(8) 上釜恵
(1)鈴木碧

打順はおおむねこういう所か。1番の佐藤は昨年2部で打率5割の高打率。2番の森田も実績があり、3番のキャプテン佐々木もあんないちご大福のような可愛らしい顔をしていながら柵越え出来る力もある好打者だ。4番の山崎も力があり、2部で打率1位2位の二人が抜けた穴を感じさせないくらい上位打線には力がある。もちろん1部でそのまま通用するとは思えないが、しかし自信さえ持って臆せず挑めば十分力を発揮できる楽しみな打線だ。
そして何より大きなのが酒井の加入。昨年もソフトウェアの藤原、Hondaのジーナといった好投手から2本ホームランも放っており、強打の織機だったから目立たなかっただけで大鵬では4番を打てる力もある。ジーナから右中間へ叩き込んだ3ランなど特に見事だった。何より強豪織機で不動のレギュラーだった彼女の存在自体が大きい。ちなみに昨年の全日本総合で大鵬が対戦したのが織機。酒井にも長打を打たれてコールド負けしたのだが、まさか翌年同じチームでやるとは思わなかっただろう。
上位打線に比べてやや弱いのが下位。中山、上釜はそれでもそこそこやってくれるだろうが、去年初めてレギュラーをとった増井に新人の伊藤や稲垣は1年間経験の年になる。この4人がなんとかしぶとい打者に成長してくれるのを願っている。

投の方であるがこれはもう鈴木碧と今年1年間は心中だ。2部でも下位チームの三島中央のエースとして活躍し、一昨年のトーナメント式の実業団大会では決勝で伊予銀相手に勝利し優勝させた実力者だったが、リーグでは1部で投げるどころか2部で優勝争いすることも夢のまた夢だったはずだ。それが三島中央病院の廃部を機に大鵬薬品に移籍し、次の1年で大活躍してチームは単独優勝。まさに大車輪の活躍でチームを1部に引き上げた大功労者だ。そんな投手が1部で投げる機会を得て夢を実現させたというだけで、これはもうソフトボールファンみんなが注目してあげて欲しいと強く思う。
そんな力は十分の鈴木だが、やはり2部以上に連戦が続く1部では故障の影響が心配だ。そのためには2番手の小澤がなんとしてでも試合を作る必要がある。どんなに打たれてもいいが、ノーコンで試合が成立しないような状況になると無理にでも鈴木が登板しないといけなくなる悪循環に陥る。鈴木を万全の状態で投げさせるためにも、小澤のノーコン克服や新人の井俣、梅津の成長も大きな課題である。
特に小澤、あんなすごい球投げられるんだからいずれ大成してもらわないと困る。

さて守りであるが、打つ方以上に酒井の加入が大きい。とにかくセカンドの守備が抜群にうまいし、ショートも完璧にこなせる。この1年、投手も他の野手も「打たれた」と思った打球を何度も捕ってくれる酒井の守備に驚愕する日々が続くことになるだろう。むしろ抜けた織機の方が「酒井なら捕れていた」という場面が増えそうで心配だ。ただその酒井の貯金を使い切ってしまいそうで若干心配なのがサードの佐藤。1部でも十分通用する打力は認めるが、僕が見た試合ではかなり頻繁にエラーをしていた。雑にならずになんとか無難にこなし、せめて足を引っ張らない程度になってほしい。

<とうとう1部デビューが訪れた2部ナンバー1投手の鈴木>


<キャプテンの佐々木(上)と移籍してきた酒井(下)が打でも引っ張る>



※この対戦が楽しみで興奮しすぎて書きすぎたので残りの対戦は別記事で。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です