【2010年決勝トーナメントにむけて~その1:織機 vs ソフトウェア】
11月6日(土)
10:30:豊田自動織機 vs 日立ソフトウェア…(1)
13:00:トヨタ自動車 vs ルネサスエレクトロニクス高崎事業所…(2)
11月7日(日)
10:00 (1)の勝者 vs (2)の敗者…(3)
13:00 (2)の勝者 vs (3)の勝者
【ページシステム第1試合、3,4位対決~豊田自動織機 vs 日立ソフトウェア】
~プレーオフのライバルチームが初戦で激突~
開幕戦で激突したライバルチームが決勝トーナメントでも最初にぶつかる。
その開幕戦は途中まで0-0の展開も終盤ソフトウェア打線が爆発し8-0と大勝、逆に後半の戦いでは序盤に点を取り合ったが2-2のまま終盤まで進み、終盤は織機打線が大爆発し13-2と大勝でお返しした。点差は違うが同じような展開で1勝1敗。今回の対決はまさにその決着をつける戦いだ。
ともに打線が自慢で、エースは左右、日本人と外国人の違いはあれど世界レベルの技巧派投手。前後半の戦い方を見ても大差になったのは結局どちらかに転んだだけであってどちらに転んでもおかしくない展開だった。ある意味似たようなチーム同士の戦いともいえるのだ。
思えばこの2チームは毎年のように決勝トーナメントで戦っている印象の強い、プレーオフのライバルチームだ。ただここ何度かは織機がソフトウェアの厚い壁になっており、ソフトウェアとしては常に苦杯をなめさせられ続けてきた。ただその当時の織機は神様ミッシェル・スミスがいたチームであり、いなくなった昨年はソフトウェアが決勝トーナメントに進めなかった。今回の戦いは今までのように常に織機が一段上から見下ろしてきたような両チームの力関係が通用しないであろう最初の激突でもある。
<チーム打撃成績>
日立ソフトウェア(打率0.292、94打点、15本塁打、26二三塁打、86三振)
豊田自動織機(打率0.309、113打点、16本塁打、32二三塁打、72三振)
~日立ソフトウェア~
チャンスには滅法強い山田恵里と馬渕智子に、こういう試合でことに頼りになるベテラン来條美穂がいる強力ソフトウェア打線において、もっとも大きなカギを握ると思われるのが林佑季。もちろんレギュラーシーズンにおいての打点、本塁打数も立派だがいかんせん下位チーム相手に荒稼ぎした感が否めない。ただそんな中でも左腕投手に対する強さは特筆すべきものがあり、織機のエース左腕・バークハートに対しても長打を放つなど相性の良さを見せつけている。ソフトウェアでは数少ない右打者でもあり織機としても一番注意すべき打者だ。
レギュラーシーズンでは西山麗の体調を考え彼女をDPで使い、セカンド栗原志帆、ショート溝江香澄の布陣もあったが、今回はいつも通りの先発だろう。となるとショートは安心だが問題はセカンドの溝江の守備。もちろん日本代表に選ばれるような選手であり決して下手ではないのだが、一昨年の決勝トーナメントでの織機戦で悪送球、今年の後半戦でも勝ち越しに繋がるエラーと大事なところでミスが出ている。とにかく芸術的なまでに相手を打たせてとり手玉に取る藤原麻起子のピッチングをバックアップするためにも、溝江をはじめバックの野手陣が絶対に足を引っ張ってはいけない。
頼りになる投手が藤原しかいない現状での3連勝は正直苦しいが、しっかり守って自慢の打撃陣が爆発を繰り返し勢いがつけば、もちろん優勝できる力も十分ある。
~豊田自動織機~
今年は12チーム1打ちまくった織機打線だが、打者が揃って後半戦に調子を上げてきたのが心強い。とくに前半戦は打率2割台に1打点とさっぱりだった4番のジェニー・トッピングが後半戦は打率5割1分5厘13打点と打ちまくって最終的に打率も4割に乗せた。2番の白井沙織(元レオパレス)、6番の小柳薫(新人)、8番の国吉早乃花(新人、元ルネサス)も好調で、彼女たちの間の1、3、5番に狩野亜由美、古田真輝、松岡恵美という長年織機を支え決勝トーナメントでも結果を残してきた選手たちがいるのがまた頼もしい。
そんな打線の中でも特に期待したいのが7番DPを打つことになるであろう2選手、小森由香と本田小百合だ。今は3番に定着したが古田も加え、この古田、本田、小森という3選手が持っているような“神がかり的勝負強さ”こそが織機の強さの伝統を支え続けてきたものだろう。この3人が結果を残せば、トヨタ悲願の優勝やルネサスの連覇を阻止する役目を織機が担うかも知れない。
投手はやはりエースのバークハート次第だ。外国人左腕だが剛速球で押しまくるのではなく、コントロールがよくカーブやチェンジアップを駆使して相手打者のタイミングをずらして打ち取る投球術は日本の投手にも大いに参考になる素晴らしいものである。守備に大きな不安を抱えており、ルネサスやソフトウェアは執拗にそこを突いてくるが、本人も克服するために毎日必死に練習しており、決して相手の思うどおりにはさせない。またバークハートはルネサス相手に相性の良さを感じているのも強みで、逆にトヨタ相手には栗田美穂や宮本直美が好投しており、さらには江本奈穂も控えている。投手の質量に関しては4チーム中もっとも豊富だ。
3試合を戦える投手力に強力打線を備えている今年の織機。昨年から実力ある3人のベテランが抜けたが、例年通り完成されたチームなのは間違いない。
<日立ソフトウェア>
~予想スタメン~
1(6):西山 麗(打率0.375、9打点、1本塁打、3二三塁打、5三振)
2(4):溝江 香澄(打率0.184、2打点、0本塁打、0二三塁打、12三振)
3(8):山田 恵里(打率0.323、13打点、3本塁打、2二三塁打、10三振)
4(7):馬渕 智子(打率0.403、17打点、3本塁打、5二三塁打、12三振)
5(9):杉山真里奈(打率0.210、9打点、2本塁打、3二三塁打、12三振)
6(5):林 佑季(打率0.353、18打点、6本塁打、4二三塁打、4三振)
7(3):濱本 静代(打率0.268、6打点、0本塁打、2二三塁打、7三振)
8(D):来條 美穂(打率0.333、4打点、0本塁打、1二三塁打、4三振)
9(2):鮫島 憂子(打率0.167、9打点、0本塁打、3二三塁打、7三振)
~その他おもな選手~
控え:眞鍋 幸維(打率0.333、3打点、0本塁打、0二三塁打、3三振)
PH:杉浦 舞(打率0.250、0打点、0本塁打、0二三塁打、0三振)
PH:横沢あゆみ(打率0.400、2打点、0本塁打、1二三塁打、2三振)
PH:袴田友美香(打率0.273、2打点、0本塁打、1二三塁打、5三振)
<豊田自動織機>
~予想スタメン~
1(8):狩野亜由美(打率0.320、6打点、2本塁打、5二三塁打、12三振)
2(7):白井 沙織(打率0.369、11打点、3本塁打、2二三塁打、9三振)
3(5):古田 真輝(打率0.300、11打点、2本塁打、3二三塁打、5三振)
4(2):ジェニー・トッピング(打率0.410、14打点、2本塁打、2二三塁打、9三振)
5(6):松岡 恵美(打率0.273、13打点、3本塁打、0二三塁打、5三振)
6(3):小柳 薫(打率0.302、13打点、1本塁打、7二三塁打、7三振)
7(D):小森 由香(打率0.189、5打点、0本塁打、1二三塁打、4三振)
8(9):国吉早乃花(打率0.339、16打点、1本塁打、5二三塁打、7三振)
9(4):菅野 愛(打率0.161、5打点、0本塁打、2二三塁打、3三振)
~その他おもな選手~
控え:池原 恵(打率0.400、5打点、0本塁打、3二三塁打、2三振)
控え:吉良真利菜(打率0.364、3打点、0本塁打、0二三塁打、2三振)
PH:本田小百合(打率0.313、1打点、0本塁打、0二三塁打、0三振)
PH:横野 涼(打率0.333、3打点、1本塁打、0二三塁打、1三振)
<レギュラー全員が実力もあり名も売れている両チーム。カギを握りそうなのはやはりこの対決か。日本代表投手の藤原麻起子(上、ソフトウェア)に日本一チャンスに強い打者の小森由香(下、織機)。先の但馬大会では小森が藤原から満塁走者一掃の決勝二塁打を放った>